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第五話 ポン太

            第5話 ポン太

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『鬼滝村の五つの物語』ということで、これが最後のお話です。
お灸が話の中心なのは過去これを出したのがその関係だったから。
五つの物語と言っておきながら出さないわけにもいかないので、
これも出しますけど、超駄作ですから、そのおつもりで……。

******** ポン太<あらすじ> **********

 蔵元のぼんぼん明雄は自他ともに認める超マザコン。おかげで
頭はそんなに悪くないのに、友達からは「ポン太」「ポン太」と
少し蔑まれて呼ばれている。
 ただ、当人はいっこうにそれを気にしている様子がない。
 奥さんにもたびたび逃げられ、借金のかたでやっと手に入れた
今の奥さんも彼にしてみれば、おもちゃとしか映らないようで、
今日も今日とて彼女を車の中に閉じこめては悪戯を始める。


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               ポン太
                  「鬼滝村の五つの物語」から

 鬼滝村は農業の他にはこれといって産業のないなの村ですが、
昔から六本松という日本酒を醸造する蔵元が一件だけありました。

 そこのご当主は真蔵さんといって、人はいいのですがヒロポン
に溺れて座敷牢暮らしが長くなっていました。そこでこの蔵元の
実質的な経営はおかみさんにかかっていたのですが、これが大層
なやり手で、身内や商売敵からも、女にしとにはもったいないと
いう声がもっぱらでした。

 ところで、このご夫婦。旦那さんがヒロポン中毒だから子種が
ないのかと思いや、さにあらず。男の子を一人もうけていました。

 明雄といってそりゃあ聡明な子供でした。
 この村で「あいつは明雄だから」と言えば「あいつは頭がいい」
という意味です。
 ところが、そんな明雄も大人になると、周囲からは「ポン太」
「ポン太」と少し侮蔑的な表現で呼ばれるようになります。

 それは彼があることでとてつもなく世間ずれしていたからで、
奥さんをもらってからもそれはちっとも治っていないようでした。

 ある日のことです。家に遊びに行くと奥さんの美加さんの姿が
見えません。どうしたのかと尋ねると、にこにこして天井の方を
指さします。

 「!」

 見上げてビックリしました。
 3mはあろうかという大きな造り付けの戸棚の上に、奥さんが
腰を下ろしているです。

 彼女、高所恐怖症なのか、それとも、あまりの怖さと恥ずかし
さで声をあげられなかったのか、うつろな目をして私の方を眺め
ています。

*********************(1)****

 「どうして、あんな処に?」

 私が尋ねるとポン太曰く、
 「お仕置きだよ。彼女、私とママのどちらが好きかって、しつ
こくきくもんだから……頭にきちゃって……」
 「ふうん……で?どっちだって言ったの?」

 「何言ってるんだ、お前まで……」
 超マザコンのぽん太にそれは愚問だったのです。
 彼はその質問には答えず……
 「だから、ほら、教えてあげたんだよ」

 彼は自慢げに一枚の写真を取り出します。
 そこには彼が赤ん坊の時に使っていたおまると並んで奥さんが
映っていました。私は一瞬考えてあわてて頭の上を仰ぎ見ます。

 やっぱり間違いありません。それは今の風景と同じでした。
 作り戸棚の上には3つのおまるが並んでいて、その端に奥さん
が青い顔をして座っているというわけです。

 私は、恐る恐るポン太に尋ねてみました。というのも、当時は
デジカメはもちろん、ポラロイドさえまだ普及していない時代で
したから、この写真を撮ってから現像ができあがるまでには当然
丸1日以上かかるはずで、彼女はずっとそこに座らされていた事
になります。

 「そうだよ、30時間以上あそこに座ってるんだ。あいつが、
口をきかないのはトイレを我慢しているためさ」
 そう言われてみれば、奥さんは足や腰を微妙に震わせています。

 「彼女の強情っ張りにも困ったもんだよ。だから教えてやろう
と思ってこの写真を撮ったんだ。君は僕にとってはおまると同じ
なんだってね。……でもそのことを理解したくないらしい」

 「おまるって?」
 「だから、おまるだよ。お前だって赤ちゃんの時使っただろう。
『おしっこは、ここでするのよ』ってお母さんに言われて……」

 「…………」
 私は声が出ませんでした。

 「僕にとって、奥さんというのは、大人のおしっこをする為に
お母さんが買ってくれた『おまるさん』だもん」

 「(あのなあ……)」
 私は何か言いかけましたがすぐに諦めます。無駄だと分かって
いるからでした。

 「……左から古い順に並んでるけど、美加ちゃんはその中でも
一番新しいからね。そもそも、おまるの中でも新参者のお前が、
『お母さんとどっち?』なんて聞いちゃいけないよ」
 真顔で言われてしまいます。

 私は明雄と幼馴染だからわかるのですが、彼はこうしたことを
決して奇をてらってやっているのではありません。本心からこう
思っているのでした。

 こうみえても彼、一流大学を出て、定職にも就いています。
 ま、出世に縁はないかもしれませんが一般社会の中で見かける
限り立派な社会人なんです。

 こんな事が災いして友だちからは『ポン太』『ポン太』なんて、
呼ばれていますが、当人がそれを気にしている風はありませんで
した。

 こうした彼の性癖は、勿論、母親によるところが、大きかった
みたいです。離婚を考えていた彼女に、ある日、夫、つまり明雄
の父親が襲いかかって、明雄ができてしまい。離婚話は頓挫して
しまいます。
 すると彼女、今度は大胆に方向転換をして、本来、夫にそそぐ
べき愛情までも、すべて一粒種の明雄に注いでいきます。それも
また異常なものがありました。
 いずれにせよ、その成果がこうした形で現れたのでした。

 そんな母親べったりのポン太にしてみれば、SEXを『大人の
おしっこ』ととらえても何ら不思議のないことだったのです。

*********************(2)****

 そんなポン太も年頃になり、母親はあちこち声をかけてまわり、
お嫁さんを二人ほど世話しましたが、いずれもお嬢様で、こんな
超マザコン亭主を操れる器をもってはいませんでした。

 そうかと言って、明雄が望むように小学生をお嫁さんにすると
いうわけにもいず、母親は思案のあげく、年頃の娘がいて、かつ
事業で借金のある家に狙いを定めたのでした。

 彼女のもくろみは見事にあたり、親から因果を含まされた娘が
送り込まれてきます。それが今の奥さん、美加さんだったのです。

 もともと結納金で家の借金を返した手前もあるのでしょうが、
美加さんはお義母様にも献身的に尽くします。子どもができない
まま3年が過ぎても、二人は表面上とても仲の良い夫婦でした。

 たまにポン太の家へ遊びに行った時も、美加さんは大変に愛想
が良くて、相変わらずお姑さんにも仕えています。そこで、それ
となく水を向けてみますと……、
 「だって、あの人優しいから……」
 という意外な答えでした。

 「確かに、ここでの生活は当初夢見たものとは違っていたかも
しれませんが、夫以外はまともな人たちだし、夫もお義母様さえ
たてていれば安泰ですから……」

 彼女の口からこぼれたのは本音でしょうか、諦めでしょうか、
いずれにしても離婚ということは考えていないみたいでした。

 ただ、どこの夫婦でも喧嘩はつきものです。彼女もつい切れて
家を出ようとしたことは何度かあったようです。その何度目かの
家出の際に、私はポン太の片棒を担ぐことになります。


 「なあ、勉。ものは相談なんだけど、車のドアを一旦閉めたら、
内側から二度と開けられないようにできないかなあ。……おまえ、
修理屋だから構造は分かってるだろう」

 鬼滝村に一件しかないスナックの片隅でこう切り出された時、
私は危険な臭いを感じましたが、それがどのように使われるかは
この時はまだ知らなかったのです。

 それから数日後、私は工具一式を車に積み込むと出張修理へと
ポン太の家へ向かいます。
 車はワーゲンのバンタイプ。決して安い車ではありません。

 「これ、駄目になってもいいのか?あんまりいじると下取りが
きかなくなるぞ」
 「いいさ、それでも」
 彼は悪戯っぽく笑います。何しろお坊ちゃんですからね、悪戯
一つにやるにも、お金に糸目はつけないといった様子でした。

 そして、仕事が終わったので帰ろうとすると、
 「いいじゃないか、どうせ今日は暇なんだろう」
 彼は面白いショウが始まるから私にも見ていけというのです。

 そして、待つこと30分。
 鴨が二階から脱兎のごとく下りてきます。真っ赤な顔をして、
よほど興奮しているのか周りに気を配る様子もなく、すぐそばに
いる私にさえ気がつかず改造したばかりのワーゲンへと乗り込み
ます。

*********************(3)***

 「バタン」
 勢いよくドアが閉まって、彼女の運命は定まってしまったので
した。

 彼女は必死にキーを差して回しますがエンジンが掛かりません。
 そりゃそうです。バッテリーへ接続しているケーブルをポン太
がさっき外してしまったのですから。

 彼女は癇癪を起こしてドアを開けようとしましたが無駄でした。
鍵は私が別のものに付け替えてしまいましたし、内側のレバーも、
窓開けも一切効かない状態にしてあったのです。
 美加さんは慌ててすべてのドアをチェックしましたが、無駄で
した。

 「バン!バン!バン!」
 狂ったように、ドアや窓、はてはフロントガラスまで叩きますが、
無駄でした。

 「あれ、あれ、まだいたの?」
 ポン太がワーゲンのそばへ悠然として現れます。

 「あなたね、こんなことしたの!どこまでも汚いんだから」
 美加さんはカンカンです。でも、すでに勝負はついていました。

 「汚いって?どういうこと?僕の車だもん、どう改造しようと
僕の勝手じゃないか。だいたい実家に帰るのに僕の車を使うこと
ないじゃないか。まったく君ってやつは自分のものと他人のもの
との区別がつかないんだから困ったもんだ」

 夫婦でこんな応酬を繰り返していましたが、そのうち美加さん
の方が不利と感じたのでしょう。

 「謝るから、出してよ。いつまでもこんな狭いところにいられ
ないわ」

 美加さんの言葉にも勝利を確信しているポン太は動じません。
 「べつに謝らなくてもいいよ。どうせ3日もすればお母さんが
旅行から帰ってくるだろうし、お手伝いもその時一緒に出てくる
だろうから飢え死にするってことはないさ。僕としても、君への
お仕置きとしちゃあ3日間もあれば十分だからね」

 彼はそれだけ言い残すと、車庫代わりに使っている煉瓦作りの
倉庫を出て行こうとします。厚い鉄の扉が閉まると中は真っ暗で
した。
 とたんに、一オクターブ高い美加さんの声が中からします。

 「だめえ、行っちゃだめ~~」

 ポン太はあきれ顔の私に囁きました。
 「あいつ高い処だけじゃなくて狭い処や暗い処もだめなんだ。
な、まるで子供みたいだろう」

 確かにそれだけ取ればそうかもしれませんが、こんな事をして
いる方がよほど子供に見られることを彼は認識していないようで
した。

********************(4)****

 「祝勝会だ。地ビールでも飲もうや。今度、うちでもビールを
手がける事になったんだ。試飲してくれよ」
 ポン太はそう言って私の肩を抱きます。
 でも、まだ美加さんの悲鳴が聞こえていましたから……

 「いいのかい、ほっといて」
 と言うと……

 「いいんだよ。あいつ、僕のダンボを腹いせまじりに池に投げ
込んだんだ」
 「ダンボ?……ああ、いつも抱いて寝るぬいぐるみか」

 「あれはね、小学校の入学祝いにママから買ってもらった大事
なやつなんだぜ。あれを池に投げ込むなんて人でなしのやること
だよ。だから、あいつの風呂上がりをねらって、同じように奴を
庭の池へ放り込んでやったら……「出て行く」って息巻いたんだ。
まったく勝手な奴さ」

 彼はまるで政治談義でもしているかのように、滔々として自分
の正当性を私に訴えかけますが、要は象のぬいぐるみ一つのこと
ですからね、中身は小学生の喧嘩です。
 ま、こんな事で夫婦喧嘩ができること自体、羨ましいと言えば
いえなくもありませんが。

 その羨ましい男と四方山の話をして2時間後、再び煉瓦造りの
車庫へ戻ってみると、美加さんが今度は泣いていました。

 さすがに、可哀想になって、
 「もういいかげん許してやれよ」
 と言うと、彼はまんざらでもないといった顔になって……

 「よし、それなら美加。これから私が命じるお仕置きをちゃん
と受けるなら許してやってもいいぞ」

 彼の声を聞いた瞬間、美加さんはこちらに潤んだ目を向けます。
それは本当に恐怖を味わった瞳でした。恐らく、彼女はこうした
ことに何らかのトラウマで耐えられないのでしょう。

 美加さんが小さく頷いたのを見て、ポン太が……
 「じゃあ、ダッシュボードを開けて見ろ」

 ところが、ダッシュボードを開けた美加さんは首を振って従い
ません。
 
 「何だ、嫌なのか。じゃあいいや」
 ポン太はあっさりあきらめて戻ろうとします。しかし、鋼鉄の
扉が閉まって再びあたりが真っ暗になろうとすると……

 「待ってえ~~~」
 美加さんはどうやら観念したようでした。

 そこで、二人が車へ戻ってみると、彼女はすでに毒々しい赤い
インキで印刷された袋を持っています。それは病院でもらう薬袋
みたいな形状でした。

 「今日は、それをお前自身ですえるんだ」
 ポン太の命令で私は薬袋の中身を知ります。『すえる』という
のですから、お灸に違いありません。
 実際、中にはマッチもお線香も用意されていました。

 「………………」
 彼女は渋々でしたが、行動を起こします。ブラウスの裾を少し
だけたくしあげたその時でした。

 「でも、腰にすえるのって一人じゃあ……」
 美加さんがこう言うと、ポン太は少し鼻にかかったように笑って、

 「誰が、腰にすえるって言ったの。昨日、綺麗にしたところが
あるだろう。ちょうどいいから、そこにすえてみろよ」
 こう言われた瞬間、美加さんの顔が真っ赤になります。ですから、
それはおおむね私にも察しのつく場所だったのです。

*********************(5)***

 「………………」
 彼女はとたんに無口になります。そして、ほどなく悲しそうに
私の顔を見つめるのでした。
 そう、それは『私がいなければやってもいい』という意思表示
だったのでしょう。

 けれど、ポン太は無慈悲にそれをはねつけます。
 「だめだぞ、美加。今日は、二人で見学させてもらうからな。
でなきゃ、お仕置きの意味がないじゃないか」

 ポン太の脅迫に、美加さんは下唇を噛んでしまいます。そして
狭い助手席のシートの上で膝をたてると、体を小さくして、何事
か考えている様子でした。

 それって、ポン太の提案に対する拒否の姿勢だと私は思ったの
です。ところが……

 「嫌ならいいよ。そのかわり、今度僕がここへ来るのは3日後
だからね」
 こう言ってポン太が立ち去ろうとします。

 すると……
 「待って!やるから、やればいいんでしょう」

 決心がついたのか、怒ったような美加さんの声がします。
 私にとっては意外な展開でした。

 「よい子は『やればいいんでしょう』なんてご返事しちゃいけ
ないと思うなあ。よい子だったら、ご返事は『やらせてください』
じゃないなあ」
 ポン太は調子に乗って彼のお母さんの口まねを使いながら美加
さんをたしなめます。

 「わかったわ。『やらせてください』……これでいいんでしょう」

 美加さんが言い直してもポン太は渋い顔でした。
 「だめだめ、そんな投げやりじゃだめだよ。君は知らないかも
しれないけど、お母さんにそんな口の利き方すると、たちまち裸
にされて、お尻にお灸だったんだから……」

 「はいはい、またお母さんなのね」
 美加さんは少しくさった様子で囁きます。
 その声は私にさえ聞こえたぐらいでしたから、当然ポン太にも
届いていました。

 「何だって!何て言ったの!」
 ポン太が珍しく凄んで見せます。
 すると、美加さんは口を尖らせたままでしたが妥協したみたい
でした。

 「やらせてください。お願いします」

 「相変わらず芝居のヘタな女だなあ。……でも、まあいいか。
せっかくやる気になったんだから……」
 ポン太は満足気でした。

 そして、車内の様子を見ながら、細々と指示を出します。

 「まず、後ろのシートを倒してそこへ仰向けに寝そべるんだ。
……ほら、艾とお線香を持っていかなくちゃ………馬鹿だなあ、
スカートやショーツを穿いたままできないだろう。…脱ぐんだ。
……嫌じゃないよ。ちゃんとやらないと、出してやらないぞ……
そうだよ、もちろんショーツもに決まってるだろう……えっ、何?
相羽が見てるから嫌だ。…何言ってるの!だからいいんじゃない。
夫婦だけでこんな事やったって、お仕置きにならないでしょうが。
………だめだめ、彼は外さないよ。彼にはこのお仕置きの証人に
なってもらうんだから……左手が邪魔だなあ。いいからどけろよ。
……大丈夫だって、こいつは昔から親友だもん。どこにもお前の
ことなんか漏らしたりしないよ」

********************(6)***

 私は次々に指示をだすポン太を見て、ふと、思ったことがあり
ました。いえ、これほどのマザコンなんですから、さぞや幼い頃
から母親にべったりの生活だったんだろうなあってことは想像が
つきますけれども、もし、それだけなら、今頃ポン太は道を外れ、
ぐれていてもおかしくありません。それが、曲りなりにも旧帝大
を出て定職を持ち、一人前に奥さんだって養ってるわけですから、
母親も時にかなり厳しい事を課してきたはずです。今、こうして、
彼が奥さんに求めている事って、ひょっとしたら、かつてポン太
自身が母親にされたことなんじゃないか。
 そんなふうに思えたのでした。

 「ほら、なかなか可愛いだろう」
 彼の右肩が私の左肩に当たって、はっとして夢想から醒め車内
を見てみると……
 すでに美加さんはショーツを脱ぎ下し、丸めた艾を三角デルタ
に乗せているところでした。

 彼女はお臍から下へ縦に三つ、小さな艾を置いていきます。
 そこには以前すえた痕が点々と残っています。
きっと、夫婦で遊んだ時の痕なんでしょう。

 美加さんは意を決して線香立てから火のついた線香を一本摘み
あげます。
 ところが……

 「だめだめ、そんなんじゃお仕置きにならないでしょう。子供
じゃないんだから。両脇にもう三つずつ乗っけるんだ」
 ポン太の指示で、艾が追加されます。狭いスペースに合計9個。
唾をつけて置いていきますが、体をねじったら床に落ちてしまい
ます。恥ずかしいのと悔しいのとで、美加さんはすでに半べそを
かきながら作業していました。
 そして、それが終わると……、

 「左手は座席の下から出ている手錠に固定するんだ」
 さっきからそれで恥ずかしい処を隠そうとするから、ポン太が、
邪魔だ邪魔だと言っていた左手を、自ら革手錠に固定させます。

 「馬鹿、何泣いてるんだよ。それって、おまえが拘束されてた
方が感じるって言うから取り付けたんだろうが……」

 ポン太の奴、どうやら昔からこの車内で奥さんとこんな遊びを
繰り返していたようでした。それはともかく言われた美加さんは
顔を真っ赤にしてしまいます。
 そりゃそうでしょう。『私たち夫婦はずっとこんなことをして
楽しんでいました』って、宣言したようなものなんですから。
 ただ、ポン太に関して言えば、この男こんなことにはいたって
無頓着でした。彼は女の子の前でも顔色一つ変えずに猥談をする
ようなむっつりスケベタイプだったのです。

 美加さんは自ら左手を革手錠に固定すると、右手一本で、火の
ついたお線香を艾に近づけていきます。

 「………………」
 けれど、それは大変勇気がいるようで、お線香が艾を山を何回
も行きつ戻りつします。

 この村はやいとが今も盛んで、幼い頃には私もお仕置きとして
すえられましたが、どんなに小さな艾でも、すえられれば目の玉
が飛び出るくらい熱いのです。
 いえ、熱いのは通り越して痛いという感じがします。錐で穴を
あけられているようなものすごい痛みです。ですから、私もその
拷問の後は必ず本当に穴があいてないか真っ先に確かめたほどで
した。

********************(7)**

 「さあ、早くしてくださいね。そのくらい、いつも僕がすえて
やってるでしょう」

 ポン太が叱咤するなか、見ればお線香を持つ手も三角デルタも
震えています。小さな胸が浅く早く呼吸し、それとは違う動きが
顎から下唇にかけても見られて、何か譫言を言っているようです。

 これだけ躊躇するのは、夫から相当に熱いお灸を経験していた
からでしょう。そして、自分ですえるのはこれが初めてだったの
かもしれません。

 火のついたお線香を片手に三角デルタを見て思い悩む若妻の姿
は、不思議なエロチシズムに満ちていました。ストリップ劇場で
見るプロのそれとは別種の趣があります。

 「もういい、もういい、どうせやる気がないんだろう」
 突然、ポン太の吐き捨てるような甲高い声がします。彼は美加
さんが自分で点火しないのに業を煮やしたようでした。
 いえ、私だって美加さんのてまえ心配げな顔をしていましたが、
内心は興味津々だったのです。

 ポン太は、まず美加さんのお線香を持った右手に最も近い窓を
ハンマーで叩き割ります。これは万が一を考えて、私が最初から
割れやすいガラスにはめ換えておいたものでした。

 美加さんは、その突然の衝撃に表情はこわばり、肩をすぼめて
固まってしまいます。

 「お線香を渡して……」
 ポン太は美加さんから火のついたお線香を取上げると、やにわ
に美加さんの右手をとって左手と同じように運転席の下から顔を
出す革手錠でその手首を締め上げてしまいます。
 そして、後ろの扉を開けると……

 「やめて!」

 この時やっと我にかえったのでしょう、美加さんの悲鳴が聞こ
えました。彼女としてはこのドアはどうやっても開かないものだ
と錯覚していたのかもしれません。それが、思いもよらず外から
開いて動揺したのでしょうか。

 「相羽、手伝ってくれ」
 ポン太は、そう言い残して車内に躍り込むや美加さんの片足を
取ります。私もここまでくれば彼のやることは分かっていました。

 道は二つに一つなんですが……、
 『しょうがない、やるか』
 とっさの判断を迫られた時、私の理性はstopを決断します。

 両手を固定された女を男二人がかりで取り押さえるのですから、
美加さんがどんなに暴れようとそりゃあ勝負は見えています。
 美加さんは、たちまちフラットシートの上に大の字に固定され
てしまったのでした。

 「まったく世話をやかせてくれるよ。からっきし度胸がないん
だから……」
 ポン太は、美加さんが暴れたために落ちてしまった艾を新たに
作り直して三角デルタに貼り付けます。
 今度は、心なしが一つ一つの艾の山が大きいようでした。

*******************(8)*****

 「こんなのすえて大丈夫かい」

 私が心配して尋ねると、ポン太はにやけた顔をさらにギラつか
せて……
 「大丈夫大丈夫。家では昔からお仕置きはやいとって決まって
るんだ。ほら、もうちゃんと大きいのをすえた痕があるだろう。
聞いたらこの子の実家もそうだったらしいんだ」

 ポン太がそう言って視線を落とした先には、ケロイド状に光る
丸い火傷の痕がありました。私がそこを見つめ続けると、それま
でポン太だけを睨み付けていた美加さんの顔が横を向いてしまい
ます。

 ポン太はその横を向いた美加さんの口に猿轡までをかまそうと
しますから……
 「でも、たかがぬいぐるみ一つでそんなことしなくても」
 と言うと……

 「たかが、なんて軽々しく言わないでくれよ。僕にとっちゃ、
新参者のおまるよりあの子の方が大事なんだぜ」
 「でも、それじゃあ美加さんの立場が……」
 「いいんだ、こいつのことは……俺が嫌なら出ていくだけの事
だし……それに……これは夫婦の問題なんだから……」
 強気のポン太でしたが、ここにきて幾らか罪悪感が出てきたの
か、煩わしそうに私から視線をそらします。
 そして猿轡は諦めたようでした。

 「もともと、こいつは、僕がマザコンだって知らなかったんだ。
お母さんが『マザコンだなんてわかったら誰もお嫁になんか来て
くれませんよ』って言うから、そういう事はカモフラージュして
つき合ったんだ。デートの時は、お母さんが作った想定問答集を
覚えて出かけた。まるっきり学校時代のテスト前日と同じだった」

 「おまえ、そんなことまでしたんだ」

 「前の二人だってそれは同じだよ。……でも、結婚すれば当然、
ばれちゃうだろう。もちろん僕が生き方を変えればいいんだろう
けど、でも、それやっちゃうと、今度は仕事ができなくなっちゃ
うからね。だから美加にも『いつでも実家に帰っていいよ』って
言ってやったんだ。……でも……」

 ポン太はお線香の火を艾に移します。九ついっぺんに火がつき
ましたが、山の頂上が燃えているうちは問題ありませんでした。

 「最初に実家に帰ってここへ戻った時、おまえ言ったよなあ。
あなたについていきます。お義母様、お願いしますって言ったよ
ね。お灸のお仕置きでもなんでも我慢しますって……」

 ポン太は、火のついたお線香を持ったままの右手で、そっぽを
むいてしまった美加さんの顔を元に戻します。美加さんは、再び
横を向こうとしましたが、お線香の赤い頭をこれみよがしに目の
前数センチまで近づけられては、美加さんも観念するしかありま
せんでした。

 「ま、いろいろ事情があるらしけど、結局、実家にも帰らない
し、僕とも別れる気もないらしい。……しまいに『私はお義母様
の次に愛されていればいいですから、あなたのおまると同じ部屋
で寝ますからここにおいてください』って泣きついたんだ。……
きっと、お母さんがまた裏でまた何かしでかしたんだろうけど…」

 ポン太がそこまで言った処で艾の火か麓まで下りてきた。
 となれば当然……

 「いやあ~~~やめてえ~~~取って、お願い。いやだあ~~」
 美加さんは恥も外聞もなく泣き叫び始めます。
 が、ポン太が美加さんのお腹の上に馬乗りになり、私も大の字
になった右足を椅子代わりにしているので、美加さんの細い体で
はどうにもなりません。

 そうこうするうち、ポン太が二回目を用意しますから、慌てた
美加さんが……
 「だめえ、もうやめて~~、そんなに大きいのは耐えられない
から、駄目だってお願い、あああ……(うぐぅ)」

********************(9)****

 ポン太は美加さんの声があまりにうるさいと思ったらしく今度
は本当にタオルで猿轡をしてしまいます。小さなタオルを二枚、
口の中にねじ込み、大判のタオルで鉢巻きのようにしてゆわいて
しまうと、いくら声を出そうにも出ませんでした。

 静かになったところで、ポン太はゆっくりと、二回目の準備に
取りかかります。

 「そう言えば、おまえ、ロリコンだったよな。あの趣味って、
終わったのか?」
 「いいや、今でも好きだよ。資料はママにだいぶ捨てられちゃ
ったけど……また、台北やマニラに行けば会えるから」

 「台北やマニラ?」

 「僕の資料はそこに全部保管してあるんだ。お母さんの追及を
逃れるためにね。国内の拠点は全て知られちゃったから……」
 ポン太は次を乗せるためにその灰を払いのけます。そして次に
乗せる艾もさっきとほぼ同じ大きさでした。

 「小さい子が一番いいよ。純真だから………その素肌に触れて
いるだけで身も心も浄化されていく気分になる。………君は知ら
ないだろうけど、ハリスはそのための学校まで建てたんだ。偉い
奴さ。その子の学費を出してあげれば、ファックはできないけど、
それ以外ならたいていのことはOKさ。今度、招待してやるよ」

 「いやあ、僕は遠慮しとく。そんな趣味ないから」

 「騙されたと思って、一度おいでよ。生き返るから……大人と
いくら寝たってああはいかないもの。早い話、こいつにしたって、
実家に借金がなければ僕なんかと一つ屋根の下には暮らさないだ
ろうし……ま、それが、大人の分別ってやつだろうけど……」

 ポン太はそこまで言って火を点けます。効果はさきほどと同じ。
いや、それ以上だったかもしれません。何しろ私の乗った右足が、
今度はほんの一瞬わずかに浮き上がったほどですから。

「いややゃゃややゃゃややゃゃゃやあぁぁあぁぁああぁぁぁああ」

 美加さんの悲鳴に嘆きや愚痴や哀願はありません。ただただ、
熱いという思いだけが信じられないほどの力となって私を持ち上
げてしまうのでした。

 息が荒くなったまま横を向く美加さんの顔を、ポン太はちらり
とも覗こうともしません。そして、黙々と三回目を準備。ただし、
今度は少し趣が違っていました。

 ポン太は、美加さんの両足につけた細いワイヤーを電気仕掛け
のウインチで巻き上げていきます。

 「いやだあ、何すんの。こんなの約束してないでしょう」
 車内の窓の内側を擦るようにして、美加さんの両足が上がって
いきます。

 ゆっくり、ゆっくりではありましたが、それでも30秒とたた
ないうちに、美加さんの足先は車の天井まで届いたのでした。

 で、その結果。

 ワイヤーのたるみを利用して美加さんの足はある程度動かす事
ができますが、それも10センチ足らず。もとに戻すことなんて
到底できません。
 ですから、どんなに身体をばたつかせても大事な処が我々の目
から丸見えとなったのでした。

******************(10)***

 「ほら、こいつのは特別きれいだろう」
 ポン太は、自慢げに美加さんの奥深くを押し広げて私に見せて
くれました。

 しかし、そこに『綺麗』という言葉が当てはまるかどうか。
 とにかく、美加さんのそれは綿毛ひとつなくつるつるに剃り上
げられていたうえ、本来なら暗褐色になっているはずのびらびら
なんかも綺麗に生まれたままの皮膚の色をしていたのでした。

 私にはこう言うほかありませんでした。
 「おまえらしいよ」
 「本当はびらびらなんかも、手術で小学生並みに小さくしたか
ったんだけど……」
 「やればよかったのに」
 やけでこう言うと、相手はしごくまじめに、
 「お母さんに見つかっちゃってね。『子供を産むまで、そこは
触っちゃ駄目よ』って言われたんだ」

 まさに、彼とこうした話題を共にする時はこちらも小学生気分
でなければついていけないところがあります。でも、それでいて、
こいつは金曜日ともなれば、すまし顔で大学の教壇に立っている
のですから、呆れたもんです。

 私は勇気を出して尋ねてみました。
 「おまえ、美加さんが可愛くないのか?……だったら、俺から
おばさんに口きいてやってもいいんだぜ」
 しかし、ポン太は不思議そうな顔をするだけ。

 「何言ってるんだおまえ、可愛くなきゃこんなことしないよ。
終わったあとはちゃんと医者にも見せてるし、問題ないって…」

 彼はまったく意に介していない様子で、赤い袋からまた一撮み、
艾を取り出します。そして、それをほぐし丁寧に丸めて、小さな
山を作ると、今度は美加さんの股間へと分け入ったのでした。

 「おまえも手伝えよ。しっかり押さえてろよ」

 ポン太は美加さんの下腹に肩を入れて強引に美加さんの秘所を
こじ開けようとします。普段つとめてクールな男の無駄に必死な
姿は笑いさえ誘います。

 「なあ、こんなことしたら訴えられるよ」
 「訴えるって?誰に?」
 「美加さんにさ」
 「馬鹿馬鹿しい。おまえって意外に気が小さいんだなあ。その
時はその時さ」
 「だって……」
 「何がだってだ。そんな事だからお前は嫁さんの尻に敷かれて
るんだ。訴えたければそうすればいいだけ。俺たちは夫婦なんだ
もん。ほら、見ろ、美加のやつ。嬉しがって、こんなにおつゆを
垂らしてる」

 ポン太は、どう見ても抵抗しているとしかみえない美加さんの
股間を押し広げると、その一番敏感な処を二本の指で擦り始めて
いました。そのゆっくりとなじるような動きに美加さんの腰が揺
れ始めます。頭を埋め、押し開いた秘貝の中にざらざらした舌を
ちょこんとつけては美加さんの反応を楽しんでいます。

 「ほら、美加。今日は楽しいかい?お前は、広いベッドより、
こんな狭い車の中の方が感じるんだろう。どうした?ん?今日は
お客さんがいるせいかな。いつもよりペースが早いんじゃないの
かい」

******************(11)***

 そう言いながら、ポン太は美加さんのクリさんを立ち上げ剥い
ていきます。その同じ顔で、今度は私にはこの狭い車の奥へ入れ
というのでした。

 わけがわからず狭い車内へ入っていくと、美加さんの口からは
すでに猿ぐつわが取れていました。それを確認していた彼はこう
言ったのです。

 「なあ美加。今日は相羽のおじちゃんのが特製キノコがしゃぶ
れるからね。ご馳走だよ」

 「…………」
 当然、美加さんの顔は青ざめます。
 いえ、私だって、こんな時、どんな顔をしていいのか分かりま
せんでした。

 「ん?……どうしたの?…嬉しくないの?………嬉しいときは
嬉しいですって言わなきゃ」
 最後に、ポン太は、美加さんの大事なクリちゃんに二本の爪を
立てて摘みあげようとするのです。もちろんただではすみません
でした。

 狭い車内がまるで田舎のでこぼこ道を走っているように激しく
揺れ、私は天井に頭をぶつけてしまうほどでした。

 しかし、美加さんはけなげにもポン太の指示に従います。
 「嬉しいです。私、相羽さんのが好きです」
 かすれかすれの声で言いましたが、ポン太は納得しません。
 「じゃあ、俺のは嫌いなのか?」
 「……いいえ」
 「なら、なんで相羽のがいいんだ。おまえ、いつ相羽のを見た
んだ。えっ……」
 ポン太は再びクリちゃんを爪を立てて摘み上げました。
 「いやああああ、やめてえ~~~」

 ポン太はもう一度尋ねます。
 「相羽と俺とどっちがいいの?」
 「……どっちも」
 「どっちもじゃわからないでしょう」
 「もちろんあなたの、あなたのです」
 「そうか、それは嬉しいけど、今日は相羽ので我慢しろ」
 「はい」
美加さんは小さな声で答えました。

 ポン太は太い眉を少し上げると、私に満足げな顔を見せます。
 「じゃあ、相羽、美加がごちそうしてくれるそうだから、味わ
ってみなよ」
 彼はそう言うと、美加さんにも、
 「奴のは、でかいからね、シャブリがいがあるよ」
 こう言ってひやかします。

 そして、そこで会話がとぎれたとみるや、
 「相羽さんいらっしゃいませって言えないの!ん?…あれだけ
教えてやったのに、いつになったらまともな接待ができるんだ」
 彼の言葉が終わるか終わらないうちに、美加さんへは、さらに
厳しい罰が加えられることになるのでした。

 その悲鳴は突然でした。
 「ぎぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ」
 喉が震え、全身に悪寒が走りひきつけを起こしたように震えて
います。

 何が起こったのか分からず尋ねると、ポン太はあっけらかんと
したもので……
 「膣前庭にお灸をすえたのさ。おしっこの出る穴の辺り。ここ
が悪さをする女には一番きくみたいだね。ただしベビーパウダー
をようくまぶして乾かしてからじゃないと、うまく乗っからない
から高等テクニックがいるんだ。今、一発目でいっちゃったけど、
こいつまだ若いからすぐに元気になるよ。フェラ、嫌いじゃない
んだろう?」

 「…………」

 「だったら、四つんばいになってそいつの口元に垂らしとけば
いいよ。うちのは、結構上手いんだぜ。最初の一年はそればかり
特訓させたから」

 彼はそう言いながら二回目を準備しています。私はお灸に興味
はありませんが、この可愛い口で舐めてもらえたらという欲望は
湧いてきます。
 良い悪い、理性、常識、そんなものは私の脳裏から吹っ飛んで
います。それは男の性というしかありませんでした。

********************(12)***

 「……本当に……いいのか」
 確かめると、

 「ああ、いいさ。こいつがくわえ込んだのはお前だけじゃない
んだから。最近は、お母さんも綺麗にしてやってるし、そうした
意味では重宝なんだよ。おまるとしてはな…それと、お前。少し
美加の乳を揉んでやってくれないか。その方が、美加にとっても
張り合いが出るだろうから」

 私はたまらずブラウスを引きちぎりろうとします。
 しかし、焦っていたのかそれに手間取っていると、ポン太が、
めんどくさそうに大きな裁ちばさみを渡してくれました。

 「ほら、ハサミ」

 あとはもう無我夢中でした。乳を揉み、とがった乳頭を舐め、
うなじを顎を鼻の頭まで舐めてから唇へ、さらにその奥へ自分の
舌を入れて……あとは……あとは……自分の一物を柔らかな井戸
の中へ吸い込ませたところまでは覚えているのですが……全ては
断片的な記憶だけ。そうそう、吸いつかれた時に体を反らした事
だけは覚えています。

 「あっあ~~~~うっあっ、いいいいいいいえええええええ」
 全てのネジが吹っ飛んで、フィニッシュとなる寸前、ポン太が
急所ばかりを選んで二回目の艾に火を点けたからたまりません。
それまで優しく遊んでもらっていたのに、いきなり、『がぶり』
ですから。

 「いたあーーーーー」
 今度飛び上がったのは私の方でした。

 もちろん切れたりはしませんが、狭い車内でのたうち回ること
20分、恥ずかしいのなんのって、理性が戻ってしまいました。

 ポン太は、その後私の大事なものを噛んだと言って美加さんに
三度目のお灸をすえていました。

 今にして思うと、あんな狭い車内でよくこんな馬鹿な事ができ
たと思います。お互い結婚はしていましたが、まだまだ若い盛り
でした。

***************************

 若気の至りから3年。
 さすがにポン太も最近はおとなしくなったみたいです。という
のは子供ができたからでした。

 ポン太の悪戯で産婦人科の先生も美加さんの体を診てたいそう
驚いた様子でしたが、それ以上に驚いたのはすでにこの時子供を
身ごもっていたことでした。
 幸い子供に影響はないとのことで、無事、男の子を出産しました。

 ところで、美加さんにもあれだけ悪戯していたポン太ですから、
さぞや子供にも……と心配になりましたが、美加さんの話では、
子供と私は別ということで、今のところ被害は及んでいないよう
です。

 今度は女の子を、と言っているそうですが、可愛がりすぎて、
変なことにならないか、奥さんには今からそれが心配なんだそう
です。

*********************(了)**

***************************
(ご挨拶)
 鬼滝村は田舎の小さな村です。ここでは都会の人の常識は通用
しません。村の有力者が法律以上の力を持ち、子供たちは体罰に
明るく怯え、女の子は結婚してもそこが安住の地ではありません。
 こんな村ですが、住めば都とやら、ほとんどの村人がこの村に
住んで不幸とは感じていませんでした。それは、ここにはここの
過ごし方、生き方があるからです。
 まずは、思い出のご報告まで……。
 お読みいただきありがとうございました。

****************************

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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