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5)閉じこめ

5)閉じこめ

 押入とか、自分の部屋とか、納屋あるいは蔵なんかに閉じこめ
られることなんですが、家がコンパクトになった今日ではあまり
経験のない人も多いと思います。
 私が子供だった頃は団地のような処に住んでる人の方が少数で
したから、家には比較的余計なスペースがあって子供を閉じこめ
ておく場所にそれほど不自由はしませんでした。
 ですから私と同世代の人は大半がこの経験は持っていると思い
ます。
 もっとも効果のほどがどれほどあったかは疑問でして、幼い頃
なら押入に入れられるだけでも恐怖でしょうが、大きくなると、
むしろ自分の部屋にいる方が心が安らいだりして何とも困りもの
です。(^^ゞ
 ただ、西洋ではスパンキングもそうなんですが、日本より親が
厳しく子供に接するみたいで、この閉じこめも『次のごはんまで』
なんていうような短時間ではなく、一日二日三日はては一週間や
十日なんていうのまであったんだそうです。そのためでしょうか
部屋には室内便器が用意されていて、母親が朝それを掃除に来て
くれるんだそうですが、許してくれるかどうかは、あくまで父親
しだいで、おまけに許してもらうためには目の玉が飛び出るほど
の鞭を覚悟しなければならなかったりして、話を聞いた私は同情
を禁じ得ませんでした。
 そんな怖い話ばかりを散々ステイ先の子に聞かされ、西洋人の
父親ってのはとにかく怖いんだとばかり思っていましたから、彼
と一緒にやったイタズラで鞭をもらうはめになった時は、正直、
おしっこをちびりそうに恐怖したものです。
 でも、実際に受けてみると、それはそれほどではありませんで
した。
 ただ、隣で一緒に受けたその子は天地が裂けんばかりに騒いで
いましたから『あまりにわざとらしい』とその時は思ったのです
が、今にして思うと…『西洋人だってよその子はやはり本気では
叩きにくい』という事でしょうか。それに彼の場合は、私が叩か
れた時よりぐっと幼い頃からやられてるわけで、その逃れがたい
恐怖心というのがあったのかも…あのオーバーアクションも幼児
体験のなせる技なんでしょう。

4)締め出し

4)締め出し

 子供たちへのお仕置きは何も直接身体を痛めるものばかりでは
ありません。例えば、おねしょをした子が自分の粗相した布団を
背負わされて町内を一周させられたりとか、聞き分けのない子が
パンツ一つのいでたちで庭や玄関に放り出されたりなんていうの
は割にどこでも行われていたお仕置きでした。
 小説の世界じゃないので、さすがに真冬はありませんけど、と
いって気候のよい頃ばかりではなかったように思います。やはり
男の子が多いんですが、ならば女の子は皆無かといえば、それも
違っていました。
 このお仕置き、寒さもさることながら恥ずかしさが先に立って
そりゃあ堪えました。
 もちろん恥も外聞もなく家の中に入れてくれるように戸を叩い
て泣き叫ぶ子もたくさんいましたが、ある年齢を超えるとそれも
恥ずかしくて、結局、一時的に近くの物置に身を隠すか、もっと
年齢がいくと、そこの親に見つからないで彼の部屋に上がりこめ
るような友だちを頼ったりしました。
 親の方も鷹揚なもので自分で締めだしておいて二時間ぐらいは
探しもしましせんから、ある時などその友だちの部屋で夜明かし
したこともあったぐらいで、私が現れた時は警察に捜索願を出そ
うかどうか思案しているところでした。
 その時はまだ世の中が平穏で牧歌的、ご近所みんな顔見知りで、
性善説のおつき合い。だいたい児童ポルノなんてのもありません
から、たとえ子どもを裸で放り出しても、そんなに気遣う必要が
なかったんでしょうね。
 繰り返しますが、当時にあってはこれはうちだけのお仕置きで
はありませんでした。

3)お尻叩き

3)お尻叩き

 最近はおしゃれにスパンキングなんて横文字を使う人もいます
が、私の子供時代は尻叩きで充分でした。しかもこれ、突発的な
事態で起こることが多くて西洋のようにお仕置きとして体系的に
位置づけられる家は少なかったようです。
 突発的というのは、例えば沸騰しているやかんに、幼児が手を
近づけようとした瞬間、親が慌ててその子を抱き上げ、その場で
お尻を叩くといったシーン。
 こんな場合です。(-.-;)y-゜゜
 ただ我が家に限って言えばですけど、お尻叩きも立派に体罰と
して位置づけられていました。
 幼い子にはそれほど手荒なこともしませんが、学年が上がるに
したがって平手だけでは足りずスリッパや竹の定規やストラップ
なんて名前の革ひも鞭まで登場します。
 親はどこでこれを覚えてきたのか父親母親ともに鞭の扱いには
なれていました。音を立てたり立てなかったり痛くしたりしなか
ったり、みみず腫れも自在にこしらえます。ですから、ちょっと
見た目は悲惨に見える大きな音をたてつけたみみず腫れも意外に
当人は平気だったり、逆にろくに鞭音もせずみみず腫れもさほど
でもないのに一週間も十日も苦しむことだってあります。
 父親は努めて女の子には避けていましたが男の子には容赦有り
ませんし、母親の方は逆に男兄弟の目を避けて女の子へも頻繁に
やっていたみたいです。
 もっとも、ここに言う女の子というのは歳が二桁に乗った子供
のことで、まだつばなれしていない子は性別は女の子と言っても
扱いは男の子と同じで、居間の真ん中で「パンツを脱げ」という
親の号令がかかればそれに逆らう事なんてできませんでした。
 今の子供たちにはピンとこないでしょうけど、当時の父親とい
うのは群れのボスとして絶大な権力を持っていましたから家族の
誰もがその逆鱗にだけは触れないようにと相当に気を使って生活
していました。

2)お灸

2)お灸

 今はほとんどこれをお仕置きで使う家はないとおもいますが、
私の子供の頃にはまだ比較的ポピュラーなお仕置きの一つでした。
特におねしょなんかする子なんかにはこれが効果があるだって、
まことしやかに巷で言われていましたから犠牲者も多かったよう
に思います。
 でもそれだけじゃなくて、許し難い嘘をついたり手に負えない
ような反抗を繰り返すとよくやられてました。
 物はとっても小さくて、大きめのゴマかせいぜい小指の先ほど
の大きさ位しかないんですが、艾というふわふわの綿ぼこりみた
いなのを背中やお尻に置いて火を付けます。
 まさにかちかち山の狸状態、曲がりなりにも火を付けて皮膚を
焼く訳ですからね、そりゃあ熱いなんてもんじゃなくてとにかく
痛いんです。
 おまけにこれはすえ続けるとそこがケロイド状になって皮膚が
テカテカに光り、傍目にも「お灸すえられたな」ってわかります
から、こればかりは親の方もよほどの事がないと決心しませんで
した。
 もちろん子供だって一度経験すればそんなの充分ですからね、
「そんなことやってると、またお灸だよ」なんて親に言われよう
ものなら次の行動は自然と考えます。抑止力という意味では抜群
の効果を持つお仕置きでした。
 ちなみに我が家でもそれほど頻繁ではないにせよおこなわれて
いました。男の子女の子は関係なく一度は全員が経験しています。
お仕置きとしてですからお尻とか足の指の間とか、とにかく火傷
の痕が目立たない処が多かったようですけど、なかにお臍の下と
いうのもあって、これは「そこにはそのうち下草が生えるから」
という判断だったらしいのですが、姉や弟たちに見られながらで
とても恥ずかしい思いをしたのを覚えています。
 我が家では小学生のお仕置きは公開処刑が原則。「恥ずかしい」
なんて言ってみても「恥ずかしいのもお仕置きのうちよ」と受け
合ってくれませんでした。(^^ゞ

1)浣腸

 1)浣腸
 普通の家庭ではこれはあまりないと思います。今お腹にどの位
たまっているかで効果が異なりますし何より後の処理が大変です
から。(^_^;)
 でも、家ではけっこう頻繁でした。子どもに懺悔させる時は、
決まってコレでしたから。子どもの方も慣れたものです。『この
お仕置きがくるな』って感じとると、隠し持ってったイチジクを
使ってさっさとお腹を空にしておくんです。
 本当はいけないんですけど、背に腹は替えられませんから子供
だって必死です。もし、お腹にたまったまま浣腸されてしまうと
大人たちの前で恥をかくことになりかねません。いくら粗相して
もそれが新たなお仕置きには繋がらないとは言っても子供だって
羞恥心もあればプライドだってありますから。
 でもって自らお腹を下した後はもう必死で子供なりに演技する
わけです。
うんちがしたいって顔を作って、身体を小刻みに震えさせて……
いかにもって感じで哀れっぽい声を上げたりたりしてみせる。
 でも、そこは相手も大人だし親なんだから、それは大半見破ら
れちゃうんだけど、だからといって、新たなお仕置きってことに
なるケースはあまりなかったように思う。
 そのあたりは情の問題だから、何でもあげあし取りでお仕置き
ってことでもありませんでした。ただ、やったことが情状酌量の
余地なしと看做されたり、あまりに頻繁にやったりするとその場
でおマルに跨がされて。
 「あなた、自分でお浣腸したわね」(-.-;)y-゜゜
 ってなことになっちゃう。
 こうなると、次は「お灸」ってケースが多かった。…>_<…
 「生理現象を体罰に使うなんて卑劣だ!」という意見もあるで
しょうけど、家庭の中だけのことだし見られるのは親だけだから
世間の人が想像するよりショックは小さかったように思う。
 今の親子は西欧化した社会の中で育てられるから、家の内外で
あまり差がなくて、親子関係もどっか他人行儀な気がするけど、
私たちの頃はよくも悪しくそれは違ってた。
 親子の関係が密だったから、小学校を卒業する頃になっても、
母親の布団で一緒に寝ていたし、部屋の中でフルチンでいても、
それを恥ずかしいと感じることもなかったんだ。
 私の子供時代、家の玄関を一歩はいるとそこは世間に認められ
た治外法権の世界だった。外の世界とはまったく違った法や文化
や哲学で支配されていたんだ。だから、例え外で嫌なことがあっ
たり虐められて逃げ帰ることになっても家の敷居を一歩踏み越え
さえすればそこで救われたんだ。だからどんなに辛いお仕置きが
あっても家庭が嫌にならない。
 心身ともに裸になれる場所のない今の子は、本当の意味で心が
リセットされてないんだろうね。だから些細なことでも虐待され
たとしか感じられないし、受けた傷は癒されないまま深くなる。
彼らが、自殺をしたり、人をあやめたり、といった方法ででしか
心をリセットできないとしたら…不幸だし可哀想な気がするよ。
 昨今は、「お仕置きのない子育てが理想的で文化的だ」なんて
言う人が多いけど私は反対。子供時代の環境がそうだったから、
そう思うのかもしれないけど考え方が逆ですね。もちろん何でも
ぶてば問題解決ってわけじゃないけど、お仕置きもできないよう
な家庭環境が何より問題なんだと僕は思うよ。
 本当に。φ(.. )

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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