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小暮男爵 ~第一章~ §11 / 二人のお仕置き①

小暮男爵/第一章

<<目次>>
§1  旅立ち         *  §11 二人のお仕置き②
§2 お仕置き誓約書    *  §12 ランチタイムの話題
§3 赤ちゃん卒業?    *  §13 お父様の来校
§4 勉強椅子        *  §14 お仕置き部屋への侵入
§5 朝のお浣腸       *  §15 お股へのお灸
§6 朝の出来事       *  §16 瑞穂お姉様のお仕置き
§7 登校           *  §17 明君のお仕置き
§8 桃源郷にて       *  §18 天使たちのドッヂボール
§9 桃源郷からの帰還   *  §19 社子春たちのお仕置き
§10 二人のお仕置き①  *  §20 六年生へのお仕置き


***<< §10 >>**/二人のお仕置き①/***

 小宮先生と高梨先生がそれぞれに教え子の着替えをすませると、
私と広志君を隔てていた幕が取り去られます。
 私は予備の服で対応できましたが、男の子用の制服にちょうど
サイズの合う服がなかったのでしょう。広志君の方は体操服です。

 濃紺の襟なし上着に白シャツ姿もいいけれど、男の子は体操服
を着ると何だか凛々しく感じられて素敵です。

 ところが、ヒロ君、私と目を合わせるなりはにかみます。
 自分だけ別の衣装に変わってしまったのが恥ずかしかったので
しょうか。それとも、同じ境遇の相手を見て鏡を見ているようで
嫌だったのでしょうか、下を向いてしまいました。

 二人はお互い同じ身の上。これから先生にお尻を叩かれようと
している悲しい定めの少年少女です。そんな同じ境遇の子が再び
視線を合せた時、今度は、なぜか二人して笑ってしまいました。

 こんな時って、どこかおかしな心理状態です。

 そんな短いお見合い時間が終わると、四時間目の開始を告げる
チャイムがこの中庭にも響き、花壇の手入れに来ていた下級生達
も駆け足でそれぞれの教室へ帰って行きます。

 中には上級生たちの人垣の前でジャンプしてから帰る子も……

 でも……
 「なあ~~んだ」
 と言うだけ。

 きっと、私たちが裸でいるのを想像していたのかもしれません。
 ここはそれほど頻繁に子供を裸にしてしまうのです。

 チャイムが鳴り終えると、それを待っていたように小宮先生が
手を叩きました。

 「さあ、みなさん。このお二人さんのお着替えも無事にすみま
したから、今度は、内側を向いてくださいね」

 すると、大きな輪を作ってくれたいた子供たちが一斉にこちら
を向き直ります。
 沢山の目が一斉にこちらを見ますから、それって、ちょっぴり
恐怖です。

 『あ~あ、いよいよかあ~~~やっぱり嫌だなあ~~』
 そんな愚痴を心でつぶやきながらも覚悟を決めます。
 でも、その前にちょっとした事件がありました。

 「芹菜(せりな)ちゃんと明君、こちらへいらっしゃい」
 小宮先生は凛とした声で今まで人垣を作っていてくれた二人を
指名します。

 実はこの二人、私たちがお着替えの最中も担任の先生から時々
注意を受けていました。

 やがて、恐る恐る輪の中から出てきた二人が、三人の先生方の
目の前までやってくると……
 四年生を担任している前田先生が、いきなり……

 「あ~いや~~ごめんなさい」
 オカッパ頭の芹菜ちゃんが叫びます。

 芹菜ちゃんは4年生。前田先生が背中からお腹へと左腕を回し
始めた瞬間、何をされるかが分かったようでした。

 前田先生は芹菜ちゃんの身体を立たせたままで前屈させると、
右手でその白いパンツを叩き始めます。

 当時私たちが着ていた制服のスカート丈はとても短くて、ある
程度前屈するれば、すぐにパンツが丸見えるようになっています。
 お尻叩きが当たり前のこの学校で先生が子供たちへのお仕置き
をしやすいようにそんなデザインを望んだのでしょう。私たちは
そう考えていました。

 いずれにしても、前田先生、芹菜ちゃんのスカートを捲る必要
がありません。

 「(パ~ン)(パ~ン)(パ~ン)(パ~ン)(パ~ン)」
 続けざまに六回。前田先生は息つく暇なく芹菜ちゃんを叩いて
こう叱るのです。

 「先生、お着替えの最中は決して振り返っちゃだめですよって
注意したわよね。覚えてる?」

 「はい」

 「だったら、どうして、あなたは私の言うことがきけないの。
チラチラと後ろを振り返ったりして……女の子がいやらしいこと
しないの。覗き見なんてみっともないわよ」

 「ごめんなさい」

 「誰だってお友だちにも見られたくないものはあるの。あなた
だって裸で廊下に立たされたくはないでしょう。やってみたい?」

 「いやです。そんなのいやです。ごめんなさい。もうしません
から」
 芹菜ちゃんの顔は真っ青、唇が震えています。

 裸で廊下に立たされるなんて、さすがにこの程度のことでは、
それはないでしょうが、私も実際にそうした子を見たことがあり
ますから、芹菜ちゃんだって必死にならざるを得ません。
 
 そして、前田先生もそうした芹菜ちゃんの必死さを見て……
 「いいでしょう、今度から気をつけるんですよ」
 と許してくれたのでした。

 もう一人います。六年生の明君です。
 こちらも時間的には芹菜ちゃんと同じです。

 「あっ、いや、だめ~~」
 栗山先生の左腕が明君に背中に捲きついた瞬間、まだぶたれて
もいないのにボーイソプラノの悲鳴が上がります。

 要するに、私はステレオで二人の悲鳴を聞いていたのでした。

 要領は芹菜ちゃんと同じ。
 「(パ~ン)(パ~ン)(パ~ン)(パ~ン)(パ~ン)」
 という小気味の良い破裂音が半ズボンの上から上がります。

 女の子がパンツの上からなのに対し、男の子はズボンの上から。
ちょっと不公平な気もしますが、栗山先生はその分強く叩きます。
 ですから……

 「いやあ~~~ごめんなさい、もうしません、もうしません」
 明君だってたちまち担任の栗山先生に謝ります。

 私たちの学校では体罰を否定しませんから、お尻叩きも毎日の
ように行われます。このためお尻叩きだって大事な先生のお仕事
なんです。

 ですから先生も慣れたもので、生徒のお尻を叩こうと思いたつ
と……罪の軽重、情状酌量の余地、年齢、男女の別、健康状態、
以前にどんな罰を受けたかなどありとあらゆる情報を一瞬にして
精査し、その子にとって最も効果的な方法と威力でお尻を叩くの
です。……これって、もう立派な職人芸でした。

 「女の子の着替えを覗こうだなんて……男の子が最もやっては
いけない行為だわ。あなたのやったことはとっても恥ずかしい事
なのよ」

 「はい、ごめんなさい。もうしません」
 明君、たちまちべそをかいて謝ります。

 実は明君、栗山先生よりすでに身長が高いのですが気は小さく
て、栗山先生がちょっと恐い顔をしただけで、いまだにおどおど
たじたじになるのでした。

 「さあ、ではこちらも始めましょうか。もうすでに4時間目が
始まってますからね、テキパキとすませるわよ」

 小宮先生の声に、私も広志君もあらためて緊張が走ります。

 「さあ、どちらからにする?どちらでもいいわよ」
 小宮先生はあらかじめそこにあった木製の椅子。私たちが普段
教室で座っているのと同じものに腰を下ろして私たち二人を見つ
めます。

 こんな時って、『では、私(僕)が先に……』なんて申し出る
勇気がありません。
 もじもじしていると……。

 「それじゃあ、美咲ちゃんいらっしゃい」
 最初に指名されたのは私でした。もちろん、行かないわけには
いきません。

 「お作法はいつも通りよ。タオルを敷いてあげたから、ここで
膝まづきなさい」

 小宮先生の指示で、私は先生の目の前に膝まづかされます。
 両手を胸の前で組んで大きく深呼吸。

 「私は悪い子でした。どうかお仕置きでいい子にしてください」

 もちろん本心じゃありませんけど、辛い言葉です。でも勇気を
振り絞ってそれは言わなければなりませんでした。

 「あなたも五年生ですから、これまでに何度も聞いて耳にたこ
ができてると思いますけど、我校のお仕置きは先生から無理やり
やらされるのではなく、自分の至らない処を治していただく為に
先生方にお願いしてやっていただくものなんです。……それは、
わかってますよね?」

 「はい、先生。お願いします」

 「よろしい、それでこそ、うちの生徒です」
 小宮先生は私を褒め、それから、あたりを見回して周囲を取り
囲む子供たちに向かってもこうおっしゃるのでした。

 「それから、みなさんにも注意があります。最近、みなさんの
中に、お友だちのお仕置きを見学しているさなか笑う人がいます
けど、あれはとってもいけないことです。お仕置きは恥ずかしい
ことを強制されているのではありません。自分を高める為に行う
神聖な試練の場なんです。ですからこれは見学するあなたたちに
とっても大切なお勉強の場なんです。真剣な気持で臨まなければ
なりません。そんなお勉強の場でお友だちを笑うなんて失礼です。
先生はそうした子を許しません。見つけしだい、その子にもこの
二人と同じお仕置きを受けてもらいます。いいですね」

 小宮先生の凛とした声があたりに響きます。

 「はい、わかりました」
 複数の生徒の声がします。

 この時、子どもたちの全員が声を上げたわけではありません。
でも『笑うとお仕置き』という情報だけは、しっかりとみんなに
伝わったみたいでした。

 「さあ、美咲ちゃん、ここへいらっしゃい」
 小宮先生が椅子に腰掛けたままでご自分の膝を叩きます。
 すると、ここで思いがけないことが起きました。

 高梨先生が口を挟んだのです。
 「あのう先生、大変申し上げにくいのですが、もう、よろしい
んじゃないでしょうか?」

 「えっ?」
 突然の申し出に小宮先生も鳩が豆鉄砲を食ったような顔になり
ます。きっと高梨先生が発言されるとは思ってもみなかったので
しょう。

 振り返った小宮先生に高梨先生が……
 「いえ、二人を許してもらえないでしょうか。今回の件は私が
大騒ぎしなければ、こんなことにはならなかったと思うんです。
ですから、私にも罪はありますから……」
 と、申し入れてくれたのでした。

 高梨先生はいわば臨時の先生。普段なら学校行事のような事に
口を挟むようなことはなさいませんが、それがこの件に関しては
異を唱えられたのでした。

 小宮先生はしばし考えておられましたが、笑顔になります。
 「大丈夫ですよ。先生のお気遣いには感謝しますが、この件で
先生に罪はありませんもの。これはあくまで持ち場を勝手に離れ
たこの子たちの問題ですから……それは別物です」

 小宮先生が決断して、お仕置きを免れるというかすかな望みが
砕け散ります。でも、小宮先生自身は高梨先生のそうした声かけ
を不快と感じられたわけではありませんでした。

 いよいよ、私が先生の膝にうつ伏せになります。
 両足のつま先が僅かに地面を掃く程度。私の身体はほぼ水平に
なって先生の膝の上に乗っかっります。

 「………………」
 プリーツスカートの裾が捲られ、白いパンツがお友だちの前に
晒されます。女子の場合、大半がこうでした。

 恥ずかしい姿。でも、もうここまでくると私も度胸が定まって
いました。
 『とにかく、早く終わらせなくちゃ』
 と、そればかり考えて私は小宮先生のお膝に乗っていたのです。

 「さてと……あなた、どうして破れた金網からお外に出たの?
あそこは生徒が立ち入ってはいけない場所だって知ってるわよね。
先生、何度も注意したものね」

 「はい」
 私はその瞬間、顔をしかめます。
 「ピシッ」
 という音と共にその時、最初の平手がお尻に届いたからでした。

 「ふう」
 小さくため息がこぼれます。最初はそんなに痛くありません。
もちろんまったく痛くないわけじゃありませんが、その程度なら
子供でも悲鳴は上げずに耐えられます。

 「さて、それがどうして金網を越えてお外へ出ちゃったのかな?」

 「それは…………広志君を止めようと思って……」

 「本当に?」
 小宮先生は思わず先生の方を振り返った私の顔を疑わしそうな
目で覗き込みます。

 「本当です」
 思わず声が大きくなりました。

 「そう、それじゃあなぜ、すぐに戻ってこなかったの?広志君
に注意したら、すぐに戻れるでしょう?」

 「それは……」
 私は答えに窮します。だって、それって私自身にも分からない
ことでしたから。

 確かに、先生の言う通りなんですが、あの時、突然、広志君に
抱きつかれて……斜面を滑って……危ないところで止まって……
二人で笑って……あとは、何となくああなってしまった、としか
言いようがありませんでした。

 「楽しかったんでしょう?」

 「えっ!」
 核心を突く質問。思わず……
 「そ、そんなことは……」
 と言ってしまいましたが……

 「痛い!」
 次の『ピシッ』がやってきました。

 「嘘はいけないわ。それじゃあ、広志君がここにいなきゃだめ
だって強制したの?脅かされて着いて行ったの?」

 「あっ、いや、だめ」
 続けざまに次の『ピシッ』がやってきます。

 「ダメじゃないでしょう。ちゃんと聞きなさい」
 「ピシッ」
 「あっ、いや」

 「イヤじゃないの。……広志君が帰れって言ったのに、あなた、
着いて行ったそうじゃないの。……それって、その方が楽しいと
思ったからでしょう」

 「それは……」
 小さな声で迷っていると……

 「ピシッ」
 「あっ、痛い」
 また痛いのがやってきます。

 「どうなの、違うの!」

 「あっ、いや~~」
 続けざまに『ピシッ』です。

 「ごめんなさい」
 私はとにかく痛いのから逃れたくて本能的に謝ってしまいます。

 「要するに、ミイラ取りがミイラになったということだわね。
ということは、ミーミはヒロ君が好きなのかな?」

 「えっ、……違います。そんなことじゃなくて……」
 私は思わず大声、顔も自分で火照っているのが分かるくらいに
真っ赤でした。

 「いいのよ、それは、それで……自然なことだもの。誰だって
好きな子と一緒にいたいものね」

 先生の右手がお尻ではなく頭の上に乗っかります。お仕置きの
小休止。私は先生の右手が自分の頭を静かに撫でているのを感じ
ていましたが……でも、結果が変わることはありませんでした。

 「事情はわかったけど、規則は規則よ。あなただけを特別扱い
はできないの。罰は罰でちゃんと受けないとね」
 
 私は先生の言葉を否定しようとして、先生の方を振り返ったの
ですが、その瞬間、両脇を抱えられて体をごぼう抜きにされます。

 今度お尻が着地したのは先生の膝の上。
 先生は私とにらめっこする形で私を膝の上に抱っこさせたので
した。

 「痛かった?……そりゃそうよね。お尻ぶたれたんだもんね」
 先生はその姿勢で頬擦りをして私の頬に流れ落ちる涙を拭き取
ります。

 「わかりました。それじゃあ、あと五回で終わりにしましょう」
 先生は残りの回数を区切ります。
 でも、私たちのお仕置き、ここからが大変でした。

 「恐い?……でも、これを乗り越えなくちゃ、あなたお友だち
の教室へ戻れないの。お仕置きを受けて綺麗な身体にならないと
何も始まらないのよ。……そのルールは知ってるでしょう」

 「はい、先生」
 小さな声で返事を返して頷きます。笑顔はありません。でも、
これがその時の精一杯だったのです。

 「…………よし、それじゃあ、がんばりましょうね」
 先生は、私の気持が少し落ち着いたのを間近に見て確かめると、
やおらポケットからタオル地のハンカチを取り出します。

 「最後の五回はとっても痛いから、用心のためにこれを噛んで
おいてね。……あ~~んして」
 先生はそう言って取り出したハンカチを私の口の中へ。
 これも女の子へのお尻叩きではお定まりの儀式でした。

 私は再び小宮先生のお膝の上に戻されるとスカートを捲くられ
今度はショーツまでも太股へ引き下ろされます。

 スーっと外の風がお尻をなでると友だちの視線が気になります。

 勿論これって恥ずかしいことなんですけど問題はこれだけでは
ありませんでした。

 「えっ!」
 私の目の前に突如、家庭教師の河合先生が……
 先生は誰に頼まれた訳でもないのに私の両手首を握りしめます。
私、まるで手錠を掛けられた犯人みたいでした。

 私は恐怖心から慌てて振りほどこうとしましたが大人と子供の
力の差はどうしようもありません。

 「観念なさい。この方があなたの為よ」
 河合先生は笑っています。

 いえ、もう一つあります。
 「えっ、何なの?」
 そうやって手の方に気を取られているうちに今度は両足も誰か
に押さえられていました。

 そして私の腰を押さえている小宮先生の左手にもこのまで以上
の力が入っていることがわかります。
 本当にがんじがらめです。

 『か弱い11歳の少女を大人三人で押さえたりして、こんなの
いや~~~~~』

 私はこの場で叫びたい衝動を必死に押さえますが、100Mを
走った時のような鼓動は収まりません。緊張はもうMAXだった
のです。

 そんな大人たちによって締め上げるだけ締め上げられた身体に
最初の一撃が下ります。

 「ビッシ~~~」

 前にも言いましたが、ここでお尻叩きなんて珍しくありません。
毎日誰かがぶたれてます。でも、その毎日、私だけがぶたれてる
訳ではありません。あくまで誰かがぶたれているというだけです。

 ですから、しばらくお尻を叩かれていなかった私はその凄さを
あらためて実感します。

 「ひぃ~~~~」

 その一撃で目の玉が飛び出します。電気が尾てい骨から背骨を
駆け抜けて、最後は脳天から抜けて行きます。

 もちろん先生の右手は平手。鞭なんて持ってはいません。
 でも、大人がちょっとスナップを利かせれば、子供にとっては
強烈な思い出になります。
 手足がバラバラになるほどの衝撃でした。

 「あらあら、久しぶりだったので、ちょっと痛かったみたいね」
 涙ぐむ私に小宮先生は優しく声をかけてくれました。

 そして、こう続けるのです。
 「ハンカチ、役に立ったでしょう。稀にだけど舌を噛んじゃう
子がいるの。用心にこしたことないわ」

 たしかにハンカチは役に立ちました。そして河合先生やヒロ君
のお母さんのいましめも、私が醜態を晒さないために役立ったの
でした。

 私はその瞬間、痛さに耐えかねて小宮先生のお膝を離れようと
したのです。
 でも、もし小宮先生のお膝を立ち退いて地面に立ってしまった
ら……ショーツを脱がされてる私はお友だちの前でお臍の下まで
晒すことになります。

 それだけじゃありません。お尻叩きを受けている最中、先生の
お膝から離れるのは重大な規律違反です。閻魔帳にXが二つ以上
つきます。新しいお仕置きが追加されることもあります。
 それを救ってくれたのは、河合先生と広志君のお母さんでした。

 「さあ、もう一ついくわよ」
 小宮先生が宣言して二つ目がやってきます。

 「ビッシ~~~」
 「ひぃ~~~~」

 前と同じです。背中を走る電気が後頭部から抜けていきます。
 なりふり構わず動かない手足をバタつかせてみましたがピクリ
ともしません。

 「痛い、痛い、痛い、痛いから~~もっと優しくしてえ~~」
 私は恥も外聞もなく叫びます。

 もちろん、だからって小宮先生が許してくれたり威力を弱めて
くれたりはしません。でもそう叫ばずにはいられないくらい小宮
先生のお尻叩きは痛かったのでした。

 「痛かった?」

 「うん」
 小宮先生から肩越しに尋ねられた私は嗚咽混じりに答えますが。

 「仕方がないわね、お仕置きだもん。我慢しなくちゃ」
 という答えしか返ってきませんでした。

 「はい、もう一つ」

 「ビッシ~~~」
 「ひぃ~~~~」

 背中を走る電気は少し弱まりましたが、今度はその瞬間、顔が
か~っと熱くなって眼球が飛び出すくらいの圧力です。

 4発目
 「ビッシ~~~」
 「ひぃ~~~~」

 相変わらず最初と同じようにぶたれるたびに『ひぃ~ひぃ~』
言っていますが、でもお尻が慣れちゃったんでしょうか、3発目
と比べれば痛みもそれほどきつくなくなりました。
 ただ、お尻の痛みを子宮が吸収して下腹には『ずどん』という
衝撃が……これって何とも不思議な気分です。

 5発目
 「ビッシ~~~」
 「ひぃ~~~~」
 最後はとびっきり痛い一発。お尻叩きの数が決まっている時は
たいていこうなります。

 小宮先生が初めて力を込めて叩いた一発で私の頭はショート。
頭の中が真っ白になってクラクラし、しばらくは何も考える事が
できませんでした。

 「ほら、ほら、美咲ちゃん、大丈夫ですか?」

 私は小宮先生に起こされます。
 ひょっとしたらその瞬間は、短い間、気絶していたのかもしれ
ません。

 「さあ、最後にご挨拶しましょう」
 私は小宮先生にパンツを上げてもらうと、お仕置き後のご挨拶
を促されます。
 それは、お仕置き前のご挨拶同様、この学校の生徒なら全員が
経験したことのあるご挨拶でした。

 私は衣服をあらためて自分で整えると、小宮先生の足元に膝ま
づいて両手を胸の前に組みます。

 「小宮先生、お仕置きありがとうございました。美咲は先生の
教えを守って必ずいい子になりますから、見ていてください」

 これはお仕置きを受けた子が必ず言わされる『先生への感謝の
言葉』。とにかくこれを言わないうちはお仕置きが終わりません
から嫌も応もありませんでした。

 「はい、いい子でした。これであなたもまたみんなと同じ五年
生に戻れますよ。これからも楽しくやりましょうね」

 先生はそう言って私を再びお膝の上へ迎え入れます。
 もちろん、それはお仕置きのためではありません。私を優しく
愛撫するため。お仕置き後の生徒は、必ず先生から慰めてもらえ
ます。

 これは厳しいお仕置きを我慢した子の唯一の役得。
 もちろん、だからと言ってわざとお仕置きをもらうような子は
いませんが……。


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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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