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美麗芸能事務所 ~里香の卒業~

(作者一言)
一話完結の話を一つ挟みます。
アイドルなんて柄にないもの書いちゃった。
描いてる時はまだよかったけど、読み返すと感性が錆びてる
なあって実感しました。(T_T)

**********************

      美麗芸能事務所 ~里香の卒業~

里香はダブルベッドに腰を下ろすと、ごぐ自然にサイドテーブル
に置かれたオンザロックのウイスキーグラスに手を伸ばす。
すると、男がそれを遮って自分がそれを口にする。

今度は封の切られたキャメル(タバコ)へと手が伸びた。

それをくわえデュポンを摺りあげ、立ち上がったオレンジ色の炎
に顔を近づけるが……再び、目の前からその炎が消える。

「やめないか、今夜はまだ仕事が残ってるんだろうが……そんな
タバコ臭い匂いをさせてスタジオに入るつもりか?」

男はその大きな手で女の華奢な手のひらごとデュポンを包み込む。

「桃野里香の仕事は何だ?」
男は里香の後ろからスルリと女の尻を抱き上げて自分の膝の上に
乗せる。

大柄な男と小柄な少女。それはまるで親子のようにも見えた。

「答えなきゃいけない?」

「ああ、もう一度聞いておきたいね」
男は少女の背中から細い顎を握った。

「アイドルよ。純情派アイドル」

「そうだ。覚えてはいたんだな。……だったら、何をして、何を
してはいけないのかも覚えてるだろう」

「…………」
少女は何も話さない代わりに小さく頷く。

「だったら、今日のクイズ番組、なぜ怒られたかわかるだろう?」

少女は再び小さくうなづいく。

「お前と組んだ安藤啓太(大御所俳優)はあの番組が招いた目玉。
いわばお客さんさんだ。それを差し置いてお前が、バンバン正解
してどうなる。お前は、ああした処ではお飾りなんだぞ。大御所
をたてて馬鹿に徹するのるがお前の仕事のはずだ。今さらそんな
こと講釈せんでも、わかってるだろう!?」

「わかってます。でも、あいつ、あんまり何にも知らないから、
馬鹿馬鹿しくなっちゃって……つい」

「何がついだ。そんなことで芸能界が生きられると思ってるのか。
お前はお嬢様ってふれこみで売ってるが、お前の親衛隊だって、
別に利口なお前を見たいわけじゃない。おもちゃとしてのお前が
見たいんだ。そこは勘違いするな!」

「はい」

男は美麗芸能事務所の社長。アイドル桃野里香の育ての親だ。
小6の時、大酒のみの父親を説得して事務所に所属させて以来、
彼が実質的な父親としてアイドル桃野里香を育ててきた。

芸能活動だけではない。勉強も行儀作法もきっちりやらせてた。
むしろ少女にしてみたらアイドルになりたくてこの道に入ったと
いうより、勉強のできる環境を求めて社長についてきた、と言う
べきかもしれない。おかげで、彼女は堀越ではなく都立に通って
いる。レッスンもイベントもコンサートもこなしながらなおかつ
都立に通うというのは至難の業なのだが、少女はそれをこなして
きたいた。

『山の手のお嬢様』をキャッチフレーズに中学二年でデビュー。
以来、仕事と勉強以外では何一つ余裕のない日常だったが、それ
でも、これまでは彼女が社長に対して不満を口にしたことはなか
ったのである。

「このあいだの『アイドル選手権』の時もそうだ……お前は選に
漏れたその瞬間、ふくれっ面したよな。…………あれ、バッチリ
カメラに抜かれてたぞ。……清純可憐なお嬢様で売ってるお前が、
あんな顔をしたら、イメージダウン間違いなしだ。こんなミスは
これまでなかった」

「ごめんなさい、あの時は疲れてたから……」

「そんなの理由になるか、たとえ12時間立ちっ放しでも笑顔を
撒き散らすのがお前たちの仕事だろうが……デビューの時、私と
かわした約束を忘れたのか?…ん?……それとも何か、アイドル
なんか飽きたか?………いずれにしても、それができないなら、
アイドルなんかやめてしまえ」
社長は右手で里香の顎を割れんばかりに握りしめる。

「ごめんなさい、ホントにごめんなさい。今度はミスしないから」

「それも聞き飽きたな。最近のお前は、仕事に身が入ってない。
デビューして4年、お前ももう18歳だからな、アイドルとして
は薹がたち始めている。そろそろ、卒業を考えてもいい時期かも
しれんな」

「卒業?」

「だから、アイドルやめて別の道に進むってことさ。ちょうど、
AVの仕事が来てるから……一度、やってみるか?」

「えっ!」
里香は驚く。そう聞いただけで身体が固まってしまった。

「そう驚くことはないだろう。いきなり役者といっても、どの道
お前にまともな演技なんかできないだろうし……歌手というのも
なあ……」
社長は鼻で笑う。里香の歌唱力を知っているからだ。

社長はさっき里香が悪戯していたタバコをくわえると…… 
「こちらがこり押ししても失敗したら二度目はこない。アイドル
なんて潰しの利かない商売だからな……別の道といって言っても、
道は限られるんだ。簡単じゃないのさ」

「…………」

「何だ浮かない顔だなあ。AV嫌か?清純派アイドルのAV出演
なんて、今じゃそう珍しくもないぞ。何よりお前は、まだ現役の
アイドルなんだし、商品価値は高いってわけだ」

「…………そんな」

「何が『そんな』だ、仕方がないじゃないか……アイドルとして
やっていけないなら………それとも何か、俺の処を出るか?」

「…………」
社長がそう突き放すと里香が困った顔をした。
ここを去りたくないという顔をしたのだ。

そこで社長はもう一押ししてみる。
「そうだ、やっぱりSMがいい。あれなら、演技もくそもない。
お前は、ただされるがままにしてればいいんだから。楽なもんさ」

「………………」
社長は膝に乗せた里香の身体の震えをじかに感じていた。
だから、『可愛いもんだ』と思ったのである。


そんな二人の蜜月を「サー」という金属音が引き裂く。
社長がリモコンを操作し、目の前のカーテンが一気に引かれた音
だった。

里香の前にいきなり眩いばかりの明るい舞台が現れる。
そこは社長の自宅に特設された練習用の舞台だった。

ここでは里香も幾度となくレッスンを受けていたから、本来なら
見慣れた風景のはずだったのだが……

「……(これは)……(いつの間に)……」
里香は声が出ない。

そこは普段とは違いSMのセットが組まれていた。
鞭打ち台や三角木馬の大道具に始まり、浣腸器や室内便器、枝鞭、
バラ鞭、極太蝋燭などの小道具がこれ見よがしに並べられいる。
ふと気づいて天井を見上げると、人を吊り上げる為の滑車までが
掛かっていた。
しかも、そこには仮面を着けた見知らぬ男が……

声には出ないが、里香は逃げ出さなければと思ったのだ。
だから、思わず社長の膝を飛びのこうとしたわけだが……それは
叶わなかった。

幸助社長もそれは承知して身構えていた。

里香が飛びのこうとした瞬間、彼は里香の両腕を握り押さえ込む。
結果、里香は僅かにお尻を浮かしただけだった。

「あっ……いや……」
里香は、幸助の胸倉を右手で押し、大きな太股を両手で押して、
その場から離れようともがいたが、どうにもならない。

そのうち、舞台から下りてきた仮面を被った黒いスーツ姿の男が、
里香をさらっていく。

その時、里香を手放す幸助社長に何のためらいもなかったのは、
彼がこの企画を立案したからに他ならない。

「あっ、だめえ~~~」
里香は、自分をさらおうとする男を前に、一瞬、懇親の力でそれ
を拒絶しようとしたが、カメラが回る時に光る赤いライトが目に
入ると、とたんにその手は力強さを欠くことになる。

『自分は、今、撮られている』
そう思った瞬間、里香は本名の青地里香から桃野里香へと変わる。
屈折した18歳の女子高生から、山の手のお嬢様へと変身する。
男のように仮面をつけていなくてもそれは同じだったのである。

これは理屈ではない。長年アイドルとしてやってきた彼女の習性。
もちろん、これが誰によって仕組まれたどんな企画かなんて事は
関係ない。この先どうなるのかがわからないままでも、カメラが
自分を捕らえれば、もうそれだけで、『この企画を成功させなけ
れば……』という強迫観念が強く彼女の脳裏に浮かぶのだった。

だから、後はこの黒いスーツ姿の男のなすがままだったのである。

「やめてえ~~もうしないで~~~人殺し~~~だめえ~~~」
椅子に腰を下ろした男の膝に乗せられた里香は必死に叫び続ける。
……が、本気になってその男と格闘はしなかった。

「だめえ~~~」
声は一段と大きくなり、スカートがまくられていく。

ショーツも下ろされて……
「いやあん」
甘い声に変わった。

「ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ」
リズミカルに軽快に里香のお尻は赤くなる。

「いや、いや、いやあん」
甘えたような声が稽古場全体に響いた。

もちろん、それで何かが起こるわけではない。
「ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ」
同じ強さ、一定のリズムで少女の尻を叩き続ける男。

痛さに耐えかねて里香が思わず後ろを振り返ると……
仮面のすき間から見える男の顔が僅かに笑ったように見えた。

やがて……
「だめえ、だめえ、もういやあ~~」
里香のお尻が、健康そうな子供のリンゴのほっぺのようになった。

それでも男は叩き続けたが……
「ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ……ピシッ」
このくらいが適当と思ったのか、30回ほど叩いてからその手を
止める。

ただ、それで終わりというわけではなかった。

今度はゴム製のパドルで……

「パ~ン」
「いやあ~もうだめえ~~許して~~壊れる、壊れるから~~」

乾いた音のあと、すぐに里香の悲鳴が続く。

「パ~ン」
「ホントにやめて~~」
「パ~ン」
「いやいやいやいや」
「パ~ン」
「だめえ~~お願~~い」

最初は元気よく叫んでいたが……

「パ~ン」
「痛いよ~~~」
「パ~ン」
「だめだよ~~」
「パ~ン」
「壊れる~」

やがて、声に力がなくなり……

「パ~ン」
「やめろよ~~~」
「パ~ン」
「やめて~~~」
「パ~ン」
「おねがい、やめて~~」

そのうち悲鳴は哀願へと変わっていった。

そして、ついには……
「パ~ン」
「…………」
「パ~ン」
「…………」
「パ~ン」
「…………」
その哀願の声さえ聞こえなくなったのである。

今は、彼の膝でただただ痛みに耐えてじっとしているのが精一杯。
声を上げるのさえおっくうになっていた。

「パ~ン」
「…………」
「パ~ン」
「…………」
「パ~ン」
「…………」

そんな過酷な状況がしばらく続いて、里香の頭は機能を停止して
しまう。思考停止状態。しかし、そんな薄れいく意識の中で……
彼女はある夢を見ていた。

恋愛禁止の掟の中にあって、自分を唯一抱いてくれた男の温もり
が心の中に蘇ってきたのだ。

『そういえば、彼もあの時は私のお尻を叩いた』
里香の脳裏に、彼が自分の処女を奪い去る前にやった愛のスパが
その肉感と共に蘇るのだ。

『幸せだった。……あの時の気持がここにもあるみたい』
こんな苦痛がなぜ心地よいのか分からぬまま、里香は最後の数発
を見知らぬ男の膝でリンクさせる。

『今、彼が私のお尻を叩いてる』
自分の頭にそう信じ込ませることでお尻の痛みを逃がそうとした
のだ。


やがて……
里香はパドルを許され、男の手によってベッドに横たえさせられ
るのだが、そこでは何もしなかった。
社長に愚痴を言うわけでもなし、こんなひどい目にあわせた男に
食って掛かるわけでもなかった。
ただただ、今はそこに身を横たえていたかったのである。

それは里香がこのスパンキング男に疲れて動けないのではない。
むしろ、彼に酔っていたのだ。
『気持いい、こんなことって初めて、あの時はもっと優しかった
けど、彼にこんなことされたら、私、死んじゃうかもしれない』

里香は初めての男との逢瀬に今の現実を重ねて楽しんでいた。

そんな彼女の身体を仮面の男が再び抱きかかえる。
しかし、里香はそれにも抵抗しなかった。

後ろ手に縛られ、空中に吊るされてからですら、どこか夢見心地
だったのである。


里香がやっと危機感を感じたのは、自分を見上げている仮面の男
を見た時だった。

そこには仮面の男だけではない。社長も自分を見上げているないか
……そして何より、自分の真下には鋭角な角の木材が迫っている。

「いや!!」
里香は、不安定に吊り下げられた身体をひねったり、慌てて足を
バタつかせようとしたが、すでに手遅れだった。

「いやあ~~~やめてえ~~~」
里香の陰部が尖った角材の上へと吸い込まれていく。

「いやあ~痛い」
最初の痛みは、局部が着地した痛み。

しかし、そんなものは全体の中ではものの数にもならぬほどささ
やかな痛みでしかなかった。

「いや、やめて、お願い」
下半身を晒したまま三角木馬に乗った里香の哀れっぽい声が響く。

今まさに社長と仮面の男がそれぞれ自分の右足と左足に鉄アレイ
を括り付けようとしているのだ。

「だめえ~~~」
里香は最後の最後まで叫び続けたが、無駄だった。

『痛~~~い』
重しによって、里香の陰部はさらに角材へとめり込む。

それはスパンキングのようにヒリヒリとする痛みではない。脂汗
が滲むような重苦しい痛みが、股の中から子宮、胃、肺、そして
顎の辺りへと競りあがってくるのだ。
ボディーブローの痛みだ。

おまけに、手は後ろ手に縛られ、そこから伸びるロープが天井の
滑車へと繋がっている。胸もいつの間にかブラがはずされてむき
出しに……
とんでもない格好でいたのだ。

『あたし、何してたんだろう、どうして抵抗しなかったんだろう』
里香は今頃になって思ったが、あとの祭りだった。


そんな時、里香の股座が突然……

『えっ!!!!』

驚いた里香が体勢を変えようと重心をほんの少しだけ移動させる
と、もうそれだけで……

「いたあ~~~い」
激痛が走った。

三角木馬は、微動だにしないように跨いでいても脂汗が出るほど
痛い。ただその時は、麻痺させた急所によって激痛は避けられて
いる。それが重心を代えてしまうと、上半身の体重があらためて
麻痺していない急所の一点へのしかかることになり、その瞬間は
悲鳴を上げるほどの激痛が走るのだった。

「(はあ、はあ、はあ、はあ、はぁ、はぁ、はぁ、……………)」
やがて押さえつけた急所が麻痺し始めると、鈍痛を残して激痛は
治まる。激痛は短い間だけだ。

そうやって激痛が治まるにつれ、荒い息も収まるのだが……
そうやって痛みが治まる頃になって、里香は自分の身体の異変に
気づく。
右足の太股を細く血が流れているのだ。

バージンを失った時の血ではない。純粋な擦過傷の血なのだが、
里香にはそう映らなかった。あの時の映像が、生々しく頭の中で
リピートされていく。

「(いやあ~~やめて~~~)」
本当は声に出して叫びたかったが、それができなかった。

流れる血の道を仮面の男がその舌で上に向かって、美香の股座に
向かって舐めているのが見える。

『何て、ことを……』
おぞましい光景。二度とは見たくない光景のはずだ。
仮に相手がどんな人であっても絶叫するような事態のはずだが、
彼女は仮面の男を許してしまう。

官能が、頭の天辺から、手の指先から、足の指先から、子宮へと
一気に集まり、それが今度は頭の天辺へ、手の指先へ、足の指先
へと痺れを持って返る。
身体がこれを何回も繰り返すのだ。

『ああ、私、嫌って言わなきゃ……言わなきゃいけないのに……
言えない。言えないのよ。……だって、やめてほしくないから』
里香は自問自答する。

津波のような官能に何度も洗われた彼女の理性は、身体の麻痺と
一緒に消滅してしまったかにみえたのだが……

『違いないわ。やっぱり彼よ』
恍惚の意識の中で、里香は、今、この太股を舐めているのが誰な
のか、ついに感じ取ってしまったのだった。

「(あ~~こんなことって………恥ずかしい、お義父さん(社長)
が見ているのに……死ぬほど恥ずかしいのに……やめられない。
やめて欲しくない。………ああ、なんて私はだらしがない女なの。
……でも、これって、これって、嬉しいもの……こんな幸せな事、
今まで一度もなかったんだもの)」

里香には、うめき、悲鳴をあげる外への顔のほかに……もう一つ、
内なる心の叫びあったのだ。

最後に、仮面の男によって洗濯ばさみが里香の乳頭を飾る。

「痛あ~~~い」

久しぶりに心の声を上げた里香だったが、その声は悲嘆でも哀願
でもなかった。
後ろ手に縛られた自分が目の前までやってきた彼を抱けないもど
かしさと、彼に抱いて欲しい甘えとがない交ぜになった不思議な
よがり声だったのである。

そんな少女の喘ぎ声を聞いて、社長は小さくため息をついた。
彼にとって女の子は商品。その状態の良し悪しを見極める能力が
なければ芸能社の社長は務まらない。
当然、里香の心のうちもお見通しだったのである。


ひとごこちつくと、社長が口を開く。
いまだ歓喜に頬を赤く染めた里香を見上げながら、彼はこう問い
かけたのだ。

「なあ、美香。よう~く考えて答えるんだぞ」

「は……はい」

「お前、この男が誰だかわかるか?」
社長は、仮面男の二の腕を手荒く掴むと木馬に跨る里香の足元へ
突き出す。

「それは…………」
最初、里香は考えた。

この場でアイドルの掟に背いたことを告白したらどうなるだろう。
ましてや相手は社長の一人息子。ただではすまないかもしれない。

しかし、その瞬間、真治の右手が優しく、馬を跨ぐ里香の右足に
触れと……言葉はなかったが、里香にはそれが『大丈夫だから…』
と、彼が言っているように思えたのである。

だから正直に答えた。
「真治さんです」

里香には確信があった。たとえ顔は隠していても背格好、体形、
髪のくせ、何より自分に触れる時の感触が、あの時自分を愛した
彼だったのである。

その瞬間、真治は仮面を取る。

「まったくもってけしからん奴だ。父親の商品に手をつけるとは
な……」
社長は憮然とした表情を作りかけたが、その顔は途中から笑顔に
変わってしまう。

「ごめんなさい、わたし……」
里香はそれだけ言ってあとの言葉が出てこない。

しかし、それから先の言葉は、実は必要ではなかった。
社長はすでに里香が誰かに抱かれたことを察知していたし、それ
が原因でアイドルの世界から足を洗おうとしていたことも感じて
いたのである。

ただ、つい先日、事もあろうにまだ未成年の息子から里香と結婚
したいと打ち明けられて、これには怒りを抑えられなかった。

彼は、仕事上付き合いのあるヤクザをを使って真治を監禁。親の
権限とばかりに、息子のペニスに特大の灸を据えて脅しをかけた
のだ。
ただ、すでに里香のことしか見えなくなっている息子に、そんな
脅しは効果がなかった。

そこで、こんな趣向を……
父親は、もし、仮面を着け一言もしゃべらないお前を真治さんと
呼んだら二人の仲を許してやると約束したのである。

社長親子が勝手に仕組んだ賭け芝居に勝った里香に、もう余計な
言葉はいらなかった。

木馬を下ろされた里香は、下半身裸のまま社長の前に立つ。
すると、こう尋ねられた。

「お前、真治が好きか?」

「えっ……………………」
里香はしばらく間があって頷く。

「真治も私もサディストだぞ。それでもいいのか?」

「えっ……………………」
これもしばらく間があって頷いた。

「真治はお前と結婚する気だ。だが、お前はどうなんだ。真治と
結婚してもいいのか?」

「それは…………」
言葉に詰まったが、それも結局は、頷いてしまう。

「わかった、なら、アイドルは卒業させてやる。……ただし……
うちの鉄の掟である恋愛禁止の約束を破ったんだからな。そこは
たっぷりお仕置きしないとな」

「オ、シ、オ、キ……」

「そりゃそうだ。だってお前はまだうちの所属タレントなんだぞ。
……さあ、こい」

社長は満面の笑みで里香を膝の上に迎えた。

もちろん、ノーパン。
もちろん、平手。
社長だけじゃない、息子の真治も一緒に里香のお尻を責める。

「ピシャン」
「いやあ~~~」
「ピシャン」
「やめてえ~~」
「ピシャン」
「壊れる~~~」
「壊れない壊れない、大丈夫、大丈夫、ほら、真治。未来の花嫁
の両手を押さえてやれ……」
「ピシャン」
「だめえ~~~死んじゃう」
「死んじゃうくらい今に気持ちよくなるよ」
「嘘よ~~」
「嘘じゃないって、僕が気持ちよくしてあげるから……お父さん
代わって……」
「ピシャン」
「いやあ~~痛い、痛いって~~」
「痛い、痛いも好きのうちって言うだろう」
「言わないわよ~~~」
「ピシャン」
「ああああん、だめえ~~~~」
「ピシャン」
「いやあ~~~ん」

里香のその夜は、結局、仕事もキャンセルして社長親子と三人で
スパンキング大会。
辛く辛く、楽しい宴は夜遅くまで続いたのだった。

*************************

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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