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9/22 『おにばばの店』のモデル

9/22 『おにばばの店』のモデル

 おにばばの店に出てくる婆さんと校長先生との関係が作品では
説明されてなかったので、補足すると、『校長先生は、昔この婆
さんの旦那さんに学費を出してもらって大学やイギリス留学した
経験があり、普段からその奥さんである婆さんに頭が上がらなか
った』この話はそんな設定で描かれていたんです。
 だから、婆さんは、まるで息子にでも会いに行くように小学校
へ出向き、子供たちを叱りつけていたのでした。

 こう描いても、今の人たちはきっと、ピンとこないでしょうが、
奨学金制度がまだ十分ではなかった戦前は、貧富の差も大きくて、
才能はあるのに親が貧乏で高等教育が受けられないという人は、
村(町)の有力者にお金を援助してもらって大学へ行くケースが
少なくありませんでした。

 でも、そうなると出資者の意向を無視できませんから、就職先
や結婚で、その人たちは口を出してきます。「お前、大学を出た
ら、県庁に入れ」「この人と結婚しろ」と命令してくるケースも
少なくありませんでした。
 もちろん、それって法律上の義務ではありませんが、昔は義理
固い人が多くて、そうした意向を無視できない場合も多かったの
です。

 しかも、就職してからも、色々注文をつけてきて……
 この校長先生もそうしたしがらみから、婆さんのこんな暴走を
許していたという設定だったわけです。

 実際、モデルになった婆さんがいたんです。万引きとか目の前
の公園で危ない遊びなんかしているとよく学校に乗り込んできて
いました。(お灸はありませんよ。あれはフィクションです)
 そんな時、母がその裏事情を教えてくれたのです。

 ちなみに、こうしたことは何も学校だけに限りません。市役所、
県庁にはそうした地元有力者の息のかかったお偉いさんが山ほど
いて、重要な情報は垂れ流しされますし、予算の使い方も有力者
の意向に沿うように作られるのが当たり前だったのです。

 逆に言うと、地元有力者にとって貧しく才能のある子は自分達
にとっても金の卵ですから喜んでお金を出してくれたわけです。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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