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§8 <天使の庭で>

§8 <天使の庭で>

 5mも離れた場所ですから、何もかもが見えたわけではありま
せん。でも、ママは私たちが出来る限り見やすいように茜ちゃんの
お尻をこちらへ向けて叩いていますし、時折そのお尻の割れ目その
ものを押し広げたりもしてくれましますから目の保養には充分で
した。
 ただ、茜ちゃんにとってのお仕置きはこれだけではありません。
 スパンキングが終わると、自ら素っ裸になって、マリア様の像の
前に膝ま付き胸の前で両手を組んで懺悔します。
 乙女の祈りと呼ばれるこのポーズは亀山の少女たちが今の純潔を
示す大事な儀式。ちょっとでも不遜な態度が見られれば、再びママ
の膝の上に戻らなければなりませんから顔も自然と真剣になります。
 まずはママに……
「私は、昨日、宿題をサボったので朝のテストで落第点を取ってし
まいました。これからは決して怠けませんから、どうぞお仕置きを
お願いします」
 と懺悔して……でも、それで終わりではありません。茜ちゃんは
噴水脇の木戸をママに開けてもらうと、それまで何食わぬ顔でベン
チに腰を下ろしていた私たちの処へとやって来るのでした。
 「私は、昨日、宿題をサボったので朝のテストで落第点を取って
しまいました。これからは決して怠けませんから、どうぞお仕置き
をお願いします」
 茜ちゃんはさっそく最も近くにいたおじ様の足元に膝まづくと
振り絞るような声で懺悔をしてからトォーズを両手で頭の上に捧げ
ます。
 もちろん、これが茜ちゃんの真心というわけはありませんが、
ママがすぐ後ろに立って監視していますからどの道茜ちゃんに逃げ
道はありません。この難儀を逃れるためにはママに言われた通り
やるしかありませんでした。
 時代かがった形式美、型どおりの懺悔。でも大人たちにはすべて
を飲み込んでもなお、嬉しいものなのです。
 まだ小さく幼い顔が小刻みに震えているのがわかると思わず抱き
しめたくなります。そんな思いはどのおじ様たちもみなさん同じで
した。
 自らの足元で子犬のように震える茜ちゃんを見たおじ様は、……
いえ、この場合はあえて『お父様』と言った方がいいかもしれま
せん……茜ちゃんに怖い顔などしません。
 「おや、おや、これでぶつのかい?」
 両手でうやうやしく差し出されたトォーズを笑顔で取上げたお父
様は懺悔のポーズのままに固まっている茜ちゃんの両脇に手を入れ
て持ち上げると、お互い顔が見合わせる形で抱っこします。
 もちろん、茜ちゃんだってこれが初めての経験ではありません
から、おじ様はぶたないだろうとは思っているのですが、子どもに
とって大人はみんなキングコングのような大男。こんな大きな顔を
間近に見て恐怖しない子はいませんでした。その唇は青ざめ、唇と
言わず顔と言わず、その全身が小刻みに震えているのが分かります。
 でも、こんなにも恐怖におののく少女の顔を見て、さらに何か意
地悪でも…なんて考える冷血人間は亀山にはいません。むしろ、
こんなにも可哀想な少女を今こうして抱いてやれるのがお父様たち
にとっては無性に嬉しかったのでした。
 「お尻はまだ、痛いか?」
 「は、はい、ちょっと……」
 「大丈夫だ、すぐに治るよ。ママはそんなに強く叩いてないもの
…」
 「あれで?」
 「そう、あれでだ。もし中学生のお姉ちゃまと同じようにぶった
ら、お尻が痛くて私のお膝ににこうして穏やかに座ってお話なんか
できないぞ」
 高遠(たかとう)のお父様は悪戯っぽく茜ちゃんのお尻にご自分
の右手を滑り込ませます。
 「ふうん」
 「茜ちゃんは、まだまだ、赤ちゃんだからね、そんなに強いお尻
叩きなんて…されることはないんだ」
 高遠のお父様は滑り込ませた右手で茜ちゃんのお尻を少し揉んで
いるようでしたが、茜ちゃんが声を上げることはありませんでした。
 「そんなことないよ。おじ様はママのお仕置きを受けたことない
から分からないのよ。もの凄く痛くて泣いちゃうんだから」
 「はははは(^◇^)…それは仕方がないよ。だって、お仕置きだ
もの。笑ってすませられたらお仕置きじゃないだろう」
 「そりゃそうだけど……」
 「そんなお仕置きを受けない為にも次はちゃんと課題をこなして
から学校に行かなきゃだめだよ。茜ちゃん一人がやってこないだけ
でもみんなが迷惑するからね」
 「どうして?」
 「だって、一人でも分からない子がいたら先生は次の単元に行け
ないじゃないか。茜ちゃん一人の為に他の子も同じお勉強しなきゃ
いけなくなっちゃうだろう。そんなことが続いたら、みんなきっと
待ちくたびれちゃうよ。みんなと一緒にお勉強できないと仲間はず
れになっちゃうよ。仲間はずれになっちゃったら、茜ちゃんだって
楽しくないだろう」
 「そうかあ~~」
 「おそらく、昨夜はやってみたら一回だけ満点だったんだろう。
でも、テストでうかるためには少なくとも三回続けて満点が取れる
ようにしておかないと翌日は忘れてしまうからね。ママだってこれ
まではそうしてたはずだよ」
 「そう、三回じゃないよ。五回も続けて満点じゃないとOKして
くれないんだから。寝かしてくれなかったの」
 「おおかたそんなことだろうと思った。そんな大事な約束を破っ
て、このくらいやっておけばいいだろうって勝手に決めちゃうから
叱られちゃうのさ」
 「そうかあ~~」
 「ほら、わかったらお尻をぶってあげるからしっかり我慢するん
だぞ」
 高遠さんはそう言うと、茜ちゃんをご自分の膝の上にうつ伏せに
して、短いスカートを巻く利上げ、パンツの上から短めのトォーズ
で三回ほど叩いた。
 すでに温まったお尻だから優しく軽く叩いてもそれなりに衝撃は
あったはずだが……
 「ありがとうございました」
 茜ちゃんはお礼を言うと次のベンチへと向かう。
 事情はどこでも同じ。膝の上に抱き上げてもらい、お説教と言う
か、雑談をして、最後はお膝にうつ伏せになってトォーズ三回のお
仕置き。もちろん、強く叩く人など誰もいなかった。というのも、
これはそもそもぶつことが目的なのではなく、おじ様たちのお膝の
上でパンツ丸出しになる屈辱がお仕置きだったから。
 一方、おじ様たちにすれば、ものの数分、茜ちゃんを膝の上に抱
き、赤いほっぺを頬ずりしたり、肩まである髪を撫でたり、お尻を
よしよし、背中をトントン、両手の指を揉み揉みして心ゆくまで
11歳の少女を愛撫できる……それが幸せだった。
 もちろん、一口におじ様といっても親密度はそれぞれに違うわけ
で、あまり親しくない人の場合は緊張するだろうが、亀山の子は
よく仕付けられていて誰に抱かれても嫌な素振りは決して見せない。
 だから以前から親しくしているおじ様に出会うと茜ちゃんは膝の
上でまるで甘えているようにみえた。
 そして、そんな親しいおじ様に限って、茜ちゃんはほんのちょっ
ぴりだがほかのおじ様たちよりより強い形でトォーズの痛みをもら
うことになるのである。
 こんなことだから、お仕置きにも結構な時間がかかるのだが亀山
では授業といわずこのお仕置きといわず学校があまり時間の観念に
縛られていなかった。
 朝の八時半に登校してから午後四時にお風呂や夕食で家に帰るま
で、決められているのは国語と算数と昼食ぐらいなもので、あとは
その時の気分しだい。理科や社会が写生大会になったり映画鑑賞会
になったり家庭科がドッヂボールになったりなんてのは日常茶飯事
で、逆においたをしたり怠けたり、先生に注意されても反省しない
子がいると、お仕置きも一日をかけてやられたりする。
 ここではすべての時間がゆったりと流れている感じなのだ。
 『こんなことしていて大丈夫なのか?』
 当初は本気で心配してしまうような学校生活だった。
 ただ14歳になってからは生活がガラリと一変する。自由な雰囲
気が勉強中心の生活になっていくのだ。特に、山を下りて寮で過ご
す高校の三年間は、男女別個の缶詰状態で恋もできない。可哀想な
青春時代だ。ただ、その分学力はの方は一気に伸びていくから特に
男の子などはそこそこ名のある大学へ次々と受かってしまうので
ある。
 そして18歳になると彼らは念願の実母に会うことができる。
 もちろん、色んな事情から会いにこない母親もいるし、亡くなっ
た親だっているから全員が生みの母に会えるわけではないのだが、
多くはこのタイミングで実の親と会うことになるのだ。
 ただ、再会した親が子どもを引き取るケースは少なく、親の事情
もあるだろうが、子どもの方も物心つく前からの亀山暮らし、突然
現れた肉親より親しみのある義兄弟との生活を選ぶことの方が多かっ
た。
 話が急にそれてしまったが、茜ちゃんはどのおじ様たちともたっ
ぷり時間をかけて親しげに会話しては最後に形ばかりの鞭をもらっ
て次から次へと大人たちを渡り歩いている。
 そして、ついに私の処へもやってきたのだが私は困ってしまった。
 「すみません、先生。私、どんなこと話たらいいでしょうか?
実は、私、この子と初対面なもので……」
 私は恥を忍んで茜ちゃんの後ろに立つ先生(ママ)に尋ねてみた。
 すると先生が……
 「いいんですよ。どんなお話でも、そんなことに何の制約もあり
ませんわ」
 そこで、とりあえず膝の上に上げてみると……
 茜ちゃんは他のおじ様たち同様、私にも屈託のない笑顔を息が掛
かるほど間近で見せてくれるのである。そして……
 「ねえ、おじ様、連立方程式ってわかる?」
 と、いきなり妙な質問をしてきたのである。
 「えっ?……まあ、簡単なものなら……」
 予想だにしない質問にどぎまぎしていると……
 「だったら、教えて」
 とさらに満面の笑み。
 「いいけど、ここにはノートも鉛筆もないよ」
 私がこう言うと、茜ちゃんは一瞬で私の膝の上から飛び降り…
 「じゃあ、持ってくる」
 こう言って脱兎のごとく学校の建物の中へと消えていったので
ある。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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