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アチャ子日記<3>

          アチャ子日記<3>

 日曜日、学園ではミサが行われます。必ずしも強制ではないの
で全員が参加するわけではありませんが、特別反省会に出席する
親子はこれに参加するのが通例でした。
 ですから……

 『おや?見慣れない顔が来ている』

 熱心な信者さんたちにしてみたら、もうこれだけでその親子が
特別反省会に呼ばれたんだとわかる仕組みでした。

 私達親子も普段はミサにやって来ませんから、他の参加者から
特別反省会に呼ばれたんだとわかったはずです。

 ミサの最中、私はお友達がいないか心配で、礼拝堂のあちこち
に視線を送り、見知った顔を探して回っていました。

 実はこの会、秘密会ではありませんでしたから呼ばれた人以外
でもその場に居残って見学することができます。

 もちろん大半の子はそんなお友だちを仮に見つけても親に連れ
られて帰ってくれますが、中には、特別反省の情報を聞きつけ、
その様子を見学しようと、普段はこないミサにわざわざ参加して
そのまま礼拝堂に居残るなんて意地悪なお友だちも……。

 『もし、そうなったらどうしよう』
 特別反省会の参加者はそんな事も気にしながら罰を受けなけれ
ばなりませんでした。

 ミサが終わり、帰る人は帰ってから、それまであった説教壇が
取り片づけられ、その周囲に今日呼ばれた親子が集まり始めます。

 教室でいうなら、教卓が片付けられ、教壇の周りに関係者全員
が集まったというところでしょうか。
 ここでは黒板の代わりに豪華な祭壇がありますし、部屋の規模
がやや大きいという違いはありますが……

 教壇の椅子に居並ぶのは渋い顔の先生方。振り返れば見学者も
少ないけどいます。反省会の邪魔にならないように遠巻きに見て
いましたけど、前と後ろで、私にとっては十分な威圧感でした。

 「合沢さん、我校のモットーを言いなさい」

 私が後ろを気にしている間に園長先生が口火を切ります。
 慌てた私は前を向きました。

 「……えっ……あっ……はい……えっと……」
 指されたのは最前列に座っていた六年生三人組の一人です。
 どうやら、反省会はこの三人組の一件から始まるみたいでした。

 「どうしたんですか、最上級生にもなって、そんなことも満足
に答えられないんですか」

 「いえ……『清純・清楚・従順・勤勉』です」
 園長先生の鋭い言葉に俯き加減の合沢さんは肩まで伸びた長い
髪で顔を隠すようにして答えます。知らないというのではありま
せん。緊張のあまり呂律が回らないのでした。

 ところが、そんなさなかにあっても、合沢さんの隣りに座った
残りの二人は、お互い俯きながらも顔を見合わせて笑っています。
 それが私の座る後ろの席からもはっきりわかりました。

 「そうですね、この四つはとても大切なことですから……」

 先生は、だぼだぼの法衣の中からおもむろに皮製のサンダルを
取り出します。
 そして、右手に持ったサンダルでご自分の左手に叩いてみせな
がら、こうおっしゃるのでした。

 「そもそもすぐにその言葉が出てこないというのは、頭の中に
しまっておいたからなのね。でも我校の生徒なら、それは何より
大事なテーゼですもの。何時でも取り出して、どなたにも言葉に
出して説明できないといけないわ。……まずは、そのお手伝いを
してさしあげましょうかね。……合沢さん、立ってこちらへ」

 園長先生が皮製のスリッパを持たないその左手で案内したのは
すでに舞台に設置されていた懲罰台でした。

 超罰台というのは、その高さや天板の角度が自由に変えられる
机のことで、これにうつ伏せになると……その子のお尻を先生が
最も楽に叩ける位置に固定することができます。

 ですから、先生方にとってはとても重宝な教育用具でした。

 そして、私もそうでしたが、卒業するまでにこれに登ったこと
のない生徒は、恐らくこの学校には一人もいなかったと思います。
 ですから、合沢さんだって、否応なしというか何の疑問もなく
これにうつ伏せになります。

 すると、二人の先生方がまってましたとばかり介添えに入り、
合沢さんのお尻は、頭より高い位置にセットされて納まります。
 それは単に園長先生がスパンキングをするのに丁度よいばかり
ではなく、私たちが見学者に対しても丁度よい位置になっていた
のでした。

 「…………」

 あいさつ無しにスカートがまくられ、綿のショーツが現れます。
 近くには女の子だけしかいないのならまだしも、お父さんたち
が見てますし遠くに取り巻いて見知らぬ男性の姿も……もちろん、
これだけだって十分恥ずかしいのですが……ことはこれだけでは
収まりませんでした。

 そのショーツさえも当然といった感じで剥ぎ取られてしまうの
です。

 「あっ、いや」
 思わず合沢さんの口から悲鳴のような声が漏れますが……

 「レースの付いたものは規則違反ですよ。…忘れてましたか?
気持がたるんでいるみたいなので、忘れていたかもしれませんね」

 園長先生の凛とした声に合沢さんは首筋まで真っ赤にして首を
振ります。
 声が出なかったのは、声を出すのさえ恥ずかしかったから……

 せめても女の子の大事な処が見えないように合沢さんは両足を
ぴったりあわせようとするのですが……

 「ほらほら、あなたみたいなちびっ子が、そんなものいちいち
隠さないのよ」
 園長先生は無慈悲にもその両足の太股をぴしゃぴしゃと叩いて
広げさせます。

 「そもそも小学生がお父様お母様に断りもなく映画を見に行く
ことを本校は許しておりません。ましてや、夜に家を抜け出して、
女の子同士つるんで映画を観に行くなんて論外です。……そんな
ハレンチな罪を犯す子が清純な子のはずがありませんから、清楚
な子として罰を与える必要もないはずです。それでは釣り合いが
とれないでしょう。『目には目、歯に歯』という言葉があります。
ハレンチな罪を犯すようなハレンチな子には、やはりハレンチな
罰が適当でしょう。わかりましたか!」

 園長先生の合沢さんを説得している間もさらにその足を広げる
のでした。

 「…………」
 両足の太股が離れ両足が肩幅以上に開くと、合沢さんの女の子
が見えてきます。

 そりゃあ死ぬほど恥ずかしいかもしれませんが、うちの学校の
生徒である以上これも仕方のないことでした。

 それだけじゃありません。十分に広げられ、露になったお尻の
穴に、今度はメンソレータムがたっぷりと塗りこめられますから
……

 「(あっ、いやあ~~~、ひぃ~~~~、やめて~~~~~)」
 
 声にならない声。懲罰台が地震にあった時のように揺れます。
 それがどんなに強烈な刺激か、やられた事のない人には分から
ないでしょうが、相手が小学生なら悲鳴をあげて暴れてもちっと
おかしくない衝撃でした。

 「………………」
 しばらくして、地震も、くぐもった声もおさまりました。

 メントールの刺激は1分程度だからです。でも、それを必死に
我慢できたのは合沢さんがこの学校の生徒だから。もし、この場
で暴れたらただではすまないと知っているからでした。

 「合沢さん。この学校のモットーを、もう一度、正確に言って
御覧なさい」

 「清純な心……と……清楚な振る舞い……あと……勤勉な日常、
……それに、従順な態度です」

 「そうです。やっと思い出したみたいですね。でも、あなた、
何一つできていませんよね」

 「………………」
 合沢さんが黙っていると、突然、園長先生の怒ったような強い
調子の言葉が音響のよい礼拝堂内に響きます。

 「はい、でしょう!!!まさか、いいえなんですか!!!」

 「……はい。先生」
 対する合沢さんの答えは耳を澄ましていないと聞こえないほど
小さなものでした。

 私たちは幼い頃から目上の人には何をされても何を言われても
「はい」が原則。黙っていたら「いいえ」の意味でした。もし、
目上の人に「いいえ」という言葉を使う時にはちょっとした勇気
が必要だったのです。
 
 「あなたは、お父様やお母様の許可もなく、夜、おうちを抜け
出してお友だちと映画を見に行きましたよね。しかも、あんなに
派手な服装で……外出の時は、原則として制服姿でという規則も
忘れてしまったみたいね。これが、清純で清楚な子のすることか
しら?……おまけにたまたま出会った牧田先生が声をかけると、
みんなしてその場から一目散に逃げ出したそうじゃないの。……
こういうのも反抗の一つなのよ。少なくとも従順ではないわよね」

 「はい、先生」

 「しかも、肝心の宿題はやらずじまい。サボって朝のテストで
不合格をもらうようじゃ……これも、勤勉とは言えないわよね。
立派な怠け者ですものね」

 「はい、先生」

 「いいこと、これが新入生というならいざ知らず、六年生にも
なったあなたがこうして反省会に呼ばれるんですから、話になり
ませんよね。……このままじゃ、どこの中学に行くにせよ、うち
の学校の卒業証書をお渡しすることはできませんよ。……こんな
卒業生を出したとなると本校の品位に傷がつきますから……公立
に移って、そこで卒業証書をもらってちょうだい」

 「ごめんなさい、先生」

 合沢さんが「はい、先生」から「ごめんなさい、先生」へ言葉
を変えたその直後でした。
 再び、園長先生の甲高い声が礼拝堂内に響きます。

 「ちょっと、あなたたち。さっきから何をそんなにニヤついて
いるの!!」

 ここで『あなたたち』というのは、もちろん、先ほどから二人
で顔を見合わせては、にやにやしていた最前列の上級生たちです。

 私も人の事をあれこれ言えませんが、子どもは直接自分の身に
降りかからないことに対しては驚くほど無頓着です。今こうして
目の前でお友だちが受けている罰が、やがては自分たちにも降り
かかるだろうと容易に予見できるんですが、そんな時でも、こう
してお友だちに誘われると睨めっこするのが女の子の習性でした。

 そうは言っても先生に怒鳴られてしまえば、やはり話は別で、
その瞬間、二人の顔は真っ青になります。

 「まったく、あなたたちときたら、自分達の犯した罪の重さが
どれほどのものか分かっていないみたいね。……あなたたちには
お友だちのお仕置きも他人事なのかしらね?…呆れたものだわ。
よし、いいわ、真理子先生、敬子先生、この二人を裸にして頂戴。
なまじ着衣を許してるからお客さん気分になっちゃうんでしょう
から……」

 興奮した園長先生は、二人の先生に指示して女の子二人の服を
脱がさせます。

 途中、「パンツも脱がせてよろしいんでしょうか」という声に
対しても……「構いませんよ。どうせ私達しかいないんですから
……靴と靴下以外全て脱がせたら、この場に膝まづかせなさい」
と命じるのでした。

 もちろんこの中にはこの子たちのお父さんだっています。遠く
からですが取り巻きの姿も見えます。でも、誰も何も文句を言い
ませんでした。

 この学校では、入学の際に父兄と『お仕置き承諾書』を取り交
わしていて、その中では、生徒である間はどのようなハレンチな
お仕置きも全て担当の教師におまかせすることになっていました。

 素っ裸で浣腸すること、鞭打つこと、お灸をすえることまでも
この学校ではポルノではなく、教育や躾として可能になっていた
のでした。

 完璧な躾をうたい文句に生徒を集めてきた学校には父兄もまた
厳しい体罰を是認する人が多いのです。
 ですから、入学前はどんなお転婆さんだった子も学校のカラー
に染まるうち、従順になっていきます。上級生になればお仕置き
だからといって騒ぎ立てたりする子は誰もいません。
 みんな、歯を喰いしばって厳しい体罰に耐えるうち、痛みにも
恥ずかしさにも慣れることになるのでした。

 もちろん、女の子ですから、こうした格好が恥ずかしくないと
言った嘘になるでしょうが、過去に何度もこの格好をさせられて
きましたから、この時だって落ち着いたものだったのです。

 靴と靴下だけを身に着け、床に膝まづいたら、まだろくに隆起
していないペチャパイの胸を隠すように両手を組む。
 二人に課せられたのはこの学校では昔から行われているお約束
のポーズでした。

 「いいわ、これで少しは緊張感のある顔になるでしょう。……
あなたたちはただ順番待ちをしているわけじゃないの。今度の事
を反省しながらお仕置きを待っていなければならないのよ」
 園長先生は二人の神妙な顔を見て満足そうでした。

 そして、話を合沢さんに戻します。
 「あなたが他の子を誘ったそうだから、あなたの罪が最も重い
ということになるけど……それでいいかしら?」

 「はい、先生」

 「あなたに申し開きすることがあれば何でも言っていいのよ」

 「…………」

 「よろしい、それでは、あなたにはみんなをそそのかした罪も
ありますから、そのことをようく自分のお尻に覚え込ませなさい」

 「はい、先生」

 園長先生は合沢さんのむき出しになったお尻に皮のスリッパを
当てると、それで何かを摺り込むように撫で回します。

 「あなたは先週の土曜日の夜、ご両親の許可も受けずお友だち
を誘って映画を観に行きましたね」

 「…………はい、先生」

 先生は合沢さんの『はい、先生』という言葉を待って、まず、
最初の一撃を振り下ろします。

 「ひとうつ」
 先生は鞭打つ瞬間、普段の声とは違いお腹の底から声を出して
数を数えます。その低い声は子供たちにとっては常に恐怖でした。

 「ピシャ」
 革特有のまとわりつくような痛みです。
 「ひぃ~~~」

 最初の一撃は、それまで何もされない状態から一撃ですから、
正直、誰だって堪えます。
 ですから、みんなそうしますが、合沢さんもその瞬間懲罰台を
しっかりと握りしめました。

 「そもそも、おうちに帰ったのは何時頃でしたか?」

 「10時ごろです」

 「呆れた、小学生がそんなに夜遅く繁華街を出歩くなんて……
学校の規則では、午後の9時にはお父様お母様にお休みを言って
ベッドに入るお約束になっていますけど、それは知ってますよね」

 「……はい、先生」

 「よかった、覚えてないなら、さらに鞭が増えるところよ」

 園長先生がこう言うと何か話したかったんでしょう。合沢さん
は後ろを振り返ろうとしましたが……

 「いいからじっとしてなさい」
 園長先生は振り返ろうとする合沢さんを制して……

 「ふたあつ」
 「ピシャ」
 「ひぃ~~~」

 二発目は少し慣れて一発目ほど痛くはありませんが、やはり、
その瞬間は懲罰台をしっかり握っていました。

 「あなたのやったことは我校が標榜する清純や清楚とは無縁の
ものです。わかってますね」

 「……はい、先生」

 「わかっていないと困ります」
 先生はそう言って……

 「みっつ」
 「ピシャ」
 「ひぃ~~~」

 三発目からは、お尻の表面だけでなく、奥の筋肉までもが痛く
なります。『痛い!!』と言って思わず飛び上がるというより、
ずしんとお腹にまで響くような鈍い痛みです。

 「おまけに、朝のテストも不合格ということでは、勤勉という
美徳もあなたにはあてはまりませんね」

 「……はい、先生」

 「あなたには、今、どんなとりえがあるのかしらね」
 先生は合沢さんのお尻を少し革のスリッパで撫で回してから…

 「よっつ」
 「ピシャ」
 「ひぃ~~~」

 四発目、ずしんという痛みがさらに強くなって脂汗が出てきま
す。もちろん懲罰台は握っていますが、お尻があまりに痛くて、
強い力では握れなくなっていました。

 「牧田先生がお声をかけた時、逃げ出したのは、きっと悪さが
バレると思ったのね」

 「……はい、先生」

 「うちではそういうのも反抗的な態度というのよ。あなたには
女の子に大切な従順さも欠けてるみたいね」

 「……はい、先生」

 「いつつ」
 「ピシャ」
 「ひぃ~~~いやあ!!」
 
 合沢さんは思わずオカッパ頭を振り乱して声を出します。
 もちろん、「ひぃ~」というのだって声ですが、そのくらいは
許されていました。ただ、「いやあ!」と、あからさまに言って
しまうと……それは別だったのです。

 「何が、『いやあ!!』なの。忙しい時間を割いてやっている
こちらの方が、よっぽどいやだわ」

 「ごめんなさい」

 「むっつ」
 「ピシャ」
 「ひぃ~~~いやあ!!」

 いったん声が出てしまうと、それまで押さえつけていたものが
開放されてしまうためか止まりません。
 もちろんそのことは先生もよくご承知でしたから、あえてそれ
をとがめだてはなさいませんが、だからといってお仕置きをやめ
てもいただけませんでした。

 そんな事情を熟知してる二人の先生が気を利かせて合沢さんの
身体を押さえ、猿轡を噛ませます。
 ですから、以後は悲鳴や身体の逃げを我慢する必要はありませ
んでした。

 「これからは逐一学校のモットーにそって生活しなさい」

 合沢さんは真っ赤な目をして園長先生の顔を見上げます。その
顔は無意識に縦に振れていました。ここでイヤイヤなんかできま
せんから、彼女も必死だったのです。

 ただ、そんな哀願に満ちた目もこれからのお仕置きを止める事
はできませんでした。いえ、むしろお仕置きとしてはこれからが
本番がだったのです。

 「あなたはこれから学校のモットーにそって生活する証として、
さらに鞭六回を受けなければなりません。……いいですね」

 園長先生は念を押すようにおっしゃいますが、合沢さんは猿轡
を噛まされ、身体を二人の先生に押さえつけられています。どの
みち『イヤ』なんて言える状態ではありませんでした。

 昔のお仕置きって、親にしろ教師にしろ最後はこんな一方的な
ケースが多々あったのです。
 これって明らかに虐待だと思うんですが、先生方は、どうやら
そうは思ってらっしゃらないみたいでした。

 「反省文を百回清書して提出しなさい」
 園長先生はそう言うとあのお腹に響く声で再び数を数えます。

 「ひとおつ」
 「ピシッ!!!」
 「ひぃ~~~~~」

 ついさっきまで、これと同じ事をされていた合沢さんですが、
今度は、それとは比べ物にならないほどの強い衝撃を受ける事に
なります。これまでのスパンキングはいわばウォーミングアップ、
予行演習でした。

 それが証拠に合沢さんの身体はぶたれたあとも震えていました。
単にお尻が痛いだけじゃありません。辛い罰が次から次に耳の中
へ入ってくるので心が折れてしまうのでした。

 「これから一週間は毎朝お家でお浣腸をしていただいて、その
時の写真と出したウンチの写真を学校に持ってきなさい」

 こう言われてさすがに驚いたんでしょう。合沢さんが、思わず
園長先生の方を振り返ろうとしましたが……

 「どうしたの?心配なの?……大丈夫よ。すでにお父様お母様
のご承諾は頂いてるから……いいこと、あなたが犯した罪の重さ
からいえば、このくらい、当然の罰なのよ」

 「…………」
 合沢さんは返す言葉がないみたいでした。

 「さあ、わかったら、前を向きなさい」

 「ふたあつ」
 「ピシッ!!!」
 「ひぃ~~~~~」

 身体全体が痺れています。
 脳天に、顎に、歯、両手の指先、両足の指先、そのすべてから
身体の中の電気が放電したみたいでした。
 もちろん、これは私の想像ですが、私だって懲罰台には何度も
登りましたから、この時の合沢さんの気持、たぶん間違いないと
思います。

 「とにかくこれからの一週間は学校のモットーに従い、従順。
勤勉を旨として生活しなければなりません。お父様お母様、先生、
すべての目上の人に向って「いいえ」という言葉を禁止します。
誰の、どんな求めに対しても、答えは全て「はい」と言って従う
のです。そして、その証として、この一週間は貞操帯を常に身に
つけなければなりません。勿論、登校の時、お昼休み、下校の時
ちゃんと身に付けているか検査します。……いいですね…………
聞いてますか合沢さん?」

 「はい、先生」

 「よろしい……みっつ」
 「ピシッ!!!」
 「ひぃ~~~~~」

 「もしこの一週間。少しでも反抗的な態度がみえたら、クラス
みんなの見ている前で『ウーマン検査』です。……それが嫌なら、
この一週間、とにかく身を謹んで暮らすのです……いいですね」

 「はい、先生」

 「よっつ」
 「ピシッ!!!」
 「ひぃ~~~~~」

 合沢さんはこれを聞いた時、泣いたと思います。ウーマン検査
というのは、女性器の発育具合を先生が検査するもので、本来は
もちろん非公開なのですが、稀に、お仕置きとしてみんなの前で
恥ずかしいものを晒さなければならなくなる時があります。
 そりゃあ周りはみんな女の子なんですが……それでもとっても
恥ずかしい罰に違いありませんでした。

 「当然、お勉強もしてもらいますよ。この一週間は朝のテスト、
単元テスト、その他どんなテストも合格点に達しなかった点数を
放課後こうしてお尻で償ってもらいます。相当に頑張らないと、
毎日お猿さんのお尻を両手で押さえながら帰ることになりますよ。
……いいですね」

 「はい、先生」

 「いつつ」
 「ピシッ!!!」
 「ひぃ~~~~~」

 合沢さんのお尻がリンゴと同じくらい真っ赤になっているのが
分かります。もうこれくらいになると、先生の言葉は耳に入って
きません。
 『とにかく痛いお尻が終わってほしい』
 このあたりまで来ると誰もがそれだけ考えていました。

 「もちろん、一週間過ぎればどんな生活態度でも必ず終わりに
なるわけじゃありませんよ。改悛の情がみえない時は、お仕置き
の期間がさらに一週間延びます。そのつもりでがんばりなさい。
……いいですね」

 「はい、先生」

 「むっつ」
 「ピシッ!!!」
 「ひぃ~~~~~」

 鞭のお仕置きが終わると、合沢さんのお尻は二つのお山が満遍
なく真っ赤かでした。
 でも、懲罰台から下ろされた合沢さんを、さらなる試練が待ち
うけます。

 「合沢さん、ついでに、ここでウーマン検査をしましょう」

 園長先生は『ついでに』なんておっしゃいますが、当の本人に
したら、とてもついでにできるようなものではありませんでした。

 「えっ……わたし……」
 合沢さんは小さく答えて後ずさりしようとします。
 でも、それが彼女にできる精一杯の抵抗でした。

 それも……
 「あっ!」

 二三歩下がったところで、担任の野島先生の胸に突き当たって
おしまい。それからはなすすべがありませんでした。

 野島先生に連行された合沢さんは広いテーブルの上に仰向けに
寝かされます。

 「はい、ちょっとごめんなさいね」
 園長先生はお義理に声をかけますが、手を休めることはありま
せんでした。

 合沢さんはショーツを剥ぎ取られると、両足の太股を立てて、
それを自分で支えます。ちょうど赤ちゃんがオムツを替えてもら
う時のようなポーズ。
 当然、自分の大事な部分は先生方に丸見えですが、ここでは、
先生方への文句はもちろん、悲鳴や泣き声さえタブーなのです。

 先生方は同じ女性だからでしょうか、微妙な処だって遠慮なく
触ってきます。
 オシッコの出る穴。将来赤ちゃんが出てくる穴。ウンチの出る
穴。前にある小さな突起だって例外じゃありませんでした。

 「……ぁぁぁ……ぃぃぃぃゃゃゃ……(だめえ~~)……」

 園長先生の微妙な指のタッチは、合沢さんを変な気持にさせて
しまっているようで、困惑した顔が私にも分かります。

 「……(いやあ、変な気持がする。背中がむずがゆい。あごが
しびれてる。いやあ、もうしないで……ああ、お願い。いやあ)」

 悶々とした時間が堅いテーブルの上で過ぎていく中で見ている
だけの私までもがおかしくなりそうでした。
 でも、ここはひたすら我慢するしかありませんでした。

 「ご両親、まだ大丈夫ですわ。清美ちゃんにオナニーの兆候は
ありません。ご覧ください。綺麗な襞が揃っていますし、膣口に
これといった炎症もありません。クリトリスも無理やりいじった
ような形跡もありませんから、これならまだ大丈夫だと思います」

 園長先生の言葉に御両親は安堵の表情でしたが……合沢さんは
ショックを受けます。先生方ばかりかお父さんやお母さんにまで
見られていたことがわかって女の子としてのプライドがずたずた
にされた思いがしたようでした。

 もっとも、この時代。小学生というのはプライドを持つことが
認められていませんでした。どういうことかというと……

 小学生というのは赤ちゃんと同じ扱い。赤ちゃんがオムツ替え
の場所を選べないように小学生も親が『ここで裸になりなさい』
と命じれば断れませんでした。子供のプライドは子供自身にある
のではなく親や教師が子供に代わって管理するものだったのです。

 そんな子供たちが自らの操を管理できるようになるのはなんと
14才を過ぎてから。
 さすがに、初潮が始まり、胸が大きくなって陰毛が生え始める
ようになると、それ以上の関わりは卑猥と判断されるようでした。

 ただそれも、あくまで中学生の場合であって、小学生ならば、
話が別なのです。たとえ胸が大きくなり初潮が済んで陰毛が生え
きても、大人の目から見れば小学生は小学生。『大事な大事なお
人形』であり『大事な大事な大人のおもちゃ』という地位に変化
はありませんでした。

 だからこそ、今の時代から見ればこんなポルノチックな儀式が
当時は存在が許されたのでした。

 ちなみに、さっきニヤついていた罰で裸にされてしまった二人。
彼女たちはその後相沢さんがお仕置きを受けている間、体操服を
着る訓練を受けていました。

 先生の号令に従って、体操服を着て気をつけの姿勢になります。
すると、次の号令で今度はそれを脱ぎ、素っ裸になってまた気を
つけの姿勢になります。

 この繰り返しを部屋の隅でずっとやらされていました。
 かれこれ20回くらいやらされてたでしょうか。二人とも鼻を
すすりながら目を真っ赤にしてやっていました。

 私もやったことがありますけど、肉体的にというより精神的に
けっこう辛くて、その場にへたり込んでしまい、担任の先生から
思いっきりお尻を革のスリッパで叩かれたことがあったくらいで
す。

 この二人、その後はやはり懲罰台に乗せられてお尻をぶたれる
運命となるのですが、お姉さん格の合沢さんに誘われて断りきれ
なかった事情や他の罰をすでに受けるということが考慮されて、
園長先生もこの二人に関してはそんなに強くぶったりはしません
でした。

 いえ、強くぶたれたはずの合沢さんにしても、お尻が痛いのは
恐らくこの会場だけでしょう。家に帰る頃には普通に椅子に座れ
るはずです。

 ここでのお仕置きはあくまで『恥ずかしめ』が中心。どんなに
悪いことをした子であっても、その日のお勉強に差し障りがでる
ようでは本末転倒ですからSM小説のような過激なスパンキング
というのは当時でもありませんでした。

 ただ、お勉強に直接影響しないウーマン検査の方は、やはり、
二人とも受けるはめになります。
 まるで赤ちゃんに戻ってオムツ替えさせられてるようなもので
すから当たり前といえば当たり前ですけどね。二人ともテーブル
の上で泣いていました。

 女の子にとっては大事な大事なプライドですものね。もっと、
もっと配慮してあげるべきだと思いますが、とにかく当時の大人
たちときたらデリカシーというものがまったくありませんでした。

 ただ、私自身はというと、心がまだ幼かったからでしょうか。
脳天気だったんでしょうか。ウーマン検査の時も他の子ほど深刻
には受け止めたことがありませんでした。
 逆に……

 「ほら、笑わない!!」

 なんてね、先生から注意されたことがあったくらいでした。
 だって、私にしたら、まるでママゴトやってるみたいで不思議
に楽しかったんですもの。


               <おしまい>

 (質問)
 『お~い、待った。待った。待った。君自身の事はどうなんだ。
やっぱりお仕置きされたんだろう。記事がないじゃないか(`ε´)』

 「まあ、いいじゃないですから私の事は……女の子ってのは、
他人の事はああだこうだ詮索したがりますけどね、自分のことは
秘密にしておきたいんですよ。男性と違って実績をたてに生きて
いけないから女の子は見た目が全てなの。裸にされて全部分かっ
ちゃうと、『なあんだ、そんなものか』って言われるのが怖いの。
謎めいた部分を残してぼかしておきたいのよ。ごめんね。期待も
たせちゃって……だからそれは、また次の機会にいたしましょう
( ^o^)


**********************

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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