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天沼薬局

          天 沼 薬 局


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<<主な登場人物>>

合沢家
合沢桂子ちゃん(14歳)セントメリー女学院中等部二年生
合沢春子さん(41歳)桂子ちゃんのお母さん。
お竹さん(69歳)合沢家のお手伝いさん

上村家
上村茜ちゃん(11歳)セントメリー女学院小学校五年生
上村艶子さん(37歳)茜ちゃんのお母さん
節さん(62歳)上村家のお手伝いさん。

天沼薬局
天沼照子さん(58歳)天沼薬局の店主。未亡人。

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 その薬局は住宅地から少しはずれた場所に古くから店を構えて
いました。だらだら坂を登り切った処に一軒だけぽつんと建って
いますが重厚な瓦屋根の造りは街の薬局というより江戸時代から
続く薬種問屋といった風情です。

 「こんなところに」

 知らない人は誰もがペンキの消えかけた看板を見てそう思い
ます。
 あたりは雑木林に被われ、人通りもまばら、商店街の中にある
お店のようにお客さんがひっきりなしに出入りするということも
ありません。

 「営業しているのかな」
 と疑いたくなるようなたたずまいでした。中では初老の未亡人
が独り新聞を読みながら店番をしていますが、30分、1時間、
お客さんが来ないことも珍しくありませんでした。

 でもそんなお店も夕方近くになると、ぽつりぽつりとお客さん
が現れます。
 それも不思議に女の子ばかり。下は8歳くらいから上は高校生
くらいまで。いずれもお店に入る時は辺りを気にしている様子で、
誰かに見られたくないみたいな素振りです。

 「ひょっとしてこのお店、何かヤバイお薬でも取り扱っている
のでしょうか。それにしても8歳の子まで買いにくるなんて」

 いえいえ。そんなことはありませんよ。
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 「あら、桂子ちゃん。いらっしゃい。お使い?」

 お店に入るなり、まだ中学生とおぼしき少女は緊張します。店
のおばさんにそう言って挨拶されただけでも心臓が口から飛び出
しそうです。

 「あのう……」
 制服姿の少女はそれだけ言ってまた口ごもってしまいました。

 でも、こんなことはいつものこと。店のおばさんは笑顔を絶や
さず辛抱強く次の言葉を待ちます。

 「どうしたの?」

 目の前の少女が何を言いたいのか、おばさんには察しがついて
いましたが、おばさんがそれは言ってはなりません。少女自身が
言わなければならないのです。

 しばらく間があって、少女の心臓がやっと普段の三倍くらいの
早さにまでに戻ったので女の子は思いきって声を出そうとします。
 でも、その瞬間、またも辺りを見回して、おばさんと自分以外
ここには誰もいないことを確認してから大きく一つ深呼吸。声が
出たのはその次でした。

 「イチ、イチヂクカンチョーと消毒用のアルコール。ありま
すか?」

 店のおばさんはやっぱり笑顔のままでした。
 「ありますよ。あなたが使うの?それともお母様かしら?」

 「えっ………………わ、……わたし」
 少女の声はあえぐようにおばさんの耳に届きます。

 「そう、それなら30ccのでいいわね」
 おばさんは試しにこう言ってみましたが、そのとたん、少女の
顔がこわばります。

 「えっ、いえ、あのう~~」申し訳なさそうにうつむいてから
……
「50ccのでお願いします」
 これを言うともう少女の顔は真っ赤でした。今時珍しいおかっ
ぱ頭。額からは玉のような汗が光ります。

 「どうしたの?お仕置き?今度はどんなおいたしたのかしら?」
 おばさんにはこの娘(こ)が店に入ってきた時からそのことが
分かっていましたが……でも、あえて口にしないでいたのです。

 この町では女の子のお仕置きの一つとして年頃の少女が恥ずか
しがるような浣腸や大人用のおむつなどを買いに行かせる習慣が
ありました。
 そうです。間接的に『これから自分がお仕置きを受けます』と
いう事をお店の人や周囲のお客さんに宣言させるわけです。

 これが年頃の娘にとってどれほど恥ずかしい事か、容易に想像
がつきます。ですから、お仕置きを受ける娘の方も少しでも噂が
広がらないように、わざわざお客さんのあまりこないこのような
店を選んでやってくるのでした。

 ただ、この店に関していうと問題はこれだけではありませんで
した。

 「ありがとう」
 おばさんは少女にイチヂク浣腸と消毒用アルコールを渡ししな、
続けて意味深なことを言います。

 「今度の日曜日、午後なら裏の離れが空いてますってお母様に
伝えてね」

 おばさんの笑顔の伝言。でも、これは少女にとって、『地獄へ
堕ちろ』と宣言されたようなものだったのです。

 「(はい)」

 少女は返事をしたつもりでしたがその言葉は心の中に留まり、
ほんのちょっぴり頭を下げてその場を立ち去ります。

 「最近は車も多いから気をつけて帰るのよ」

 おばさんの送る言葉に思わず下唇を噛んだ桂子ちゃんでしたが、
その店を出て行きしな、入れ違いに中年の婦人が入ってきました。

 「あら、珍しいのね、お客さん?」
 「ま、随分な言い方ね。うちだってお得意さんちゃんと持って
るのよ」
 「そう言えば、あの子、どっかで見たことあるわね」
 「何言ってるの。桂子ちゃんよ。写真館の…」
 「ああ、あの桂子ちゃん。大きくなったわね。もう中学生なの。
早いはね、子供が成長するのって……ほら、つい、この間まで裏
の離れで母親にお折檻されて泣いてたのに、もうあんなに大きく
なっちゃったのね」

 「それは今でもよ」

 「えっ、!?じゃあ今の?」

 店のおばさんは笑顔のままで何も言いませんが、その素振りで
このお客さんにもそれはわかります。

 「へえ、中学生になっても裏の離れ使うの?」

 「あの子んちだけじゃないわよ。どうかしたら高校生だって、
うちに来るんだから…」

 「まあ、高校生も!?………」おかみさんは大仰に目を白黒。
「じゃあ、薬は売れなくても商売繁盛ね」

 「馬鹿言わないでよ。そんなことでお金なんてとらないわ」

 「でもさあ、高校生ってのはちょっとなまめかしくない?」
 お客さんが声を一段低くして店のおばさんにささやくと…

 「大丈夫よ、だって正真正銘の親子だもん。私だって古くから
のお付き合いがないなら貸さないわ」

 「ねえ、やっぱり、悲鳴なんか聞こえるんでしょう」

 「それは仕方ないでしょう。母親だって、娘のためによかれと
思ってやってるんだもの。小学生くらいなら私だって部屋に入っ
て手伝うわよ」

 「そうそう、聞いたことがあるわ。セントメリー女学院って、
親にお仕置きを依頼するんですってね。ね、どんなことやるの?」

 「そんなこと聞いてどうするの?」

 「あくまで好学のためよ」

 「そうねえ………」店のおばさんは最初迷っていましたが、でも、
「……やっぱり言えないわ。だってそれはそれでうちの信用だから」
 こう言って口を閉じてしまいます。

 ただ、こういう言い方をするということは…
 「(かなり、きついことするのね)」
 と、このおかみさんに想像させることはできたみたいでした。

 実際セントメリー女学院は躾に厳しく、学校ではできない体罰
を親に求めることもしばしば。下駄を預けられた親の方でも家庭
では、やりにくい娘の折檻を人目に付かないこんな場所を借りて
行うことが常態化していたのでした。

****************************

 次の日曜日の午後。案の定、桂子ちゃんがやってきます。
お母様とお竹さんという女中さんを一人連れて……

 「まあ、まあ、お暑い中大変でしたねえ」

 ガラス戸が開くと店のおばさんがさっそく三人をねぎらいます。
でも、桂子ちゃん一家にはちょっとだけ困ったことが……

 「まあ、上村さんのところがまだ使ってらっしゃるの……」

 「ええ、本日、急に1時間だけ何とかならないかっておっしゃ
って……」

 「そうですか。……いいえ、うちは構いませんよ。上村さんと
いうと茜ちゃんかしらね。あの子まだ小さいと思っていたけど、
もうこちらでご厄介になるくらいのお歳になったのかしら?」

 「11歳ですよ」

 「ま、そんなに……いやだわ私ったら……ついこの間、セント
メリーにご入学されたとばかり思ってたのに……でも、そうなる
と、学校側の注文も多くなりますし、そろそろ試練のお年頃だわ
ね…」

 桂子ちゃんのお母さんは声をひそめます。応じるおばさんも、
さらに小さな声で……

 「ええ、たしかに」

 二人は顔を近づけて含み笑いをします。

 「今回もね、『茜はまだ小学生ですから今日のことは今日中に
かたをつけておきたいから』とおっしゃられて……」

 「わかりますわ。うちの桂子もそうでしたもの。幼い子はその
場でピシッと叱っておいてやらないと、すぐに忘れてしまいます
でしょう」

 「あら桂子ちゃん。お待たせしちゃってるわね。ごめんなさいね」
 おばさんは店先の椅子にぽつんと独りで所在無げに腰を下ろす
桂子ちゃんに向かってすまなさそうに言いますが、桂子ちゃんは
あえておばさんと視線を合わせようとはしませんでした。

 おばさんの笑顔を避けたい桂子ちゃんの視線はやがて店の奥へ
と通じる通路の方へと向きます。そこからは、まだ声変わりする
前の幼い少女が必死に懇願する声が時折風に乗って聞こえていま
した。

 「いやあ~~ごめんなさい、もうしませんしませんから~お灸
しないで、お灸いや、お灸だめえ~ごめんなさい、ごめんなさい」

 やがて……

 「いやあ~~いやあ~~~あつ~~あっ~~~ああああああああ」
 声にならない声。のどに痰をからませての断末魔です。

 でも、それも終わったようでした。

 「さあ、早くなさい。きっと次の方がもうお待ちのはずよ。…
ほら、急いで。いつまでもべそかいてるんじゃないの。だいたい
あなたがちゃんとお仕置きを受けないからこんなに遅くなるんで
しょう」
 茜ちゃんのお母さんのよく通る声が、待合いの桂子ちゃんにも
届きます。

 セントメリーの教えによれば、女の子は親や教師のお仕置きに
泣きわめいたりしてはいけないことになっていました。ですから
不作法な茜ちゃんはこの先さらにお仕置きが増えるかもしれま
せん。
 でも、それって桂子ちゃんにとっても決して他人事ではありま
せんでした。

 「まあ、やっぱりもういらっしゃってたのね。ごめんなさい
ね。今すぐ片づけますから」
 茜ちゃんのお母さんがこちらの様子を見に店先までやって来て、
またすぐに戻っていきます。

 そして、ほどなくして再び店先へ戻ると……
 「やっと、お部屋が片づきましたの。……いらして……」
 「お急ぎにならなくてもいいのに……」
 「いえ、いえ、とんでもない。急に割り込ましていただいて、
恐縮しておりますのよ。尾籠な匂いがまだちょっと残っておりま
して、本当は気が引けるんですが、合沢さんのところなら学校も
同じなので、まずは見ていただこうかと思って……」
 茜ちゃんのお母さんが桂子ちゃんのお母さんを誘います。

 通路の先、中庭を越えてさらにのその奥に離れの部屋がありま
した。
 そこへ、茜ちゃんのお母さんと桂子ちゃんのお母さん、それに
桂子ちゃんが到着しました。

 「何をですの?」
 桂子ちゃんの母親がそう言ったのをきっかけに障子戸が開かれ
中の様子が丸見えになります。

 中では茜ちゃんが正座した女中さんの膝の上にうつぶせになっ
ていました。学校の制服を着ていましたが、短いスカートは捲り
あげられ、ショーツもずり下ろされて可愛いお尻が丸見えです。

 リンゴのような真っ赤なお尻はお尻叩きをされた証でしょう。

 でも、そればかりではありません。茜ちゃんを膝に乗せた女中
さんの辺りには、まだ火のついたお線香がお線香立ての灰の中に
立っています。

 これを見れば茜ちゃんの身に何が起こったかは一目瞭然でした。

 「うちの茜は桂子ちゃんなんかと違ってお転婆でしょう。こう
でもしないとこたえないのよ」

 茜ちゃんのお母さんが合沢家の人たちに見せたかったのは我が
子がお仕置きされたあとの様子でした。

 今日ではまず考えられないでしょうが、昭和40年代のはじめ
頃までは、我が子のお仕置きを他人に見せつけるなんてことも、
そう珍しいことではありませんでした。見せしめもまた子どもの
お仕置きの大事な一つだったのです。

 きっと茜ちゃんは最初からお母さんにキツく言われていたので
しょう。合沢家の人たちが部屋に入ってきた時も、慌てた様子は
ありません。姿勢を崩さず声も出さずに真っ赤な顔をして恥ずか
しさに耐えていました。

 「まあ、まあ、茜ちゃん、大変だったわね。でも、このお薬は
将来きっと効いてくるわよ」
 桂子ちゃんのお母さんはそう言って茜ちゃんを励ましますが、
そんなこと今の彼女には何の助けにもなりません。

 『いってよ~、早く行ってえ~~』
 茜ちゃんはそれだけ願って涙を流しています。今の彼女にでき
ることは何もありませんでした。

 と、ここで茜ちゃんのお母さんが何かに気づきます。
 そこで茜ちゃんに膝を貸している節さん(女中さん)にそっと
耳打ちしました。
 「ここはもういいから、あれ、始末して頂戴」

 『あれ』と言って視線を投げかけたのは部屋の隅。そこには、
室内用の便器、つまりオマルが置いてありました。

 「はい」
 節さんは早々に正座を崩して茜ちゃんの上半身を大事そうに
抱え上げます。

 すると何を思ったのか、茜ちゃんが身を翻し、節さんより先に
立ち上がりました。
 脱兎のごとく駆け出すと部屋の隅にあったオマルを自分で拾い
上げて部屋を出て行こうとします。

 あまりのことに当初は誰も声を上げる暇がありませんでした
が、茜ちゃんが両手にオマルを抱えたまま障子の桟に手をかけた
ところで少し時間を取られましたからお母さんが声をかけます。

 「茜、何やってるの。そんなことは節さんに任せなさい」

 お母さんはこう言いますが……
 「いや」
 茜ちゃんは応じません。

 「そんな危なっかしい格好で……もしひっくり返しでもしたら
どうするつもりなの」

 お母さんの言う通りです。何しろそれは空っぽではないのです
から。

 「それにねえ、あなたはまだ小学生だから仕方がないけど……
女の子なんだから前ぐらい隠しなさいね。恥ずかしいわよ」

 これもお母さんの言う通りでした。茜ちゃんはあまりに慌てて
しまって、ショーツを脱がされていたことも短いスカートがピン
で留まっている事もどうやら忘れているみたいだったのです。

 当然、オマルを抱いた茜ちゃんのお臍から下は誰の目にからも
丸見え。いくら11歳でもそれが恥ずかしくないはずがありません。

 「いやあ~~」
 茜ちゃんはべそをかいてその場にしゃがみ込みます。

 ま、幸いにしてその場に居合わせたのが同じ女性ばかりでした
から、そんなに大きな傷にはならなかったようですが、茜ちゃん
のお母さんにしてみれば我が娘のことながら呆れて声が出ないと
いった顔をしていました。

 「さあ、お嬢ちゃま。これは私が始末しますから……」
 節さんが、へたり込んで正体なくオマルを抱きかかえたままで
いる茜ちゃんに声をかけます。
 ところが…

 「いい、これはいい。私がやるから…」
 茜ちゃんはこう言ってオマルを離そうとしません。でも、お母
さんの考えは違っていました。

 「茜、先様はお待ちになってるの。あなたの我が儘を聞いてる
暇はありませんよ」
 こう言われては、茜ちゃんも抱えているものを渡さないわけに
はいきませんでした。

 「ごめんなさいね。何ぶん我が儘娘なもんだから余計なお手間
を取らせちゃって……」

 茜ちゃんのお母さんの声を聞きながら、桂子ちゃんはふと自分
もこのくらいの歳に初めて母からお浣腸のお仕置きをされたこと
を思い出していました。

 『あれは色んなお仕置きの中でも特に恥ずかしいのよね。特に
最初は死ぬほど恥ずかしくて……終わると母にオマルを抱えさせ
られて、「自分で捨ててきなさい」だもん。お便所でひっくり返
しても完全に落ちきれないからおろおろしてると、「残ったどろ
どろは自分の手で掻き出せばいいでしょう」って言われて………
そりゃあ自分のものに違いないけど、情けなくて悔しくて、涙が
ぼろぼろ出て止まらなかった。最後はお庭の井戸水で綺麗にして
お店にお返したんだけど…ひょっとして今使ってるのも、あの時
のかしら……』

 桂子ちゃんが昔の思い出に浸っていると、母親二人がとんでも
ないことを話していたのです。

 「ねえ、上村さん。よかったらうちの桂子のお仕置き。茜ちゃ
んと一緒にご覧になりませんこと。うちの方が年長さんだから、
きっとお仕置きも厳しいはずよ」

 「やだ、ホントにいいの。助かるわ。茜も最近は生意気になる
一方で困ってたの。中学のお姉さんのお仕置きがどんなものかを
見せていただければ、うちの子の悪さにも少しはブレーキがかか
るんじゃないかしら…」

 「それはうちも同じよ。幼い子に恥ずかしいところを見られた
らしっかり堪えるでしょうから……」

 「ホント、家族同士、女同士じゃ、なれ合いになっちゃって、
効果が薄いですもの。助かりますわ」

 母親たちの会話は、当然、桂子ちゃんを震撼させます。

 慌てて鳩が豆鉄砲を食ったような顔でふりかえりますが…

 「どうかしたの?」
 桂子ちゃんのお母さんは娘が驚いて振り返ったのが不思議だと
でも言わんばかりの冷静さで尋ねました。

 「だって、私、そんなの聞いてないもん」
 桂子ちゃんが泣きそうな顔で口答えすると、お母さんは先ほど
よりさらに不思議そうな顔で桂子ちゃんに近づきます。そして、
鼻息がかかるほど顔と顔を近づけると一瞥しただけで離れ、今度
はいきなりプリーツスカートの裾をまくると持っていた1尺物の
物差しで太股をぴしゃり。

 「『聞いてない』って何なの!生意気言うんじゃありません。
お仕置きは親が必要と思う方法で必要なだけするものなの。……
あなたの指図は受けませんよ。わかりましたか?」

 「…………」

 「どうしたの?私は『わかりましたか?』って聞いているのよ」

 「は、…はい」
 それが桂子ちゃんの精一杯の答えでした。お母さんはさらに…

 「かがみなさい」
 こう言って桂子ちゃんを前屈させると、その両手が足のつま先
にまで届くほどにしておいて、今度は、ゆっくりスカートを捲り
上げます。

 当然、桂子ちゃんのショーツは丸見えになりますが…

 「……」
 「……」

 それはお母さんにとっても、桂子ちゃんにとっても、予想して
いないことでした。

 「桂子、どうしたの。このピンク。……あなた、まさか、今日
はお仕置きがあると分かっててわざとこれ穿いてきたんじゃない
でしょうね」

 「ごめんなさい。まだ白は乾いてなくて…」

 「乾いてないってどういうこと?……あなたの持ってる綿の白
は一枚きりなの?」

 「いいえ」

 「四枚や五枚は楽にあるはずよ。それを全部洗ったの?」

 「……」
 桂子ちゃんは、声はださずに小さく頷いてみせました。

 「呆れてものが言えないわ。あなた、まさか、校則違反のこの
シルクのショーツなんか穿いて学校へは行かなかったでしょうね」

 「それは……してないわ」

 「本当?あなたって子は、どうして毎日自分の下着を洗濯しな
いの?私、下着は一週間まとめて洗えばいいなんて教えたかしら」

 「忙しいかったんです。今週はずっと……」

 「忙しいって…あなた今週は毎日お風呂に入ってたじゃないの。
その時洗えばいいでしょう。まったく、14にもなってだらしが
ないったらないわ。そんなことだから成績がさがるの。この分じゃ、
勉強してるしてるって言っても怪しいもんだわね」

 お母さんはそう言ってる間にも、お竹さんから先ほどより長い
三尺ものの物差しを受け取ると、その先を桂子ちゃんのピンクの
パンティーに軽く押し当てます。

 これは、これから鞭のお仕置きをしますよという合図なのです
が、やはりそのピンクというのがお気に召さないようで、一旦、
その物差しを小脇に抱え込むと、まずは桂子ちゃんのパンティー
を足首までずり下ろしたのでした。

 「……」
 息を飲む桂子ちゃん。しかし、口答えや反論はできません。

 「茜ちゃん、ようく見ておきなさい。女の子はね、お口のきき
方一つでこんなに痛い思いをするのよ」

 そう忠告して放った竹の物差しでしたが、それがお尻に命中す
る前に…

 「いたあ~~い」
 桂子ちゃんは一足早く悲鳴を上げてしまいます。

 「何です、桂子、物差しが当たる前からあんなはしたない声を
上げたりして……お仕置きは遊びじゃないのよ」

 「そんなのわかってます」
 桂子ちゃんは少しふてくされたような様子で口答え。

 「わかってたら、なぜもっと素直にしてないのかしら」
 お母さんもこれにはイラっとしたのでしょう。こちらも、声が
少しだけ低くなります。これは桂子ちゃんにとって危険信号でした。

 「どうやらこんななまぬるいことじゃいけないみたいね。お竹
さん、ここには北条式がその納戸にあったでしょう。………そう
そう、その木馬のことよ。あれを出してきてくださいな」

 「あっ、ハイ」
 お竹さんはすぐに立ち上がります。

 すると、それにつられたように桂子ちゃんもぐっと曲げ込んだ
上体を起こして立ち上がります。

 「やめてよ、あんなの」
 こう言って抗議すると…

 「仕方がないでしょう。ぶたれる前から悲鳴をあげるような子
には、それなりの工夫をしなくちゃしめしがつきませんからね」

 「いやよ、そんなの。今日は……その……上村さんも見てるの
よ」

 「だから何なの?だからいいんでしょう。茜ちゃんにも緊張感
なくお仕置きを受けるととどうなるか。よいご教訓になってよ」

 お母さんの毅然とした物言いに、上村のお母さんも追い打ちを
かけます。

 「大丈夫よ、桂子ちゃん。ここであったことは誰にも言わない
から……おばさん、口は堅いのよ。……茜、あなたもここで見た
ことは誰にも言っちゃだめよ。わかった?」
 お母さんは茜ちゃんに約束させます。

 「はい、お母さん」

 「本当に誰にも言っちゃだめよ。もし、あなたの口から漏れた
ことがわかったら、この間、おじさまの処でやったお仕置きを、
もう一度、やり直しますからね」

 こう言われると茜ちゃんの顔がいっぺんに真っ青になりました。

 「だめ。あれだけはやらないで……もう二度とやらないって、
約束したでしょう」
 茜ちゃんは泣きそうな顔でお母さんの腕にしがみつきます。

 今すぐにここで何かが起こるというわけではないのに茜ちゃん
の身体はガタガタと震えています。彼女にしてみればそれほどの
恐怖体験だったのです。

 「まあ、おじさまの処ではとても大事な教訓を頂いたみたいね」

 桂子ちゃんのお母さんがこれを見て笑うと、同じように茜ちゃ
んのお母さんも笑顔で…
 「そうなんです。実は、つい先日のことなんですが、この子に
女の子の心棒を通しましたので……」

 「まあ、それはそれは大変だったわね。……でも、大丈夫よ。
家の桂子もあなたと同じ頃心棒を通したの。あれはセントメリー
の子なら誰でもやることなんだから……ちっとも恥ずかしいこと
じゃないわ……そうだ、家の桂子のを見せてあげましょうか」

 桂子ちゃんのお母さんがこう言うとたまらず桂子ちゃんも大声
になります。

 「いいかげん、やめてよ!どういうつもりよ!」

 でも、お母さんは…
 「何ですか、いきなり。ごろつきのような声を出してみっとも
ない……」
 お母さんは桂子ちゃんを睨みつけます。そして…

 「よろしいでしょう、別に減るものでもなし………茜ちゃんに
見せてあげれば。あの子だって『これは自分だけじゃないんだ』
って納得できるはずよ」

 「どうして、どうして私がそんなことしなきゃならないのよ」
 桂子ちゃんはお母さんの目の前に勢い込んで正座すると両手で
お母さんの二の腕を掴んで前後に揺すぶります。
 桂子ちゃんはもう必死だったのです。

 でも、お母さんの方は落ち着き払っています。

 「どうして?そもそも、あなた、ここへ何しに来たの?………
お仕置きで来たのよね。だったらいいじゃない。私の方がよっぽ
ど『どうして?』って聞きたいくらいだわ。……それに、あなた、
前のお仕置きが終わった時、私に約束したわよね。『これからは
どんなお仕置きでも素直に受けますから許してください』って…
お家でのお約束…あれは嘘だったのかしら?」

 「だって、あれは……」

 桂子ちゃんは口ごもります。本当なら……
 『お仕置きを他人に見せるなんて言わなかったじゃないの』
 という言葉がそのあとにつくはずですが、お母さんの怖い顔を
見て怖じ気づいてしまいます。

 「さあ、わかったらここへ仰向けになって両足を上げなさい」

 「…………」

 無言のままイヤイヤの意思表示をする桂子ちゃんにお母さんは
……
 「大丈夫よ。ここには女性しかいないもの。恥ずかしがること
ではないでしょう」

 「いやよ、そんなこと聞いてないわ」
 桂子ちゃんはとうとう正座した姿勢はそのまま、くるりとお母
さんに背を向けてしまいます。

 これには茜ちゃんのお母さんも苦笑してしまいます。

 一方、桂子ちゃんのお母さんはというと、ため息を一ついくと
がっくりと肩を落としてしまいます。娘の取った行動がショック
だったのでした。

 こんな事、今の娘さんなら何でも無いことでしょうから、理解
に苦しむかもしれませんが、その昔は子どもが随分大きくなった
後も親が強い躾の権限を持ち続けていましたから、よそ様の前で
こんなあからさまな反抗をされては親の威信に関わります。

 面子を潰された親にしてみれば大問題でしたから……
 「いいわ、あなたが見せたくないというなら。その代わり今の
あなたのその不躾な態度は許せません。もう一度女の子の心棒を
通してあげますからそこで待ってなさい」

 お母さんは毅然としてその場を立つと、凛とした声でこう宣言
して部屋を出ていきました。

 「(えっ!)」
 今度、驚いたのは桂子ちゃんです。他の人も見ていますから、
そんなに取り乱した様子も見せられませんが、顔は真っ青でした。

 案の定、部屋へ戻ってきたお母さんの手には艾の袋やらお線香
なんかが乗ったお盆が……

 「……!!!……」
 自分で蒔いた種とはいえ、それを見た瞬間、桂子ちゃんは凍り
つきます。

 心棒を通すというのは、セントメリー関係者の隠語で大陰唇に
お灸をすえるいう意味なのですが、ここが手足などと比べて特別
に熱いというわけではありませんでした。でも、女の子にとって
そこは特別な場所ですし、まして家族でも無い人から見られなが
らとなれば話はまったく別です。年頃の少女にとってそれが尋常
な精神状態では受け入れられないことは明らかでした。

 「ごめんなさい。お灸だけはしないで…他の罰なら何でも受け
るから」
 事この期に及んで恥も外聞もありません。桂子ちゃんは思わず
お母さんの足首にしがみつきます。

 でも、お母さんはそれを冷静な目で見下ろすと…
 「そうはいきませんよ。あなたは私に他人様の前で恥をかかせ
たんですからね。このくらいは当然です」

 「だって、そんなこと恥ずかしいから…私は茜ちゃんみたいな
赤ちゃんとは違うのよ」

 「何言ってるの。同じでしょ。14になったばかりの小娘が、
生意気言うんじゃありません。あなただって、ついさっきまで、
赤ちゃんだったじゃないの」

 お母さんはきっぱりと言い切ります。お母さんにとってみれば
桂子ちゃんが女を主張するには十年早いとでも言いたげだったの
です。

 子供にとっての一年前は遠い昔の事、ですからその間に自分は
随分と大人に近づいたと思っていますが、親世代にとっての一年
はあっと言う間の出来事。子どもの体に多少変化があったとして
も、手のかかる幼い頃のイメージが強くて、容易に大人とは認め
られないというのが本音でした。

 実はその傾向は、昔ほど、そして家柄のよい娘さんほど強くて、
桂子ちゃんも他人のいない自宅でならお母さんの言いつけを守り、
お尻をまくって、恥ずかしい場所をお母さんに見せることもでき
たでしょう。

 でも、ほとんど面識のない茜ちゃん親子に大事な処を見せると
なったら、そりゃあ誰だって何とか逃れたいと思うのが人情です。

 ただ桂子ちゃんのお母さんにしてみれば、『自分は娘をこんな
にも完璧に仕付けています』ということを茜ちゃんのお母さんに
見せつけたかったわけですから、こちらも譲れませんでした。

 「スカートを脱いでここへ、寝なさい」

 お手伝い歴8年のお竹さんが手回しよく敷いてくれていた布団
の上に桂子ちゃんは仰向けになります。もちろん、今でもイヤに
決まっていますが、もうこれ以上抵抗できないと悟ったようでした。

 制服のスカートが皺にならないようにハンガーに掛けられると
下半身を隠しているのはブラウスの短い裾と白いレースの付いた
スリーマー。そして飾り気のない例のピンクのショーツが一枚。
でも、お母さんに容赦はありません。

 「ショーツもお脱ぎなさい」
 あっさり言われてしまいます。

 そして、それに抵抗するかのように桂子ちゃんがもじもじして
しまうと……

 「今さら恥ずかしがることなんてないでしょう。さあ、さっさ
としなさい。お仕置きはこれだけじゃないのよ」
 と迫られます。

 「……!……」
 もう、やけ。桂子ちゃんは少し乱暴にショーツを脱いでしまう
のですが、そうすると……

 「ほら、また、この子は脱いだものを放り出したりしてお行儀
の悪い」
 お母さんはそう言いながら、くるくるっと縮こまった桂子ちゃ
んのショーツを拾い上げると丁寧に畳んで枕元に置きます。

 「ごめんなさいね。みっともないところお見せしちゃって……」

 桂子ちゃんのお母さんが言えば、茜ちゃんのお母さんも……

 「無理もありませんわ。お年頃ですもの。誰だって恥ずかしい
わよね」
 という返事が返ってきます。

 「よろしいんですよ。無理なさらなくても…」
 と、桂子ちゃんへの助け船のようなものを出しますと…

 「大丈夫ですわ。普段はもう少し場所柄をわきまえてるんです
けど…」

 お母さんは茜ちゃんのお母さんの方を向いている時はにこやか
ですが、そこから目を転じると急に顔つきが厳しくなります。

 「ほら、桂子、ちゃんと足を上げて」

 お母さんにこう命じられて桂子ちゃんはほんの少し両足を浮か
しかけたのですが、途中で止まってしまいました。

 そこでお竹さんがその重たい両足を手伝おうとするとそれには
足を閉じ膝を立てた状態で抵抗します。

 見かねた茜ちゃん家のお手伝い節さんも加勢に入ると、さらに
激しく小さく地団駄を踏んで抵抗しますから、お母さんはさらに
渋い顔です。

 「桂子!いい加減になさい!そんなに聞き分けがないなら日を
改めましょうか!お父様にここへ来ていただきましょう!その方
がよければそうしますよ」

 この声にはさすがに桂子ちゃんもなすすべがありませんでした。

 母親や同性同士ならまだしも、異性である父親にこんな醜態は
絶対に見せたくありません。それは年頃の娘にとって何より辛い
出来事ですから、どんな折檻より効果のある言葉だったのです。

 「………………」
 桂子ちゃんの両足が高々と上がり、さらにそれが左右に大きく
開いて大事な処が全てさらけ出されることになってもそれは仕方
がないと諦めるしかありませんでした。

 でも、お母さんはというと……

 「まったく、あなたって子は……一つ一つに世話が焼けるんだ
から……」
 娘が望み通りの姿勢になっても今ひとつ機嫌がよくありません。

 そんなむしゃくしゃした気持を小さく一つため息をつくことで
振り払ってから…
 「さあ、茜ちゃん。ここへいらっしゃい。見せてあげるわ」
 こう言って、怯えながら様子を窺っていた見ていた茜ちゃんを
笑顔で呼びます。

 でも、こんな状態ですから、よそのおばさんにそう言われても
正座を崩してすぐににじり寄るというわけでもありませんでした。

 そこは本当のお母さんの手を借りなければなりません。
 茜ちゃんは桂子ちゃんのお母さんのお誘いから一拍おいて自分
のお母さんに背中を抱かれるようにしてやって来ます。そこでは
まるで茜ちゃん自身が罪を犯したようでした。

 怖々、茜ちゃんが覗き込むと、そこにはケロイド状に光る丸い
皮膚がまるで小さなセロテープを貼り付けたようにして二つ見え
ます。

 もしこれが男性なら「お~う!」とのけぞるところかもしれま
せん。でも、茜ちゃんは女の子ですからそんな興奮はありません
でした。むしろ、そこはグロテスクで…

 「(うっ、ばっちいものを見た)」
 というのが正直な感想だったのです。

 「ね、これで安心したでしょう。これはあなただけじゃなくて
セントメリーのいわば伝統なの。たいていの子が、ここにお灸を
すえてもらって『ああ、自分は女の子なんだなあ』って実感でき
るようになるのよ」

 お母さんは茜ちゃんを説得しようとしますが…

 「茜、そんなことされなくても自分が女の子だってわかるもん」

 「もちろん、それはそうよ。でも、知識でわかってることと、
身体が実感として覚えてることには雲泥の差があるわ。あなた、
最近は門限が守れてるけど、それはどうして?」

 「えっ!?」

 「私がお灸をすえてあげたからでしょう。おかげで、『そんな
ことしてると、またお灸よ』と言えば、すぐに間違いに気づくで
しょう。効果覿面だわ」

 「……」茜ちゃんは何かを飲み込んで黙ってしまいました。

 「人は頭でわかっていても、そちらの方が楽なら、ついつい、
悪い道へ足を踏み入れてしまうものなの。…でも、それを止めて
くれるのが、お仕置きなの。……もしも、女の子から外れた行為
をしようとした時でも、お股の中に熱いものを入れられた子なら、
その時きっとお股の中がむずがゆくなって、自分が女の子だって
気づくはず。過ちは犯さなくなるわ」

 「男の子はしないの?」

 「男の子はデリケートだから、そんなことをしたら萎縮して、
お仕事ができなくなってしまうわ」

 「でも、女の子だけなんて不公平よ。どうして、女の子はお母
さんのお手伝いして、下着は自分で洗わなきゃいけないの?……
どうして、綺麗な字が書けなきゃいけないの?……どうして、お
友だちと喧嘩しちゃいけないの?…どうしてオナニーしちゃいけ
ないのよ?」

 茜ちゃんは一気にまくし立てます。
 お母さんは最後に出てきた言葉に慌てて伸び上がると、立って
いた茜ちゃんのお口を塞ぎますが、どうやら手遅れのようでした。

 今度は桂子ちゃんのお母さんが苦笑いする番だったのです。

 「仕方がないでしょう。神様がそのようにお造りになったんだ
から」

 「大人って都合が悪くなると何でも神様のせいにするのね」
 茜ちゃんは雄弁です。それは今日にあっては美徳かもしれませ
んが、結婚を前提とする当時の女の子には不要なものでした。

 「お黙りなさい!」
 とうとう茜ちゃんのお母さんの声が大きくなります。

 「まったくあなたって子は…せっかくセントメリーにお世話に
なっているのに、平気で学校を批判するようなことを言って……
そんなことが女の子らしくないことなんですよ。もし、今度そん
なお口のきき方したらもう一度お股の中におやいと入れて鍛えて
あげます。今度はお父様にやっていただきましょうかね」

 「…………」
 こう言われると、茜ちゃんはやはり何かを飲み込んで黙るしか
ありませんでした。

 「大丈夫よ。茜ちゃん。茜ちゃんはまだ小学生。女の子らしく
なんて言われても実感なんて湧かないわよねえ」

 桂子ちゃんのお母さんは娘の身なりを整え直すと、茜ちゃんの
共感者になろうとしてお愛想を言います。すると、それに答えた
のは茜ちゃんのお母さんでした。

 「まったく、変な言葉はすぐに覚えてくるし…男の子とケンカ
はするし…お転婆で困りものなの」

 「男勝りのお年頃。今が一番楽しい時だもの。少しくらいお仕
置きが増えたってお転婆じゃなきゃ人生が楽しくないわよねえ」
 と桂子ちゃんのお母さんが言えば……

 「でも、この頃を自由にさせちゃうと、将来は職業婦人になる
可能性が高いそうよ」
 と、茜ちゃんのお母さんが応じます。

 「まあ、そうなの。それは困るわね」

 「お母さんは、あなたを立派なお家に嫁がせようとして頑張っ
てるの。職業婦人なんかにするつもりはありませんからね」

 「えっ、私、スチュワーデスになりたいって言ったでしょう」
 大人たちの話に茜ちゃんが嘴を突っ込むと…

 「もちろん、それはそれで結構よ。だけど、いずれは結婚しな
きゃならないでしょう。女は自分で稼いで満足するんじゃ寂しい
わ。ご主人に愛され子供たちに愛されて幸せになるものよ。さあ、
今度はあなたが心棒をご覧にいれなさい」

 「えっ、わたしも?」

 「そりゃそうよ。桂子さんにだけ恥ずかしい思いをさせるわけ
にはいかないでしょう」

 「そんなあ、わたし、あんなもの見たいなんて言ってないもの」

 「何です!あんなものって……あなたが見たいかどうかなんて
聞いてません。何より先様に失礼よ」

 「まあまあ、よろしいんですよ」
 桂子ちゃんのお母さんはなだめますが、茜ちゃんのお母さんは
納得しません。

 「もし、お母さんの言う事が素直に従えないなら、明日もまた
今日と同じお仕置きで泣いてもらいますからね」

 「え~~~~」
 これにはさしもの茜ちゃんも言葉がありませんでした。

 そして桂子ちゃんと同じように仰向けになると両足を高く上げ
て開き、自らの御印を、桂子ちゃんをはじめこの部屋にいた女性
ばかり五人に公開したのでした。

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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