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美国園 <2> 身体検査

<2> 身体検査

 ~ 中一グループ ~
 進藤佳苗(しんどう・かなえ)
 松倉亜美(まつくら・あみ)
 三井由香里(みつい・ゆかり)
 吉田恵子(よしだ・けいこ)
 木島弥生(きじま・やよい)

 ~ 小四グループ ~
 広瀬里香(ひろせ・りか)
 朝比奈愛美(あさひな・えみ)
 須藤美佐江(すどう・みさえ)
 小西聡子(こにし・さとこ)
 新村真紀(にいむら・まき)

 ~ 修道院のシスターたち ~
エリザベス・サトウ<院長先生>
 小林・樹理(こばやし・じゅり)<鞭・担当>
湯浅・良子(ゆあさ・りょうこ)<浣腸・担当>
 日下部・秀子(くさかべ・ひでこ)<お灸・担当>

#####################

 ガイダンスは、その後、この場を取り仕切る主任シスターが、
部屋割りだったり、一日の大まかな日課だったりを説明して終了
するが、少女たちがこれでこの講堂から開放されるわけではない。

 一度、このサマースクールに参加した子なら知ってることだが、
彼女たちはこれから身体検査を受けなければならなかった。

 「何よ、私たち、まだここにいなきゃいけないわけ?」
 弥生がこの中では唯一の経験者である佳苗に小声で訪ねる。

 「これから身体検査があるの。部屋を案内されるのはその後よ」
 佳苗はさらに小さな声。
 その声に他の子たちも聞き耳を立てている。

 中一の生徒は全部で五人。中学生といってもつい数ヶ月前まで
は小学生だったわけで、心の中は全員まだ小学生の方に近かった。

 「ねえ、身体検査って、どんなことするの?」
 恵子き佳苗に尋ねたが……

 「ばかねえ、あんたの学校は、身体検査ってやらなかったの。
身長とか体重なんかはかったりするやつじゃないの」
 答えたのは由香里だった。

 ところが、経験者の佳苗が、それにため息交じりで異を唱える。
 「普通はそうだけど、ここのはそんな生易しいものじゃないの」

 「えっ!違うの!」
 思わず亜美まで……。

 すると、それまで我慢して聞いていたシスターも、役目柄、雀
たちにものを言わなければならなくなる。

 「おかしいわね、この辺で何か人の声がしたようだけど、気の
せいかしら?」

 近づいてきたシスターに五人組は思わず顔を伏せた。
 そりゃそうだろう、五人まとめて前の舞台に引きずり出されて
お尻をぶたれたら、そりゃあたまったものではない。

 「身体検査は身体検査。あなた方をぶったり叩いたりはしない
から安心なさい。今しがた四年生の子たちが始めたところだけど、
あなたたちの番まで少し時間があるから、その間はこれをやって
なさい」

 シスターは、子供たちに薄いレジュメとノート、シャーペン、
消しゴムなどを配り始める。

 「これは何ですか?」
 亜美が思わず口走ってしまい、それで一瞬にして顔を青くする。
 彼女、一言二言口走っただけでお尻を叩かれた子を思い出した
のだ。

 しかし、今度はシスターがそれを見て微笑んだだけ。過激な事
は何も起こらなかった。

 「いいこと、このレジュメの中には聖書の一節が書かれてるの。
これをこちらのノートに心を込めて清書して欲しいの。どのみち
これはあなた方の日課の一つだから毎日やらされることだけど、
今日は手が空いてるから、ここでやってしまいましょう」

 「はい、先生」
 子供たちは五人とも素直に命じられた仕事に取り掛かる。
 こうしてみる限り、この子達が不良娘とはとても思えなかった。

 「字は綺麗にこしたことはないけど、とにかく丁寧に書くこと
が大事よ。乱雑に書かれたノートを提出してもやり直しさせます
からね」
 シスターはそう言って立ち去ってくれた。


 五人は当初こそ真面目にやっていたが、それがそうは長く続く
はずもない。気にしないつもりでいても、どうしても、目の前の
身体検査が気になってしまうのだ。

 というのも、その身体検査というのが自分たちの学校でやって
いるのとは随分と様子が違うからだった。


 身体検査は、各学年ごとにステージへ上がり、他の学年の子は
自分たちの席でバイブルの一節を清書して時を過ごす。

 もちろん、場内は私語厳禁だから観客席は静寂のまま。でも、
それだけに舞台上でのやりとりは遠くの席までもはっきりと聞き
取れる。

 いくら見るな聞くなと言われてもそれは無理。
 むしろ、身体検査の様子をほかの子にも見せたいと思っている
としか考えられない舞台設定だったのである。


 最初は小学四年生のグループ。
 ここに招待された中ではもっとも年下の子たちだ。

 この五人組、係のシスターから背中を押されるようにして舞台
に上がると、院長先生を始めとしてこの修道院のお偉いさんたち
が居並ぶ細長いテーブルの前で、まずは自己紹介しなければなら
ない。

 オーディション会場というか面接会場というか、そんな雰囲気
の中での自己紹介。幼い子にしてみれば、罪など犯さなくても、
間近に大人たちの顔を見ただけで今にも舞い上がってしまいそう
な、そんなスチュエーションでの自己紹介だったのである。

 「(えっ)……広瀬……里香……(えっ)四年生です。学校は
……(えっ)桃園第二小学校」

 里香はこの舞台に上がってきた時から、すでに嗚咽ばかりして
いた。そう、泣いていたのである。
 それはこの場の雰囲気から仕方のないことに思われたのだが…。

 「里香ちゃん、泣くのはもうやめましょう。みっともないわよ」
 院長先生は背筋を伸ばして毅然と言い放つ。

 そして、次の瞬間……
 「いやあ!!」

 一人のシスターが彼女の白いワンピの裾を捲りあげて上半身を
前屈させる。言わずと知れたお尻叩きのポーズ。
 里香は、てっきりお尻をぶたれると思って驚いたのだった。

 ただ、シスターの動きはここまで。里香がお尻をぶたれること
はなかったのである。

 「里香ちゃん、あなたお芝居がとっても上手だけど児童劇団に
でも所属してるの?」

 「いいえ」
 里香の顔が少し怖い。

 「あなたの嘘泣きはとっても上手だけど、ここでは通用しない
わよ。本当に泣いてる時って、お尻を捲られてもあんなに素早く
反応しないものなの。あなたがあんなに素早いのは、泣きながら
こちらの様子を窺ってるから……つまり、嘘泣き。……違う?」

 「えっ!」
 里香の顔が青くなる。

 「きっと、お父様にはそれでうまくいっていたのね。あなたの
お父様は心の広いお方だからあなたの涙を受け入れてくださった
んだと思うけど、私たちは子どもたちをお仕置きするのが仕事だ
もの。嘘泣きなんかに振り回されてる暇はないのよ」

 この言葉は、観客席に座る他の子の心にも同じように響いたと
みえて、それまで泣いていた子もぴったりと泣きやんでしまった
のだった。

 「朝比奈愛美、城南大付属小学校四年生です」

 「須藤美佐江、セントメリー小学校四年生です」

 「小西聡子、西町小学校四年生です」

 「新村真紀、新港小学校四年生です」

 五人のお偉いさんたちの前に並んだ五人の子供たち。彼女達が
簡単な自己紹介をする。それを大人たちは真剣な眼差しで見ていた。

 こんな情報、手元の資料を見ればすむ話であえて自己紹介など
させる必要はない。それをあえてやさせるのは、その子の個性を
事前に知っておくため。

 彼らはいわばお仕置きのプロ。こんなにも些細な情報からでも
その子の人となりを、かなり正確に知ることができたのである。

 それが確認できたところで、再び院長先生が口を開いた。

 「さて、それではこれから身体検査を行いますが、ここからは
今までのような特別扱いはしませんからね」

 「?」
 院長先生の言葉にそれを聞いていた舞台の五人、観客席で聖書
の一節を写している子供たち、そのほとんどが「?」と思った。

 というのも、これまでここで一度も特別扱いなんてされた事が
ない思ったからだ。

 すると……
 「他の学校では身体検査だからと言って裸になることはないと
思いますが、ここでは服を全て脱いでから測定します。あなた方
も今からはここの生徒になるのですから、これからはここの流儀
に従って行動してもらいます。……いいですね?」

 「……………………」

 「ご返事が聞こえませんけど、お口が故障中ならお尻に尋ねて
もいいのよ」

 「えっ……いやだ」
 「だめ……そんなの」
 「ごめんなさい」
 「わかりました」
 「先生のお言いつけに従います」

 「そう、お口は故障してなかったのね。わかりました。では、
まず、そのワンピースから脱ぎなさい。次に、ブラもショーツも
取り去るのです」

 「……………………」
 五人とも院長先生の言葉の意味は理解していた。要するに全裸
になりなさいと言われているのだ。

 しかし、理解はしていたけど、それをすぐに実行できるのか、
というと……。

 そこで、院長先生が……
 「どうしたの?恥ずかしい?」
 と尋ねてみると……五人は正直に頷いてみせた。

 「でも、ココでの身体検査はあなた方の学校で普段やっている
ものより項目が多くて時間がかかるのよ。そのたびに、いちいち
脱ぎ着している暇はないわ。……あら、里香さん。何かしら?」

 里香が恐る恐る手を上げたので院長先生は質問を許した。
 ここでは勝手に口をきくことはできないが、こうやって事前に
手を上げれば目上の人も質問を許可してくれるルールだったのだ。

 「どんな処、計るんですか?」

 「身長や体重、胸囲はもちろんだけど、ここでは乳輪や乳首の
大きさ、それにオシッコの出口や肛門、赤ちゃんが出てくる穴も
事前にちゃんと計っておくのよ」

 院長先生はさらりと言ってのけるが、それって舞台に上がった
チビちゃんでなくても大問題だった。いや、むしろ年長者の方が
それって深刻だったに違いない。

 「ねえ、あれ、……マジじゃないよね」
 清書中の由香里が回りに聞こえないよう小声でそうっと佳苗に
尋ねてみると……答えはあっさりだった。

 「私たちもよ。ここに呼ばれた子は全員、身体に開いてる穴と
いう穴は全部調べられるの。写真だって撮られるわ」

 「写真??……嘘でしょう」
 鳥肌のたつ思いは由香里だけではない。佳苗の答えが聞こえた
周囲の子たち全員が卒倒しそうなほどのショックを受けたのだ。

 佳苗は続ける。
 「院長先生のおっしゃる通りよ。このくらいのこと、ここでは
どうってことないわ。だって、これは自分のサイズを測られてる
だけで痛くも痒くもないんだから。……恥ずかしいなんてすぐに
慣れるわよ。だって、ここは周りじゅうみんな女子だけだもん」

 佳苗は中一グループでは唯一の経験者。昨年初めてここへ連れ
て来られた時は何をするにも怯えていたようだったが、二年目に
なる今年は、どこか達観したようなところを友だちに見せ付けて
余裕の表情をしているのだった。


 一方、舞台の上では院長先生が佳苗と同じようなことを言って
いた。
 「そう、そう、写真も36枚くらい撮るわよ。その一枚一枚で
いちいち脱ぎ着していたら時間だけかかって仕方がないもの。…
…でも、いいでしょう。ここは女の子だけの世界なんだし、恥ず
かしくなんてないはずよ」

 『恥ずかしくないって……私たちだって恥ずかしいわよ!!』
 里香は思うが……それを押さえて、院長先生にはこう尋ねた。

 「あのう……そんなに沢山の場所を計るって……大事なこと…
なんですか?」

 「大事よ。これからお仕置きしていくのに、あなたたちの最初
の姿を正確に控えておけば、お仕置きがすんだ後も、決して無理
なことはいたしておりませんって、お父様にご報告できるもの。
あなた方はあなた方のお父様からの大切な預かり物ですからね、
傷物にしたなんて訴えられてはこちらもたいへんだもの」

 院長先生の誇らしげな態度に、里香は思った……
 『ということは、そんな恥ずかしい処までお仕置きされるのか
しら?』

 しかし里香が抵抗できたのはそこまで。そんな疑問を院長先生
にぶつける勇気までは持ち合わせていなかったのである。

 舞台に上がった女の子達はいずれも10歳前後。総じて規則や
権威に対してはまだ従順な年齢だ。ましてや自分だけ恥ずかしい
思いをするわけじゃない。他の子もお姉さんたちも一緒に検査を
受けるのだから、これはこれで仕方がないかと判断するのが普通
だった。

 つまり、学園の大人たちはまずはやりやすい子たちから始めた
ということになるのかもしれない。

 ところが、そんな矢先、一瞬の隙を突いて舞台の一番端にいた
真紀という赤毛の子が逃げ出す。
 あっという間の出来事。もちろん、先生方にサヨナラの挨拶は
なかった。

 降りてきた階段を一気に駆け上がり、さっき入って来た入口を
今度は出口として目指したのだ。

 まさに脱走。
 ところが、もう少しで出口という処へやって来ても大人たちは
誰一人驚いていない。

 というのも……

 「バカなね、逃げられるわけないじゃない。可哀想な子」
 佳苗が清書する手を休めずにつぶやく。

 講堂の出口はすでに子供たちが入場するとすぐにロックされて
しまい、身体検査が終わるまで誰一人出入りできない。
 真紀だけではない。ここいる子供たちのすべてがすでに袋の鼠
だったのだ。

 真紀は身分の軽いシスターたちと少しだけ鬼ごっこを楽しんだ
だけですぐに元いたグループと合流する。

 「あなた、ずいぶん元気がいいのね。まるで、男の子みたいよ」
 院長先生は余裕綽々。あらためて、親や学校から送られてきた
報告書に目を通す。

 「なるほど……あなたの場合、もともと衝動的に行動する性格
があったのね。休み時間は教室を駆け回り、授業中も脇見が多い。
休み時間が終わっても教室に戻らない。色々ここに書いてあるわ。
きっと同じことを長い時間続けられないものだから今日も飽きて
しまったのね。いいでしょう、では、さっそく始めましょうか」

 院長先生は原因がわかってほっとした笑顔だった。

 この壇上にいるのは院長先生だけではない。これから子供たち
の世話を焼くことになる教育係りや生活担当、規律指導といった
古参シスターたちも細長い机を前にして腰を下ろしている。
 そんな彼女達にしても、脱走を計った子が舞台を走り去る際、
チラリと視線を送っただけ。強張った表情になる人はいなかった。

 10歳の子を相手におたおたしていたら、これから先、中学生
や高校生といった年長の子どもたちに対応できない。そんなこと
のようだった。

 むしろ、脱走者が場内を駆け回っている間も舞台に残っている
子供たちのことを少しでも知っておこうと、誰もが手元の資料と
目の前にいる子供たちの顔をしきりに見比べている。

 そんな手元の資料と自分の顔とを何度も往復している大人たち
の視線の方が幼い子たちにとっては怖かったから彼女たちもまた
逃げた友だちの方へ視線を送る余裕はなかった。


 幼い子供たちは、大勢のシスターや表面上は事務作業に忙しい
お姉様たちの視線を気にしつつも舞台で裸になっていく。

 学園から与えられたばかりの白いワンピースを脱ぎ、ブラ……
といっても彼女たちの場合はまだ胸の辺りが若干広めに作られた
女児用のシャツなのだが、それを脱ぐと自分のオッパイを世間に
晒してしまうため、すぐにエイヤー!とはいかなかった。

 大人の目には生まれた時から何ら変わっていないように見える
オッパイだって女の子にとっては恥ずかしいと感じる身体の一部
なのだ。

 そこで……
 誰か脱いだら自分も……という思いで辺りを窺う。
 すると……
 互いに顔を見合わせ、それっきりになってしまう。
 躊躇が躊躇を生み、子供たちの手が止ってしまったのだ。

 こうした事はよくあることだが、これでは埒が明かないと判断
したのだろう。院長先生が少しだけ渋い顔になった。

 すると、先ほど脱走者を取り押さえた若いシスターたちが5人
ばかり舞台に上がって来て……

 「いやあ~~」
 「だめえ~~」
 「やめて~~」
 「ごめんなさい」
 「エッチ~~いやあ」

 その一瞬は、いきなり下着に手をかけられた少女たちの悲鳴が
講堂内に木霊したが……それも、すぐに静かになる。

 「ビシッ!!」
 院長先生が3フィートもある柳の枝鞭で机を叩いたのだ。

 これは高校生のお姉様用。もっぱら脅かしに使われている鞭だ。
 もちろん、これで小学生のお尻は叩かない。
 子どもたちが、もう抗うことは出来ないと悟ってくれることが
この鞭の使命だったのである。

 「…………」
 これ以上逆らえばどうなるか、想像したくない現実が目の前に
ぶら下がって、子供たちは観念する。

 以後は、手のひらを返したように大人たちの言いつけを従順に
守る天使となったのである。


 身長、体重、視力検査や肺活量といったほかでも行われている
検査に加えて、胸の膨らみ具合や乳輪、乳首のサイズ、はては、
ベッドに仰向けにして両足を上げさせ、女の子の大事な処にある
大淫唇、小陰唇、会陰、膣前庭、ヴァギナ、アヌス、尿道口から
クリトリスに至るまで、二人がかり三人がかりで、ノギスを使い
正確に計測する。

 しかも、そうやって計測された箇所は全て写真に納めるという
徹底ぶりだった。

 もちろん、これには子どもたちへのお仕置きという本来の意味
とはまた違った、別の役割が隠されていたわけだが、もとより、
子供たちがそれに気づくことはなかったのである。

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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