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真理子のお仕置き(上) ~ ある朝の出来事 ~

      真理子のお仕置き(上)
                 ~ ある朝の出来事 ~


 哲哉は兄弟の中で最後まで寝ていた。
 論文の執筆に時間を取られ寝たのが明け方だったのだ。
 その彼が周囲の喧騒で仕方なく目を開けると……

 『ん?何だこりゃ?』
 寝ぼけ眼に奇妙な人影らしきものが見える。
 誰かが寝ている自分の目の前に立っているみたいだ。
 焦点も合わないまましばしそれを見ていると……

 『わっ、やめろ、バカ』
 いきなり生暖かい水をかけられた。

 『わあっ、何するんだお前!!』
 こりゃあ、温厚な哲哉でなくても怒るかもしれない。
 だって、哲哉の頭を挟みつけるように立つ全裸のその子は彼が
目覚めたことを確認するや、いきなり放尿してきたのだ。

 起きた早々異常事態だった。
 慌てた哲哉はすぐさま三歳のミミの両脇を鷲づかみにして起き
上がる。

 「ミミ、ここはトイレじゃないんだぞ!!」
 哲哉が恐い顔を作って叱ったが、ミミは笑顔のまま。
 「知ってる」
 そう答えた顔も悪びれてる様子はなかった。

 「じゃあ、どうしてこんなことするんだ?」

 「だって、健太兄ちゃんもやってる」

 そう言われて気がついたのだが、6歳の健太までが立ったまま
パジャマから小さいのを出しては自分の腰の辺りへ放物線を描い
ている。

 「こら、健太!!!」

 さすがに大声が恐かったのか健太の放物線は一瞬で引っ込んだ
が、こちらも顔は笑顔、悪びれている様子など微塵もなかった。
 きっと彼らにしたら、こんなことは目覚まし代わりのちょっと
した悪戯ということのようだ。

 哲哉の大声に異変を感じたのだろう。台所から高校生の佳苗が
顔を出す。

 「……?……」
 彼女、しばし部屋の様子を観察していたが……

 「哲哉、いい歳して、おねしょなんて恥ずかしいわよ」
 と、こちらも笑顔で語りかけた。

 「何言ってるんだ!!お前、一番上の姉ちゃんだろう。何とか
しろよ!!」
 哲哉は大声を上げたが……
 「最後まで寝てる方が悪いのよ。私はチビたちのお弁当作りで
忙しいの。自分でやった不始末は自分で処理しなさいってのが、
亡くなった父ちゃんの言いつけなのよ。……ごめんね~~」

 佳苗は薄情にも台所へ戻っていく。
 「お前のところでは、いったいどんな仕付けしてるんだよ!」
 哲哉は憤懣やる方ない様子で台所へ帰る佳苗に罵声を浴びせた
が……確かにこの場合、相手が幼い子供たち、どうしようもない。

 実は、同じ屋根の下で暮らす兄弟と言っても、哲哉を除く四人
の子供たちは彼の父が再婚した相手、富子の連れ子だった。
 それでも普段ならまだ富子がいるから幼い子の暴走ににらみを
きかすこともできるのだが、ここ数日は、大人二人がハネムーン
に出ていて留守なのだ。

 その間は、大学生の哲哉と高校生の佳苗がボスとなって小さな
子供達をまとめていかなければならなかった。

 「いいかいミミ。お前は女の子なんだから、あんなことしちゃ
だめだよ」

 「あんなことって?」

 「寝てる人の顔にオシッコなんか掛けちゃいけないってこと。
あんなことすると、大事な処が全部丸見えになっちゃうぞ」

 「大事な処?」

 「そう、大事な処だ」
 哲哉はそう言いながら、ミミのお股をタオルで綺麗にしてやる。

 「お兄ちゃん、見たいの?」
 「見たくありません!」
 「だって、真理子お姉ちゃんが、男の子はみんな女の子のお股
が見たいって……」

 『やっぱり、黒幕はあいつか』
 哲哉は殺気を感じて僅かに開けられた襖に目をやる。
 すると、そこにはこの部屋を覗く人影が……

 『ヤバイ』
 と思ったのだろう、人影はさっとその場を離れるが、哲哉にし
ても佳苗にしても、今回の首謀者が誰かは分かっていた。

 真理子、11歳。
 肩まで伸ばしたワンレンのストレートヘアが自慢で、ことある
ごとに弟の健太や妹のミミをそそのかしては悪戯を仕掛けてくる。
もちろん、そのことは長女の佳苗も知っていたから、哲哉が寝床
て大声を上げたときも、黒幕は誰かすぐに分かっていたが、朝は
彼女にとっても忙しい時だから、あえて相手にしなかったのだ。

 その後、哲哉と佳苗は、自分たちのお父さんやお母さんと同じ
仕事をする。

 哲哉は素っ裸でいるミミに幼稚園の通園服を着せ、顔を洗い、
朝食の席では膝に抱いて一緒に食事をする。
 佳苗も食事のあとは健太や真理子のランドセルの中身を確認、
忘れ物がないかチェックしたり、妹や弟たちの身なりを整えたり
とこちらもお父さんお母さんの代わりだから双方朝は忙しいのだ。

 しかし、二人にとってお父さんお母さん代わりなのはこれだけ
でなかった。

 準備が整った健太が先に「行って来ます」と言って佳苗の目の
前を通過したその瞬間だった……

 「お待ち!」
 佳苗が機敏な動作で逃げようとする健太のランドセルを上から
鷲づかみにして引っぱる。

 「わあ!」
 健太は簡単に尻餅をついた。
 ランドセルを背負ってると、これがウイークポイントだ。

 「何するんだよ。学校行かないと遅刻しちゃうだろう」
 転んだ健太は不満を口にしたが、佳苗だって、もちろん戯れで
こんなことはしない。

 「あんた、何か忘れてない?」

 「何かって……?」

 「あんた、哲哉お兄ちゃまのお布団にオシッコして、それで、
何もしないでこの家を出られるとでも思ってるの?」

 「えっ!?」
 健太は青くなる。ことの良し悪しは別にしても佳苗姉ちゃんが
怒っているという現実は、たとえ一年坊主だってわかるのだ。

 「だって、あれは……真理子姉ちゃんが『哲哉兄ちゃんにこの
家で大きな顔されないように、最初に何かぎゃふんと言わせた方
がいい』って言うから……」
 もじもじとした様子で健太は事情を話した。

 実は、健太。このことは他言しないと、真理子姉ちゃんと固く
約束していたはずだったのだが、佳苗お姉ちゃんに凄まれると、
あっさり口を割ってしまう。

 「あっ、そう……あなたたち……哲哉お兄ちゃんをぎゃふんと
言わせたかったんだ」
 健太のおかげで、厳しい視線が次は真理子に向くことになった。

 「真理、……あなた、哲哉お兄ちゃんが嫌いなの?」

 「……そういうわけじゃあ……」
 真理子は下を向き、ぼそぼそと申し訳なさそうに答える。

 「まあ、いいわ。……」
 佳苗姉ちゃんは一つため息をつくと、視線を再び健太へ……

 「あんた……いくら一年生でも……哲哉お兄ちゃんのお布団に
オシッコすることがいけないことだってことぐらいは分かるわよ
ね」

 「…………」
 あらためて佳苗姉ちゃんに凄まれると健太はもう答えない。

 正直に答えてしまうと、そんなに悪い事とは思っていないのだ。
だって兄弟みんなのために真理子姉ちゃんがやろうと言ったこと
なんだから……

 ただ、普段は早口の佳苗お姉ちゃんが、それを封印して噛んで
含めるように自分に話していることで『これはまずいことなんだ』
と分かったみたいだった。
 だから、弱々しく「はい」とだけ答えたのである。

 「こんなこと放っておけないもの。お義父様に申し訳ないし…
…お母さんに知れたら、お灸ものよ」

 「エッ!!」
 健太はお灸という言葉に思わず顔をあげて驚く。

 「それが嫌だったら、学校に行く前に私からのお仕置きを受け
てもらうからね」

 「えっ、姉ちゃんから……」

 「そうよ、どうする?このままじゃ、あんたお母さんからまた
チンチン焼かれるよ。……その方がいいの?」

 小一の健太から見れば佳苗お姉ちゃんは大人も同じ。
 そのお姉ちゃんの威しだから効果がないわけがなかった。

 「ごめんなさい」
 健太は謝っただけだが、これが佳苗お姉ちゃんからのお仕置き
を承諾した証しだったのである。

 「分かったんなら、そこの鏡台の椅子に両手を着きなさい」
 佳苗姉ちゃんは凛とした態度で命じる。

 いや、佳苗お姉ちゃんだってほんの数年前までは、同じ姿勢で
お母さんからお尻をピシピシやられていた身なのだが、ここでは、
そんな弱さは微塵も見せなかった。

 かえって、いつからそこにいたのか、哲哉兄ちゃんが割り込ん
で来て……
 「いいよ。僕のことだったら……もう、何とも思ってないから」
 と、とりなしてくれたのである。

 ただ、それにも……
 「いいの。これは、うちの問題だから……厳しくする時はしと
かないと、示しがつかないわ」

 佳苗お姉ちゃんはこれも拒否したのである。

 「さあ、真理!ぼさっとしてないで、あなたも手伝いなさいよ。
健太の両手を押さえるの」

 佳苗お姉ちゃんは、もう完全にお母さんの代わりを務めていた。

 「……!……」
 背もたれのない鏡台用の椅子に両手を着いた健太の半ズボンと
パンツを一緒に脱がせると、お母さん愛用の三尺物差しを持って
構える。

 「しっかり、数を数えるの。……わかった?」
 佳苗お姉ちゃんは我が家の流儀に従ってそう命じる。
 そして、自分だって散々お世話になったそれで、「ピシャ」と
最初の一打を繰り出したのだ。

 「ひとつ」
 健太の声がすでに震えている。
 もちろん佳苗お姉ちゃんは十分に手加減しているのだが、痛さ
より恐さが先に立って健太は震えていたのである。

 「ピシャ」
 「ふたあつ」

 「ピシャ」
 「みっつ……」
 たった三つで健太の数を数える声は泣き声になっていた。

 でも、お仕置きはこれからだ。

 「ピシャ」
 「よっつ……」

 「ピシャ」
 「いつつ……」

 溢れ出た涙が頬を伝い、少しだけ赤くなったお尻の反対側では
可愛いおチンチンが一緒になって震えている。

 「ピシャ」
 「むっつ……」

 「ピシャ」
 「ななつ……」

 お尻がほどよいピンク色に染まり鳥肌がたっているのがわかる。
 端から見れば可哀想な姿だが、佳苗お姉ちゃんは心を鬼にして
こう叫ぶのだ。

 「ほら、声が小さくて聞こえない。もう一度、七つからよ」

 「ピシッ」
 「ななつ……」

 「ピシッ」
 「やっつ……」

 嗚咽が止まらなくなった健太は真理子姉ちゃんに両手を押さえ
られているため、涙を拭くこともできなかった。

 「鞭の一つ一つを『ごめんなさい』っていう気持で受けるの。
……わかった?」

 「はい」

 「声が小さい!もっと大きな声で!」

 「はい、わかりました」

 「よし、じゃあしっかり構えて……」

 「ピシッ」
 「ここのつ……」

 「ピシッ」
 「とう……」

 「いいこと、あんたのやったことは本来ならお灸にあたいする
の。このくらいじゃ足りないのよ。わかってる!」

 「はい」

 「よし、じゃあ最後はしっかり歯を食いしばって……いくわよ」

 「ピシッ!」
 「痛い!!ごめんなさい、もうしません。あああああ……」
 健太はこのお仕置き一番の鞭を受けて泣き叫び地団太を踏む。
 そして、それが終わってから思い出したように……
 「じゅういち」
 と数をかぞえるのだ。

 「ピシッ!」
 「いやあ~~もうしないで~~ごめんなさい。……じゅうに」

 十二も十一と同じ。でも、これで許されたのである。

 佳苗お姉ちゃんは健太の身なりを整えると涙を拭き鼻をかんで
学校に送り出す。
 当然、真理子だって健太と同じ小学校なのだから一緒にに家を
出ようとしたのだが……

 「あなたはまだ家を出ちゃだめよ。ミミを通園バスに乗せたら、
あらためてお話があります」
 と、佳苗お姉ちゃんに宣言されてしまったのだ。

 実は、この佳苗お姉ちゃん、お母さんが再婚する前から、妹や
弟たちが悪さをした時のために日頃から懲罰権を与えられていた
のである。

 それがどんなに恐いかを知っていた真理子は逃げられなかった。
もし、佳苗お姉ちゃんに逆らうと、それをお母さんに告げ口され、
今度はお母さんと二人がかりでのお仕置きを食うことに……
 それはさすがに彼女としても避けたかったのだ。

 自分の部屋で正座して待っていると、佳苗お姉ちゃんがやって
来た。

 「あんた、相変わらずね」
 「何が?」
 「何がじゃないでしょう。健太やミミをたきつけてあんなこと
させて……」
 「あたし、やってないよ」
 「だから、そこがいけないんでしょう。自分は手を汚さないで
人を使って悪ささせて……ま、あんたのことだから……二人に、
『哲哉さんのお布団でオシッコしたら哲哉さんが自分でやったと
勘違いして大慌てするわよ』ぐらいのこと言ったんでしょう?」

 「…………」
 真理子は答えなかったが、その時、彼女の顔色が変わったので
有罪が確定する。女の子の裁判では顔色だって立派な証拠、物証
はいらなかった。

 「ほら、ごらんなさい、やっぱり黒幕はあなたなんだから……
あなたのやってることは、哲哉お兄様やお義父様だけでじゃない、
何よりお母さんに恥をかかせてるのよ」

 「ごめんなさい」

 真理子はペコリと頭を下げて謝りはしたものの佳苗お姉ちゃん
にしてみれば、下げた頭より尖った口の方が気になるのだ。

 「まったく反省してないみたいね」

 「え~そんなことないよ」
 真理子は口を尖らせたまま反論したが……

 「あんたの顔は反省してるって顔じゃないわね。そんな顔で、
いくら『反省してます』なんて言っても誰も信じないわよ。……
仕方ないね、反省できないんじゃあ……こういう時は、お仕置き
しかないわね」

 「え~~やだあ~~~」

 「イヤじゃないでしょう。あんたが悪いんだから……頭で覚え
られない子はお尻で覚えるしかないじゃない」

 「いやよ。だって、ここには哲哉兄さんもいるのよ」

 「そうよ、だからいいんじゃない。『うちは、昔からこんなに
厳しく仕付けてます』というのを見てもらわないと、山猿ばかり
四人も連れて来たなんてお義父様に言われたら、お母さんだって
立つ瀬がないわ」

 「えっ……だって……」
 真理子は不承知でしたが、佳苗お姉ちゃんの厳とした物言いに
反論できません。結局……

 「さあ、もういいから、学校行きなさい」
 と、今度は家を追い出されてしまったのでした。


***********(上)*************

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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