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見沼教育ビレッジ (14)

*)仮置き原稿。
****** 見沼教育ビレッジ (14) ******

******<主な登場人物>************

 新井美香……中学二年。肩まで届くような長い髪の先に小さく
       カールをかけている。目鼻立ちの整った美少女。
       ただ本人は自分の顔に不満があって整形したいと
       思っている。
 新井真治……振興鉄鋼㈱の社長。普段から忙しくしているが、
       今回、娘の為に1週間の休暇をとった。
 新井澄江……専業主婦。小さな事にまで気のつくまめな人だが、
       それがかえって仇になり娘と衝突することが多い。
 新井香織……小学5年生で美香の妹。やんちゃでおしゃべり、
       まだまだ甘えん坊で好奇心も強い。
 ケイト先生…白人女性だが日本生まれの日本育ちで英語が苦手
       という変な外人先生。サマーキャンプでは美香の
       指導教官なのだが、童顔が災いしてかよく生徒と
       間違われる。彼女はすでに美香の両親から体罰の
       承諾を得ており、お仕置きはかなり厳しい。

**************************

 お父さんのお膝の上で観た私の映画は、そりゃあほろ苦かった
けど、最後には思わず笑ってしまいました。

 どうして笑ったかというと……
 『へえ~~私のアソコってあんなになってたんだ』
 って分かったのがおかしかったのです。

 男の子は性器が見える処にあって普段見慣れてるでしょうけど、
女の子は努力しないとあそこは見ません。痒みがあったり、血が
出たりすれば、そりゃあ見ますけど……部屋に鍵を掛け、大胆な
ポーズをとって、鏡に映して……普段そんな努力はしないのです。

 『ばっちいものは、見ずにすむならあえて見ない』というのが
女の子のポリシーでした。

 ですから、アソコの事は意外と本人も知らないのです。

 それを図らずも目の当たりにして、笑ってしまったのでした。

 「何だ?何がおかしい?」
 お父さんは私に不思議そうに尋ねますが……

 「何でもないわ」
 私が本当のことを口にするはずかありませんでした。


 「さてと、映画は何を見るかな……」
 お父さんの前に5つのボタンがありました。
 そのどれにも映画のポスターが小さく縮尺版になって貼り付け
てありました。

 「美香、あまえはどれがいい?」
 お父さんは私に選ばせようとします。

 そこで、そのポスターを一通り眺めてから……
 「『ベニスに死す』なんていいんじゃないかな。この子、綺麗
だし……」
 と、望みを言ったんですが……

 「だめだ、だめだ、こんな退廃的な映画は……子供の観るもん
じゃないよ」
 あっさり否定されてしまいます。

 そして……
 「『屋根の上のヴァイオリン弾き』なんていいんじゃないのか?」
 と薦めてきますから、今度は私が……

 「嫌よ、こんな暗い映画、もっと明るいのがいいわ」

 「だったら、ちょっと古いが『俺たちに明日はない』ってのも
あるぞ。……西部劇だ」

 「だってあれ、銀行強盗の話でしょう……人が死ぬお話は嫌い
なの……それに、あれ大人の話よね」
 私は、最初の『ベニスに死す』を否定されたことで少しむくれ
ていました。

 そこで、その妥協案として選んだのが……
 「これなんか、いいんじゃない。『小さな恋のメロディ』……
男の子が可愛いわ」

 「まあ、いいだろう」
 お父さんはあまり乗り気ではなかったみたいですが、承知して
くれます。

 一方、私の方もこの時この映画のことはよく知りませんでした。
 ポスターのマークレスターが可愛かった。
 選んだ理由は、ただ、それだけのだったのです。

 「あ~、ビールとつまみ。ハイネケンあるか?……ならそれと
つまみはピーナッツでいいよ。………美香、おまえはどうする?」
 お父さんが内線電話でルームサービスに注文を出します。

 「私は、オレンジジュースとポップコーンでいいわ」
 私はオットマンに足を投げ出して答えました。

 ささやかですけど、これでやっと避暑地気分です。

 注文の品が部屋に届いてから、お父さんは映画のボタンを押し
ます。
 すると、開演のブザーが鳴り、辺りが暗くなります。
 映写機が回り始めました。

 スクリーンは小さめですが二人だけの貸切映画館は誰に気兼ね
もいりません。
 注文したオヤツをつまみながら……もし、観ている映画がつま
らなければ、毛布を掛けてそのままソファで寝てしまえばいいの
ですから……

 私は、当初、この映画にあまり興味がわきませんでしたから、
そうするつもりでした。
 お父さんに肩を借り、寄り添ってお昼寝するだけでもよかった
のです。

 ところが、私はその映画を最後まで見続けます。

 『飾り気はないけど、どこまでも美しいイギリスの景色と透き
通るような男性ハーモニーのBGM。……英国の子どもたちって、
こんなにも素敵な学園生活を送ってるんだ。私もトレシーハイド
になりたい。好きな人と一緒にあのトロッコに乗って未来を目指
したい……』

 映画を観たことのない人には、何を言っているか分からないで
しょうけど、とにかく大感動したのでした。

 もっとも、お父さんはというと……
 「まったく呆れた映画だ。どこの世界に、11歳のガキが結婚
なんか考える。おまえが11の時は、まだ、私の膝で甘えられる
だけ甘えてたぞ。……でも、それがまともな子供の姿だ」
 
 お父さんにはこの映画を理解することはできないようでした。

 でも、私の11歳も、ただお父さんの膝で甘えていたわけでは
ありませんでした。
 それって、むしろ『お付き合い』という気持の方が強くて……
何でも「お父さん」「お母さん」ではありませんでした。

 実ることはなくても淡い恋心はすでにありましたから、ダニー
とメロディの世界はまったくのおとぎ話ではなかったのです。

 そんな蒸気した顔の私を見て、お父さんは私を抱き寄せます。
 顔と顔が出会い、その口からは先ほどのビールの臭いがします。

 「いやあ」
 私はそのお酒の臭いでお父さんをいったんは拒絶しますが……

 「忘れたのかい?まだ、五回、私からのお尻叩きが残ってるよ」

 こう言われると私は再びそこへ戻らなければなりません。
 そう、私はまだ14歳。彼らからみたらお姉さんのはずですが、
それでもお父さんやお母さん、大人たちが決めたルールのなかで
生きていかなければなりませんでした。

 『あ~、私はいつあのトロッコに乗れるんだろう』

 私はそう思ってお父さんのお膝に身体を沈めます。
すると、今度はお父さんが……

 「こうして、おまえのお尻をいつまで叩けるかな」

 お父さんはそう言いながら、私のスカートを上げ、ショーツを
下げます。
 さすがに、人前でこの姿を晒すことはなくなりましたが、お父
さんにとってお尻叩きはいまだ現役。熱く厳しいお父さんの平手
の下で、私はまだまだお父さんの子どもを演じなければならない
のでした。

 「ピシッ」
 「いやあ~」
 「何がいやあ~だ。こんな大きなお尻を叩かなきゃいけない私
の方がもっと嫌だ。ほら、ここは家の中じゃないんだ、こんな処
で足を開かない」

 私が慌てて、両足を閉じますと……
 「ピシッ」
 「いやあ~」
 再び、両足をバタつかせなければならないほど痛いのがやって
きます。
 
 「少し口をつつしめ。いくら防音装置のある部屋でもそれじゃ
外の人に聞こえるぞ」
 お父さんはそう言って、もう一つ……

 「ピシッ」
 「ひぃ~~~勘弁して~~」
 本音が出ます。だって、この時のお尻叩きはとっても痛かった
のです。一発一発がこんな痛い平手は初めてでした。

 「どうだ、少しはこたえたか?……おまえは今までのお仕置き
が私の目一杯だと思っていたのかもしれないが、こっちはこっち
で、気を使って緩めてたんだぞ。わかったか?」

 「はい、お父さん」

 「よ~~し、もうひとふんばりだ。しっかりつかまってなさい。
……ほれ」

 「ピシッ」
 「いや~~~~~」
 私は無意識に太股を開いてバタつかせます。
 そんな様子はまたビデオに撮られてしまうかもしれませんが、
こんなキツイお仕置きのもとでは、そんなこと言っていられませ
んでした。

 私はもう必死にお父さんのお膝を握りしめます。
 きっと、お父さんの太股にはくっきりと痣が残っているに違い
ありません。でも、それも仕方のないことでした。

 「『痣のつくほど抓っておくれ、それを惚気の種にする』か、
昔の人はいいことを言うなあ……」
 お父さんは、にが笑いを浮かべると、意味不明の独り言を言い
ます。そして、それが終わってから、最後の一発が炸裂したので
した。

 「ピシッ」
 「ひ~~死ぬ~~~」

 「大仰なこと言いなさんな。いまだお尻叩きで死んだ子なんて
いないよ。……さあ、終わったよ」
 お父さんは私を立たせ、身なりを整えさせます。

 そして、こう言うのでした。

 「私は、これから仕事に戻らなきゃならないので、美香とは、
ここでお別れだ。これからはお母さんやケイト先生の言いつけを
守って、頑張るんだぞ」

 「もう行っちゃうの?」
 私は急に寂しくなりました。

 「大丈夫、お母さんは残るから……」

 「でも……」
 人間なんて勝手なものです。
 つい先ほどまで、甘いアバンチュールを想い描いていたのに、
いざ別れるとなると、心が思いっきり子供に戻ってしまいます。

 「最後に、お前のお尻を思いっきり叩けてよかったよ」

 「もう、お父さんたら、嫌なことばかり言うんだから……」

 「そのうちお前にも分かるだろうがな。お尻なんてものは叩く
より叩かれてる時代の方が幸せなんだよ」

 「まさかあ~~。そんなわけないじゃない」

 私はその場で痛むお尻をさすりながら笑いましたが……でも、
時を経て気づいたのです。『お尻を叩かれる子は愛されてる子』
なんだと……

 お父さんの言う通りでした。
 でも、いつかは私もお父さんの元を離れて独りで羽ばたかなけ
ればなりません。そう、ダニーとメロディのように……二人して、
トロッコを全力で押して未来へ向かわなければならないのでした。


****** 見沼教育ビレッジ (14) ******

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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