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美 国 園  <1> ガイダンス

           美 国 園

 丹沢の山の中に美国園という学校がある。
 学校といっても開校するのは夏休みだけ。それ以外の時期は、
静かな修道院がそこにあるだけだ。

 山あいの修道院が、夏の間だけちょっぴり賑やかになる。
 広い敷地、緑に囲まれた修道院の一角に、毎年、この時期だけ、
年頃の少女達が集められてくるのだ。

 下は11歳から上は18歳までと年齢幅も広く、これといった
個性や特徴も見られない。学業成績や芸術的センス、運動能力、
容姿やスタイルなど、全てがバラバラの少女達なのだが……ただ、
共通した部分もあった。

 見る人が見ればわかることなのだが、彼女たち、その何気ない
仕草に品性が隠せない。
 実はここに集まる娘たち。普段街中ではお嬢様と呼ばれていた
少女たちなのだ。

 勿論、一口にお嬢様といっても、みんながみんな庶民のお手本
になるほど品行方正というわけではない。ここに集まった娘たち
について言えば、親も手を焼くほどヤンチャな子が多かった。

 そう、ここはお嬢様専用のリフォーム学校。素行に問題のある
少女を修道院のシスターが夏休みの期間だけ預かり更生を目指す
全寮制の施設だったのである。

 もちろん、出来損ないのお嬢様といえど夏休みは家族と過ごす
大切な時間。どの家族でも水入らずでバカンスを楽しむ時期だ。
それを全寮制の施設に入れるのは親としても苦渋の決断だったに
違いない。
 しかしそれほどまでに事態が深刻だったから、親としてもやむ
なしだったのだ。

 少女だちの間で『ゲシュタポ』と呼ばれて恐れられていたこの
施設は、ここに入れられた子の多くが、夏休み後豹変するとして
有名な場所だったのである。

 ここの卒業生たちは、なぜかリフォーム学校での生活について
多くを語らないが、誰しも、その豹変の原因がシスターたちから
毎日毎日頭を撫でられ可愛がられたせいだとは思わないわけで、
ここでの生活が家庭での生活とは比べられないほど過酷だった事
は容易に想像がつくことだった。だからゲシュタポなのである。

 それが証拠に、父親から「今年の夏も美國園に行きなさい」と
命じられると、それだけで家出する子が珍しくなかったのである。

 そこで、親の方も、ここでの夏休みを出発の当日まで娘に伝え
ないのが普通で、中には、睡眠薬を使い自宅ベッドからそのまま
娘を車に乗せて修道院へ送り届けた親やもっと乱暴に他人を雇い
学校からいきなり娘を拉致して修道院へ……なんてのもあった。

 これはそんな猛者たちが集まる更生施設でのお話。静かな環境、
穏やかなシスターたちに囲まれていても、娘たちの日常は、煉獄、
……いや、地獄そのものだったというお話である。

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<1> ガイダンス

 ~ 中一グループ ~
 進藤佳苗(しんどう・かなえ)
 松倉亜美(まつくら・あみ)
 三井由香里(みつい・ゆかり)
 吉田恵子(よしだ・けいこ)
 木島弥生(きじま・やよい)

~ 修道院のシスターたち ~
 エリザベス・サトウ<院長先生>
 小林・樹理(こばやし・じゅり)<鞭・担当>
 湯浅・良子(ゆあさ・りょうこ)<浣腸・担当>
 日下部・秀子(くさかべ・ひでこ)<お灸・担当>

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 美国園の入園式は毎年7月25日。
 当時の学校はこの日が一学期の終業式と決められていたから、
リフォーム学校の美国園もそれに合わせて開校する。

 終業式と入園式が同日なのは、午前中それぞれの学校で終業式
を終えた娘たちが通知表を貰って校門を出ると、そこにいきなり
手配されたハイヤー待ち構えていて、依頼者を乗せるとそのまま
丹沢の山中へ連れて行ってくれるからだ。

 「ねえ、佳苗。急いでどこに行くの?」

 佳苗がハイヤーに乗り込もうとする瞬間、友だちが問いかける。
女の子たちはこうした情報に敏感で、すでに佳苗の行く先を知り、
からかっているのだ。

 「丹沢よ。去年も行って飽き飽きしたけど、うちはそこにしか
別荘がないから仕方がないわ。……あなたたちも、一緒に来る?
ご招待するわよ」

 対する佳苗も思いっきりの作り笑いで切り替えす。
 もちろん軽いジョーク。でも、悲しいジョークだった。

 1学期が押し詰まり、親や教師の態度からこうなることは佳苗
も薄々感じていた。
 そこで逃げ出す算段も色々と考えてはみたが、後々のことまで
考えると、中一の彼女にそこまでの決断はできなかったのである。

 昨年は手配された車に佳苗がなかなか乗り込めず、大男が二人
がかりで背中を押し込んで、拉致まがいに丹沢へ出発した。
 それに比べれば今年は友だちとジョークも言えたからスムーズ
だったが、もちろん、両親への挨拶はなかった。

 ハイヤーが東名高速を失踪するなか、佳苗の脳裏に、昨年の夏、
美国園で起こった様々な出来事が走馬灯のように駆け巡る。
 いずれも辛い経験ばかり。その一つ一つが思い出されるたびに
彼女は足をすくませ、太股をしっかり閉じるのだった。


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 修道院に着くと、その中庭に同じ年頃の子が何人もたむろして
いた。

 全員が学校の制服をきているが、持ち物は通知表を入れる薄い
カバンくらいなもの。もちろん着替えなどは持ち込んでいない。
 そもそもここではそんな物いらなかったのである。

 やがて、予定人数がこの庭に集まっていることを確認すると、
突然、建物の中から一斉に二十人ものシスターが現れる。

 『何事?』と戸惑う女の子たちを前に、一人のシスターがこう
指示を出した。

 「さあ、みなさん、これから講堂でこれから先の日程やあなた
たちの生活についてガイダンスを行いますから、まずは、今、着
ている服を全て脱いでください」

 シスターの指示に動揺する子供たち。

 「え~~どうしてよ~~ガイダンスを受けるのと服を脱ぐのと
何の関係もないじゃない」
 一人の生徒が不満を口にする。

 それは、至極当然に思えるのだが……。
 女生徒の疑問にシスターたちは言葉では答えなかった。

 その疑問をぶつけた子の身体が、ひときわ屈強な身体に見える
シスター二人によって押さえつけられるとスカート裾が捲られる。
 まさに電光石火の早業だった。
 ひょっとしたら、あまりに一瞬の出来事でその子も恥ずかしい
と感じる間がなかったかもしれない。

 「ピシッ」
 
 「痛い!」
 その子が初めて声を上げたのは、シスター二人がかりで押さえ
つけられたお尻に、三人目のシスターが革紐鞭を思いっきり振り
下ろした直後だった。

 「この修道院は私語厳禁です。ここへ来る途中、乗ってきた車
で運転手さんから説明を受けませんでしたか?」

 「えっ?……あっ、……はい」

 「分かったら、以後は慎みなさい。次はこれくらいではすみま
せんよ。当、修道院では、地位のある年長者や諸先輩方に対して
目下の者が自分から口をきくことが許されていません」

 「はい……あ、いえ……ただ、私は……ちょっと質問を……」
 恐る恐る抗弁してみるが……

 「それもできません。質問も私語の一つです。あなたは新参者
ですから私たちの言う通りに行動すればそれでいいのです。それ
以外は何も求められていませんから」
 木で鼻をくくったような、高圧的な態度。

 「……そんなあ」
 小さな声が前かがみになったために長い髪で隠れてしまった顔
から聞こえて来る。彼女は依然としてパンツ丸出しだった。

 「あなた方に欠けているのは、どんな命令にも従順に従う素直
な心とどんな事にも耐え忍ぶ忍耐力です。それがないからここで
それを学ぶことになったんです。いいですか、あなた方が使って
いい言葉は三つだけ。…『はい、院長先生』…『はい、シスター』
…『はい、お姉様』……これ以外の言葉は忘れてしまって結構よ。
それが何よりあなたのためでもあるわ。分かりましたか?」

 「…………」

 答えが返って来ないとみるや、シスターの言葉が一段強くなる。
 「分かりましたか!!」

 「はい、シスター」
 弥生はこう言うしかなかった。
 でなければ、いつまでもこの姿勢を取らされかねないと悟った
からだ。

 当然、この様子は他の子たちも見ていた。
 修道院の厳しい戒律を世間知らずの小娘に教えるには本人だけ
でなくほかの子にもそれを見せておかなければならない。
 一罰百戒。それも最初が肝心だとシスターは経験の中で知って
いたのだった。


 このことがあって、娘たちは澄み切った青空のもと自分たちの
制服を次々に脱いでいく。与えられた私物入れの大きな袋の中に
着ている服を脱いで納めていくのだ。
 しかし、その手はすぐに止まる。ブラウスにまでは及ばかった。

 自分のブラウスに、一瞬、手を掛けつつも相手の様子を窺い、
結局はその手を離してしまう。

 すると、ここでも弥生が犠牲になった。
 弥生も事情は同じ。女の子たちがブラウスから手を離している
のを見ると自分もそれから先へは進まないのだ。

 すると、シスターはまたもや二人の配下に命じて弥生の身体を
拘束する。
 そして『ブラウスはこうして脱ぐのよ』とお手本を示すのだ。

 ジュニアブラとショーツだけの華奢な身体。
 それはシスターが当初から望んでいた姿だ。

 「中学の子、こっちへいらっしゃい。こちらから、中一、中二、
中三って並んでグループになります」
 「小学生はこちらですよ。四年生の子はこちら。五年生の子は
この辺に集まって、六年生はここでいいわ。みんな仲良くします」
 「高校生たちはこちらですよ。こちらから高一、高二、高三で
一列に並びます」
 シスターが各学年ごとに生徒を振り分ける。

 彼女たちは、本来、地元では札付きの少女たち。学校での朝礼
でもこれほどおとなしく大人たちの指示に従ったりはしないはず
だが見知らぬ土地でいきなり見せられた鞭打ちが効果を発揮した
ようだった。

 「それでは、講堂の方へ行きましょうか」
 さきほど、弥生のお尻に鞭を一撃与えた上級シスターが先頭と
なり、各学年5人ずつ、合計45人の少女たちを先導して、講堂
へと案内する。

 修道院のエンブレムが掘られた大きく開いた鉄の扉。
 少女たちにとっては、この黒い扉の先がまさに地獄だったので
ある。

=========================

 三國園の講堂は入口を入るといきなり下り階段がなっていて、
座席はその下り階段の一段一段に平行して設置してある。全体が
すり鉢状になった構造のため、階段を下りきった最底部が舞台と
なる。生徒たちにとってその舞台は見上げるのではなく覗き込む
といったかたちになるのだった。

 このように生徒が覗き込んで見学するこの方式は、手元までが
はっきり見える為、昔は解剖学など技能実習を伴うような教室で
よく使用されていた。
 ここで技能実習は行われないものの趣旨は同じようなもので、
院長先生はあることを生徒たちの心に焼き付けたいと願い、この
ような方式を採用したのである。


 そのすり鉢型の講堂に生徒たちが入ってくる。
 小学生、中学生、高校生、それぞれに担当のシスターがいて、
子供たちは予定された座席に腰を下ろす。

 身体の大きさから、舞台に一番近い場所が小学生、その後ろが
中学生、一番遠い場所が高校生となったが、ここは大きな劇場で
はない。たとえ一番後ろの席でも舞台までの距離は遠くない。
 そこで、どの席から見ていても、今、舞台で、何が起きている
のか、手に取るようにわかった。また、舞台から見ていても着席
した生徒たちがブラとショーツ姿なのが丸見えだったのである。

 いくら夏とはいえ炎天下のお庭とは違い地下室になった講堂は
裸でいては寒い。そこを修道院側も感じてのことだろう、生徒達
にはさっそく白いワンピースが配られた。

 ただ、それは普段彼女たちが着ている仕立て屋の仮縫いを経て
手元に届く注文服ではない。大まかなサイズだけが合っていれば
それでよいという、いわば吊るしの既製服。生地は綿でレースの
飾りもない。ただ暑さ寒さと恥ずかしさをしのぐだけのこの服は
お嬢様にしてみたら囚人服と何ら変わらなかった。

 ただ、今の身の上を考えると裸よりはまだマシと思うほかない。
しかも先ほどは、お庭でお友だちのあんな姿を見せられたばかり。
巷では札付きと呼ばれる少女たちも、ご挨拶で演壇に立った院長
先生に向かって野次を飛ばす勇気までは出ない様子だった。

 「みなさん、こんにちわ。私がこの修道院の院長、エリザベス・
サトウです。みなさんの中には、昨年もここへ来たので、私の顔
なんて二度と見たくないと思う人もいるでしょうけど、反対に、
終業式の日に突然、車でここに連れて来られて、何が何だか理解
できずに戸惑ってる人も多いのではないでしょうか。……そこで、
いちおう説明しておきますと……みなさんにとっては大変残念な
ことなんですが……ここにいるみなさんは、全員が、お父様から
一学期の成績や素行がよろしくないということで、罰を受けた方
ばかりなんです。もちろんお仕置きは、本来、お父様がご自身で
なさるものですが、お父様は私たちを頼られました。『何とか、
娘を救って欲しい』どのお父様も真剣に私に訴えかけられます。
そこで、やむなくお父様の切なる願いを受けて、本来お父様から
受けるべき罰を、この私が、お父様に代わってあなた方に授ける
というわけです。……という事は、……ここでのお仕置きは全て
あなた方のお父様からのもの。お父様が家でなさるお仕置きと、
同じ試練なのです。ですから、ここで行われるお仕置きは虐待や
虐めではありません。むしろ、これはお父様の愛の証しなのです。
ですから、あなたも私たちからのお仕置きを心して受けなければ
なりません。……いいですね!」

 院長先生は、ここで一度聴衆を見回す。
 すると小学生はおどおど。泣き出す子もいる。中学生になると
呆気に取られ、しょんぼり。高校生は何か言いたげに白けた顔を
している子がほとんどだった。

 しかし、こうした光景もここでは例年通りだ。
 そこで院長先生はガイダンスをこう続けたのだが……。

 「期間は6週間。ちょっと長いように感じるかもしれませんが
……」
 そこまでしゃべった時だ。

 「え~~6週間って、それじゃあ夏休み全部ってことじゃない
ですか。そんなの人権蹂躙ですよ」
 突然、演壇に向かって誰かが叫ぶ。
 その声は中学生グループの中からあがったようだった。

 おそらく、彼女だってお庭での一件は見ていたはず。だから、
自重できたはずだったが……

 『どっちにしても、この修道院は日本にあるのだから……』

 彼女の悲劇は、この修道院の敷地内で日本の常識が通用すると
信じてしまったことだったのである。

 「シスター樹理、あなた、この子達にうちでの規則は説明しま
したか?」
 院長先生はまず傍らに控えるシスターに尋ねる。

 当然、答えは……
 「はい、院長先生。さきほどお庭で全員に伝えました」

 「そうですか」
 シスターの言葉を受けて院長先生は、ただそれだけ言っただけ
だったのだが……

 たちまち、身分の低い二人のシスターが、野次を飛ばした子の
座る椅子へ直行。まだ子ども子どもした少女が両脇を抱えられる。
少女は抵抗したが、まるで牛蒡でも引き抜くようにその子のお尻
を座席から離すのにそう多くの時間は掛からなかった。

 「えっ、何なの……」
 身体をごぼう抜きにされた少女は事態の急変に驚き青ざめたが、
彼女をごぼう抜きにしたシスター二人はというと、少女がどんな
に口汚い罵声を浴びせても、顔色一つ変えず、また何一つ言葉を
発しなかったのである。

 そして、少女は無言のまま舞台へと連行されていく。

 客席とは極端に違う明るい照明のもと、犯人が引っ立てられて
来る。しかし、やる事はお庭での出来事と同じだった。

 「いやあ~~」

 前か屈みにされたところで恥ずかしさはさほど変わらないはず
だが、その瞬間、鞭の恐怖が頭の隅をよぎったのだろう、思わず
悲鳴を上げてしまう。

 すると、それまでただただ状況を見守っていた院長先生が一言。
 「ここでは悲鳴も私語も一つとしてカウントしますから、騒げ
ばそれだけ鞭の数が増えますよ」
 と注意。

 その言葉どおり、二人のシスターに体を前屈みの姿勢のままで
がっちりと押さえつけられた少女のお尻にゴムの鞭が飛ぶ。

 「ピシッ」
 「……(ひっ)……」

 「ピシッ」
 「……(ひっ)……」

 立て続けに二回、かなり思い切った勢いでゴムの鞭がまだ幼い
少女のお尻にヒットする。

 おそらく、院長先生の言葉が彼女の耳にも聞こえたのだろう。
決して楽に受けられる痛みではなかったが、少女はそれを必死に
我慢した。

 そして、その痛みが幾分治まった頃、自分のお尻が他の子たち
から丸見えだとわかって、顔を赤らめたのだった。
 それほど、ぶたれた彼女にとっても、それを見ていた他の友達
にしても、それはあっという間の出来事だったのである。 


 二発の懲戒が終わり演壇に戻ってきた院長先生は目を丸くして
舞台を見つめる少女たちに向かって、こう語りかけたのである。

 「みなさん、みなさんは野蛮人ではありませんから、世の中で
何がよいことで何が悪いことなのか、何をしてはいけないのか、
何をしなければならないのかは知っています。学校のテストで、
それを問われたらきっと満点でしょう。でも、実際にはできない。
できなかった。それはなぜでしょう?どんなに知識が豊富でも、
言葉使いが巧みでも、それで欲望や悪心といった心を制御できる
わけではありません。では、これまでは何があなた方の悪い行い
を制御してきたのでしょうか。それは、親御さんたちがあなた達
に与えた愛の鞭あってのことなのです。悪心が芽生えるたびに、
鞭の痛みが、やめなければいけないという気持を起こさせてきた
のです。ところが、人間は知恵がついてくると、その知恵を自分
勝手に解釈して邪悪で自堕落な行いを正当化しようと試みます。
ここでは、それを避ける為に日常会話を制限するのです。勿論、
それだけではありません。かつて親御さんたちがなさったような
訓練を行います。お尻への痛みと恥ずかしさをたっぷり体の中に
染み込ませて、悪心が心を支配する前に、やめようという気持を
起こさせるのです。6週間というのは長く感じられるかもしれま
せんが、長い人生の中にあっては、むしろ短い時間です。決して
無駄な時間にはなりませんから私たちと一緒に頑張りましょう」

 ガイダンスの終わりにまばらだが拍手が起こった。
 きっと、こういう時には拍手をするものだと教えられているの
だろう。もちろん院長先生の言葉が小学生にどれほど理解できた
かは疑問だし、この拍手だって、本心とは関係ないんだろうが、
ここに集まった少女たちは、どの子も良家の子女ばかり、野良猫
と同じように収容先に着いたらいきなり折檻というわけにもいか
なかった。

 「……次は、身体検査ね」
 院長先生はそう言って演壇を降りたのだった。


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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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