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☤☤☤☤☤☤  銀河の果ての小さな物語  ☤☤☤☤☤☤

     ☤☤☤☤☤☤   <第2章>  ☤☤☤☤☤☤
          ~ バンビ~の幼年期 ~



§2 お仕置き適齢期

 僕は生まれた時は男の子だったみたいです。それを大人たちが
身体を色々いじって、見た目女の子のようにしてしまったのです。
 ですが、完全に女の子の身体にすることはできませんでした。

 たしかに、僕の身体は一見すると女の子に見えます。お臍の下
にオチンチンなんて見えませんし、大昔は使われていた赤ちゃん
の出てくる処(=ヴァギナ)だってちゃんとあります。

 でも、僕がそのヴァギナに指を入れても、くすぐったいだけで
何か感じるなんて事はありませんでした。そもそもその奥に子宮
なんてありませんし、成長してもメンスは来ません。赤ちゃんを
産むことだって絶対にないわけです。

 大人たちは、僕をそかな奇形にしてお母さんに預けたんです。
 身勝手なもんです。散々実験材料にしておいてうまくいかなく
なると他人に預けるんですから。

 ただ、いい事もありました。奇形の子を育てるのは大変だから
と、普通なら四五人一緒に子育てしなければならないところを、
僕一人だけにしてくれたんでした。

 おかげで、僕は最初から一人っ子。姉妹が多い家庭と異なり、
四六時中お母さんと一緒の生活だったのです。

 一緒のお布団で寝て、一緒にご飯を食べて、一緒にご本を読ん
で、一緒に玩具で遊ぶ。一日中、お母さんと一緒なんです。
 そうそう、お母さんとはトイレまで一緒でした。

 べったりとしたお母さんとの甘えん坊生活。
 おかげで幼稚園に入れられると、そこは退屈で退屈で、いつも
あくびばかりしていました。

 別に先生が怖いとか、お友だちが意地悪とかいうんじゃありま
せん。先生とも、お友だちとも、ちゃんとちゃんとお付き合いは
したんですから。
 ただね、幼稚園って処はお母さんが『行きなさい』と言うから
仕方なく行ってるだけで、本当は一日中ずっとお母さんのおそば
にいたかったんです。

 そんな中、僕にとって一番のお友だちは、マーサお婆ちゃんと
一緒に暮らす子供たちでした。
 実は、マーサお婆ちゃんというのはお母さんのお母さん。だから、
そこの子供たちというのは僕から見れば叔母さんになるんですが、
ま、そんな血縁関係みたいなものはここではあんまり意味があり
ません。

 だってこの星の家族って最初からみんながみんな血が繋がって
いないわけですからね、叔母さんと呼ぶのもちょっと変なんです。
要するに子供たちはみんなお友だちでした。

 そんな僕たち子供が大事にしなければならない事は、お母さん
から愛されること。お友だちと仲良くすること。それに先生から
信頼されることの三つだけ。

 これだけ守っていれば、パッピーライフだったんです。

 ところが、これが意外に大変でした。
 お母さんはいいんです。赤ちゃん時代から一緒で気心が知れて
いますから。でも、お友だちは幼稚園にも小学校にも色んな性格
の子がいますからね、お付き合いするのに骨が折れます。それに
先生も、色々無理難題言ってきますから、言いつけられた課題を
すべてクリアするのは大変骨の折れる仕事でした。

 そんな時、頼りになるのは、やっぱりお母さんなんです。
 ですから、子供たちはお母さんの命令にはたいてい従います。
 例えば……

 「パンツを脱いで、お膝の上にうつ伏せになるの」

 こんなこと言われてお膝を叩かれたら、どんなに幼い子だって、
これから何をされるかはわかっていますよ。
 でも、そう言われたからって逃げ出す子はこの星にはいません。

 どんな子も、パンツを脱いで、お母さんのお膝に横たわります。

 それは『恐怖のあまり仕方なく』というのではなく、お母さん
との信頼関係がそうさせるんです。

 お母さんはいきなり強くなんて叩きません。たっぷり、お説教
して、何度も僕に『ごめんなさい』を言わせるんですが……その
間は、お尻はすりすりだけか、軽くしか叩かないんです。

 「わあ、恥ずかしいなあ、もう、こんな恥ずかしい事やめよう
ね」
 そう言って、強くぶつのは、最後の二三回だけでした。

 その後は、抱っこに切り替わって……
 お尻よしよし、お背中トントン、頭なでなで、ほっぺスリスリ
が、お母さんのお膝の上で僕が泣き止むまで、ずっと続くことに
なります。

 そんな優しいお仕置きが、ずっと続けばいいのですが、幼い子
も大きくなると、それでは効果がなくなりますから、お仕置きも
少しずつ厳しいものへと変わります。

 そして、それがとりわけ劇的に変化するのが、10歳を越えた
あたりでした。

 それまでお尻叩きは平手だけだったのに、スリッパが使われる
ようになりますし、スパンキングの前にはお浣腸だって受けさせ
られます。

 いえいえ、それだけじゃありません。

 お母さんの言いつけを守らない子は、沢山のイラクサをパンツ
の中に入れられたり、オムツを穿かされて学校へ行かされます。
 おうちだけじゃありませんよ。学校だってそうです。テストの
成績が悪かった子には、放課後お尻に革紐鞭のお仕置きが待って
いました。

 とりわけ10歳から13歳というのがこの星のお仕置き適齢期。
この時期はどんなに良い子で頑張ってみても、一学期に二三回は
親や教師からのお仕置きを我慢しなければなりませんでした。

 そんな中にあって、ローラお姉ちゃまは、マーサお婆ちゃんが
育てた最後の子どもなのですが、幼い頃から評判のお転婆さんで
した。ですから、お仕置き適齢期ともなると、もう毎週のように
お仕置きされてたみたいでした。

 そんなある日の事です。ママが僕に言いいます。
 「今日は、お婆ちゃまから、ローラちゃんを教会の懲戒部屋で
お仕置きするから見にいらっしゃいってお誘い受けてるの。ママ
と一緒に着いてきてね」

 「えっ!」
 お母さんに言われて、僕は青くなります。

 そりゃあ、お仕置きを受けるのは僕じゃありませんけど、それ
って、僕とそれほど年の変わらない子が大人たちに泣かされるの
を見学するわけでするからね、気持のいいものじゃありませんで
した。

 「えっ、僕も行くの」
 嫌そうに言うと……

 「そうよ、まだまだ赤ちゃんだとばっかり思ってたけど、思え
ばあなたもすでに8歳。そろそろ自立しなくちゃね。今までは、
赤ちゃんということもあって、そんなに厳しい事もしてこなかっ
たけど、あなただってそろそろお仕置き適齢期を迎えるわ。……
今日は11歳のローラちゃんのを見て『自分もおいたをすると、
これからはああなるんだ』って、自覚するにはいい機会になると
思うのよ」

 そう、お仕置き適齢期の子は単に大人たちからお仕置きされる
というだけじゃないんです。姉妹や同級生、はては、町のみんな
の前で晒し者にされる事が珍しくありませんでした。

 女って、男性の前では猫を被ってますけど、本当はハレンチな
ことが男性より大好きなんです。

 そんなわけで、まだ赤ちゃんの僕もこれまでにたくさん晒し者
にされたお姉ちゃんたちを見てきました。
 いえいえ、見ただけじゃありません。

 晒し台にはたいてい鞭が掛けてあるのですが、それは9歳まで
の子なら親の監督のもとで誰でも自由に取ってお姉ちまのお尻を
ぶつことができました。僕だって何度となくお姉ちゃまのお尻を
叩いたことがあります。

 ですから、お仕置きには慣れっこなんですが、やっぱり親しい
お姉ちゃまのお仕置きを今さら見に行きたいだなんて思いません
でした。それって、やっぱり可哀想ですから……

 でも、お母さんの命令なら、それも仕方のないことでした。
 だって、僕はこの時まだお母さんの赤ちゃん。お母さんの命令
は絶対だったんです。


 教会の懲戒所は礼拝堂の隣りに隣接した煉瓦造りの古めかしい
建物でした。この建物はさらにそのお隣りの修道院とも隣接して
いて、子供のお仕置きを頼まれると、暇をもてあましたシスター
たちがすぐに駆けつけて手伝ってくれますから、そういった意味
でも便利な建物だったのです。

 この時も、三人のシスターたちがローラお姉ちゃまのお仕置き
を手伝ってくれました。
 何しろこの人たちときたら、昔は何人もの子供たちを育ててき
たベテランばかりですからね、マーサお婆ちゃんとしても心強い
助っ人だったわけです。

 この儀式はローラお姉ちゃまがまず素っ裸にされるところから
始まります。男の人はもちろんいませんし、見ているのは家族と
身内だけ、『死ぬほど恥ずかしい』ってわけじゃありませんけど、
それでもやっぱりお仕置きで裸になるのはお風呂に入るのなんか
と違って恥ずかしいことでした。

 「さあ、何をぐずぐずしてるの。お前はいつから服も脱げない
赤ちゃんになったんだい」
 いつになくマーサお婆ちゃんの厳しい声が飛びます。

 それに促されるのようにして、ローラお姉ちゃまは裸になりま
した。スカートもブラウスもスリップもショーツも靴下も……ま、
とにかく全部脱いじゃいます。

 「お姉ちゃま、お風呂に入るの?」
 僕が抱っこされたお母さんの方を振り返って尋ねると……
 「そうよ、ここで汚れた心とからだを綺麗にするの」

 「お仕置きって心とからだを綺麗にすることなの?」
 こう尋ねても……
 「そうよ。子供は自分では何もできないから、心と体をいつも
綺麗にしてないとすぐに病気になっちゃうの」

 「ふうん」
 分かったような分からないようなあいまいな返事をして、再び
前を向き直ります。
 すると、お姉ちゃまはすでに大きな盥の中に入って膝まづいて
いました。

 お姉ちゃまの前には、マリア様の像が飾られた祭壇があって、
お姉ちゃまは壁に掛けられた沢山の蜀台に照らされています。
 電気と違ってローソクはささやかな風にも揺らめきますから、
それはとても幻想的な光景でした。

 そんな中、まずはお姉ちゃまの身体にシスターたちが桶でお湯
をかけて隅々まで洗い清めます。これは沐浴と呼ばれてお姉ちゃ
まの体を冷やさないためでもありました。

 室内にはたちまち湯気がたちこめ、ローソクの光までもが霞む
ほどでしたが、僕はここで一つの発見をします。
 実はお姉ちゃまの体に掛かったお湯は、すのこ状になっている
盥の底から流れ出て盥自体にはお湯が溜まらない仕組みになって
いました。

 「この盥、お湯が抜けちゃうからちゃぷちゃぷはできないね。
でも、お姉ちゃま気持よさそう。僕もやってもらいたいな」
 僕がお母さんに話しかけると……
 「馬鹿なこと言わないの。これからが大変なのよ」
 という答えが返ってきました。

 たしかにお姉ちゃまは、その後、石鹸のついたタオルを強引に
口の中にねじ込まれて、「オエ」「オエ」言いながら苦しそうに
していましたし、顎の下や脇の下、ぺちゃぱいのおっぱいやお股
の中までもシスターたちにゴシゴシやられていました。

 「あれ、痛くない?」
 僕が尋ねると……
 「痛いけど、もうお姉ちゃんだから我慢しているのよ」
 ということみたいです。

 実際お姉ちゃまは、シスターたちに何をされても、お人形さん
みたいに静かにしていて、大声を上げたり暴れたりはしませんで
した。

 でも、本当に大変だったのはこれからだったのです。

 「ローラちゃん。あなたはこの二週間、数多くの過ちを犯しま
した。今日は、それをここで精算しましょう」
 祭壇の前に立って凛とした態度でいるお婆ちゃんは、普段は、
僕たちにもとても優しい修道院の院長先生。

 でも、この時はとっても意地悪だったんです。

 「はい、院長先生」
 この時、ローラお姉ちゃまは素直にご返事しましたが、すでに
その全身が震えていました。

 「ねえ、お姉ちゃま、寒いんじゃない?早くお洋服着たほうが
いいよね。僕、着せてあげようか……」

 すると……
 「そうじゃないわ。いいから見てなさい。黙って見てるの」
 こう言ってお母さんは僕の顔を再び盥の中のお姉ちゃまの方へ
向け直します。

 「あなたは、先週の月曜日。仮病を使って学校を休もうとしま
したね」

 「はい」

 「その時、お母様がどれほど心配されたことか。……聞けば、
体温計をぬるま湯につけて、熱があるように装ったとか……」

 「…………」

 「悪知恵だけは働くのね。分かってるでしょうけど、それって
とってもいけないことですよ」

 院長先生がそこまで言った直後です。
 「あっ!」
 ローラお姉ちゃまは、思わず後ろを振り向こうとしました。
 でも……

 「後ろを向かない!」
 院長先生にきつく叱られてしまいます。

 でも、それって、仕方のないことだったんです。
 だって、その時、別のシスターがお姉ちゃまのお尻を開いて、
イチヂク浣腸を挿したんですから……そりゃあ、誰だって後ろを
振り向きますよ。

 でも、それって、やっぱりいけないことでした。
 身体を洗ってもらっていた時と同じように、盥の中に入ったら
どんな時もじっとしていなければならなかったのです。

 「あれ、何してるの?」
 僕が尋ねると、ママが小さな声で教えてくれます。
 「お浣腸よ。お姉ちゃんはおいたをしたから、そのおいたの分
だけ、あのスポイドでお尻に石けん水を入れられるの」

 「もう、終わり」
 「まだまだ、これからよ。いいから静かに見てなさい」
 お母さんは再び僕の顔をお姉ちゃまの方へと向けます。

 「そもそも、なぜ学校を休もうとしたのかしら?」

 「…………」
 院長先生の質問にローラお姉ちゃまはやっぱり答えられません
でした。
 正確には、答えたくなかったのかもしれません。

 「いじめっ子がいるからかしら?…………そうじゃないわね。
先生がやってきないと言ってた課題をやってなかったからよね」

 「…………」
 お姉ちゃまはやっとの思いで頷きます。
 すると……

 「!」
 また、スポイド浣腸がお姉ちゃまのお尻の穴に突き刺さります。

 「ということは、宿題になってた課題をやってこないわけです
から、テストのお点も悪かったわよね。何点だったのかしら?」

 「35点と45点です」

 「合格点は?」

 「80点です」

 「それって、合格点までかなり足りないわよね」

 「……は、はい」
 お姉ちゃまが言いにくそうに答えると、その直後、後ろにいた
おばちゃんシスターが、今度はお姉ちゃまに盥の中で四つん這い
になるように命じます。

 「!」「!」
 今度はスポイド二つです。

 もちろん、この時だって、お姉ちゃまは何一つ抵抗しませんし、
声も出しません。
 終わると、再び盥の中で膝まづいて、両手をぺちゃぱいの前で
組んで院長先生のお話を聞きます。

 どうやらこれが、ここのルールのようでした。

 一回の量は僅かですし、お薬も石けん水ですから、すぐに我慢
できなくなるわけではありませんが、それでも、お姉ちゃまの体
にはお薬が少しずつ溜まっていきますから……いつまでも最初と
同じ気持というわけにはいきませんでした。

 「あっ……」
 何か感じたのでしょう。お姉ちゃまは辛そうな顔で院長先生に
訴えかけます。

 「お…おトイレに行きたいんです」

 でも……
 「まだだめよ。まだお話が終わってないわ。ね、もう少し我慢
なさいな」

 院長先生の言葉は穏やかですけど、お姉ちゃまにしてみたら、
悲しい返事でした。

 「水曜日は、ドリスお姉ちゃまの日記を勝手に読んでて喧嘩に
なったわね」

 「でも、あれは、ドリスお姉ちゃんが予定より早く帰ってきた
から……」

 「早く帰ってきたって……そんなの理由にならないわ。………
日記は他の人には見られたくないことだって書くから、他の人が
見ちゃいけないものなの。学校で習わなかったかしら……」

 「……習いました」
 ローラお姉ちゃまが渋々認めると、そこでまた四つん這いです。

 「!!(あっっっ)」

 「木曜日は……朝寝坊したんですって?」

 「…………あれは、お仕置き済んでます」
 お姉ちゃまがこう言うと、院長先生は不思議そうな顔になって
……

 「どうして?お仕置きが済んだかどうか、あなたが決めるのか
しら?……あなたなの?……そうじゃないでしょう。……それに
何より、なぜ、朝、起きられなかったのかしら?それが問題よね」

 「…………それは…………」
 お姉ちゃまは気まずそう、答えにくそうだったのです。

 「こっそり、寝室から起きてきて、お姉様たちと一緒になって
Hなテレビを見てたからじゃないかしら?」

 「………………」
 院長先生の詰問にお姉ちゃまは答えられませんでした。
 だって、それって真実ですから……

 代わりに他のシスターたちが、またお姉ちゃまを四つん這いに
して、もう一つ、お尻へのお注射(浣腸)です。

 「もう、堪忍して……」
 思わず四つん這いになったお姉ちゃまの口から愚痴が漏れます
けど……

 「ダメよ。まだ、まだ、他にもたくさんあるんだから……さあ、
もう一度膝まづいて両手を胸の前に組むの………」

 院長先生にこう言われましたが、お姉ちゃまは首を横にします。
すると……

 「あらあら、どうしたの?……ストライキ?……嫌なの?……
だったら、いいわよ。そこでうんちしちゃっても……残りは熱い
鞭で償ってもらいますから……」

 院長先生のせっかくのお誘いにも、お姉ちゃまは首を振ります。
 どうやら、どっちも嫌みたいでした。

 そこで、もう一度膝まづいて、両手を胸の前で組もうとしたの
ですが…………

 「いやっ」
 小さな声と共に慌ててしゃがみ込みます。

 どうやら、これがローラお姉ちゃまの限界だったみたいです。

 桶の淵が高いので、お姉ちゃまがうんちしている様子は、直接
見えませんでしたが、不気味な破裂音は、僕には不快ですから、
あまり考えもせずに……

 「ママ、臭いね」
 って、言ってしまったのでした。

 これってその場の雰囲気でそう言ってしまっただけで、本当に
臭かったわけじゃないんですけど、僕の声を聞いてお姉ちゃまは
ずっと泣き通しになってしまうのでした。

 シスターが何をどうなだめても嫌がって自分の身体に触れさせ
ようとしません。

 仕方なく、それまで傍観していたマーサお婆ちゃんがなだめて
ローラお姉ちゃまの身体を洗い、バスローブに包んで抱き上げる
と、自分の席へ連れて帰ります。

 マーサお婆ちゃんの膝の上に抱かれたローラお姉ちゃまは、僕
と同じようにママに甘えます。
 だって、僕は『マーサおばあちゃん』だなんていってますけど
ローラお姉ちゃまにしてみれば、その人がお母さんなんですから、
そのお膝が気持ちよいのは当たり前のことでした。

 「大丈夫、泣かなくていいわ。だって、あなたは、今、こんな
にも綺麗な体になったんですもの。恥ずかしがることなんてない
でしょう。穢れをまとってすましてるより、よほど立派なことよ」

 お母さんに頭を撫でられたお姉ちゃまはとろんとした目をして
お母さんの胸の中へその泣き顔を埋めます。
 でも、これでパッピーエンドではありませんでした。

 「あなたは、これから生まれ変わるの。デュラックの子として
……でも、そのためには、試練を受けなければならないわ。……
そうやって罪は償わなければならないの。……それがデュラック
の掟よ。……誰でも同じ。……あなたがこれからもデュラックの
一員でいたければ、それは避けては通れないのよ」

 マーサお婆ちゃんの言っていた試練。それはお尻への鞭でした。
机に縛り付けられて、3回か、6回か、12回。革紐の鞭を剥き
出しになったお尻で必死に受け止めなければなりません。

 いえ、それだけじゃありません。大人たちの前で膝まづいて、
『鞭をお願いします』と、自らお願いしなければならないのです。

 それは子供にとっては恐ろしいほどの勇気が必要な課題でした。
そして、何よりそんなこと理不尽に感じられたのです。

 僕だったら……
 大人たちに無理やり腕を引っ張られ、膝の上に強引に乗せられ
て、泣き叫びながらお尻を叩かれておしまいです。
 でも、同じ子供でも、お姉ちゃまでは果たさなければならない
義務がそれだけではありませんでした。

 「……………………………………………………………………」

 一方、それを迎える大人たちも、すんなりと子どもたちが自分
の目の前で膝まづいて懺悔してくれるなんて考えてはいません。
一時間でも二時間でも、子供たちが『他に道はない』と悟るまで、
辛抱強く待ち続けるのでした。


 「さあ、勇気を持ってやるべきことはやらないと道は開けない
わ。辛いことから逃げようとしたら、さらに辛い事になるだけよ。
ここが嫌なら、学校の教室でみんなの見てる前で鞭をいただく事
になるけど、その方がいいのかしら」

 「…………」
 マーサお婆ちゃんの説得にローラお姉ちゃまは首を横に激しく
振ります。

 小学生だって理屈は分かっています。
 これは拒否できないって……拒否すれば、もっと辛い罰になる。
もっともっとハレンチな罰を受けなければならないって……でも、
多くの女の子にとって、その勇気はなかなか出ないものでした。

 「私ももちろんだけど、院長先生にしても、他のシスターたち
にしても、あなたをとっても愛してるのよ。……愛しているから、
こんなことで止めてあげようとしてるんじゃないの。あなたの罪は、
本来なら全校生徒の前で、むき出しのお尻を一ダースもぶたれる
ような重い罪なのよ」

 「…………」
 ローラお姉ちゃまは、さっきからずっとお母さんに頭を撫でて
もらっていましたから、心はだいぶ落ち着いたようでした。

 「…………」
 でも、時折院長先生の方をちらりと見るくらいで、立ち上がる
勇気はなかなか起きないようでした。

 すると、それにマーサおばあちゃんも業を煮やしたのでしょう。
 「仕方がないわね」
 こう言って、ローラお姉ちゃまをそのまま抱いて立ち上がろう
とします。

 すると、ここでやっとローラお姉ちゃまが慌てるのでした。

 「ごめんなさい、行きます。行きますから」

 お姉ちゃまはマーサお婆ちゃんが次に自分をどうするか、自分
がどんな目にあうかを知っていたみたいでした。
 長い付き合いですからね、そこは敏感なんです。だから、慌て
たのでした。

 「ほら、いつまで甘えてるの。さっさと、行っておいで」

 ローラお姉ちゃまはそれまで包まれていたバスーロブから抜け
出て、すっぽんぽんの身体で院長先生の場所まで向います。

 それってたった3mくらいですが、きっと長い長い距離に感じ
られたに違いありませんでした。
 ええ、僕もその後にまったく同じような事を経験しましたから
わかるんですけど、『途中で卒倒しないかなあ…』なんて密かに
期待するくらいなんです。

 どうせ罰を受けに行かなければならないなら、さっさと済ませ
ればけば良さそうなものですが……そこは人間の弱いところで、
嫌な事、辛い事はできるだけ先延ばししたいじゃないですか。
 女の子の場合は怖がりさんの子が多いですからね、特にそうな
んです。

 だから、多くの子がお母さんが業を煮やすまで、そこで甘える
ことになるのでした。

 「ローラは悪い子でした。どうか、それに見合うだけのお仕置
きをお願いします」

 ローラお姉ちゃまは院長先生の足元に膝まづくと、自分へのお
仕置きをお願いします。
 もうこの時は覚悟が決まっていたのか、お姉ちゃまは凛とした
態度でした。

 「わかりました。では、そこへうつ伏せになりなさい」
 院長先生もこれには満足そうな笑みで答えます。

 そこで、お姉ちゃまは腰枕の乗った懲罰用の机に自分から寝そ
べると……介添えのシスター二人が両手両足を革のベルトで固定
しますが、お姉ちゃまは何一つ暴れたりはしませんでした。

 両足が大きく広げられて女の子の大事な処も全部丸見えですが、
それもお姉ちゃまは意に介さないみたいでした。

 すべては承知の上で、自分からこうしているんだという自覚が、
お姉ちゃまを強くしているのでした。

 そんなお姉ちゃまの心臓を試すように、院長先生がトォーズと
呼ばれる幅広の革紐鞭をお姉ちゃまのお尻にちょんちょんと当て
ます。
 すると、お姉ちゃまのお尻やあんよは電気を当てられた蛙さん
みたいに痙攣します。

 女の子なら誰だってそうでしょうが、そんなことをされれば、
全身の筋肉がぎゅっと縮んで、子宮だって縮んで、全身の毛穴は
開き、瞳孔だって開いて、子宮から絞り取られた血が頭に駆け上
って沸騰します。

 そんな幼い子の恐怖体験を楽しむかのように院長先生二度三度
と鞭をちょんちょんとお姉ちゃまのお尻に当て続けるのです。

 そのたびに、お姉ちゃまの血圧は普段の倍くらいになってるん
じゃないでしょうか。
 それは小さな身体にとって、限界を超えるほどのテンションマ
ックスです。

 やがて……
 「ピシッ」
 本物がやってきました。

 でも、不思議なことに、厳しい鞭がお尻を襲った瞬間は、それ
ほどのショックはありませんでした。
 もちろん、痛いのはこの上なく痛いのですが……

 むしろ、それまで頭に上った血液が、今度は一気に子宮を目指
してかえっていく刹那で、私たち女の子は何かを感じるのでした。

 もちろん、この時のお姉ちゃまには、まだそんな特別な気持を
感じ取る余裕なんてないでしょうが、こうしたことを何度か繰り
返すうちに、多くの女の子たちは、自分の心の中に沸き起こる体
の不思議に気づくことになるのでした。

 女の都というのは中に女性だけしかいませんから、女性同士の
恋愛には寛容で、お互いが大人同士なら夫婦のように愛し合って
一つ屋根の下で暮らすことも認められています。

 でもその時は、幼い日に味わったこうしたお仕置きの思い出が
蘇るのでした。

 それは院長先生だってご存知ですら、無理強いはなさいません。
 少しずつ、少しずつ、お仕置き適齢期の子を慣らしていって、
女性の楽しみをレッスンしていきます。
 お仕置き適齢期の鞭は単に悪さをした報いというだけではなく、
女性としての性教育という側面を隠し持っていたのでした。

 ローラお姉ちゃまは、最初12発の予定が、たった3回で終わ
ってしまいます。
 もちろん、表向きは……
 「今日は特別。あなたももう十分反省してるみたいだから今回
は許してあげます」
 なのですが……そこには……
 『少しずつ、少しずつ、じらすようにやっていかなければ、蕾
は開かないわ』
 という思いも存在するのでした。

 「お姉ちゃま可哀想だったね」
 帰り道、僕がお母さんに言うと……

 「そんなことはないわ。お姉ちゃまは院長先生を始め、あそこ
のシスターさんたちにとっても愛されてるのよ。お仕置きされる
ってことは愛されてるってことなのよ」

 お母さんの言うことは、まだ幼い僕には理解できませんでした
が、僕はお姉ちゃまの裸のお尻を見ることができましたからね。
なんだかとっても得した気分でした。

 えっ、女の子の裸に興味ないだろうって……

 いえいえ、そんなことありませんよ。だって僕は体は女の子の
ように見えても頭脳は男の子なんですから……
 女の子の裸、大好きなんです。


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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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