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見沼教育ビレッジ (1)

         見沼教育ビレッジ

 見沼教育ビレッジはお嬢様専用のリフォームスクール。

 リフォームなんていうから、『お嬢様が洋服屋さんでも始める
のか?』なんて思ったあなた、思いっきり勘違いです。

 ここでリフォームするのはお洋服でも住宅でもありまん。
 お嬢様本人の人となり。性格を更生(リフォーム)させる学校
のことなんです。

 つまり、問題のあるお嬢様を躾直そうというわけです。

 そりゃあ親にとって娘は可愛いですからね、お金に飽かせて、
蝶よ花よで育てるんですが、そのうち、年齢とともにわがままが
強くなっていき、やがて親もそんな娘の要望に応えられなくなる
日がやってきます。

 そこで親がビシッとできればいいんですが、たいていその頃に
は親は娘になめられてますから小言がききません。
 そんな時、親が頼るのが見沼教育ビレッジというわけです。


 夏休み、お嬢様が避暑地の別荘で暮らすなんてのはごく自然の
ことですから、ここではそんな形式をとって行います。
 夏休み、中学生のお嬢様は避暑地の別荘でバカンスを楽しんで
おられたのだと言う体裁にしてあるわけです。

 でも、そこでの生活はお嬢様にとっては地獄のバカンス。

 子どもの父兄から、合宿中はどのような体罰も認めるという旨
のお墨付きを得ている指導教官が情け容赦ないお仕置きでお嬢様
を責め立てますから、これで性格の変わらない女の子はいません
でした。


******<主な登場人物>************

 新井美香……14歳。肩まで届くような長い髪の先に小さく
       カールかけている。目鼻立ちの整った美少女だが
       本人は自分の顔に不満があって整形したいと思っ
       ている。
 新井真治……振興鉄鋼㈱の社長。普段から忙しくしているが、
       今回、娘の為に1週間の休暇をとった。
 新井澄江……専業主婦。小さな事にまで気のつくまめな人だが、
       それがかえって仇になり娘と衝突することが多い。
 ケイト先生…日本生まれの白人女性。サマーキャンプでは美香
       を担当する。助教師二人と共に美香の更生にあた
       るが、彼女はすでに美香の両親から体罰の承諾を
       得ており、お仕置きはかなり厳しい。

**************************


 美香が園長室に呼び出されたのは、よく晴れた初夏も終わりに
近づいた夕方近くだった。

 トントンと軽くノックをして……
 「新井美香です。お呼びでしょうか?」
 ドアの向こうへ問いかけると……

 「入ってらっしゃい」
 園長先生の聞きなれた声が返ってきた。

 そこで美香がドアを開けると、いきなり強烈な西日が顔を刺す。
 その刺激のおかげで最初は部屋の様子を鮮明に見ることはでき
なかったが、中に数人の人たちがいたことだけはわかった。

 太陽の光を右手で遮って、あらためて部屋の中を確認すると、
そこには園長先生の他に見知らぬ三人の女性たちがいたのである。

 「おかけなさい」
 園長先生に椅子を勧められて腰を下ろすと、さっそく目の前に
一通の手紙が差し出される。

 「これ、あなたのお父様からのお手紙。まずは読んでみて」
 園長先生に言われて封を切ると、そこには万年筆でしたためら
れた父の見慣れた字が並んでいた。

 『二週間前に起きた事件のことは園長先生からお聞きしました。
美香とはこうして離れて暮らしていますから、千キロ以上離れた
この場所から事の仔細を検証することはできませんが、園長先生
は高潔なおかたですから、そのお言葉を信じるとして、あなたの
したことは新井家の娘として私の娘としてとうてい許されるもの
ではありません。あなたが私の娘を名乗る時は全てに無垢でなけ
ればいけないのです。穢れていてはいけないのです。その掟は、
美香も十分に承知していると思いますからあえて正直に言います
が、今の身体のままでは、私は美香を自宅に受け入れるつもりは
ありません。あなたがこれからも私の娘であり続けたいのなら、
まずは、穢れたその身体を洗い流す禊ぎが必要なのです。そこで
提案なのですが、私はあなたの父として、あなたには夏休みの間、
見沼の教育ビレッジに参加してもらおうと思っています。そこで、
身も心もリフレッシュし、無垢な身体を取り戻してから帰宅しな
さい。以上。………あ、それから、もし、美香が身の潔白を訴え
たいのであれば、園長先生には許可をとってありますから、自宅
であれ会社であれとにかく私に直接訴えかけなさい。その内容に
酌むところがあれば再考します。……父より』

 美香はこれが父の手紙だと確信する。というのも、父の手紙は
いつもこのようにそっけない文章だったからだ。
 『何なのこれ。まるで事務連絡ね』
 美香は心の中でため息をついた。

 実は、美香、二週間前に寮の倉庫で友だち数人とシスター遊び
(レズ遊び)をしていて舎監の先生に見つかった事があったのだ。

 レズ遊びは家でも学校でも厳禁。
 ただ女の子だけの世界ではこれはよくあること。クラスの半数
以上の子が、すでに相手を見つけて経験済みの遊びだったから、
そんなことぐらいで『身が穢れてる』なんて大仰に言って欲しく
ないと思ったが、かといって大人たちが聞き耳の前をたてるなか、
父にその話で弁明する勇気も湧いてこなかったのである。

 「お電話はよろしいかしら?あなたの方で言いたいことがあれ
ばご連絡なさい。私たちは、その間、席を外しますよ」
 園長先生のせっかくの提案にも……

 「いえ、結構です」
 美香は電話を遠慮する。

 そもそもレズ遊びをしていたこと自体は事実なので覆らない。
あとは父に許しを請う言葉しか残っていないわけだが、こちらは、
そんな泣き言、他人には聞かれたくないというプライドが邪魔を
したのである。

 こうやって話が分かってきて、あらためてあたりを見回せば、
今ここに座っている女性たちがその見沼教育ビレッジの人たちだ
とわかる。
 『どうりで、みんな取り澄ました偽善者の顔をしてるわ』
 美香は心の中で思うのだった。


 彼女らは女生徒たちの間では『見沼の人買い』と呼ばれていた。

 彼らはひとたび親や学校から要請があれば、直ちに駆けつけて
子どもたちを拉致同様の手段で人里離れた自分たちのリフォーム
スクールへと連行する。

 そこで、素行の悪い娘は真人間になるための訓練を受けるわけ
だが、もともと口で言って諭して効果の上がる相手ではなし……
当然のことながら、そこでは各種お仕置き、体罰が横行していた。

 とりわけ、女の子だけの合宿所は男の目がないことをいい事に
ハレンチの限りをつくすと、美香も経験してきた友だちから一度
聞いたことがあったのである。


(美香の回想)

 でも、行かないわけにはいきませんでした。

 だって、我が家では父の命令は絶対でしたし、何より義務教育
も終わっていない私が家を飛び出しても生活ができませんから。
 今の娘さんのように、行くあてもないのにとりあえず家を飛び
出すなんて勇気は私にはありませんでした。


 案の定、私は三人の大人たちによって学校から連れ去られます。

 待たせてあったのは大きなベンツでしたが、一人は運転、私は
後部座席で大人二人に挟まれるようにして乗っていなければなり
ませんでした。

 こういうのって、拉致っていうんでしょうか?
 なるほど、人買いにさらわれていく娘の気分でした。

 「あのう、向こうでは、私、どんなことをするんでしょうか?」
 心細くなった私は、園長室でのやりとりから、どうやら三人の
中にあっては彼女がボスなのだろうとあたりをつけた人物に尋ね
てみます。

 すると、返ってきたのは意外に明るい声でした。
 「生活の大半はお勉強よ」

 「でも……私……そんなに成績は悪くありませんけど……」
 心苦しそうに言うと……

 「知ってるわ。園長先生にそのあたりは詳しくお伺いしたから。
でも、安心して。中二のあなたがどんなに優秀でもうちもそれで
おたおたするような教師陣じゃないの。ちゃんとかみ合うはずよ。
それにあなた、机での作業は得意でも、お外は苦手なんでしょう」

 「お外?」

 「そう、園長先生がおっしゃってたわ。美香さんはお転婆さん
の割に体育は苦手だって。うちは体育だってちゃんカリキュラム
にあるから弱点克服にはいい機会だわ。それに、うちはたんなる
学習塾ではないの。先学期の悪い生活習慣をあらため、忍耐力や
克己心を養って目上の人を敬う心を育てるのが目標なのよ」

 ケイト先生は、小柄で童顔、明るい声でした。ソバカスを残す
白い肌やツインテールの髪型のせいもあって、一見するとまるで
生徒のようにも見えます。
 ですから、心安く思えたのかしれません。私が気になることを
思い切って尋ねてみますと……。

 「お仕置きってあるんですか?」

 その瞬間、先生の顔が真顔になって……
 「ないと言ったら嘘になるわね。あなたは頭がよさそうだし…
…そのあたりはすでに情報収集ができてるんじゃなくて……」

 「えっ……」

 「これから行くところへは先学期の反省の為と来学期の準備の
為に行くの。当然、あなたの先学期がすばらしいものならこの車
にあなたは乗っていないわ。それくらいわかってるわよね」

 「あっ……はい」

 「だから、期間中は先学期の反省をこめて、朝昼晩それぞれに
6回のパドルを受けてもらうことになるわ。1日合計18回」

 「18回も……」

 私が驚くと……
 「あらあら、あなた小学生じゃないんですもの。そのくらいは
耐えられるし、授業にも支障がでないはずよ。チビちゃんの場合
は3回ってのもあるけど、あなたぐらいの歳の子なら、多い子は
12回、1日なら36回ってのもあるのよ。もちろん、それって
先学期のおいたがどれくらいかで多い少ないはあるけど、年齢や
体格それにこれまでの鞭の経験なんかで、その子が反省するのに
ちょうどいい回数と鞭の種類を決めてるの」

 私はもうそれだけでもショックでしたが話はまだまだ続きます。
 
 「もちろん、授業態度が悪かったり規律違反を犯せばその時は
また別に鞭が飛ぶことになるわよ。でも、これはあなたの心がけ
次第でどうにでも防げるものだから、そこは努力してね……あっ、
そうだ、それと……うちでは、朝、起きた時に必ず浣腸をかける
習慣があるの。身体の中にある不浄な物を綺麗に洗い流してから
一日を始めるためよ」

 お浣腸の件は、経験者の友だちから聞いたことがありましたが、
こうしてあらためて言われるとやはりショックでした。

 「普通30分くらい我慢してもらうけど……もし粗相すると、
その日はずっとオムツ穿きだから気をつけてね」

 「さっ……さんじゅっぷん」
 私の『30分』には『嘘でしょう!』という驚きの言葉も入っ
ています。

 目を丸くする私に……
 「最初のうちは大変だけど、大丈夫よ。そのうち慣れるから。
これも、鞭と同じようにその子の体格や年齢で量や濃度を変えて
あるから、べつにあなただけ意地悪して多めになんてことはない
から安心して……あと、まだ色々あるんだけど、それは向こうへ
着いてからのお楽しみということにしましょう」

 ケイト先生は優しく笑いますが、私にはそんな優しい笑顔さえ
不気味に感じられて仕方かありませんでした。


 そうやって車で二時間あまり、着いたのは群馬県の山の中。
 こんな人里離れた場所では、どんな大声をだしても誰の耳にも
届きそうにありませんが、さらにご丁寧なことに、この村はその
敷地全体が5mもある高い二重のフェンスで囲われていました。

 しかも、このフェンスの中をドーベルマンを連れたおじさんが
24時間体制で警備していますから……
 『これじゃあ、逃げ出すなんて絶対無理ね』
 私は高いフェンスを見ただけで諦めのため息です。

 まさに、ここは刑務所か、どこかの国の収容所みたいでした。

 でも、このフェンスの場所からは見えるのは、うっそうと生い
茂る木々や山々ばかり。肝心の村の建物はここから何一つ見えま
せんから、それを探していると……

 「さあ、いらっしゃい。ビレッジはここから少し歩いた場所に
あるの。ついてらっしゃい」

 ケイト先生に言われた時は、それらの木々の向こう側くらいに
建物があると思っていましたが……

 「先生、まだですか?」
 「だらしないわね。もう少しよ。……なるほど、あなた、体育
は苦手みたいね。……ま、その方が脱走の心配がなくていいかも
しれないけど……」

 フェンスの入口から大人達に連れられて険しい山道を歩くこと
30分。
 やっと、村の建物が見えてきます。

 「ふうっ……何で、こんなに遠いの。車で来ればいいのに」
 山道を歩かされ思わず出た愚痴にケイト先生が反応しました。

 「ここの広さを実感してもらうためよ」

 「広さ?」

 「そう、ここはね、お転婆さんが多いでしょう。だから、ほら
こんなに広い場所だから逃げるのは大変よって教えてあげてるの。
ちなみに、脱走を試みただけで訓練期間が一週間伸びるから気を
つけてね」

 相変わらず明るい声が返って来ましたが、私はため息しか出ま
せんでした。


***********(1)************

 

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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