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9/30 御招ばれ(3)

9/30 御招ばれ(3)

*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)

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 <主な登場人物>
 春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
    するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
 林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
    お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
    からは慕われているシスター。
 院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
    このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
    お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
 大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
    医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
    春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
 大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
    だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。

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 二人は車寄せに止めてあった大西先生のベンツに乗り込みます。
事情は他のお友だちも同じでした。春花や美里のように定まった
里親がいない場合でもくじを引いて誰かしらが子供たちを自宅に
招待してくれます。中には、それほど裕福ではない家庭も含まれ
ていましたが、大人たちは自分たちにできる精一杯のもてなしを
してくれましたから、子供の方から招待を断ることはできません
でした。

 二人と大西先生との出会いも最初はクジ引きですからまったく
の偶然だったのですが、二回目からは先生の方からご指名が入り
ます。
 子供たちも先生のお宅が気に入って、その関係が今に続く事に
なるのですが、それは大西先生の暮らしぶりがセレブだったから
ではありませんでした。

 そんな大西先生、たしかにベンツには乗っていましたが、その
愛車はかなりの年代物で、二人が座る後部座席のシートにはすで
に穴があいています。
 二人は、飛び出してきたスプリングでドレスを破かないように
注意しながら座っていなければならなかったのです。

 到着したお宅は古い洋館。決してピカピカの豪邸ではありませ
んでした。
 緑の木々に囲まれた古い洋館はちょっと見は趣のある建物なの
ですが、建てた年代があまりに古すぎて、住むにはちょっと問題
があったのです。

 板張りの廊下は普通に歩くだけでギシギシと音をたてますし、
木枠のガラス窓からは隙間風が入り込みます。本来なら壁に埋め
込まれているはずの電気の線やガス管も、壁や天井をむき出しの
まま這い回っていました。

 でも、そんな事は二人には関係ありませんでした。
 いえ、今となってはむしろこここそが懐かしい我が家といった
感じで廊下を駆け抜けて行くのです。

 「おばさま、お招きありがとうございます」
 「おばさま、お招きありがとうございます」
 居間に通された二人はさっそく先生の奥様にお礼を述べます。
 この挨拶は院長先生に習ったものでしたが、今では「ただいま」
という言葉に聞こえます。

 「あら、いらっしゃい」
 と、おばさんが…
 「いらっしゃいませ」
 と、茜お姉様がご挨拶を返します。

 でも、二人がお上品なのはたったこれだけ……
 そっそく二人のおやつのために用意されていたオレオとココア
をテーブルに見つけると、菓子盆に手を伸ばして……
 「やったあ」
 「わたしも……」
 と、あっさり手づかみして、後はソファーで跳ね回ります。

 すでに自宅気分というか山猿状態なわけですが、先生をはじめ
大西家の人たちがそんな二人を咎めることはありませんでした。

 「今週はどうだったの?孤児院で叱られたりしなかった?」
 二人が落ち着いたところで、おばさまが尋ねます。

 「ん……ない事はないんだけど……もう、いつもの事だから」
 春花が答えると、さらに尋ねてきました。

 「あそこでは、毎日、お仕置きを受けるの?」

 「私が毎日お仕置きされてるわけじゃないけど……孤児院の子
の誰かしらは、毎日お仕置きされてるわ。だって、お仕置き部屋
から悲鳴が聞こえなかった日なんて1日もなかったもの」

 「お仕置き部屋なんてあるんだ。恐いのね。どんな時にそこへ
入れられるのかしら?」

 「どんなって……お友だちと喧嘩したり……入っちゃいけない
芝生に入ったり……授業に遅れたり、消灯時間を過ぎてもおしゃ
べりしてたり……ま、理由は色々」
 春花に続いて美里も……
 「特に、金曜日の夕方は大変なの」

 「どうして?」

 「懺悔聴聞会ってのがあって、子供はみんな司祭様にその週に
犯した罪を懺悔しなければならないのよ。その日のうちならまだ
いいんだけど、二日も三日も前の事なんて、いちいち覚えてられ
ないでしょう。だから、みんな自然と日記をつけるようになって、
それを読み返して、暗記してから司祭様に会うようにしてるの」

 美里の言葉に春花が入り込んだ。
 「そう……もし、その週に犯した罪を全部言えなかったら、お
仕置きが増えるかもしれないんだもの。みんな真剣に覚えるわ」

 「そう、大変ね。司祭様って、日頃からそんなに子供たちの事
を丹念に調べてるんだ」

 「そうじゃなくて、林先生が私たちの罪を全部書いたノートを
司祭様に渡すから、それを見ながら判断なさるのよ。あんちょこ
があるんだもの。こっちはかなわないわ」

 「なるほどね」
 おばさんは笑います。そして……
 「で、罪を告白したら許されるの?」

 「小さい子はね、小学3年生くらいまでは、お膝に抱かれて、
『だめだよ、良い子でいなきゃ』っておっしゃるだけなの」

 「だけど、小学4年生くらいからはお仕置きとして本当にぶた
れることもあるわ」

 「あら大変。それじゃあなたたちは司祭様からぶたれたことが
あるわけ?」

 「もちろん」
 「うん、とっても痛いんだがら……」

 「どんな罰を受けるの?お尻でも叩かれるのかしら?」

 「だいたいお尻叩きだけど、手のひらだったり、太股だったり
することもあるわ。トォーズという革紐の鞭なの」

 「先輩に聞いたんだけど、うちでは小学5年生から中学1年生
位までが一番厳しいんですって……」

 「そうなの?……でも、それじゃ、あなたたち、まさに適齢期
じゃないの。……でも、どうしてその年頃の子が厳しいのかしら
ね」

 おばさまが二人に微笑みながら首を傾け、ココアを入れてくれ
ます。でも、そのおばさまの問いかけに答えたのは春花でも美里
でもありませんでした。

 「昔から、そのくらいの歳が女の子の躾どころって言われてる
んだ。体力的にも男勝りになるからね。ほおっておくと男を馬鹿
にして結婚したがらなくなると言われてるんだ。ま、職業婦人に
させるつもりなら別なんだろうけど、たいていの親は娘の結婚式
を楽しみにしているからね。その時期は特に注意して娘を厳しく
育てるんだ」

 大西先生は、うがい手水に身を清め普段着に着替えると、居間
へと戻ってきたのでした。

 「この子たちはそれがちょうど始まった時期、うちの茜はその
クライマックスというわけさ。あそこは孤児院と言っても躾けに
手を抜かないからね。どの子を選んで連れてきてもこちらが困る
ことがないんだ」

 ここで、それまで沈黙を守っていた茜さんが口を開きます。
 「じゃあ、この子たちも、うちと同じお仕置きを受けることが
あるんですか?」

 「あるんじゃないかな、聞いてご覧」
 先生は茜さんに言いましたが、茜さんは真っ赤な顔をしてただ
俯いてしまいます。
 それはとても恥ずかしくて訊けないということのようでした。

 その代わりを先生が務めます。
 「二人は、お尻叩きの他にどんなお仕置きをされたことがある
のかな?」

 「えっ、お仕置きで……」
 二人も答えにくそうにはしていましたが、茜さんと比べはまだ
幼いので正直に答えます。

 「何でもあるよ。……嘘をついたら、お口に石鹸を入れられて
ゲーゲーいいながらお口の中を洗わされるし、お腹の中も洗わな
きゃいけないって言われて浣腸だってされるもの」

 「そう、もの凄く嫌な罰なの」

 「あと、テストのカンニングがばれて、中庭の貼り付け台で、
二時間も立たされてた子がいたわ」

 「そう、そう、敬子の事でしょう。パンツ一つでね。もの凄く
可哀想だったもん」

 二人がお互いの顔を見合わせて盛り上がるなか、先生は新たに
質問します。
 「君達の処はお灸のお仕置きもあるんだって?」

 「うん、あるよ。お勉強しない子が受けるの?」

 「林先生ってね、そういう時はいつも『私はあなた方に難しい
ことは求めていませんよ。真面目にやれば、みんなできることを
ちゃんとやりなさいって言ってるだけです。それができないのは
あなた方がやらないからでしょう』って……」

 「そう、いつも言われてるの。怠けてる子は最初は鞭だけど、
そのうち院長先生のお部屋に呼ばれて、お尻にお灸を据えられる
のよ。私はやられたことがないけど、もの凄~く熱いんだって」

 二人の答えに、なぜかおばさまが茜ちゃんに向かって……
 「そうだそうよ、茜」
 と言って微笑むのでした。

 「鞭は、たしか革のスリッパだったよね」
 先生が確かめると……

 「私たちはまだそうだけど、6年生からはみんなに見られない
処ではヘアブラシで、見られる処では革のパドルなんだって……
聞いただけでゾッとするわ」

 「中学生になるとお仕置きはケインなの。あれはもの凄く痛い
って先輩の子が言ってたわ……」

 「それじゃあ、公開のお尻叩きもあるんだね」

 「もちろん、たくさんあるわよ。特に日曜礼拝の後は……必ず
誰か舞台の上に呼ばれるもん。見せしめなの」

 「君たちはやられたことあるの?」

 「ないよ」
 「私もない……」

 「そういうのはたいてい中学生のお姉さんなの。鞭打ち台の上
で両方の足を大きく広げさせられるの。おかげで嫌なのが見えち
ゃうけど、目を背けると叱られるから、仕方く見てるんだけど…
…お尻が紫色になってとっても気持わるいんだから……」

 「私も、あれ、見たくない」

 春花が時に力説し、美里がそれに合いの手をいれますが、二人
の少女のお仕置き話はつきそうにありませんでした。
 でも、それを聞かされていた茜ちゃんが、実は何より辛い立場
なのでした。

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9/28 御招ばれ(2)

9/28 御招ばれ(2)

*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)

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 <主な登場人物>
 春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
    するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。

 林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
    お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
    からは慕われているシスター。

 院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
    このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
    お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。

 大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
    医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
    春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。

 大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
    だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。


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 二人は、大人たちがいなくなったピロティで再びおしゃべりを
始めます。

 最初は膝まづいたまま小声で……

 「びっくりしたあ」
 「びっくりなんてもんじゃないわよ。心臓が止まるんじゃない
かと思ったわ」
 「林先生、今日が御招ばれの日だって知っててこんな事させた
のかなあ」
 「さあね、でも、もしそうだったら相当な悪魔ね」
 「悪魔?それはちょっと可哀想よ」
 「どうしてよ。私たち、危うく死ぬまでずっとみんなに言われ
そうな大恥かくところだったのよ」
 春花の声が高い天井から跳ね返って戻ってきます。

 御招ばれの日というのは、その名の通り、孤児たちが一般家庭
に御招ばれする日のことで、月に一度、土曜日の午後出掛けて、
日曜日の午後学園に帰るスケジュールでした。

 招待するのは日頃から聖園学園を援助している後援会の人たち。
 もちろん、いずれも身元の確かな人たちでした。

 二人は同じ姿勢に疲れたのでしょう。春花が足を崩してあぐら
座りをすると、美里もすぐにマネをします。

 そうやって楽な姿勢になると、二人の会話は段々と声が大きく
なっていきます。
 でも、本人たちはそのことに気づいていないようでした。

 「だいたい、林先生って、結婚したことあるの?」
 「さあ、分からないわ。でも、普段は「私は神様と結婚したの」
なんて言ってるじゃない」
 「そんなの嘘よ。嘘に決まってるわ。きっと、男に捨てられた
のよ。だいたい見たこともない神様とどうやって結婚するのさ」
 「それは……」
 「あの曲がった性格は、誰からも相手にされなくて、仕方なく
修道院に来たよ。やけっぱちなのよ。決まってるわ」

 と、その時でした。

 「誰がやけっぱちなの?」
 二人の頭のはるか高いところから林先生の顔が現れます。

 二人は慌てて壁の方を向いて膝まづきますが、当然のことなが
ら手遅れでした。

 「おあいにくね、私は、男性に捨てられたからでも相手にされ
なかったからでもないの。純粋に神様のもとで暮らしたいから、
ここへ来たのよ。それ以外にシスターになった理由なんてないわ。
あなたたちも、そんな他人の心配してるより、まずは自分たちの
心配をした方がいいんじゃないかしら」

 林先生の忠告に二人は期せずして唾を飲み込みました。

 「あなたたち、このままじゃ、夜の鞭のあとは這ってベッドに
戻ることになるわよ」

 厳しい鞭打ちを暗示する言葉。実際、そんな子の噂はあちこち
で耳にしますから……

 「(ヤバイなあ)」
 「(嫌だなあ)」
 林先生の言葉は二人の背筋を一瞬にして凍らせるのでした。

 ところが……
 「と、言いたいところだけど、今日は御招ばれの日ですからね。
特別に許してあげます。ただし、これに味をしめて、また同じ事
を繰り返すようなら、お招ばれは中止して、お仕置きに切り替え
ますからね。そこいらは、よ~~~く、覚えておきなさいね」

 林先生はこう言って二人を解放してくれたのでした。

 「やったあ~」
 「ラッキー」
 二人は小躍りして食堂ホールへ向かいます。

 もうその時は、『また同じ事をやったらお仕置き』なんていう
林先生の言葉はすっかり忘れていたみたいでした。


 食堂にはさっき危うくお尻を見られそうになった大人たちの他
にもたくさんの紳士淑女たちがにこやかに語らっていました。
 彼らはこの週末ここの孤児たちを自宅に泊めるボランティアを
していたのです。

そして、そのお招ばれに出かける子どもたちもまた、普段より
ちょっぴりおめかしをしてすでにスタンバイしています。

 まだ経験の少ない下級生は、日頃面倒をみてくれるシスターが
一緒に着いていってお泊りさせますが、慣れてる上級生や中学生
はすでに品定め、お金持ちで、ハンサムなおじさんのいる家庭で
週末を過ごしたいと夢を膨らませていたのでした。

 実際、ボランティアの人たちは孤児を自宅に招くと精一杯歓待
してくれますから、日頃孤児院では出ないような料理を食べられ
るだけでも孤児たちにはメリットがある催しだったのです。

 特に、春花と美里の場合は……

 「先生、遅れてごめんね」
 美里が、静かに座っている大西先生の首っ玉に、いきなりしが
み付けば……
 「先生、夕食は何出してくれるの?私、今夜はビーフシチュー
がいいなあ」
 春花は、ちゃっかりそのお膝に腰を下ろすと、今夜の夕食まで
オーダーしています。

 二人にとってこの紳士はすでに他人ではありませんでした。
 五月の連休に初めて出会ったカップルでしたが、以降は月一回
この催しが開かれるたびに大西先生が必ずこの二人を指名します
から、二人も大西先生と急速に親しくなっていきます。

 この夏休みには、十日間のお泊まりまで経験していましたから、
今ではまるで家族のようにじゃれあう関係になっていたのでした。

 ただ、この日の大西先生は一つの重大な判断をしてここに来て
いました。
 ですからその事を率直に二人に告げます。

 「実はね、君たち二人を私の養女に迎えたいと思っているんだ」

 「養女?」
 「私たち、先生の娘になるの?」

 「そうだ」

 「私たち、先生をお父さんって呼ぶんだよね」
 「おばさんがお母さんで…茜さんはお姉さん?」

 「そんなになるのは嫌かい?」

 「それは……」
 美里は口ごもりましたが……
 「大丈夫だよ、私は……おじさん優しいもの」
 春花は即答します。

 「ただ、今、決めなくていいんだ。……実を言うとね。今日、
私の家に二人を行っていったら、君たち二人が『養女なんて嫌だ』
って言いだすんじゃないかと思って心配してるんだよ」

 「どうして?……私、おじさん好きだよ」
 「私だって、おじさん好きだよ。おばさんも、茜ちゃんも……」

 「ありがとう、春花ちゃん、美里ちゃん。だけどね、今までの
お泊りは、君たちはお客さんだったんだ。お客さんには良い思い
で帰って欲しいだろう。だから、みんな優しく接してきたけど、
もし、君たちが僕の家族になったら、優しい事ばかりじゃなくて、
厳しいことだって起こるんだ」

 「どういうこと?」
 美里は首を傾げましたが、春花にはその意味がすぐに理解でき
たみたいでした。

 「お仕置きね」

 「えっ!」
 美里は慌てて春花の顔を見ます。
 だって、これまでそんな事一度もなかったことだからでした。
自分たちがぶたれたことはもちろん、茜さんがお仕置きされてる
ところも見たことがありませんでした。

 でも、大西先生は、『もし養女になったらそれもあるんだよ』
と警告したのです。

 「茜の奴、今日、ちょっとしくじりをしてね。お仕置きをする
予定でいるんだ。今までだったら、そんなこと君たちがいる間は
避けてたんだけど、今回はそれを見てもらおうと思ってるんだ。
当然、気持の良いものじゃないよ。でも、もし私の娘になったら、
嫌でもそうしたことは出てくるからね。普段通りの生活をやって
みて、それでも、私の処へ来たいなら、喜んで受け入れるけど、
もし、それを見て、こんな処は嫌だと思ったら私の娘になる話は
断ってもいいんだ」

 「…………」
 美里はいきなりの重い決断に口を開きませんでしたが……
 「それって……もし、私たちが養女になったら、やっぱり、茜
さんと同じお仕置きを受けるってことですよね」
 春花の方がむしろ冷静でした。

 「そういうことだ。だから、おじさんとの関係も今日で終わっ
てしまうかもしれないけど、あとで『こんなはずじゃなかった』
って言われたくないからね。あえて、正直に本当の処を君たちに
見てもらおうと思うんだ。……どうだい?……着いて来るかい?」

 こんな事をわざわざ宣言されてしまうと、二人ともまだ子ども
ですから、そりゃあ怖気づいてしまいますが、そこへ、林先生が
やってきました。

 「どうしたの?良いお話よ。あなたたちはまだ子供で知らない
でしょうけど、先生はこのあたりでは有名な学者さんなの。実直
で信頼も厚い町の紳士なのよ。実直な方だからこそ、本当だった
らしなくてもお仕置きの話までなさって、あなたたちを迎えよう
としてるんでしょう。そんな人に、『養女に…』って誘われたら、
断る手はないわね」

 林先生にそう言われると二人の心は動きます。
 実際、お仕置きは大人の専権事項。養子に迎える子どもにわざ
わざ断りを言う大人なんて他にいませんでした。

 「……はい」
 春花は少し唇を噛んでいつも通り大西先生のお家へ行く返事を
します。
 「……私も……」
 美里も答えます。こちらの乗り気はいま一つでしたが、ここで
春花と別れて週末を独り寮で暮らしたくないという思いが強くて、
この日は渋々OKしたのでした。


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9/26 御招ばれ(1)

9/26 御招ばれ(1)

 *)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)


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 <主な登場人物>
 春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
    するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
 林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
    お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
    からは慕われているシスター。
 院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
    このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
    お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
 大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
    医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
    春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
 大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
    だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。

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 聖園学園は孤児達の施設。ここに預けられた子たちは、ここで
寝起きをして同じ敷地内にある学校に通って、そしてまた戻って
来ます。つまり、普段の孤児たちはこの孤児院を一歩も出ること
なく暮らしていました。
 ですから……

 「退屈よね」
 「やることないもんねえ」
 ということになります。

 春花と美里はともに11歳。とっても仲の良いお友だちです。
そして、何よりちょっぴりお転婆で、ちょっぴり悪戯好きの少女
たちでした。
 今日も、最初のうちは自分たちの部屋がある二階の手すりから
一階のピロティをただぼんやり眺めていましたが……

 「ねえ、1階、誰もいないみたいよ」
 春花が言えば……
 「じゃあ、やる?」
 美里が答えます。

 「よし」
 二人は躊躇なく一階と二階を繋ぐ緩やかにうねった螺旋階段の
手すりへとやってきます。

 そして、何のためらいもなく、自分たちの身の丈より高いその
手すりへよじ登ると、そこには、ちょうど彼女たちの可愛いお尻
だけを受け入れる木製滑り台が一基、一階へと降りています。

 「ヤッホー」
 「行け、行け」

 春花が先頭、美里が続きます。
 一階の広いピロティを目指して出発です。

 しだいにスピードが上がり、カーブのたびに身体が振られます。
スリル満点のジェットコースター。パンツに摩擦熱が伝わって、
それも心地よいことでした。

 「やったあ!」
 「大成功」
 二人がそう言って声を上げた直後です。

 滑り台も最後の短い直線。あとは華麗にジャンプして着地する
だけ、という処まで来て……

 「ヤバっ……」
 春花の目の前に誰かが立ちふさがったのでした。

 「え~~~」
 後ろの美里もすぐにその異変に気づきます。

 「はい、ここまでよ」
 その人は、せっかく楽しんでいた二人の滑り台をここで止めて
しまいます。

 「降りなさい。何度も言ってるでしょう。もし、落ちたらどう
するの。下の床は大理石、大怪我だわ」

 その人は林先生と言って子供たちが住む寮の舎監の先生でした。
普段は優しい先生なんですが、それはあくまで規則を守る子だけ。
規則を破る子には、逆に容赦がありませんでした。

 というわけで、先生は二人を大階段に並べて立たせると……
 「スカートをあげて」
 と命令します。

 本当は二人とも「そんなの嫌です」って言いたいところですが、
ここでそんな駄々をこねると、次は、鞭、浣腸、お灸…お仕置き
はどんどんエスカレートしますから従わざるを得ませんでした。

 すると、目の前に現れた白いショーツを、先生は当然とばかり
に脱がします。そして……
 「二人とも反省の壁の前へ行って膝まづきなさい」

 反省の壁というのはマリア様の像が高い場所に飾られている壁
のこと。二人はマリア様が見下ろすその場所に行って、壁の方を
向き膝まづかなければなりません。
 でも、こんなこと、この学園ではよくあることでした。

 そして……
 「二人ともスカートを上げなさい。もし、私が見に来たときに
お尻が隠れていたら、次は寝る前に鞭を与えます。お尻がシーツ
に摺れて痛い思いをしたくなかったら、真面目に罰を受けない」

 「………」
 「………」

 「いいですね」
 二人が黙っているので林先生の声が大きくなります。

 「はい」
 「はい」
 蚊の泣くような声。林先生はそんな二人の心細い声を聞くと、
その場を離れたのでした。


 二人は、背後に林先生がいなくなったことをおっかなびっくり
後ろを振り向いて確認すると、またおしゃべりを始めます。

 「あ~~あ、今日は調子よかったから、最後のジャンプは3m
くらい飛べた気がするんだけどなあ」
 「3mって?」
 「だからさあ、床にあるモザイクの聖人の頭くらいまでよ」
 「無理よ無理、そんなに遠くまで飛べないわよ」
 「そんなのやってみなきゃわからないでしょう。今度は、蝋を
塗ってみようと思うの。絶対、もっとスピードが出るはずだわ」
 「そんなことして、また林先生に見つかったらどうするのよ。
この間の典子みたいに中庭に素っ裸で立たされるわよ」
 「大丈夫よ、ばれないようにするもの」

 二人はその時までお互いスカートの裾を捲り上げて話していま
した。もし、ふいに林先生が現れてもいいようにです。
 ところが、ここで、玄関先から男の人たちの声がします。

 「……(えっ!)」
 「……(うそ!)」
 二人は言葉にこそ出しませんが、心の中は緊張します。
 むしろ言葉に出せないほど緊張していたと言うべきかもしれま
せん。

 実は、女子修道院といっても100%男子禁制ではありません。
ミサには司祭様がおいでになりますし、あの忌まわしい金曜日の
懺悔聴聞だって取り仕切るのはいつも男性の聖職者です。

 でも、これらは聖職者であり顔見知りの人たちですから、まだ
よかったのです。でも、今聞こえているのはそれらの人たちとは
明らかに違う声。聞き覚えのない男性の声がいきなり外から聞こ
えてきたのでした。

 「これは凄い、ステンドグラスの天窓が見事だ」
 「全体ロココ調ですね。その時代の創建でしょうかね」
 「祖父の住まいをそのまま残して孤児たちの寄宿舎にしており
ます」
 「ほう、ここが孤児の寮ですか。驚いたなあ、やはり伯爵とも
なるとスケールがでかい」
 「へえ~そうでしたか。道理で立派な建物だと思いましたよ。
でも、氏素性の知れない孤児にはもったいないんじゃないですか」
 「いえ、いえ、これも神の思し召しです。孤児といえど神から
使わされた大切な子どもたち、粗末に扱う理由にはなりません」
 「(ハハハ)いや、これは失礼。お立場も考えず……どうやら
私は徳が足りんようですな」
 「そんなことはございませんわ。でも、こうした恵まれない子
たちの面倒を一晩でもみていただけるなら、それは神様に多くの
徳を積むことになりましてよ」

 大勢の見知らぬ紳士たちを引き連れて院長先生が玄関を入って
きます。

 「(ヤバイ)」
 「(ヤバイ)」
 すると、とっさに二人とも持ち上げていたスカートの裾を下ろ
しました。

 林先生から何を言われたか、忘れたわけではないでしょうが、
女の子ですから、これはもう生理的にやむを得ないことでした。

 その集団は壁を向って膝まづく二人の少女たちに気づいていま
したが、紳士のたしなみとして見てみぬ振りをして通り過ぎよう
とします。
 ただ、その時の話題はというと、やはりそのことでした。

 「最近は男女同権とやらで、娘が増長て困りものです。何か、
妻に任せず何か新しいお仕置きを考えないと……」
 「同感、同感、うちにも娘がいますが、ちょっと甘い顔をする
と、すぐにつけあがりましてな。困ったものです。」
 「うちはここと同じですよ。二階へ行く階段の踊り場で、こう
やって膝まづかせるんです。……そうか、うちはもっと凄いな。
パンツを剥いでスカートを上げさせますから」
 「そりゃあ凄い。家庭ならではですかな?」
 「当たり前じゃないですか。よそ様の処でそんなことしません
よ。家にかえってから、たっぷりオシオキです」
 「おおお、こりゃあ厳しい。(ハハハハハハ)」

 紳士の集団は高笑いを残して奥へと去って行きましたが、二人
は生きた心地がしませんでした。
 と同時に、二人は林先生の言葉をすっかり忘れてしまっていた
のでした。

*************************** 

9/25 娘みたいな人

9/25 娘みたいな人

*)エッセイ?

 私の母はご近所で『娘さんみたいな人』と呼ばれていた。

 私はこれを最初に聞いた時、『そうか、うちのお母さんって、
よその人から見ると若く見えるんだ』なんて、勝手に思い込んで
いたのだが、事実はそうではなかった。

 『娘みたい』とは、『主婦でありながら、娘根性が抜けきらず
いつもちゃらちゃらとしていて、ろくに主婦の仕事もできない女』
というあざけりだったのだ。
 だから、それを言った瞬間、おばさんが僕を見つけて決まり悪
そうに微笑んでいたのを覚えてる。

 実際、彼女、世間からそう言われても仕方のない人だった。
 料理はできない。裁縫はできない。掃除はしない。それでいて
何かにつけて見栄だけは張りたがるから、調理器具やミシンなん
て、自分では使わないけど、ちゃんとそれなりに飾ってあった。
 (もちろん飾るだけ)

 その見栄の最たるものが被服費。自分や子供たちが着る洋服代
には湯水のようにお金をつぎ込んでいた。

 実は彼女、某有名子供服メーカーP社のデザイナーと親しくて、
子どもの着る服は、普段着にいたるまでデザイン画を自分で描き、
このように服をこしらえてほしいとその人に頼んでいたのだ。

 要するに一点もの。当然、値は張るけどおかまいなしだった。

 おかげで、うちのタンスはそうした一点物の服で溢れかえり、
ファション雑誌に自分が送ったデザイン画とよく似た服が載ろう
ものなら……
 「ねえねえ、これ、私の作品よ。彼女、盗作したのよ」
 なんて能天気なことを言ったりするのである。

 都会の真ん中ならいざ知らず、片田舎でそんなもの着ていても
誰も振り向きはしないと思うのだが、娘心は違うようだった。

 むしろ、僕なんか友だちと違う格好させられたおかげで、よく
からかわれていたから、そんな特別な格好をさせられるのが嫌で
嫌で仕方がなかった。

 田舎の少年の普段着は、汚れたシャツに股上の短い半ズボン、
それに野球帽をかぶっていれば、それで十分だったのである。

 前に、父の道楽を書いたが、これは母の道楽だった。

 ただ、逆の見方をすれば、それだけ母が自分の力で稼いでいた
とも言える訳で、ご飯炊きのおばあちゃんと子守のお姉ちゃんを
雇うお金は彼女のノルマ。それをクリアーして、なお余った分が、
家族の洋服代に消えていったのである。

 偉いと言えば言えなくもないんだろうけど、享楽的なお母さん
のおかげで、我が家には貯金というものがまったくなかった。
 こういったことも、彼女が主婦でないといわれるゆえんなのだ。

 ただ、お母さんだって、スーパーマンじゃない。病気する時も
あった。ヒモみたいに生活するお父さんは働くお母さんの前では
まったく頭が上がらない存在だったけど、そんな時は自分で貯め
たへそくりでおぎなってたんだ。
 (世間の夫婦とは逆だね。きっと)

 これは今にして思うことなんだけど、お母さんってのは早くに
亡くなったお父さん(僕から見ればおじいちゃん)にお父さんを
重ねてみてたんじゃないだろうか。

 だから、結婚しても『主婦』という感じじゃなくて、『親子』
(父と娘)みたいに振舞っていたんじゃないか。そんな気もして
るんだ。

 いずれにしても、割れ鍋に綴じ蓋って感じの夫婦だった。

 じゃあ、この娘、自分の子どもたちに対してはどうだったかと
いうと……
 これが結構スパルタで、頭は小突くわ、ほっぺは抓るわ。竹の
物差しで太股は叩くわで……これがない日は一日もなかった。

 ただ、この程度は、彼女にとってお仕置きの範疇ではない。

 彼女がイメージするお仕置きとは、大きな艾でお灸をすえたり、
女の子でもかまわず素っ裸で庭に放り出したり、土間に正座させ
ておいて頭からバケツの水をぶっ掛けたり……なんてのが、それ
なのであって、こういうのになると、さすがに毎日はなくて月に
1回か二月に1回位だった。

 もっとも我が家の場合、お灸といっても実際は脅かしが多くて、
火をつけてそれが肌に回った頃を見計らいもみ消す、というのが
多かった。(もちろん、最後までいっちゃったことだって何度も
あるよ)庭もそこは内庭だから他所さんからはほとんど見えない。
(正確に言うと、見える場所はあるけど大抵そんなことするのは
夜だったからOKなんだ)
 とまあこんな具合に、そこは親だからね、色々配慮してたんだ。

 ただ、そんな頭に血が上ってやる激情型のお仕置きより、この
人、圧倒的に子どもを抱いてた。朝昼晩、それこそ挨拶代わりに
よしよししてくれたから、子どもとしてはお仕置きの時間なんか
より甘えてる時間の方が100倍も多かった気がする。

 ま、やりすぎて過干渉ってところもあったけど……とにかく、
僕たち子どもは彼女の僕(しもべ)というかお人形に仕立て上げ
られていったんだ。

 だから、ペットという側面も……

 中学生になった息子に、「パンツ脱げ」なんて平気で言うし、
出てきたオチンチンは摘んじゃうし、試しに剝こうとするし……
もう、やりたい放題だった。娘と言ってもそんなことは平気な人
なんだよね。

 でも、不思議と卑猥な感じはまったくしなかった。根が明るい
人だったから、こんな事も軽いジョークと片付けられて、それを
子どもの側が虐待だなんて感じることはまったくなかったんだ。

***********************  

9/22 初めてのお仕置き

    9/22 初めてのお仕置き

*)絵文字の多い、ソフトなお仕置き小説です。

 我が家のお仕置きというはたいていが母の仕事でした。学校の
こと、勉強のこと、習い事から友達関係、勿論日々の家庭生活も、
その全てを取り仕切るのは母親だったのです。

 一方、父はというと、そうしたことには無頓着で、男の子達と
ボール投げをしていてご近所のガラスを割ってしまった時なども、
頭から湯気を出している母が「叱って下さらないと困ります」と
金切り声を出しているのを尻目に、私を抱っこしたまま頭を撫で
て「ん?怪我はなかったのか?……おお、そうかそうか、それは
良かった良かった」と言うだけでした。

 勉強だって、成績が悪いからといって母のように頭に角がはえ
るなんてこともありません。
 そんな時、父の口癖は、「また、次で頑張ればいいさ」でした。

 ですから、父のお膝は私にとっては格好の避難場所。母に叱ら
れそうになった時は、一旦納戸に身を隠しておいて、父が帰った
気配を感じてから用心深く出て行って父が茶の間であぐらをかく
瞬間を狙って膝の上をちゃっかり占拠します。

 こうして安住の地が得られれば、後は母が何を言ってこようが
父の胸にしっかりしがみついていればそれでよいわけです。
(今のお父さんはあまり権威がないみたいですが、私の子供の頃
までは父親というのはまだ家族の中で奉られる存在でしたから、
そのお膝は神様のお膝と同じ値打ちがあったのです)

 そんな父との蜜月は生まれてこのかた10年ほど続きましたが、
ついにそんな甘い生活にも終止符を打つ時がやってきたのです。

 その日も事情は同じでした。母が机の引き出しの奥の奥にねじ
込んでおいた私のテストを見つけてしまってご機嫌斜めだったの
です。

 百点満点で35点や45点しか取れなかったテスト。こんな物
見せたところで叱られるだけですからね。だったら、ほとぼりの
さめるまで余計な波風はたてない方が…なんて思ったんですけど
……

 でも、この時の母の悩みはそれだけではなかったようで……

 「(*・・)σだいたい、あなたがいけないんですよ。いつも
いつもミー子を甘やかすから……つい先日も先生からカンニング
を見つかって注意されたばかりだというのに……」

\(^_^)(^_^)/

「(σ≧▽≦)σちょっと何二人して笑ってるんですか!矢面に
立つのは私なんですからね。今度何かあったらお父さんが謝りに
行って下さいね!」

 お母さんの毅然とした態度に最初は笑っていたお父さんも溜息
です。
 「ふう~(`ε´)」

 で、つられて膝の上の私も……
 「ふう~(`ε´)」

 すると、お父さんと、(σ≧▽≦)σ(*・・)σ目があって
しまい、お互い笑ってしまいました。

 お父さんは、私を抱っこしたまましばらく頬擦りを繰り返して
いましたが、その柔和な顔とは裏腹に、その時、心の中は悩んで
いたみたいです。

 一方、私の方はというと、こちらはまだ心も体も子どもでした
から能天気なもので…
 『いつものこと、いつものこと』
 と鷹をくくっていたのです。

 ところが…二度目に頬擦りを始めた時、お父さんがいつもとは
(ヾ(´・ω・`)違うことを言うのです。

 「そうだなあ、チッチも、もう四年生か。そろそろ苦いお薬を
持ってこないと、効かない年頃かもしれないな」

 頭の悪い私はお父さんの言葉にすぐピンときたわけではありま
せん。だってお父さんは、いつもの通り私の頭を撫で続けていま
したから……。

 ただ、これが女の直感とでもいうんでしょうか、お父さんが、
今までとは違う気持ちで私を抱いているということだけはわかり
ました。
 ですから、その瞬間、私は身の危険を感じてそうっとお父さん
のお膝を離れようとしたんです。

 でも……
 「!(゜Д゜;;)」
 気配を感じたお父さんが、その太い腕を巻きつけて私の身体を
ロックします。

 「駄目だよ、逃げちゃ( ̄―+ ̄)」
 「えっ、ちょっとトイレ(^o^)/」
 私はとっさに逃げ口上を打ちましたが……

 「そうか、それならむしろ都合がいい。トイレはちょっと待っ
てなさい」
 お父さんはそう言うと、私を抱き直して持ち上げるさなか、そ
のどさくさに紛れて私のパンツをするりと引き下ろしたのでした。

 「あっ、ああ(T_T)」

 一瞬の出来事。言葉にならない声を出して抵抗してみましたが、
お父さんにしてみれば、私はまだちょっと大きめのお人形程度の
存在でしかありませんから……

 「あっ、いや、ダメ」
 それなりに何か言ったかもしれませんが、いずれにしてもこの
後のことは私の意思とは何の関係もありませんでした。

 お父さんのお膝の上でお尻が捲られ、顔もお尻も天井を向くと、
いきなりお尻の割れ目に何かの突起が突き刺さります。
 そして、お尻の穴の中にあの液体が…

 「あ~ひゃあ、いやあ~」
 私は、そのあまりの気持ち悪さに必死でその場から離れようと
しましたが、無駄でした。

 がっちりロックされた身体はどうにもなりません。相手はお父
さん一人。なんとかなりそうなものですが……

 「あっ、いや、ダメえ~」これを言うのが精一杯でした。

 そのうち…、
 「ほら、じたばたするな。(`へ´)」
 それまで聞いたことのないドスの利いた声で叱られると、もう
駄目でした。

 「あ~~漏れちゃう」
 幼いお尻を満たした邪悪なお薬は、強烈にお腹の中を揺さぶり
ます。慣れるとそうでもないのでしょうが、これは最初の思い出
でしたから強烈でした。

 「いやあ、ダメ!ほんとに漏れちゃうから。トイレ!トイレ!
トイレ!ホントに、ホントに、ダメなんだからあ~」
 私は青い顔をして必死に腕の中からの解放を求めましたが…

 「駄目だよ。今日はダメ」
 お父さんは冷たくいい放ちます。

 「イヤ、イヤ、イヤ、ウンチダメ!お父さんホントにホントに
ダメなんだから」
 私は、べそをかきながら訴えかけますが、お父さんはそれでも
知らんぷりでした。

 「………………」
 それからしばらくは誰とも口をききませんでした。

 いえ、別にすねてたわけでも、怒ってそうしてたわけでもあり
ませんよ。その時はもうそれどころざゃなかったもので……

 「あっ……あっ……だめえ」
 時折襲う強烈な差込みに、思わず独り言のような声が出ます。

 そんな声にもならないような吐息を吐きながら脂汗を流す私を
お父さんはただ黙って優しく抱いてくれていましたが、そのうち
……

 「もう、いいだろう」
 と言って私を抱いたまま立ち上がります。そして、いつの間に
用意されていたのかオマルの上へ……

 「ほら、やってごらん」
 両方の太股を持ち上げられて空気椅子の姿勢。つまり赤ちゃん
が用を足す時と同じ姿勢です。

 「恥ずかしいからやだ」
 私は愚痴を言いますが……

 「¥※$♂♯&#♭*♀」
 そもそも意地を張ってる時間がありませんでした。

 べっちぁべちぁのウンチは、私のプライドを木っ端微塵に打ち
砕いてしまって、すぐにはお父さん(゜_゜)への愚痴さえ出て
きません。
 ただ、放心状態でいる私のお尻がお父さんの大きな手で拭き取
られていく感覚だけが記憶に残っています。

 「ほうら、恥ずかしかったか?」
 お父さんはすっかり綺麗になった私を再び胡座をかいた膝の上
に抱き上げると、今度は私の顔がようく見えるように向かい合う
形で抱きつかせます。

 私はとっさにその場から逃げ出そうとしますが…
 「ダメだよ。まだお仕置きは終わってないからね」
 そう言ってぶ厚い胸に私の顔を押し付けるのです。

 「ミー子、いやだもん」
 甘えた声が胸の中で出ました。大人と子供、そして何より親と
子の関係が私から抵抗心を奪います。

 「仕方がないよ。嫌なことするのがお仕置きだから」

 『そうか、今、お仕置きされてるんだ。おとなしくしてなきゃ
いけないんだ』
 私はその時になって初めてその事に気づいたのでした。

 そして、その時がやってきます。

 『あっ!あの匂い!』
 鼻の穴から入ったその匂いは、一瞬にして脳天を貫き、瞳孔を
毛穴を目一杯に開かせます。逆に下半身の穴はもう本能的に全て
が閉じてしまいます。全身が震えてどうにもなりませんでした。

 なのに……
 「…………………」
 こういうのって怖いもの見たさっていうんでしょうかね、私は
九分九厘間違いないものを見るため首をひねってしまうのでした。

 「!」
 結果はやはり…
 『やめときゃよかった(/▽\)♪』

 見えたのは頭が赤いお線香。その脇ではお母さんが艾を丸めて
います。

 「(;゜∇゜)ヤバイ」
 そりゃ誰だってそう思います。そう思いますから逃げ出そうと
するのですが…

 「ダメだよ、逃げちゃ。これからが大事なんだから」
 お父さんのぶっとい腕が再び完全ロック。

 「あっ…あっ…」
 岡に上がった金魚みたいに後先考えず今度は必死に逃げ出そう
と試みたのですが、悲しいかな力の差はいかんともしがたく、体
の自由はどうにもままなりません。そんな時、天からお父さんの
言葉が降ってきます。

「いいかい、人間は時に我慢が必要なんだ。女の子は特にそれが
大事なんだよ。我が儘ばかりやってると立派な大人になれないぞ」

 「(;゜∇゜)」
 お父さんはそう言って私の身体を裏返しにします。
 「(゜Д゜;;)」
 慌てた私は…

 「いや、ダメ、ごめんなさい。(ToT)」
 を言ってみました。何とかその場を抜け出そうともがいてみた
のです。ところが…

 「ほら、じたばたしない。あんたみたいな子にはこうでもしな
きゃ効果がないでしょうが…」
 にじりよってきたお母さんが確認するようねにお尻の膨らみを
触ります。

 「(;゜∇゜)」
 その手つきは、今からどこにお灸を据えようかって探している
ところに決まっています。

 「(>_<)」
 もうそれだけで私は生きた心地がしませんでした。

 「(死ぬ~)…(死ぬ~)…(死ぬ~)…(死ぬ~)」
 私は呪文のように心の中で叫びます。

 やがてお母さんが唾をつけた指先が私のお尻のお山をなでなで
……そこにもぐさが乗せられて……

 「いいこと、この間みたいに粗そうなんかしたら、今度はオシ
ッコが出なくなるまで何度でも据え直しますからね」
 お母さんのきつい一言。本当に頭にきます。

 『やりたくてやったんじゃないわよ!』
 ってね、ホントは言ってやりたいけど……コクリとうなづいて
しまいました。

 『子供って辛いなあ~』
 って思っていると、約束通りヾ(゜0゜*)ノ?強烈に熱くて
痛いあれがやってきました。

 「ひぃ~~だめ~~ごめんなさい何でもするから~もうしない
で~~よ~~」
 こんなこと言ったって無駄なのはわかってるけど火の玉がお尻
に降りて来た瞬間は泣きついちゃいます。

 とにかくそのくらい熱いんですから。最初やられた時は本当に
お尻に穴が空いたんじゃないかと思いました。
 (でも、今の人たちには言ってもわからないか。とにかく経験
しないとあの衝撃はわからないよね)

 「もうしませんからあ……ごめんなさいするからあ~(ToT)」
 今度は憐れっぽく頼んでみたけど……

 「何言ってるの!これしきのことで……」
 お母さんはそう言うと私の身体をもう一度裏返し。

 「!(;゜∇゜)!」
 太股丸見え、割れ目丸見えなんですが、お父さんが両腕を羽交
い締め、お母さんが私の両足首の上に座布団を置いてどっかと腰
を下ろしてしまいますから幼い私にはどうにもなりません。

 「いや、そこはいや!」
 なんて言っても…
 「大丈夫、ここはそんなに熱くないから」
 と、涼しい顔でお臍の下、ヴィーナスの丘と呼ばれるあたりを
なでなでします。

 『熱くない処なんてあるわけないじゃない!』
 私はお母さんの安直な気やすめに腹がたってもう一度おもいっ
きり抵抗してみたのですが…

 「……(+_+)……」
 大人二人ですからね、それこそピクリとも動きませんでした。

 そして…
 「ギャア~いやあ~ダメ~」
 悲劇は繰り返します。

 ま、確かにそこは他の場所に比べれば多少楽は楽なんですが、
でも、ヾ(゜0゜*)ノ?パニクってる身にそんなささやかな差
なんて分かりません。ただただ今は嵐の過ぎ去るまで(゜m゜;)
歯を食いしばって耐えるしかありませんでした。

 ま、やられたことのない人にはわからないでしょうが、お灸っ
てそりゃあ尋常な熱さじゃないですから。あなただってやられた
らわかります。

 表と裏をこんがりと焼れた私はことのついでにお股の中も焼か
れることになります。

 「(;゜∇゜)ヤバイ」
 とっさにそう思いますけど、すでに逃げ場はありません。

 「許してよ~」
 私の大事な割れ目が哀願しますが認められませんでした。

 「駄目だよ。あんたはここもやっとかないと堪えないんだから」
 そんなこと言われて大股開き。

 『もう、どうにでもしてよ』ってなもんです。私は居直るしか
ありませんでした。

 でもそんな私に両親は…
 『…では遠慮なく』
 というわけです。まったく血も涙もない両親です。

 「ひぃ~~~~」
 その瞬間は気絶しそうです。

 ただここだって、皆さんが心配するほどには熱くありません。
むしろ、大事な処を傷つけられたという精神的なショックの方が
女の子には大変なようでした。

 「ようし、よく頑張った。いい子、いい子」
 終わると、父親母親ともに急にやさしくなります。

 「今度はちいっと堪えたみたいね」
 母が言うと、父は笑って…
 「なあに三日ともちやせんよ」
 と言います。

 そう、子供のお仕置きなんて効果は長続きしません。最初は、
くよくよしていても……

 「ご飯よ~」
 母のこの声をきっかけに、懺悔も、後悔もたいていの反省心は
一瞬にして吹き飛んでしまうのでした。

************************

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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