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小暮男爵 <第一章> §16 / 瑞穂お姉様のお仕置き /

小暮男爵 / 第一章

<<目次>>
§1 旅立ち*§11二人のお仕置き②
§2 お仕置き誓約書   * §12 ランチタイムの話題
§3 赤ちゃん卒業?   * §13 お父様の来校
§4 勉強椅子       * §14 お仕置き部屋への侵入
§5 朝のお浣腸     * §15 お股へのお灸
§6 朝の出来事     * §16 瑞穂お姉様のお仕置き
§7 登校          * §17 明君のお仕置き
§8 桃源郷にて      * §18 天使たちのドッヂボール
§9 桃源郷からの帰還 * §19 社子春たちのお仕置き
§10二人のお仕置き① * §20 六年生へのお仕置き


**<< §16 >>**/瑞穂お姉様のお仕置き/**

 瑞穂お姉様のお父様は進藤高志さんとおっしゃる実業家。今は
経営の大半を息子さんが受け継いでいらっしゃいますが、戦前は
関東一円に数多くの軍需工場を持つ社長さんだったんだそうです。

 もちろん戦前のご様子など私は知りませんが、こちらでは縞の
三つ揃えにスエードのハットを被った姿でよくお目にかかります。
家に遊びに行くと、いつも油絵を描いてらっしゃるか、ピアノを
弾いてらっしゃるかしていて多趣味な方でもあります。

 もちろん、子供は大好きで、ご自宅の居間でお見かけする時は
誰かしら子どもたちがその膝の上に乗って遊んでいました。
 私が遊びに行った際、当時三歳だった弘治君という男の子が、
お膝の上でお漏らしをしてしまいましたが、お父様はまるで何事
もなかったかのように顔色一つお変えになりませんでした。

 そうした愛された兄弟(姉妹)の中でも、瑞穂お姉様のことは
特に可愛がっていられたと人伝えに聞いたことがあります。瑞穂
お姉様は明るく頭もよくて、難しい話題にもお父様のお話相手が
務まる子だと評判だったのです。

 ただ、そんな甘い関係もこの場では封印しなければなりません。

 進藤のお父様は、あられもない格好のお姉様を間近に見ながら
揺らめく百目蝋燭の炎から太くて長いお線香に火を移して真鍮製
のお線香たてにこれを立てます。

 百目蝋燭というのは、江戸時代芝居小屋の照明に使われていた
特大の蝋燭で、瑞穂お姉様の周りを照らすくらいなら四方に立て
るだけで十分な明るさがあります。

 その蝋燭の怪しい光に照らされてお父様の顔は普段見る柔和な
お顔とは違い、厳しく引き締まっておられました。

 「恥ずかしい?」

 進藤のお父様に尋ねられた瞬間、お姉様の生唾を飲む様子が、
こちらからも垣間見えます。

 普段見ることのない百目蝋燭の大きな炎の揺らめきとその光を
照り返して鈍く光る真鍮製の大きな線香たて。そのお線香たてに
立っているお線香も特大ですから、その香りがすでに部屋全体に
たなびいています。

 私たちよりもう少し以前の子なら、お灸も沢山据えられていた
でしょうからこうした雰囲気にも場慣れしていたかもしれません。
でも、私たちにとってここはもう完全に異空間。
 普段活発な瑞穂お姉様の目が泳いでいたとしても不思議なこと
ではありませんでした。

 「…………」
 それは緊張しているのでしょうか、自らの誇りを失いたくない
と意地を張っているのでしょうか、お姉様は天井を見つめたまま
何も答えません。

 「私は『恥ずかしいのか?』と尋ねているのに答えてくれない
のかね」
 お父様の問いかけがお姉様を正気に戻したみたいでした。

 「あっ、はい、恥ずかしいです」
 お姉様は慌てて答えます。

 勿論そんなことわかりきっていますが、進藤のお父様に限らず
お父様たちって、自ら惨めな姿にしておきながら、子どもたちに
『恥ずかしいか?』と問いかけます。

 そして、その時のお父様の返答はたいていこうでした。
 「仕方ないな、お仕置きなんだから我慢しなさい……お父さん、
お前にわざとこんな格好をさせてるんだ。……お前が、よ~~く
反省できるようにね。……わかるだろう?」

 「はい、ごめんなさい」
 お姉様は嗚咽交じりの小さな声で答えます。

 「いいかい瑞穂。なぜお前がこんな格好をしなければならなく
なったか、わかってるだろう?」

 「私が……二階の窓から傘を差して飛び降りたから……です」
 お姉様が自信なさげに答えると……

 「確かにそれもあるけど……それについては、栗山先生が処置
してくださったから、まだいいとして……私たちが問題にしてる
のはね、実はそのことだけじゃないだ」

 「えっ?どういうこと?…………」
 お姉様の小さな声には意外というに思いが込められています。

 「君がメリーポピンズを始めた時に、どうして遥ちゃんたちも
誘ってあげなかったのかなってことさ」

 「どうしてって……それは…………」
 お姉様は少し考えてから……
 「だって、あんまりいいことじゃないし、誘ったら悪いかなと
思って……」

 「じゃあ、明君が真似した時は何で止めなかったの?」

 「えっ……それは…………」

 「そうじゃないでしょう。そんな事で遥ちゃんに声をかけたら
バカにされるんじゃないかって、心配したんじゃないの?」

 「えっ…………」
 お姉様は答えませんでしたが、どうやら図星のようでした。

 瑞穂お姉様とうちの遥お姉様はお互いライバル。たった六人の
中ですが、二人は勉強でも図工でも音楽でも、とにかくどんな事
でも張り合っていました。

 「図星みたいだね。いいかい、いつも言ってるように、クラス
のお友だちとは誰とでも仲良しでなきゃいけないんだ。それが、
うちのルールだろう。仲間外れはよくないな。特に、お前は級長
さんじゃないか。たった六人でも君はみんなのリーダーなんだよ」

 「キュウチョウ?」

 「そうか、今は学級委員って呼ぶんだっけ……でも同じだろう?
君はクラスを代表して色んな行事をこなす立場にあるんだから、
いつもクラスがまとまるように気を配ってなきゃいけないのに、
それが自分から悪さを始めたり仲間はずれの子を作ったりしたん
だから……これって、いいわけないよね」

 「でも、あれは遊びだから……遥ちゃんはやらないと思って」

 「遊び?でも、声を掛けてみなけりゃわからないじゃないか。
『たとえ、悪戯をする時でもみんなで一緒にやりましょう』って、
教えなかったかい?」

 「……はい、お父様から聞きました」
 弱弱しい声が聞こえます。瑞穂お姉様がこんな声を出すなんて
私の知りうる限り初めです。

 「これは他のお父さんたちも同じ考えのはずだから、他の家の
子だってその子のお父さんからそう教わってるはずだよ」
 確かに私も小暮のお父様によく言われていました。

 「……はい、わかります」

 「ここでは、悪戯することより友だちを仲間はずれにすること
の方が罪が重いんだ」

 「…………」
 お姉様はその教えにあらためて気がついたみたいでした。

 「みんなで悪さをしてもそれはみんなで罰を受ければいいんだ。
簡単に償える。お尻が痛いだけだもん。でも、お友だちを傷つけ
てしまうと、その償いはそんなに簡単なことじゃ終わらないんだ」

 私たちの学校では、クラスに生徒が六人しかいません。でも、
六人しかいないからこそ、その六人は、誰もが大親友でなければ
ならないのでした。

 「それに、たとえ瑞穂が勝手に始めたことでも、他の子にすれ
ば、級長さんがやってるんなら一緒にやってみようと思うんじゃ
ないのかな」

 「……それは……」

 「それとも、その子たちは私が誘ったんじゃない勝手に始めた
んだから自分には責任がないって言うつもりかい?」

 「えっ…だって、そんなこと誰だって、悪いことだと分かって
るはずだから……」

 「そうかな?お父さんそうは思わないよ。級長さんがやってる
ってことは、他の子がやってるのとは同じにはならないんだよ。
ほかの子すれば『級長さんがやってるんなら大丈夫だろう』って
思っちゃうもの」

 「それは……」
 瑞穂お姉様は絶句します。きっと、色々言いたいことはあった
でしょうが、それ以上は言えませんでした。

 「お父さんも、お前にこんな格好をさせたくはなかったけど、
やってしまった罪の重さを考えると仕方がないと思ってるんだ。
しかも今回は、小暮のお父様が『お嬢さんだけお仕置きするのは
酷ですから、全員に同じお仕置きにしましょう』とおっしゃって
くださったからこうなったんだ。本来なら、お前が他の子と同じ
お仕置きというのはあり得ないんだよ」

 「ふう……」
 お姉様から思わずため息が漏れます。
 それはがっかりという顔でした。

 これがお姉様のどういう気持の表れだったのかは知りませんが、
進藤のお父様にとってその顔つきは、あまり良い印象ではありま
せんでした。

 「みんな平等って良いことのように聞こえるかもしれないけど
……でも、そうなると……お前に与えられる罰は、むしろ軽いと
言えるかもしれないな」
 お父様はそう言ってお姉様の顔色を窺います。
 そして、こう続けるのでした。

 「……そこでだ、今回は、ほかのお父様たちとのお話合いで、
会陰と大淫唇に一回ずつ、合計三箇所すえる予定にしてたんだが
……お前の場合はこんなバカな遊びを最初に始めた張本人だし、
クラス委員でもあるわけだから……お仕置きが他の子と一緒じゃ
お前だって肩身が狭いだろうから……」

 お父様はこう言って再びお姉様の顔色を窺います。
 そして、最後に進藤のお父様はこう宣言するのでした。

 「……今回、ほかの子は各箇所一回ずつだが、お前の場合は、
各箇所三回ずつ私が直接据えてやる。……それでいいな」

 これには瑞穂お姉様もびっくりでした。
 思わず、起き上がろうとしますが、それは先生に阻まれてしま
います。

 一回でもショックなお灸を三回ですからね、それって当然なの
かもしれません。

 「いや、だめよ。だめ。ちょっと待って……そんなことしたら、
私、本当に死んじゃうもん。そしたら化けてでてやるんだからね」

 この期に及んで瑞穂お姉様は強気に出ます。これまでは、猫を
被ってたんでしょうか。

 どうにもならないほど体を押さえ込まれたこの恥ずかしい姿勢
のままオカッパ頭を左右に振って叫びます。
 顔は真っ赤、もちろん本気で自分の身体のことを心配していた
のでした。

 「大仰だなあ、お前は何でも大仰に考えるからいけない。……
お父さんが大丈夫と言えば大丈夫だよ」
 進藤のお父様は軽くあしらいますが……

 「だめえ~~~そんなことしたら、私、お嫁にいけないもん」
 
必死に起き上がろうとして頭だけこちらを向いたお姉様の目に
はすでに涙が光っていました。

 きっと怖かったんだと思います。必死だったんでしょう。
 そりゃそうです。こんな姿でいるだけでも超恥ずかしいのに、
これから、女の子にとって一番大事な処へお線香の火が近づいて
来るというんですから、そりゃあ誰にしたってたまったもんじゃ
ありません。

 でも、そんな親子喧嘩の様子を見守るお父様たちはというと、
落ち着き払って事の成り行きを見つめています。あたふたとして
いる人など一人もいませんでした。

 恥ずかしいお股へのお灸は、何もこれが初めての試みではあり
ません。ここでは女の子が成長するたびにお灸が据えられます。
 お灸のお仕置きはいわば成長の証しであり、通過儀礼みたいな
もの。据える場所も据える艾の大きさもあらかじめ決まっていて、
痕もほとんど目立ちませんでした。

 大事なことは皮膚を焼くことではなく、全員で恥ずかしい思い
を共有すること。そんな体験を持つことがお父様たちにとっては
大事なことだったみたいです。

 「大丈夫だよ。心配しなくて……お父さんがそんな危ないこと
ミホ(瑞穂)ちゃんにすると思うかい。据える処はどこも皮膚の
上だからね、熱いのは熱いけどお尻に据えられるのと同じ熱さだ
から……」

 「でも、三回……据えるんでしょう」

 「それはそうだけど、艾が小さいからね、すぐに消えるし痕も
目立たない。死んじゃうだの。お嫁にいけないだのって心配する
ことじゃないよ。現にここの卒業生はほとんどがこのお仕置きの
経験者だけど、みんな元気に働いてるし、お嫁に行って赤ちゃん
だってちゃんと産んでるもの」

 「そう……なんだ……」
 瑞穂お姉様はお父様の説得に安心したのか、それとも単に首が
疲れただけなのか、元の姿勢に戻ります。

 「さあ、始めるよ。いつまでもこんな格好でいたら、その方が
よっぽど恥ずかしいだろう。風邪ひかないうちにさっさと終わら
せなきゃね」

 お父様に言われて最後は瑞穂お姉様も観念したみたいでした。

 最後に、お父様が自ら猿轡を瑞穂お姉様の口にくわえさせたの
ですが、それには姉様も抵抗する素振りをみせませんでした。

 ただ、それが終わると、瑞穂お姉様の身体はさらに厳しく拘束
されることになります。
 最後になって他の家の家庭教師の先生たちも瑞穂お姉様の体を
押さえにかかったのです。

 左右の足を押さえるのに一人ずつ追加され、目隠しがなされ、
お腹にも一人別の人が乗ります。

 幼い女の子一人にいったい何人の大人が必要なんだと思いたく
なりますが、全ては安全を考慮してのこと。そして何より、瑞穂
お姉様が『今日ここにお灸を据えられたんだ』と心に刻むための
これもお父様たちの演出だったのです。

 実際、施灸自体は蚊に刺されたほどにしか熱くありません。
 でもそれを印象深くドラマチックにしてお仕置きの効果を上げ
るのがここでの先生たちのお仕事だったのでした。

 そのため進藤のお父様は見ている私たちに、これでもかという
ほど瑞穂お姉様のアソコを広げて見せてくれました。

 大淫唇や会陰だけではありません。小陰唇も膣前庭も尿道口も、
もちろんクリトリスや膣口、お尻の穴まで、瑞穂お姉様の陰部は
あますところなく外の風に当たることになります。

 そうしておいて約束の場所に艾が置かれます。

 たしかに、それは小さなもの。大きな胡麻くらいでしょうか。
私にはその程度にしか見えないほど小さなものだったのですが、
でも、こうやって大勢でがんじがらめに身体を拘束され、猿轡や
アイマスクまでされて、普段なら外には出ない場所を全て全開に
している今のお姉様に、乗せられた艾がどんな大きさだったか、
なんて分かりっこありませんでした。

 驚異、恐怖、焦燥で気が遠くなりかけたかもしれません。
 その思いを進藤のお父様が現実へ引き寄せます。

 「それじゃあ、すえるからね」

 お姉様が必死に暴れる……いえ、暴れようとして押さえつけら
れてるさなか、艾に火が燃え移ります。

 「うっっっっっっっっ」

 会陰へのそれは一瞬で終わりましたが、膨らみのある肉球には
すぐに次の使者がやってきます。

 「うっっっっっっっっ」

 「うっっっっっっっっ」

 三火の施灸が終わり、他の子なら、これで終了のはずですが、
お姉様の場合はさらに六回の試練が続きます。

 「うっっっっっっっっ」
 「うっっっっっっっっ」
 「うっっっっっっっっ」
 「うっっっっっっっっ」
 「うっっっっっっっっ」
 「うっっっっっっっっ」

 猿轡からうめき声が漏れ、首を振るたびに脂汗が畳に飛び散り
ます。でも、どうにかこうにか約束は守られました。
 お姉様は取り乱すことなく、お父様も必要以上のことはなさい
ませんでした。

 結果、お姉様には黒い点が三箇所残りましたが、それって他の
施灸箇所から見れば、まだまだ小さなもの。それに火傷が治って
皮膚の色が戻ってくれば恐らく見分けもつかなくなるでしょう。

 ただ、その黒い点を見て私だけは興奮しています。瑞穂お姉様
のお仕置きが終わっても自分の胸が脈打っているのがはっきりと
わかりました。

 『私も、ああなるんだわ』
 普段、先の事にはあまり頓着しない私もこの時ばかりはさすが
に身が引き締まります。
 だって、このお仕置き。ここにいる限りは私もいずれ受ける事
になるのですから。

 ただ、それはそれとして、お姉様の痴態を見ていた私の体には
ある変化が起きていました。お臍の奥底からは何だかドロドロと
したものが湧き出して来るのです。
 お臍の下の方で湧き出したそれは、やがて電気となってお腹へ
胸へと登っていき、やがて、顎へ、顎の骨、歯根、歯茎、最後は
前歯の先から出て行きましたが、その電気が立ち去る瞬間に一言。

 『私もやられてみたい』
 脳裏に不思議なメッセージを残して立ち去ったのでした。

 全ての戒めが解かれて自由になった瑞穂お姉様は憔悴しきって
いますが、なぜでしょうか、お仕置きを受けていないはずの私の
方がまだ興奮しています。
 私は、そんな瑞穂お姉様に自分自身を重ねて憧れてしまうので
した。

 「ふうっ」

 お姉様の大事な処が隠れてしまった瞬間、深呼吸と共に大きな
ため息がでます。

 最初から強烈なお仕置きを見学するはめになった私でしたが、
次は、別の意味で、私にとってはもっともっと強烈なものを目撃
することになるのでした。

************<16>***********

小暮男爵 <第一章> §17 / 明君のお仕置き /

小暮男爵 / 第一章

***<< §17 >>***/明君のお仕置き/***

 次は明君の番です。明君のお父様、いえ、お母様は真鍋久子と
おっしゃって古くからの紡績会社、東亜紡績の会長さんです。
 ご主人が亡くなられた後を継いで戦中戦後を乗り切った女傑と
お聞きしていますが、子どもの私にはそのあたり詳しくは分かり
ません。

 ただ、この学校の卒業生の多くが彼女の引き立てでデザイナー
になったり、アパレル関係の会社に就職してたりして働いている
んだそうです。

 ちなみに、私たちの制服はそうしたOGたちが毎年持ち回りで
製作しているのでその年ごとにデザインが変わります。ですから、
世間でよくある伝統のユニホームというものはありませんでした。
 逆に言えばそれほどこの業界には多くの人材を輩出してきたと
いうわけです。

 さてこの御婦人、お父様たちの間ではお家の中での躾が厳しい
ことから、ちょっぴり皮肉を込めて『真鍋御前』なんておっしゃ
られていましたが、私たちのような外の家の子から見ると何でも
相談に乗ってくれる親切なおば様でした。

 それに厳しいと言ってもそれはあくまで女の子についてだけ。
明君のような男の子に対しては逆に私たちが『どうしてそこまで』
と思うほどべたべた甘々だったのです。

 この時も、先立って行われたお父様たちの話し合いで、明君の
お仕置きに対して最後まで反対したのは真鍋御前だったそうです。

 「男の子はそのくらい元気があった方がよくありませんか」
 というのがその理由だったみたいですが……結局。

 「これは、クラスの子がみんな一緒にお仕置きを受けることが
大事なんです。男女も関係ありません。人は思い出を語るとき、
その時の感情を未来に持ち越して語りません。お仕置きのような
辛い思い出だって未来では楽しく語れるんです。むしろ、楽しい
思い出より辛い思い出の方が人は強い連帯意識や共感を感じます。
我々がボロボロになった国土を立て直せたのは、逆説的に言うと、
戦争に行ったからです。それもどん底の負け戦だったから。……
そこで我々は悟ったんです。見渡せば焼け野原、みんな同じ立場
の日本人なんだって。おかげで日本は一度リセットされて地位も
身分も関係ないところからスタートがきれたんです。これは英国
のような戦勝国にはない我々だけの特権なんです。このクラスも
同じでしょう。見渡せば、顔が整ってる、スタイルがいい、成績
がいい、運動ができる、人に好かれる……同じ子供、同じ孤児と
いっても大人と同じようなしがらみはたくさんあります。それを
クラスの一員としてみんな平等なんだって実感させるには全員を
同じ方法でお仕置きするのが最も手っ取り早い方法なんですよ。
ですからたった一人の抜け駆けもあったら意味がなくなるんです」

 中条のお父様がこんな大演説をぶって真鍋御前を説得なさった
んだそうです。

 私たちは世間的には孤児で、今はお父様に養ってもらってる身
でしかありません。それでもお父様を自慢し、自分の家のお兄様
お姉様を自慢してそれがまるで自分の実績ででもあるかのように
振舞うことがよくあります。
 それがお父様たちには心地よくなかったみたいでした。

 こうして真鍋のお母様は明君のお仕置きを承諾したわけですが、
明君が私たちにお尻を見せることには最後まで反対だったみたい
でした。

 「出世前の男の持ち物を何も女の子が覗かなくても……」
 ということなんですが、これも最後はお父様たちの反対多数で
押し切られてしまいます。

 こうして難産の末に明君の大事な処が私達の目の前に現れます。
『何をやるにも全員同じで…』というわけです。

 いえ、私はそんなもの見たいとは思わなかったのですが、いざ、
それが現れると、やはり、心穏やかではいられませんでした。

 「!!!」
 私だって女の子ですから、その瞬間は全身に電気が走って目を
そらします。

 それって単にグロテスクだからというのではありません。何か
別の感情が湧き起こって私はそこから逃げたいと思ったのでした。

 「????」
 ところが、それからすぐ、今度は無性にそれが見たくて仕方が
なくなります。
 そこがまた不思議でした。

 「*****」
 最初は顔を覆っていた両手の指を少しだけ開いて、そのすき間
から、そうっと……

 そんな私の様子にお父様が気づきます。

 「どうした?そんなに明君のことが気になるのか?美咲ちゃん
だって、三年生までは一緒にプールにもお風呂にも入ってたじゃ
ないか」

 意地悪なことを言われて私の顔は火照りました。
 実際、私たちの学校ではプールの時も三年生まではお互い水着
を着けません。林間学校、スキー合宿、お泊まり会のお風呂でも
当然のように一緒だったんです。

 ですから、私だって男の子のオチンチンを見たことはあるわけ
なんですが、その時はこうしてまじまじと見たわけではありませ
んでした。

 「どうした?辛いなら、あえて見なくてもいいよ」
 お父様にはこう言われましたが私は首を振ります。
 すると……

 「『あるものをあるがままに見て恥ずかしがらない』というの
は人として大事なことなんだが女の子はこれが苦手だからなあ。
だからプールもお風呂も幼いうちはあえて裸で通したんだ。ま、
できるのは幼いうちだけだが、それでも最初からわけも分からず
恥ずかしがるより、この方がずっといいんだよ。何事も経験して
おいて損はないんだから……」

 私はお父様の言ってる意味が分からないまま頷きます。
 私って人の話をぼうっと聞いているだけでもすぐに合いの手を
いれてしまう癖があったんです。
 でも、それが災いしました。

 「御前、私がお手伝いしましょう。もちろん、こうしたことは
お母様自らなさるのがいいですが施灸は慣れないと大変ですから。
幸いうちには適当な助手もおりますから」
 明君へのお灸を据えそびれている真鍋のお母様に小暮のお父様
が手を上げたのです。

 「そうですか、あいにく私は不器用で……お願いできますか?」
 真鍋のお母様は断りません。

 「ええ、大丈夫ですよ。お任せください」
 お父様は代役をかってでます。
 でも、助手って誰でしょうか?

 「ん?……助手って?……」
 私は、最初、お父様のおっしゃる『適当な助手』の意味がわか
りませんでしたが、手を引かれて驚きます。

 「ほら、行くよ」

 「えっ?!!え~~~~!!!」
 次の瞬間、私は震撼しました。

 お父様の意図は、ズバリ私に間近で男の子のアソコを見せる事。
 でも、それってやっぱり女の子には身の毛のよだつ事態でした。

 「ほら、ここに座って……私を手伝いなさい」
 お父様の命令ですから仕方なくそうしましたが、そこは明君の
ばっちい物が目の前30センチくらいにある場所だったのです。

 『堪忍してよ~』
 そう思って思わず視線をそらそうとしたのですが……

 「だめだよ。ちゃんと見なきゃ」
 いち早くお父様が気づいて私の顔を正面に向けなおします。

 「人間に備わるもので不浄な物なんて一つもないんだから」
 お父様はそう言いますが……
 『ばっちい物は、ばっちいの!これ女の子の常識!真実なんて
女の子にはいらないの。美しければそれでいいの!夢でいいの!
嘘とまやかしで十分よ!!』
 私は心の中で反論します。

 でも、ここが女の子の弱いところなんでしょうね。どうしても
声に出す事ができませんでした。

 すると、事態はさらに悪化します。

 「ほら触ってごらん」
 お父様は私の左手をその大きな手で包み込むと、そのまま目の
前にある明君の陰嚢を握らせます。

 生暖かくて、ぐにゃっとしてて……空気が抜けて皺皺になった
古い古いゴムボールといったところでしょうか。それでも触れて
いると、『これ生きてる』って感触があります。まるで蝦蟇蛙を
手づかみしたような気持悪さでした。
 いずれにしても、こんなに薄気味悪い物を直接手で触れたのは
生まれて初めて。

 「いやっ!」
 私は拒絶しようとしますが、お父様に左手を押さえられていて、
離そうにも離れません。

 「どうした?嫌かい?でも、さっきも言ったようにどんな事も
経験しておくにこしたことはないんだよ。……美咲ちゃんだって、
将来男の子が産まれたら、どのみち竿も袋も握ることになるんだ
から」
 お父様のしたり顔を見て、ついに私もキレます。

 「離して!その時はその時よ。私が産んだ子なら可愛いもの。
その時は何だってやってあげるんだから……」
 私は偽らざる本音を口にします。

 「明君じゃだめかい?」
 お父様は自嘲ぎみにおっしゃったのですが、私はハッとして我
に帰ります。

 『当たり前じゃないの!』
 という言葉を飲み込んで……
 「そういうわけじゃないけど……」
 と言う言葉に変更。とたんに元気がなくなってしまいます。

 私は明君がクラスメイトで仲良くしなければならないお友だち
だということをその場で思い出したのでした。
 『お友だちとはどういう関係でいなければならないか』
 先生やお父様の言葉を思い出したのでした。

 『お友だちとはどんなことも分かち合わなければなりません。
どんな些細なことも隠してはなりません。それさえ守っていれば
私たちはお父様が違っていてもみんな本当の兄弟姉妹ように必ず
幸せになります』
 幼い頃、周囲の大人たちに毎日のように聞かされた言葉でした。

 その言葉に、今、私は反しているんじゃないか、そう思ったの
でした。

 そんな私の気持をお父様は察したみたいでした。
 ですから、こう言います。

 「さあ、これから、明君のお仕置きをするけど、美咲ちゃん、
お友だちでしょう。手伝ってね」

 こう言われた時、私は逆らえません。ここで言う『お友だち』
『仲良くする』というのは、私たちにとってはとおり一遍の徳目
ではありません。家でも学校でも、それは一番大事にしなければ
ならない約束事だったのです。

 「えっ、私が?!!」
 私はお父様から火のついたお線香を握らされます。
 どうやら、私が明君の大事な場所にお仕置きをしなければなら
ないみたいでした。

 「大丈夫、お父さんがついてるから」
 お父様はお線香を持つ私の右手をしっかり包み込みます。

 こんな時は、明君だってそりゃ泣きそうだったでしょうけど、
私だって泣き出しそうでした。


 「明ちゃん、あなたが先生に『あなたも一緒に飛び降りていま
せんでしたか』って尋ねられた時、どうして正直に言わないの。
嘘をつくからこんなことになるのよ。正直でない子はお仕置き。
仕方がないわね。しっかり我慢するのよ」
 真鍋御前様が珍しく明君を強い調子で叱ります。

 そうしておいて、真鍋御前は明君の陰嚢を自ら持ち上げたので
した。

 色素沈着のない、まだ皮膚と同じ色の皺皺の丸い袋が持ち上が
ります。
 どうやら、その根元にお灸が据えられるみたいでした。
 
 身体の真ん中を縦に真っ二つにして通る蟻の門渡りと呼ばれる
線がおチンチン袋にも筋となって通っています。その筋を挟んで
両サイドに小さな小さな艾が置かれます。
 これは女の子なら会陰に当たる部分でした。

 そこに艾を置いたのはお父様。そして、そこに火を着けるのは
私の持っているこのお線香です。

 『えっ!?……どうしよう、どうしよう』
 そう思っているうちにもお線香がどんどん置かれた艾の位置に
近づきます。もちろんそれを操作しているのは私ではありません。
私の手を包み込んでいるお父様なのですが、艾に火がついた瞬間
は、罪悪感でいっぱい。やっぱりショックでした。
 お父様がなさることですから大丈夫とは思っていてもやっぱり
心配だったのです。

 「あっ~」
 明君は小さなうめき声をあげます。

 『大変なことしちゃった』
 その瞬間は、やらされたことでしたが、やっぱりそう思わざる
を得ませんでした。

 艾が小さいので二箇所とも熱いのはほんの一瞬です。
 もみ消す必要もないくらいの火事なんですが、人にお灸を据え
てあげたことなんてこれまで一度もありませんでしたから、その
瞬間は頭の中の血がすべて引いて顔面蒼白になっていました。

 「ふう……」
 ため息を一つ。でも、これで終わりではありませんでした。
 もう一箇所残っています。

 「美咲ちゃん、次はここに、お願いするわね」
 真鍋のお母様が、今度は明君の竿を摘み上げ、それが戻らない
ようにと人差し指と中指で押さえながら私に指示します。

 お母様の手で引き上げられたオチンチンは表より少し色が濃く
なっていますが、お父様のようにはなっていません。その全てに
皮膚が被ったロケット型。先端だって皮膚が余って皺皺になって
います。
 要するにこれって赤ちゃんのと同じってこと。典型的な子ども
のオチンチンでした。

 この位の歳になると、中には大人の身体へと変化し始める子も
いますが、明君の場合はお臍の下もツルツルで純粋な子どもの姿
をしていたのでした。

 ひょっとして明君がこんな姿でなかったら、お父様だって私に
こんなことまではさせなかったかもしれません。

 さて、次なる目標地点はというと、引き上げられたオチンチン
の裏側。陰茎と陰嚢の間、竿の根元部分です。
 ここも普通にしていれば、たとえ素っ裸でも外から見える場所
ではありませんからお父様たちにしてみたら好都合でした。

 そんな配慮がなされているとは言っても、仰向けに寝かされて、
両足を高く上げさせられて、がんじがらめに押さえつけられてる
男の子の姿って相当に惨めです。
 でも、勇気のない私は、『もう許してあげて』なんてお父様に
言えませんでした。

 「さあ、次はここだよ」
 お父様の声に従いお線香が動きます。

 私はお父様のロボットとなって二つ目の場所にもお灸をすえる
つもりでしたが、気がつくと、お線香を動かしているのは私自身。
お父様は力を入れていません。
 私はハッとして動きを止め、後退りしようとしましたがそれは
お父様が許してくださいませんでした。

 再び艾に火がつきます。

 「あっ、いや……」

 その瞬間きっと熱かったんでしょう。男の子のそこがぴくぴく
っと動いて、私はびっくり。
 耐えてる明君ではなく、私の方が思わず明君の太股にお線香の
火の玉をくっつけそうになりました。


 『やれやれ、終わった』
 私はそう思ったのですが……
 ところが、そうは問屋がおろさなかったのです。

 「明ちゃん、あなた男の子なんだから、瑞穂ちゃんだって三回
耐えてるのに一回だけじゃだらしがないわ。もう一回やっていた
だきましょう」
 明君の解放を止めたのは、なんとこのお仕置きに当初は反対だ
ったはずの真鍋のお母様でした。

 「小暮先生、もう一回、お願いできますか?」
 真鍋のお母様がうちのお父様にお願いします。

 「えっ、またやるの?」
 明君が心配顔で見上げますが、お母様は涼しい顔です。
 きっと、お灸を据えてみた結果、大したことがなさそうなので
安心なさったんだと思います。
 でも、そうなると、見栄やプライドが頭をもたげます。
 明君はそんなお母様の生贄になったのでした。

 「明ちゃん、男の子は女の子と同じじゃいけないの。女の子が
三回なら、あなたは五回ぐらい我慢して男義をみせなきゃ」
 真鍋御前の鼻息が急に荒くなります。

 お母様の命令ですからね、明君、諦めるしかありませんでした。
 そして、私もまた、諦めるしかなかったのです。

 据える場所はまたしても同じ場所。
 でも今度はお母様自らその袋を摘み上げ、『ココ、ココ』って
指でポイントを指し示し『さあ、どうぞ』と言わんばかりに私の
目の前でその部分を目一杯押し広げるのです。
 イヤイヤやっていた最初とは大違いでした。

 『あっ、さっきの……』
 そこにはさっき私がすえたばかりの赤い点が二つ残っています。

 そこに新しい艾が乗せられて……

 「さあ、それじゃあもう一回だ」
 お父様の指示でお線香を近づけます。

 もちろん、それってお線香を持つ私の右手をお父様が動かして
いるわけで、その事に私の意志は関係ありませんが、明君に対す
る私の罪悪感が消える事はありませんでした。

 「あああああああ」
 今度は小さな吐息が少し大きくなって聞こえます。

 「大丈夫なの?」
 私が振り向いてもお父様は左手で私の頭を撫でるだけ。

 私は女の子ですからそこへ据えられた男の子の気持なんて分か
りませんが、それでも、その場所が私たちの会陰や大淫唇と同じ
くらい大切な場所だとはわかっていました。

 頼りはお父様だけ。お父様を信頼するだけでした。


 明君も二回目までは何とかを持ちこたえていました。

 ただ、三回目ともなると……

 「いやあ、やめて~~~、熱いからいやだあ、ごめんなさい、
お母さん、やめてよ~~~」

 上級生らしからぬ泣き言が聞こえます。
 実際、お灸というのは最初に据えられた時の驚きを別にすれば
連続して据えられると後の方が応えます。
 一回目より二回目、二回目より三回目が辛いのでした。

 ところが、真鍋のお母様はそんな明君を叱ります。
 「情けない声を出さないの!!あなた男の子でしょう!!この
くらいのこと、一年生のチビちゃんだって黙って耐えてるわよ!」

 御前様の大声が広間一杯に広がります。
 いつもは優しいお母さんの怒鳴り声にビックリしたんでしょう
か。明君は、その後、一言も泣き言を言いませんでした。


 こうして、最初の二人が三回だったおかげで、以後は他の子も
お灸は三回になり、とんだとばっちりを受けたわけですが、ただ、
その後は大した混乱もなくお灸のお仕置きは粛々と行われました。

 何人もの家庭教師から身体が1ミリも動かせないように押さえ
込まれて、女の子の一番恥ずかしい場所をみんなの前で晒し続け
る。お灸はそのものは大したことがなくても、もうそれだけで、
外へ行ったら虐待でしょう。

 でも私たちの場合、クラスメイトはみんな幼馴染で同じ境遇の
子供たち。お父様や家庭教師、学校の先生はいつも私たちを膝に
乗せ頭を撫でてくれる人。周囲に気を使わなければならない人が
ここには誰もいないんです。誰もが善良で、気心の知れた人たち
しか周りにいない平和な村で、私たちは叱られたことやお仕置き
されたことをそれだけ切り離して考えたりしません。
 私たちにとってはお仕置きだってお父様たちとの楽しい生活の
一部でしかありませんでした。


 さて……
 長い長いお仕置きの時間が終わり、すでに午後の最初の授業が
始まっています。ただそんな場合でも、この学校ではオーナーで
あるお父様たちの子供たちに対するお仕置きが優先されます。

 この大広間の入口では、すでに次の時間を担当する体育の桜井
先生の顔が見え隠れしていましたが、お父様たちは慌てる素振り
を見せませんでした。
 それはまだ最後の大事なご用事が残っていたからなのです。

 お姉様たちはすでにご自分のお父様の前に向き合うように正座
しています。
 すると、まるで武道の試合後のような空気感のなかで、小暮の
お父様が代表して声を掛けます。

 「それでは、礼をしましょう」

 こう言うと、娘たちは一斉に両手を畳に着けて……
 「お父様、お仕置きありがとうございました」

 子供たちの声が合唱となって大広間に響きます。

 お仕置きに対して子供の側がお礼を言うなんて、世間的には変
なのかもしれませんが、これは私たち間ではむしろ常識で、幼い
頃からお灸に限らずお仕置きをされた後は、必ずお父様や先生に
お礼を言う習慣になっていました。

 ですから、これもお仕置きの一部。もし、にやけた顔なんかで
ご挨拶すると、お仕置きのやり直しなんてこともありますから、
子供たちだってこの礼が終わるまで息が抜けませんでした。


 礼が終わると子供たちはそれぞれのお父様のお膝に引き取られ
ます。幼い子のようにお父様から抱っこよしよしってされるわけ
です。

 これって、本当に幼い頃なら嬉しいんですが、ある程度年齢が
上がってくると、むしろうっとうしくなります。
 でも、これも嫌がったりすると……

 ひょっとして、お仕置きのやり直しとか?

 ピンポーン。大正解。

 私たちはお父様の庇護のもと、何不自由なく暮らしているよう
に見えるかもしれませんますが、お父様のお人形としての役目は
常にきっちり求められます。
 ですから、このお膝では『お仕置きで元の良い子に戻りました』
というアピールが求められるわけです。

 お父様からは、頬ずりをされたり、頭やお尻を撫でられたり、
顔を胸のなかへ押し付けられたりもしますが、それを常に満面の
笑みで返さなければなりません。
 私たち子どもは常にお父様の天使であり続けなければならない。
これもまたこの世界の大事な約束事だったのです。


 そんな親子の睦み事が5分程度あって……
 「よし、良い子になった。さあ、午後の授業に出ておいで……」

 これでやっと開放です。
 これから、いよいよ午後の授業となるのでした。

*************<17>**********

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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