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お招れ<第2章> 番外おまけ

      お招れ<第2章> 番外おまけ

*)これはあくまでおまけです。Hとは無縁です。

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 数日後、伯爵様は、ご自宅の書斎で春花ちゃんや美里ちゃんの
あの日の写真を見ていました。

 一部は金魚鉢から操作して大人たちで撮ったもの。町田先生が
子供たちのお尻を叩いている様子が映っています。
 残りは、町田先生が帰り際に残していったネガを現像したもの
でした。

 「ほう、あの先生、写真もなかなか腕がいい」
 伯爵様が言えば……

 「どれどれ……」
 娘の美由紀が伯爵様の右の肩から声を掛けてきて数枚の写真を
受け取ります。

 「なるほどね、よく撮れてるじゃない。アヌスやヴァギナだけ
じゃなくクリトリスまでばっちり撮れてるわね」

 「(ははははは)この間の一件ですね。お嬢様はお撮りになら
なかったのですか?せっかくのチャンスでしたのに……」
 三山医師が仲間に加わります。

 「私はそんなことはしないわ」

 「そうですかあ?」
 三山医師はお嬢様に疑いの目を向けると、一拍おいてから……
 「そうかあ、同じ裸でもお嬢様の場合は男の子の方でしたね。
……おう、そういえば、この間も峰岸とかいう幼い子に熱い視線
を送ってらっしゃいましたが……本当に写真は撮られなかったん
ですか?」

 「馬鹿なこと言わないで、私はそんなことはしません。こんな
ふうに写真を見て楽しむのは男性の趣味よ」
 お嬢様はそう言って父親へ手持ちの写真を返します。

 すると、今度は伯爵様の左肩からは三山医師が現れて、やはり、
数枚の写真をゲットするのでした。

 「ほう、確かにこれは凄い。ピントもばっちり合っております
な。こんな写真が撮れるのなら、今度、医学雑誌に載せる論文の
写真はあの先生にたのもうかな」

 「あらあら先生。父のお守りのほかに、論文なんて書く気力が
まだおありなんですか?」

 美由紀が疑い深いまなこで笑うと、三山医師も笑って応じる。
 「いやいや、これは手厳しいですな」

 その場には和やかに時が流れていました。

 ただそんな中にあって柏村さんだけが何だか浮かない顔だった
のです。

 柏村さんは意を決して口を開きます。
 「御前、大変差し出がましいのですが……」

 「何だね?」

 「このようなお写真は手元に残されない方がよろしいかと思い
ますが……」

 「ん?」
 伯爵様は柏村さんの方を向くと怪訝な顔を見せます。
 でも、その顔は長続きしませんでした。
 また、すぐに柔和な顔に戻ります。

 「そういえば、君は金魚鉢の中でもそんなことを言ってたね。
きっと苦労性なんだろうね。ま、私のことを心配しての事だろう
から、それは嬉しく思うけど、これはそんなに気に病むことでは
ないんだよ」

 「ですが……このようなものが、万一、外部に漏れますと……」

 「外部に?……(ははは)君が盗むつもりかね?」

 「めっそうもない」
 柏村さんは慌てて首を振り右手で顔の前を扇ぎます。

 「だったら、いいじゃないか。……よしんば、これが外に流失
したとしても、所詮は子供が尻を叩かれているところとその股の
写真にすぎないじゃないか。大事にはならんよ」
 伯爵様は柏村さんの心配がむしろ滑稽だとでも言いたげでした。

 「柏村さん、あなたはまだ若いから分からないでしょうけど、
父はすでに80を超えた老人なの。若い人のように成人の女性を
お相手にして楽しむ気力はすでに残っていないわ。……だから、
これはその代わりなのよ」

 「はい、そのあたりは承知しております……」
 美由紀の言葉に柏村さんは小さい声で答えます。

 「……それに、お父様があの子たちを具体的にどうこうしよう
というわけでもないわ。たまたまお仕置きの機会があったから、
それを利用させてもらったの。あちらの先生も、そんなこちらの
事情をよくご存知だから手伝ってくださったのよ。もし、これが、
出版社へ持ち込んで小銭でも稼ごうだなんて輩だったらあの先生
も協力してくださらないはずよ」
 美由紀は柏村を諭します。

 「柏村君、君はまだ若いな」
 三山医師の場合は、少し嘲笑を含んでいたかもしれませんが、
美由紀と同じ柔和な笑顔でした。

 「あの先生、このお家と何らかの関わりを持ちたかったんじゃ
ないのかな。もちろん、これを利用してゆすりだのたかりだのを
するつもりはないだろうけど、これをきっかけに顔つなぎをして
おけば、それはそれで損はないからね」

 三山医師の言葉を受けて伯爵様もこう諭します。

 「いいですか、柏村君。世間でよく贈収賄事件というのが報道
されるでしょう。あれを見て世間の人は、例えば1億円の賄賂が
渡されたと報じられると、『ああ、1億円あれば甘い汁がすえる
んだ』って単純に思うみたいですけどね。あなた、見ず知らずの
人から『はい1億円』って手渡されて『はい分かりました』って
犯罪に手を染めますか?」

 「1億円ですか?」
 柏村さん一瞬考えましたが、最終的には……
 「いいえ」
 でした。

 「そうでしょう。贈収賄事件の大半は、それまでにお互い密な
人間関係があって、抜き差しならない事情あって、それでお金が
動くんです。金額は二の次なんですよ。私は犯罪を犯すつもりは
ありませんが、こうして恥ずかしい写真をプレゼントされたわけ
ですから、私の性分として、あの子たちに何かあった時、知らん
ぷりはできにくくなりました。もちろん法律的に私を縛るものは
何もありませんが、私は動くでしょうね。あの先生は、そうした
私の性格も織り込んだうえで子どもたちの写真を撮られたんじゃ
ないでしょうかね」

 「深謀遠慮……大人の判断というわけですか」
 柏村さんは伯爵様の説明を少しは理解したようでした。

 「私はあの子たちの品性も教養の程度も知っていますし実際に
抱いてもいます。その温もりを感じて見る写真だから、これには
値打ちがあるんです。……どこの馬の骨かも知れないポルノ雑誌
の写真とは値打ちが違うんですよ。……わかりますか?」

 「ええ、……まあ……」
 柏村さんは少しがっかりしたようでもありました。

 「どんな写真も裸さえ映っていればみな同じではないんです。
あなたにしてみたら『……それにしても、たかが数枚の写真では
出費が大きい』と、ため息かもしれませんね。ただ、私のような
老人になると、考えが違ってくるんです。『これでいくらかでも
若さが取り戻せるなら、安い買い物じゃないか』ってね、そんな
ふうに思えるんですよ」

 伯爵様は柏村さんと話している間も写真をアルバムに張る作業
を休みませんでした。

 そして、完成したアルバムは隠し戸棚の奥にある金庫の中へ。
 伯爵様にとって二人の写真はそれほど大事なものだったのです。

 こうして、春花ちゃんと美里ちゃんの写真は、伯爵様の手元に
残り、二人少女たちは自分たちも気づかないうちに高額な保険に
加入することになったのでした。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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