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初めてのお仕置き<1>

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 §1 お浣腸

 父と母が事故で亡くなったのは私が小学3年生の時、もちろん
それは悲しい出来事でしたが、あまりに突然のことだったので、
しばらくは何が何だかわからない日々でした。

 葬儀の後は、叔父さんの家にお世話になったのですが、家の前
で自動車がブレーキを踏むたびに、『お父さんが帰って来た』と
思って表に飛び出す日々でした。

 もちろん父母が私のもとに帰ることはなく、最初は『預かる』
という形だった叔父さんとの関係が1年後には正式に養女となり、
その家の子供達とは兄弟姉妹となりましたが、そうして生活して
いても私の立場は依然、お客様のままでした。

 おばさんは実の子を呼ぶときは呼び捨てなのに、私を呼ぶ時は、
『恵子ちゃん』と必ず敬称をつけます。おじさんも私と一つしか
違わない清美さんとは一緒にお風呂に入りますが、私を誘った事
は一度もありませんでした。

 もちろん叔父さんと一緒にお風呂に入りたいなんて思った事は
ありませんが、湯船から妹のはしゃいだ声が聞こえて来ると……
それが親密さのバロメーターのような気がして……
 『私はこの家の子ではないから……』と、寂しい気持になった
こともありました。

 そんな事からでしょうか。私が正式に佐々木家の養女になった
日、おばさんは……
 「これからは、あなたもお客さんじゃないの。他の兄弟と同じ
立場なんだから、お仕置きだって他の子と同じようにやるからね。
覚悟しといてね」
 と、笑顔で宣言したんです。

 ところが、それから1年経っても私が体罰を受けた事は一度も
ありませんでした。

 佐々木家は江戸時代から続く旧家で、町の名士と呼ばれる親戚
知人が多数おられます。当然、躾だって厳しく、従わない子には
体罰も厭いませんでした。ですから、この1年間も他の兄弟達は
お養父様(おとうさま)やお養母様(おかあさま)からたくさんの
お仕置きを受けています。

 もちろん、私の場合は、お世話になっているという思いから、
それなりに注意して生活してはいました。お仕置きに繋がるよう
な事は実のお子さんたちより少なかったかもしれません。
 でも、私だってその時はまだまだ子供ですから、まったく何も
ないはずがありませんでした。

 勉強、習い事、目上の人への言葉遣いや自分の部屋がきれいに
片付いているかどうかなんかもこの家ではチェックの対象だった
んです。
 それを私がすべて完璧にこなしていたとは、とても思えません
でした。ですから、私へのお咎めなしは不自然だったのです。

 佐々木家の体罰は、幼い子への閉じ込め、締め出しに始まって、
平手や竹のものさしによるお尻叩き、浣腸、お灸……今日でなら
『ソフトなSM』『虐待』などと評されるかもしれない厳しいも
のです。

 おまけに、男の子たちはもちろん、私とは一つしか違わない妹
の清美さんにさえご両親は容赦がありませんでしたから、二週間
に一度くらいは清美さんの悲鳴が私の部屋にも届きます。
 そのたびに『私もいつかは……』と怯える日々でした。


 そして、五年生になった夏休み。ついにその日は来たのです。


 その日は清美さんが林間学校、一年生の双子の兄弟、剛士君と
智志君もおばあちゃんの家へ泊りがけでお出かけしていて、家を
留守にしていました。
 そう、養父母は他の兄弟が家にいないこの日を選んで私に話を
切り出したのでした。

 居間に呼ばれた私は、叔父様いえ、お養父様(おとうさま)と
お養母様(おかあさま)が、お二人して二つ折りの紙を覗き込み
ながら何やら話しあってる姿に出会います。
 二人が覗いている紙は、数日前、学校の終業式で渡された私の
通知表でした。

 もちろん通知表そのものは、終業式当日、すでにお二人にお渡
しましたが、その学期は清美さんの成績もよくなくて……
 終業式の当日、ご両親はまず清美さんから始められたのです。

 お義母様によるお浣腸に始まって、お義父様の平手によるお尻
へのスパンキング。下半身へのお灸、最後は革のベルトによる鞭
打ちまで、私たち兄弟はその一部始終を見学させられていました。

 しかも、私の場合は養女とはいっても年長の女の子ですから、
そうしたお仕置きへのお手伝いもさせられます。
 鞭を嫌がる清美さんの身体を押さえつけたり、お浣腸で汚した
オムツの処理までしなければなりませんでした。

 おまけに、もうお仕置きはすんだとばかり思っていた夕食後、
断続的にもの凄い悲鳴が私の部屋にも届きます。
 それは兄弟にさえ見せたくないようなもう一段厳しいお仕置き
を清美さんがご両親からされているということで……私は自分が
されているわけではないのに、心臓が締め付けられるような思い
でそれを聞いていたのでした。

 『きっと、普段はやられないようなお仕置きを受けたんだわ。
でも、何をされたんだろう。ここへ来たら聞いてみよう』
 私は心ひそかにそう思っていました。

 ところが、普段ならお仕置きが終わるとまっさきに私の部屋へ
駆け込んでひとしきり愚痴を言ってから帰る清美さんがその夜に
限っては、お養父様の書斎を出た後、すぐに自分の部屋に戻って
寝てしまいます。
 こんなことは初めてでした。

 それから1週間後、今度は、私が清美さんの立場に立たされる
はめになるのでした。


 「恵子さん。これを拝見すると……あなた、いくつかの教科で
成績が下がってしまってるみたいね。国語の5が4に……算数の
4が3になってるわね」
 おばさんは私の通知表を見ながら確認します。

 私は、消え入りたいほどの恥ずかしさでした。

 「優秀なあなたが、これはどうした事かと、今お父様と一緒に
首を傾げたところよ。あなた、私達に何か不満があるのかしら?
あるんなら、怒らないから言ってちょうだい。心の中におさめて
しまうのが一番よくないわ」

 「……(不満だなんて)……」
 私は答えに窮します。

 着るもの、食べるもの、学用品、玩具、すべて他の兄弟と差別
はありません。これまでいつも優しく接してしていただきました
から……
 子供のことですから、感謝の念は薄かったかもしれませんが、
天涯孤独となった私にあれもこれもと手を差し伸べてくださった
お二人に不満なんてありませんでした。

 ただ、最初は緊張してスタートとした生活も二年が経ち、この
家での生活に慣れてくると、私にも甘えが出てきたのです。
 成績にしても、実の両親が生きていれば、こんな成績になる前
に、お仕置きを受けて渋々またネジを巻き戻していたはずですが、
緊張感のない叔父さんの家では、伸びきったパンツのゴムのよう
に元に戻らないまま、お仕置きはがない事をいいことに一人だけ
特別な子供として暮らすようになっていたのでした。

 そんな私に、お養父様(おとうさん)は静かに話し始めます。
 「佐々木の家はね、恵子ちゃん。……本家は造り酒屋だけど、
他の家はそれぞれお医者さんや弁護士さん、学校の先生なんかを
生業としてきたインテリが家業の家なんだ。だから、お父さんの
跡を継ぐ男の子は当然ある程度の成績が求められるし、君の場合
も、女の子だけど一人娘だからね……本来は、君がお父さんの跡
を継がなきゃならないんだ。弁護士というのは嫌かね?」

 「いいえ」

 「となるとだ、学校の成績だって、どんな成績でもよいという
わけにはいかないんだよ」

 「はい」

 「君は女の子だから、お嫁に行って、直接家業は継がないかも
しれないけど…ただ、その時でも、優秀なお婿さんに来てもらう
ためにはこちらもある程度の水準でないと、釣り合いがとれない
からね、うまく話が進まないんだよ。今の成績では、お父さんも
心を痛めると思うよ。君は清美なんかと違って元々優秀な頭脳の
持ち主だからね。この成績は、それにそぐわないんだ。…何より、
このままじゃ、弟が化けて出そうでね、私も怖いんだよ」

 「…………」
 私はお養父様の笑えないジョークに返す言葉が見つかりません
でした。

 次に、お義母様が切り出します。
 「そこで、あなたにも、もう少し、シャキっとしてもらおうと
思って、お父様にあなたへのお仕置きをお願いしてみたの。……
どうかしら?」

 「……(『どうかしら』って言われても)……」
 私はお仕置きの打診に戸惑います。

 いえ、私だって実の両親からはお仕置きを受けたことが何度も
ありましたが、そういうことって、問答無用でやられるものです
から、ぶたれる前からもう泣き叫んでいました。

 「恵子ちゃん、あなたにとって実のご両親でない私たちに何か
されるのは嫌でしょうけど、あなたはすでに正式に私達の子供で、
この家の子供たちが、どんなお仕置きを受けてるかも知っている
わよね」

 「……は、はい」

 「あなたにも、家の子供たちと同じ罰を受けて欲しいの。……
ね、あなただけが、いつまでも特別というわけにはいかないわ」

 お義母様の言葉には説得力があります。
 でも、『はい』とは言えませんでした。
 すると、お義父様が……

 「無理にとは言わないよ。君が嫌なら、私は無理強いはしない
よ。女の子にはいつも明るく笑っていて欲しいもの。私だって、
嫌われ者になんてなりたくないからね。でも、その時は私たちに
約束して欲しいんだ。私たちの力を借りるまでもなく、2学期は
四年生の頃の成績を取り戻しますってね。………言えるかい?」

 「……それは……」
 私は、口ごもります。
 こんな時は、はったりでも『できます!』って言ってしまえば、
ひょっとしたら済むのかもしれませんが……

 「自信がないみたいだね」

 「………………」

 「仕方ないね。じゃあ、私に任せてくれるかい?勉強のこと…」

 「……は、はい」
 私は蚊の泣くよう小さな声で答えます。
 当時五年生の私に自分を律する力なんてまだありませんから、
そう答えるしかありませんでした。

 「………そう、それじゃあ、今日からは清美たちと同じように
お仕置きを受けてもらうけど、いいんだね」

 こう念を押されても、答えは一つだけだったのです。
 「……は、はい」

 そりゃあ、お仕置きなんてされたくはありません。ましてや、
清美さんの厳しい姿を目の当たりにしてますから、正直言うと、
この場所から今すぐ逃げ出したい気持でした。
 でも、私にも、成績を下げて叔父さん(お養父さん)に迷惑を
かけたという負い目がありますし、これ以上お仕置きから逃げて
しまっては、せっかく仲良くなった他の兄弟達からも『どうして
あいつだけ特別なの』って恨まれそうです。

 もし、お義父様、お義母様、兄弟たちから仲間外れにされて、
この家での居場所を失ったら……そんな光景がふいに頭に浮かび
ます。女の子としてはこんなに辛い絶望はありませんでした。

 それに比べたら、お仕置きは清美さんだって受けてることです
から、私にだって耐えられないことはないでしょう。

 そんなこんなが頭の中を駆け巡り、最終的には『私もここの子
なんだし、仕方がないか』というお付き合い感覚で、お仕置きを
受け入れたのでした。

 で、結局……
 「よし、それじゃあ、書斎で待ってるから、お母さんにお浣腸
をしてもらったら、来なさい」
 お義父様はそう言って席を立ったのでした。

 「……(お、かんちょう)……」
 自分で決めておいて、今さら女々しいのですが、お義父様の口
から『お浣腸』という言葉を聞いた時は、もうそれだけで、この
部屋から消えてなくなりたい思いでした。

 清美さんの様子を見ていて、それがどんなに辛いことか知って
いましたし、実は私も、お仕置きではないのですが、病院でそれ
を一度受けたことがありました。
 恥ずかしさとその強烈な効果にパニックになった私は、看護婦
さんを突き飛ばしておトイレへ走った記憶があります。

 『そんな経験をまたここで……』
 と思うと、今さらながら、
 『何て馬鹿なことしてしまったんだろう』
 とも思いました。
 でも、優柔不断な私にいったん動き出した歯車を止めることは
できませんから、その時は涙を一筋ほほに溢すだけだったのです。

 そんな私にお義母様がこんなことを言います。
 「あなたは偉いわ。まだ11歳だというのに、ちゃんと分別が
あるもの。もしこれが清美だったら、こんなに素直にはならない
はずよ。あなたのお母様は娘にとても立派な躾をなさってるわ。
そんな立派なお母様の後を受けて、私がどれほどの事をあなたに
してあげられるか、正直、私だって自信がないけど、精一杯の事
はするつもりだから、あなたも着いてきてね」

 「はい、おかあさん」
 私はこの時初めて素直に『おかあさん』という言葉を口にしま
した。

 「今日の事は、あなたにとっては辛い体験だけど、いつまでも
裃を着て一緒にご飯を食べるだけの家族じゃいけないわ。お互い
隠し事なしで暮らさないと家族は窮屈よ。今のあなたの義務は、
その身体の全てと心の中の全てを私たちの前にさらけ出すこと。
その為にはちょっと手荒なこともするけど、それは必ずあなたの
ためになることだから、我慢してね」
 お義母さんは私の両肩を抱いて微笑みます。

 「はい、おかあさん」
 私は素直にそう言いましたが、正直言って心の中はやけっぱち。
 『しょうがないわ。もう、どうにでもなれ!』
 だったのです。

 「あなたは自分の部屋に戻っててね、そこでお浣腸しますからね。」
 そう言ってお義母さんは部屋を出て行き、お手伝いの節さんを
呼びに行きます。

 「節さん、ちょっとお手伝いお願いします」

 私はその声を聞きながら自分の部屋へ戻りましたが、それから
節さんを伴ってお義母さんが部屋へ訪れるまでの時間、僅か5分
か10分のはずなのですが、それがどれほど長かったか……
 私はベッドに腰を下ろすと、あの病院でのショックな出来事を
思い出しながら溜息ばかりついていました。


 ガタゴトと手押しワゴンの車の音が廊下から聞こえてきたかと
思うと……

 「さあ、始めますよ」
 そう言ってお義母様が入ってきます。

 お義母様は大きな洗面器を抱えていましたが、その中に入れら
れたタオルなどに隠れて、かつて病院で見かけた大きな注射器の
ようなピストン式の浣腸器が顔を覗かせていますから……

 「……(ゴクン)……」
 私は思わず生唾を飲み込みました。

 『また、あれをお尻の穴に……』
 なんて思うと、もう、それを見ただけで心臓は誰かに鷲づかみ
にされたようでした。

 怯える私に、お義母様が……
 「大丈夫よ。これは誰でもやってきてることだもの。……さ、
それより、これ、着てちょうだい。うちではね、お仕置きの時は
男の子も女の子も体操服と決まってるの。これなら汚れてもすぐ
に洗えて便利でしょう。今度から、お仕置きを言われたらこれに
着替えて待っててね」

 「はい、おかあさん」
 私は学校でも使っている自分の体操服を受け取ります。当時の
事ですから、おしゃれなものじゃありません。上は白いシャツ、
下は紺のブルマーでした。

 そうやって、私が着替えている最中にも大人たちは準備に余念
がありません。
 私のベッドには大きなビニールシートが広げられ、オムツやら
大判のタオルやらが整然と並べられていきます。

 でも、何より私の視線を釘付けにしていたのは……やはりあの
浣腸器でした。

 あれをお尻の穴に差し入れられた時のショック。グリセリンが
直腸を満たしていく不快感。おまけに、やり終えた後も、お腹が
渋って鈍痛のようなものがしばらく残りますから、病院では何も
いいことがありませんでした。

 そんな不幸の塊のような器具を前にして、私は、一瞬固まって
しまいます。

 「さあ、早くしましょう。…恵子ちゃん。お仕置きはこれだけ
じゃないのよ。お父様もお待ちかねだわ」

 お母さんの言葉で私は、ハッとして我にかえります。
 でも、余計な一言を……

 「お義父様はここにはいらっしゃらないんですか?」

 「そうよ、お尻を叩かれる時には、それは仕方がないけど……
これは恥ずかしいといっても、格別だもの。うんちでべっちょり
汚れたオムツをお父様にお見せするなんて、あなただって嫌じゃ
なくて?」

 「えっ????……」
 私は目が点になりました。

 『(ははははは)それって、失敗したらそうなるって意味よね。
……まさか、最初から、オムツに……だなんて、そんな馬鹿な事
ないわよね』
 私は自分を励ましながらも心に不安がよぎります。

 けれども、お母さんにそれを確かめようとはしませんでした。
『恥ずかしいから…』そして何より『怖かったから…』でした。
そして何よりこの悪い思いつきは間違っても当たってほしくない
からだったのです。

 ところが……

 「あなた、お浣腸されたことあるかしら?」

 「ええ、一度だけ……病院で……」

 「その時は、おトイレ使えた?……それともオマルにしたの?」

 「お医者様が後でそのウンチを調べたいからっておっしゃった
のでオマルです。とっても恥ずかしかったけど、仕方なくて……」

 「そう……でも、ここではおトイレでもオマルでもないわよ。
……ウンチは全部オムツにするの」

 「……(ウ、ウソでしょう!?)……」
 私の目は再び点になります。

 でも、私に出来たのはそれだけ。あとは大人たちの思うがまま
でした。

 仰向けにベッドに寝た状態でブルマーとショーツをいっぺんに
脱がされて、両足を高く上げさせられれば……何のことはない、
昔、病院でやられた処置と同じ姿勢。当然、私の恥ずかしい処は
全てみんなに丸見えですが、周囲が女性ばかりというの事だけが
唯一の救いでした。

 「……(あっ、!!!)……」
 ガラスの突起がいきなりお尻の穴に当たります。

 昔はカテーテルなんて面倒なものは使いませんから、ちょっと
でも嫌がって動くとすぐにお尻の穴から外れてしまいます。
 もちろんそんな事になれば『お仕置きを嫌がった』として罰が
また増えることになりますから、子どもたちはこんな恥ずかしい
格好を必死で維持しなければなりませんでした。

 「……(あっ、入ってくる)……」
 ひんやりした感触が直腸を刺激して、お薬が入ってきたことが
わかります。
 この瞬間は何度やられても、気持悪くて、恥ずかしくて、泣き
たくなります。

 「……(あっ、また、入ってくる)……」
  50㏄の浣腸器ですが、二回に分けて60㏄。それが完全に
お尻の奥へ納まるまでは、ガラスの突起とお尻の穴がランデブー
できるように、この恥ずかしい姿勢を続けなければなりませんで
した。

 そして、終わるとさっそくオムツが当てられます。
 これも昔のことですから今のような紙おむつではありません。
浴衣の生地を裂いて作ったお義母様お手製のオムツです。

 「……(あっ、だめ、もうしたい)……」
 私はまだオムツもはめ終わらないうちに、もうそこを動こうと
します。グリセリンというお薬は即効性があって、効果がでるの
に1分と掛からないのです。
 でも……

 「ほら、動いちゃだめよ」
 お義母さんが私の身体を押さえにかかります。

 それはもの凄い力というわけではないので、跳ね除けることも
可能ですが、この場面で私がそんなことできるはずがありません。

 「ほらほら、だめよ。今日のあなたはどこにも行けないの」
 お義母様はそう言って、私のベッドへ上がりこむと、オムツを
つけ終わったばかり私の上半身をまるでお人形のようにして抱き
あげます。

 「……あっ、いや」
 すでに全身に鳥肌のたっていた私はとっさにそう叫んでしまい
ました。

 でも、抱きかかえられた瞬間の私は決して不快ではありません
でした。赤ん坊時代に戻った時のような不思議な安らぎが全身を
支配したのです。

 「わあ、いい子ねえ~。今日はおかあさんと一緒にウンチしま
しょうね」
 お義母様にはこんなことを言われて、その胸の中へ納まったの
です。
 でも、そうなると、またさっきの鳥肌が戻ってきます。

 「あっ、だめ~~」
 私は、思わず私を抱くお義母様の太い腕を乗り越えようとしま
したが……

 「あらあら、逃げないで。何も心配いらないわ。あなたは私の
子供になって初めてのことをしてもらってるから戸惑ってるのね。
でも、大丈夫よ。怖いことは何もないのよ。………恵子ちゃん。
子どもがお母さんに初めてしてもらうことってなあに?」
 お義母さんはまるで幼児をあやすようにして笑顔で尋ねます。
 
 「…………」
 私はそれには答えませんでしたが……

 「ミルクとオムツ。それはあなたも同じなの。お母さんになっ
た人はまずミルクとオムツのお世話をしてあげなきゃ」
 そう言って太い腕が私を押さえ込もうとします。

 「だって、トイレ!」
 私は全身に力を込めましたが、何しろ爆弾を抱えていますから、
本当の意味で全力は出せませんでした。

 もし、そんなことをしたら、力を込めた瞬間に……
 「………!………」
 その先は想像するだに恐ろしいことだったのです。

 「今はまだ頑張ってね。すぐに出しちゃうと、お薬の効き目が
ないのよ」
 お義母さんがやってることはかつて看護婦さんが私にした事と
同じでした。看護婦さんもまた、お薬の効き目が十分になるまで
私を抱いていてくれたのです。

 病院では看護婦さんの隙を見てトイレに走ることができました
が、トイレにはすでにオマルが用意されていて、結局は、そこに
跨ることになります。
 でも、今日はそれさえできない雰囲気でした。

 「さあ、もうちょっとですよ。頑張りましょうね」
 お義母様だけでなくお手伝いの節さんまでが、時折大きな顔を
私に近づけてきて赤ちゃんになった私を監視しているのです。

 「******ああああ!!!*******ああああ!!!」
 ピンチは周期的に襲ってきて私の下腹を翻弄します。寄せては
返す大波の凄さは言葉では到底あらわせません。

 「もう、堪忍して……」
 脂汗を流し、全身鳥肌をたて、身体の芯から悪寒が走ります。
絶え間ない苦闘の時間は無間地獄でした。

 そんな私にお義母様は冷静にこう言います。
 「まだ5分よ。もうあと5分くらいは頑張ってね。そしたら、
今日はそこにそのままやっちゃってちょうだい」

 「……(そこにそのままってどういうことよ。トイレ!トイレ!
トイレ!なの。トイレへ行きたいの!)……」
 私は心の中で叫びます。
 本当は声に出して叫びたいのですが、大人二人の顔がアップに
なり、その二人にまるで赤ちゃんのようにあやされると、恥ずか
しくて、怖くて、声になりませんでした。

 「****あああ!!!!*****あああ!!!!****
あああ!!!!*****あああ!!!!****あああ!!!」
 私は、大波が襲うたびにお義母様の腕を必死に掴んで抱きつき
ます。きっと、お母様の腕にはその時の痣がくっきりついるはず
でした。
 でも、その時はそうするより仕方がありませんでした。
 
 やがて、いくつかの大波の後、お義母様は私に優しく語りかけ
ます。
 「もう、出してもいいわよ」

 「えっ!?」
 私はとっさにトイレへいけるのかと思いましたが……

 「いいから、そこに出しちゃいましょう。せっかくオムツして
るんだし……」

 「!!!!」
 私は青くなって首を激しく振ります。
 『できるわけないじゃないか!私は赤ちゃんじゃないのよ!」
 怒りと悲しみが同時に心を支配して、私の心はパニックです。

 「いや!!!!」
 何度も何度も頭を激しく振り、必死で耐えて、お義母様の胸の
中でその腕に胸にしがみつきます。

 「いやって言っても……どうにもならないわ。今日のあなたは
ここでこのままウンチをすることに決まってるのよ。もちろん、
あとは私があなたのお世話をしてあげるのよ」

 「いや、わたし、トイレでなきゃ…………」
 私はそう言って身体をひねると、お義母様の膝から降りようと
しますが……その瞬間、再び大波に襲われて……

 「きゃあ~~~」
 慌てて、お義母様の胸に抱きつきなおします。
 我慢するのも、今はもうお義母様が頼りでした。

 「ほらほら、もうどうする事もできないでしょう。聞き分けの
ないことはしないのよ。我を張ってみても恥の上塗りになるだけ。
お仕置きって親に降参することだもの。無駄な抵抗はしない方が
あなたにとっても得策よ」

 「…………………」
 私を襲う大波は、その瞬間、僅かに小康状態を保っていました。
でも、怖くて、私は後ろが振り向けません。もう、どの様に体を
動かしても堰が切れそうです。
 今の私は、母とは違う匂いのするこの義母の胸にすがり付いて
泣いているほか、どうにもできなかったのでした。


 「!………………」
 その瞬間は、お互いに声はありませんでした。


 しばらくして、お義母さんは私に諭すようにこう言います。
 「いいのよ。これでいいの。プライドも見栄も外聞も、すべて
捨てて自分を愛してくれる人の処へ飛び込むのがお仕置きなんだ
から……愛も同じ。プライドにこだわったり、物惜しみする人は
決して手にすることのできない物なのよ。……そのことを教える
のが、お仕置きでもあるの。……だから、お仕置きは愛と同じ物
で出来てるの。人を憎んだり蔑んだりする為のものじゃないわ」

 「………………」
 白旗を上げた私は、お義母様に頭を優しく撫でられるうち……
『親切な人』以上の親しみを感じるようになるのでした。

 「それじゃあ、取り替えましょうか」
 お義母様は抱き上げていた私を再びベッドに仰向けに寝かしつ
けます。この時はもうほとんど無抵抗でした。

 そして、それは仕方がない事とはいえ、それまで封印していた
恥ずかしい場所をこれ以上ないほど恥ずかしい姿で開放します。

 「久しぶりにこんな事されて気持いいでしょう」
 お義母様の手が忙しく動き、節さんが用意した蒸しタオルで、
私の恥ずかしい場所を清めていきます。

 それは、正直に言って、恥ずかしくても気持いい時間でした。
 『赤ちゃんに戻ったみたい』
 ある瞬間は、本当にそう感じていました。
 ただ、長くは続きません。

 「さあ、一度起きて、オマルに跨って用を足してちょうだい。
まだ、残ってるのを完全に出してしまわないと、今度お父様の処
で恥をかくことになるわよ」

 私はお義母様の言葉に再び緊張します。
 そうなんです。ハンドスパンキング、鞭打ち、お灸、お仕置き
は、むしろこれからが本番だったのでした。


*******************(1)*****
 

コメント

[C11]

初めてコメントさせて頂きます。
このサイトはSM感が無くて好きです。
浣腸が入っている話が好きなので
これからもこういう話を期待しています。
生意気にリクエストしまってすいません。



  • 2015-12-10 19:33
  • Done
  • URL
  • 編集

[C12] Done様 コメントありがとうございます

> 初めてコメントさせて頂きます。
> このサイトはSM感が無くて好きです。
> 浣腸が入っている話が好きなので
> これからもこういう話を期待しています。
> 生意気にリクエストしまってすいません。

Done様 コメントありがとうございます

 何しろ、勝手気ままに書き散らすだけのブログなので、
細かなご要望に応えられるかどうかまでは分かりませんが、
『浣腸』の出てくるお話は当然これからもかき続けるつもり
でいます。
 アップした際は、また、読んでいただけると嬉しいです。

  • 2015-12-11 17:34
  • tutomukurakawa
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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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