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見沼教育ビレッジ <第2章> (2)

***** 見沼教育ビレッジ <第2章> (2) *****


******<主な登場人物>************

 新井美香……中学二年。肩まで届くような長い髪の先に小さく
       カールをかけている。目鼻立ちの整った美少女。
       ただ本人は自分の顔に不満があって整形したいと
       思っている。
 キャシー……ふだんから襟足を刈り上げたオカッパ頭で、短い
       フリルのスカートを穿いている。お転婆で快活な
       少女。ケイト先生は元の指導教官で、離れた今も
       会えばまるで仲のよい親子ようにじゃれあう関係。
 堀内先生……普段は温厚なおばあさん先生だが、武道の達人で
       たいていの子がかなわない。美香が卒業するまで
       ケイト先生からキャシーを預かっている。
 ケイト先生…白人女性だが日本生まれの日本育ちで英語が苦手
       という変な外人先生。サマーキャンプでは美香の
       指導教官なのだが、童顔が災いしてかよく生徒と
       間違われる。彼女はすでに美香の両親から体罰の
       承諾を得ており、お仕置きはかなり厳しい。
若杉先生……小学生の男の子たちを指導するイケメン先生。

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***** 見沼教育ビレッジ <第2章> (2) *****

 キャシーは美香の手を取って走り出します。
 それにつられて美香も走ります。

 中学二年の子の全力疾走。
 こんなのに意味なんてありません。
 『衝動的に走りたくなった』ということでしょうか。
 おばさん先生二人がすぐに追いつけるはずがありませんから、
二人が追いついて来る、その僅かな間だけでも自由な時間が欲し
かったということなのかもしれません。

 いくらここの規則だといっても、二十四時間張り付かれたら、
そりゃあうっとうしいに決まっていますから……

 そうやって二人が辿り着いたのは蔦の絡まるレンガ造りの洋館
でした。

 「へえ~立派な建物ね」
 美香が感心していると……

 「ここはね、理事長先生の趣味の館なの」
 「趣味?どんな?」
 「絵画や骨董品の収集。でも、みんな悪趣味って言ってるわ」
 ケイトは先生方を振り切ってこれが言いたかったのかもしれま
せん。

 「さあ、入るわよ」
 「いいの?勝手に入って?先生たち待った方がよくない?」
 「平気、平気、別に入場料は取らないから大丈夫よ」

 二人は追ってきた先生方の到着を待たずに中へ入ります。

 広いエントランスは照明が絞られて暗い感じですが、その壁を
取り囲むように掲げられた大きな油彩画にだけは十分なライトが
当たっていました。

 「あら、珍しい!キャシー。久しぶりね」
 中年の婦人がさっそく声を掛けてきます。

 「(へへへへへ)おぼえてたんだ、先生」
 とたんにキャシーは照れ笑い。

 「そりゃあ覚えてるわよ。事もあろうに、この絵の前でお漏ら
しした子だもの。忘れるはずないわ」

 「昔のことじゃない。いつまでもそんなこと覚えてないでよ。
あの時はまだ小学生だったから、ちょっとビックリしただけよ」

 「(えっ!……何なの、これ……)」
 美香は二人の会話を小耳に挟みながらも、一枚の絵に釘付けに
なります。
 それは美香の身長より大きな額縁に描かれたスパンキングの絵
でした。

 銀行員風の真面目そうな父親が、幼い女の子をテーブルの上で
四つん這いにさせてお尻を叩いています。

 きっと画力のあるプロの絵描きさんが描いたのでしょう。少し
無理な構図にも関わらず、絵の大きさともあいまって『なるほど』
と息を飲む迫力です。
 特にその父親の顔に威厳のあること。赤いお尻の子供の表情が
リアルで、今にも悲鳴が聞こえてきそうです。

 『なるほどね、こんな絵を幼い子が見たら、びびるかもね』
 手を伸ばせば掴めそうなくらいの緊迫感に釘付けになった美香
を見てキャシーが声を掛けます。

 「さあ、さあ、そればかり見てないで……ここにはこんな絵が
他にもたくさんあるんだから……この周りの壁一面どれもこれも
スパンキングだらけよ。よくもまあ、こんなくだらない絵を飾る
気になると思うわ」

 キャシーの言う通りでした。
 たまたま目に止まったその絵ばかりではありません。この広い
エントランスの壁一面を飾る油彩画は、そのテーマがどれも同じ
だったのです。

 ここにあるのは、可愛らしい子どもたちが親や教師やシスター
たちからスパンキングや鞭打ちを受けているものばかり。そんな
微笑ましくも残酷な様子を描いた油彩画が大きく立派な額と共に
ドーム型の壁から美香を見つめています。

 確かに幼い子がオシッコをチビっても不思議のない迫力でした。

 「こっち、こっち」
 キャシーは美香がエントランスの絵を一通り見終わる間も与え
ず、隣りの部屋の入口へ行って手を振ります。

 「えっ、何なの?」
 美香が少し不満そうにその入口に向かうと……

 『家庭での折檻』
 入口にそう書かれたプレートが掛かっています。

 「この部屋に飾られている絵はね、偽善はびこるビクトリア朝
時代、貴族社会やブルジョア家庭で繰り広げられたゲームのよう
な子供へのお仕置きをリアルに描いたものなの」
 キャシーが得意げに説明を買って出ます。

 たしかに、正面中央の壁に掛かる絵は大作でした。

 この絵のメインテーマは、古めかしい衣装を身にまとった父親
から鞭の洗礼を受けて震えあがる幼い男の子の姿なのですが……
 この絵はそれだけではありませんでした。よく見ると、主人公
たちの両脇にも、召使によってお浣腸される子供の様子や木馬に
よる見せしめ、部屋の片隅で壁の方を向いて立たせている子ども
など、ありとあらゆるお仕置きが克明に描かれています。

 「ねえ、こんな気味の悪い絵を見に来る人なんているの?」
 美香が尋ねると……

 「自主的にはいないかもね。でも、小学生にはあまり強い折檻
ができないでしょう。その分、悪さをするとよくここへ連れて来
られたわ」

 「へえ~~これって、つまりはお仕置き用なんだ」

 「そうよ、今はだいぶ大人になったから大丈夫だけど、幼い頃
はここにある絵を一枚一枚丁寧に見せられてから、『今日はどの
お仕置きがいいかしらねえ。あなた、どれをやって欲しいの?』
なんて聞かれたものよ。当時はそれだけで結構びびったんだから
……」

 「そうかあ。そうかもしれないわね。……だって、これ、結構
迫力あるもの。……それで、あなた、お漏らししたのね」

 「やめてよ。それは言わないで……あれは、陰険な先生の罠に
引っかかっただけなんだから……あの時は目隠しをされてここに
連れてこられて、いきなりあの絵の前で目隠しが外されたから、
びっくりしただけよ……ほんと、陰険なんだから……」

 キャシーが口を尖らせてそう言うと、入口の方から声がした。

 「誰が陰険なの?……」
 キャシーが振り返るところにケイト先生が……

 「あっ、先生」

 「あっ先生じゃないわよ。……あなたを一人にしておくと何を
言い出すか分からないわね。そうじゃないでしょう。本当はお尻
叩きだったのを、まだここに来たばかりで慣れてないから可哀想
だと思って、絵を見るだけにしてあげたんじゃない。そうしたら、
それも恐くて泣き出したんでしょうが……あの頃はあなたも随分
と可憐な少女だったけど……今は随分図太くなったみたいね」

 「え、そうだったっけ……」
 キャシーが赤い舌をぺロリと出しますから、ケイト先生も思わ
ずため息です。

 「あのう……キャシーっていつからここにいるんですか?」
 まるで痴話げんかのような会話を聞いて、美香がケイト先生に
尋ねます。

 「いつからって……小学校の四年生からよ。それより幼い子は
ここでは預からないから。キャシーは、言わばここの主みたいな
ものなの」

 「そんなに昔から……」

 「そんなに悪い子じゃないんだけど、色々と事情があってね、
ずっとここで預かってるのよ」

 ケイト先生は露骨な言葉を使わなかったが、キャシーは両親が
育児放棄をしたため、そもそも帰る家がない可哀想な子なのだ。
幸い(?)両親にはまとまったお金があったため、こうした施設
を渡り歩き、小4からはずっとここで預かり続けているのだった。

 以来、今回のような短期の中断はあってもおおむねケイト先生
が担任。キャシーにしてみたら、彼女は先生というより育ての親
みたいな存在だったのである。

 「ねえ、さっき見かけた男の子たちって、よくここへ来るの?」

 美香はキャシーに問いかけたのだが、ケイト先生が答えた。
 「中学生以上の子がここへ来ることは稀だけど、小学生の場合
はまだまだ人畜無害ということで、ここもよく使われるわ。……
お仕置きで……」

 「オ・シ・オ・キ」
 お仕置きと聞いて美香は目をぱちくり。
 もちろん、それって意外だったからだが、その心の奥底には、
『ト・キ・メ・キ』という言葉も隠されていたのである。

 『ボーイソプラノの悲鳴』『未熟なオチンチン』をほんの一瞬、
美香は想像してしまったのだ。

 そこで、恐る恐るケイト先生に尋ねてみる。
 「あのう~~、お仕置きってどんなことするんですか?」

 すると……
 「どんなって……彼らの場合は、私たちとそんなに変わらない
わよ。男の子は中学になると罰のほとんどがお尻への鞭打ちなん
だけど、小学生まではお仕置きも男女でそんなに変わらないの。
……そうねえ……だいたい、ここに描かれている絵の内容は……
何でもされると思って間違いないわね」
 ケイト先生は絵画全体をあらためて見回します。

 「小学生って、男の子も、女の子も一緒なんだ」

 美香のつぶやきに、今度はキャシーが入って来た。
 「私もよくやられたけど、これってゲームみたいなの。目隠し
をされたまま、ここにある絵の前に連れてこられてね……目隠し
を取った時に、目の前に現れた絵が、自分が受けるお仕置きって
わけ」

 楽しそうに答えるキャシーに背を向け、美香は、ケイト先生に
尋ねる。

 「随分、手の込んだことをするんですね。何だか、心臓によく
ないみたいだけど……」

 「幼い子の場合は、身体にあまりキツイこともできないから、
なるべく劇的効果で心を揺さぶって改心を迫るの。あなたたちは
もう大きいから、こんなことぐらいでおたおたすることもないで
しょうけど……お漏らしってね、実はキャシーだけじゃないのよ。
……これもね、逆ギレして暴れる子もいたりして、けっこう大変
なんだから…」

 「暴れる子はもっとお仕置きがきつくなるんですか?」

 「仕方ないわ。お仕置きでは耐えることって大事なことだもの」
 ケイト先生は軽く受け流します。

 そして……
 「男の子たち、今頃は博物館に行ってお仕置きの真っ最中かも
しれないわよ」

 「博物館?お仕置きの真っ最中?」
 美香の頭の中に、他人には見せられないよからぬ映像が……

 「ここは美術館だから展示は絵画が中心だけど、中庭を挟んで
向こう側にある建物は博物館になってるの。あそこには、中世の
拷問用具がたくさん展示してあるわ」

 「レプリカも沢山あるから、色々試せるようになってるのよ」
 ケイト先生の言葉を遮るようにキャシーが再び入ってきた。

 「きっと今頃は授業の真っ最中じゃないかなあ?」

 「授業って……何の?」

 「『何の』はないでしょう。ここに来たら、あいつらやること
は一つよ」

 「ん?」

 「何、変な顔して……お仕置きの授業に決まってるじゃない。
……そうだあ、ついでだもん、見学に行きましょうよ」

 キャシーの明るい声が響きますが、美香は尻込みします。
 その美香をからかうように……
 「可愛いわよ。男の子のオチンチン。……中学生になるとさあ、
ちょっと、ちょっとだけど……あいつら、まだチビちゃんだもの。
可愛いもんだわ」

 ケイト先生はしばらく美香の顔色を見ていましたが、そのうち
彼女がまんざらでないことを見抜きます。

 そこで……
 「そうね、行きましょうか」
 と言って誘うと……
 「それがいいわ。何事も経験して損になることはありませんよ」
 という声。
 それは、遅れてやってきた堀内先生の声でした。

 「えっ!……まあ……」
 こうなると、美香だって嫌も応もありませんでした。


 再び合流した四人は数々の晒し台や拷問具がまるで児童公園の
遊具のように並ぶ中庭を横切って、奥の建物へと入っていきます。
 すると、すでに高い天井に反響して鈍い音が木霊していました。

 『何の音だろう?』
 美香の疑問はすぐに解消します。

 開け放たれた広間は、その入口に立っただけでその部屋全体が
見渡せるのですが……

 『あっ!』

 その部屋の奥。ここでは『木馬』と呼ばれているお尻叩き専用
の机に11歳くらいの男の子がしがみ付いているのが見えます。

 ズボンもパンツも脱がされ、今まさに男の先生からゴムパドル
でお尻をぶたれている最中でした。

 まさにいきなり修羅場に遭遇したわけですが……ただ、そこは
女の子世界のような悲壮感というかドロドロとしたものはあまり
感じられませんでした。

 というのも、その子の後ろにはすでに沢山のお友だちがすでに
並んでいます。中には心配そうな顔の子もいますが、笑ってる子
が大半だったのです。

 それって……まるで体育の授業で、跳び箱の順番を待っている
みたいでした。

 「ピシッ……ピシッ……ピシッ」

 どうやら一人三発というのがお約束みたいでした。
 三発だけお尻に鞭を受けると……男の子たちは先生からパンツ
だけを上げてもらって選手交代です。

 『大きな音だけど……きっと、そんなに痛くはないんだわ』
 美香は思いました。
 というのも、男の子たち、先生の鞭がお尻に当たるたびに顔は
しかめますが、泣き出す子はいませんでしたから。

 と、そのうち……

 「あれっ、堀内先生。ご見学ですか?」
 鞭を振るっていた男の先生が入口で見ていたの女性陣に気づき
ます。

 こちらを振り返った男の先生は、30過ぎ位。身長が高くて、
ウェーブのかかった髪をかきあげると、堀の深い顔がのぞきます。
 これがなかなかのイケメンでした。

 「あれ、若杉先生よ。どう?なかなかハンサムでしょう。……
わたし、あの先生の追っかけしたことがあって、ケイト先生から
イヤッてほどお尻叩かれたことがあるの」
 キャシーが美香に耳打ちします。

 「(えっ!)…………」
 美香は、その瞬間、何一言も言わず顔色だって変えません。

 ですが……
 『私も……あの先生にだったら男の子みたいに、お尻をぶたれ
てみたいなあ……』
 なんて、ついつい思ってしまうのでした。

 女の子だって人間ですからね、思春期の頭の中は、実は男の子
とそんなに違いがないんです。思春期の女の子は男の子と同じで
Hな妄想が大好きなんです。

 ただ、女の子というのは、他人に自分がどう見られているかを
第一に考えて行動する人たちですから、どんなにおしゃべりな子
でも、自分が不利になるようなことは決しておしゃべりしません。

 そこで、そんな取澄ました様子を見ていた男の子たちの間に、
『女の子というのは性に関心がないんだ』などという美しい誤解
が生じるのでした。

 『……そうか、男の子たちって強いものね。お尻をぶたれても、
きっと痛くないんだわ』
 美香は入れ替わり立ち代りお仕置き台にうつ伏せになってお尻
をぶたれていく男の子を見ていてそう思います。

 でも、これは女の子の方の誤解でした。男の子だって人間です
からね、お尻をぶたれて痛くないはずがありません。女の子より
脂肪が薄い分、かえって痛いかもしれません。
 男の子は決してスーパーマンではないんです。

 ただ、男の子っていうのは、やせ我慢が大好きでした。理由は
みんなの同情を引きくようなみっともない声を上げたくないから。
お仕置きが終わったあとも、『大変だった』なんて愚痴を言って
いると、ただ一人『あんなの大したことじゃないよ』なんてね、
虚勢を張りたいんですよ。
 つまり、女の子とは違う処で見栄っ張りなんです。

 ですから、これもまた、女の子の側に『男の子って、やっぱり
強いんだ。きっと私たちがぶったくらいじゃこの子たち堪えない
わ……』なんていう誤解が生まれるのでした。

 そんなことを美香が思っていると……
 「どうかしら、少し、お手伝いしましょうか?」
 堀内先生が冗談めかした様子で若杉先生に提案します。

 すると、若杉先生。美香の予想に反して、『いえいえそれには
およびませんよ』という返事をしませんでした。

 「そうですか。……では、そこのお嬢さん方にも、お手伝い、
お願いしてみようかな」
 若杉先生の返事はこうでした。

 『えっ!?悪い冗談』
 美香は思います。
 でも、それって冗談ではありませんでした。

 「やったあ、やらしてくれるの。わたし、やりたい」
 キャシーが無邪気に叫んで、男の子たちのもとへ……

 「いいよ。でも、平手のスパンキングだけだよ。それでもやっ
てくれるかい?」
 キャシーを迎えた若杉先生に何のためらいもありませんでした。

 「もちろんOKよ」
 キャシーはすっかり乗り気で、腕が鳴ると言わんばかりです。

 『バカ言わないでよ。私は嫌よ。知らない男の子のお尻を叩く
なんて……』
 美香は、とんとん拍子に話が進んでいくのを、ただただ驚いて
見ていましたが……

 「あなたも、混ぜてもらいなさいよ。面白いわよ」
 部屋の入口付近に残っていたケイト先生までが美香の肩を抱き
抱えて部屋の中央へ寄っていきます。

 『えっ!わたしも……』
 美香は、もう、ビックリでした。

 もちろん先生たちの会話を聞いていた男の子たちだってそこは
……
 「え~~~~~~~~~~~やだあ~~~~~」
 だったわけですが……

 美香は、あらためて近くで見る少年達の顔が、真剣に嫌がって
いる顔とはちょっぴり違っていると感じます。
 彼ら、これから私たちの膝の上でお尻を叩かれるはずなのに、
それにどこか余裕があるというのか、気のせいかむしろ楽しいと
言わんばかりの顔に、美香には見えるのでした。

 それって、美香にしてみたら、むしろ不気味に感じられます。

 「じゃあ、キャシー。ここに座って……」
 若杉先生はキャシーの為に折りたたみ椅子を用意してくれます。

 「一人、六発ずつと決めてるから、たとえ失敗しても回数を増
やしちゃいけないよ。それと、ズボンはいいけど、パンツは脱が
さないようにね」

 「分かってるよ」
 若杉先生の注意に余裕綽々のキャシー。どうやら彼女、以前に
もこうした経験があるみたいでした。


 というわけで、生贄になった男の子が一人やってきます。

 「お願いします」
 キャシーの前で一礼すると、椅子に腰を下ろしたキャシー膝の
上にうつ伏せになります。

 とっても可愛くて、とっても礼儀正しい子でした。
 その可愛らしい子の半ズボンにキャシーは手をかけます。

 真っ白なブリーフが現れて……
 「痛いけど、我慢してね」
 キャシーはその子のお尻をなでなで……

 そして、最初の一撃を……
 「ピシッ」
 乾いた音が高い天井に届きます。

 男の子は思わず背中を反りますから、痛いと感じていないわけ
がありませんが、男の子の横顔はなぜか笑顔でした。

 キャシーは再び男の子のお尻をなでなですると……
 「次、いくよ」
 一声かけてから、また次の一撃を……

 「ピシッ」
 その甲高い音は広い部屋中どこででも聞こえます。

 男の子の背中が反り上がって……でも、今度はちょっぴり痛い
という顔をしました。

 「ピシッ」
 「あっ……」
 今度は明らかに痛そうな顔になります。

 「ピシッ」
 「いっ……」
 四回目で初めて歯を食いしばります。
 でも、痛みはすぐに逃げてしまうらしく、『ピシッ』と叩かれ
ても時間をおかずすぐにまた笑顔に戻ります。

 美香はそれを見ていて思います。
 『この子たち、私たちより年下だけど泣かないのね。やっぱり
男の子は強いんだわ』

 そして、こうも思うのでした。
 『こんなに強いんだもの。私が思いっきりひっぱたいても多分
大丈夫だわね』

 「ピシッ」
 「ひぃ……」

 「ピシッ」
 「ああああ」
 六回目で初めて男の子の口から悲鳴らしい声が漏れます。
 それに笑顔に戻る時間も少し長くなったみたいでした。

 「痛い?……痛かったら言ってね。緩くしてあげるから……」
 キャシーは自分の膝の上で寝そべる少年に声をかけますが……

 「大丈夫です」
 幼い声が聞こえました。

 「あと半分だから……頑張ってね」
 キャシーは男の子が相手だと、とたんに優しいお姉さんになる
のでした。

 「それ、もう一つ」
 「ピシッ」
 「あっ…痛い」
 男の子は初めて痛いと言いましたが、その直後、顔を激しく横
に振ります。

 「さあ、次よ。歯を喰いしばってね」
 「ピシッ」
 「いやあ~」
 男の子の口から初めて泣き言が漏れます。
 そして、もうそれからは笑顔に戻ることはありませんでした。

 「ピシッ」
 「ぁぁぁ……」
 九回目。声は立てませんが、その表情からかなり痛そうにして
いるのが分かります。
 ただ、それでも男の子は泣きません。

 頑張って、頑張って、頑張って……とにかく、必死に泣かない
ように頑張ってる姿が、美香にはいじらしく感じられます。
 そして、なぜかそんないじらしい姿を見ているうちに……
 『私もやってみよう』と思うのでした。

 「ピシッ」
 「あっっっっっ」
 それまで遠慮がちにキャシーの膝にうつ伏せなっていた男の子
が、この時初めてキャシーの膝にしがみ付きます。

 キャシーとっては待ちに待ったものが来て、内心歓喜していま
した。
 自分の膝に必死になってにしがみ付く年下の少年。
 それは、女の子にしか分からない悦楽だったのです。

 「ピシッ!!」
 「ひぃ~~~」
 キャシーはさっきより強く男の子のお尻を叩きつけ、男の子も
さっきより強くキャシーの膝をその下半身で締め上げます。
 
 『あああ、いいわあ~~~』
 キャシーの悦楽ははさらに高まります。
 許されるなら、このまま、女の子の気持を全開させてその祠を
濡らしてみたいとさえ思うのでした。

 『あ~あ、これで最後か。もったいないなあ。もうちょっと、
やらせてくれたらいいのね』
 キャシーの心はすでに欲望の渦。

 でも、もう少し、もう少しと思うところでやめておくのがいい
のかもしれません。

 キャシーは諦めて、最後の一撃を男の子に見舞います。
 「ピシッ」
 「ぁぁぁぁぁぁ」

 それは、キャシーがこの子に放った一番強い平手打ち。まるで
自分の未練をこれで断ち切るかのような極め付きの一撃だったの
でした。


 「さあ、今度は君の番だ。……大丈夫さ、噛み付いたりしない
から……恐がらずにやってごらん。何事も経験だよ」
 若杉先生は物怖じする美香を励まします。

 今度は、美香の番です。
 美香は、女の子らしく怖気づいたような顔をしていましたが、
でも、それは『はい、わたしやります』と言って手を上げるのが
恥ずかしかったから。
 本当のところ、腹は決まっていたのでした。

 ドキドキで座る初めての椅子。その膝に乗るゴツゴツした感じ
のお尻。そして、彼女もまたキャシーと同じ経験をするのでした。

 男の子の下半身で自分の膝を締め上げられるという、不思議な
快感。それは、美香が生まれてこの方一度も経験したことのない
悦楽。

 12回が終わったあと……
 キャシーがそう望んだように美香もまた『もう一人』と心の中
でねだってしまうのでした。


***** 見沼教育ビレッジ <第2章> (2) *****

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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