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2/11 ゴミ屋敷

2/11 ゴミ屋敷

 *)Hありません。

 何度も言ってるから今さら耳にタコだろうけど、うちの母親は
家事が一切できない人だった。

 作れる料理はサンドイッチだけ。(これを料理と呼ぶかどうか
は疑問もあるが……)
 お裁縫も猫のアップリケをライオンさんにする不器用さ(これ
と同じCMが流れた時は大笑いした)
 どこかの会で、「掃除はやってた」なんて思わず言っちゃった
けど、これも正確じゃない。彼女の掃除というのはゴミ屋敷状態
になっている部屋の荷物をお客さんが来るので別の場所へ移すと
いう力仕事だけだからだ。

 雑巾がけとか掃除機でお掃除しているのはおばあちゃん(お手
伝いさん)。本人はそんな時間があったら昼寝している人だった。

 「ねえ、お母さんはお掃除しないの?」
 って言ったら…
 「いいの。それはおばあちゃんのお仕事だから」
 と言われて、その昼寝に付き合わされてしまった。

 いや、もちろんこれだってお父さんがもっとしっかりしていれ
ば問題ないわけで、あながち彼女のせいとばかりは言い切れない
んだけど、それにしても他のお母さんたちとは大違いの人だった。

 だから、いつもキレイにしているほかの子の家が羨ましかった。
僕の家でキレイな場所といったら店先だけ。ここは営業上やむを
得ず綺麗にしてあったけど、プライベートスペースはどこも今で
いうところのゴミ屋敷。
 おかげで友だちを呼ぶのがとっても恥ずかしかったんだ。

 でも、そんなお母さんでも、一応、見栄は張るんだよね。
 あれは担任の先生が初めて訪ねて来た時だったけど、そんな事
むこうは百も承知だと思うんだけど、恥ずかしいからって大量の
シーツを買ってきては近所の遊郭跡の看板に掛けちゃったんだ。

 うちは、もともと遊郭街の真ん中に店を構えてたから、その頃
はすでに売春防止法ができて非合法にはなっていたけど、名残の
看板がまだあちこちにあったんだ。
 それを、その時だけ白い布を掛けて隠そうというわけ……

 そんなことにだけには労を惜しまない人だったんだ。


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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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