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 「お菓子の家」編 ~4~

♔♕♖♗♘♙♚ 「お菓子の家」編 ~4~ ♔♕♖♗♘♙♚

 魔法使いのお婆さんからすると、グレーテルにはまだまだ女の子
としての修行が足りないということになります。でも、あまり長い
間こうしていては身体を壊してしまいますから、グレーテルのお尻
の栓を抜いてやることにしました。

 「パチン」
 小さな音がしました。

 お婆さんがやったのは指を一つ鳴らしただけ。たったそれだけで
グレーテルのお尻に刺さっていた栓がどこへ消えてしまいました。

 ま、お婆さんは魔法使いですからね、そのくらいは朝飯前なんで
す。

 ただ、グレーテルの方は……お腹は楽になりましたが……

 「いやん、いや、いやあ~~ん」
 突然泣き出します。

 「どうした、グレーテル。待ちきれなかったか?さもあろうなあ」

 自分でやっておいてお婆さんは慌てます。そして、ぐるぐる鳴る
グレーテルのお腹の音を聞きながら同情もしてくれました。
 でも、グレーテルにしてみればこんなところで同情されても何の
役にもたちません。

 「だめえ~~~出ちゃう、出ちゃう、止めて、止めてよ」

 グレーテルは小さく地団駄を踏んで泣き続けますが、一度堰を切
ったものを押し留めることはできません。
 そこは魔法使いのお婆さん、冷静でした。

 「もういいから、全部出すんじゃ。今さらお腹に残しておいても
何の役にもたたんぞ」

 お婆さんは手に持った杖をグレーテルの下腹にあてると、得意の
魔法で……

 「どうじゃ、これでお腹が楽になったじゃろう」

 確かにお腹は楽になりましたが、その分グレーテルのお尻は重く
なります。

 「いやあ、触らないで」

 グレーテルはピロリーから解放してあげようとしたコビトたちを
怒鳴り散らします。

 驚いたコビトたちは一瞬たじろぎますが、やっぱり無駄でした。
これまでも何一つ抵抗できなかったグレーテル。今だってやっぱり
コビトたちのやることには何一つ逆らえないのです。

 「大丈夫じゃ、安心せい。お前のばばっちい尻を洗ってやろうと
いうだけのことじゃ。任せておけ」

 お婆さんはこう言います。いえ、それ自体、嘘ではありませんが
……

 「いやあ~~~やめて~~~はなしてよ~~~」

 コビトたちがグレーテルを表の井戸に連れ出したあと、暫くして、
再びグレーテルの甲高い悲鳴が聞こえ始めます。

 「やめてえ、だめえ~~、触らないで、自分でやる、自分でやる
んだからあ~~~」

 グレーテルは訴え続けますが、願いが叶えられることはありませ
んでした。

 「ヘンゼル、ついておいで。赤ずきんちゃんもおいで」

 魔法使いのお婆さんはグレーテルとコビトたちが部屋を出てから
しばらくして子供達二人と共に表の井戸へとやって来ます。
 すると……

 「いやあ~~見ないで~~ヘンゼル帰りなさいよ~~帰って」

 一行はいきなり少女の甲高い悲鳴というか非難を浴びます。そこ
には井戸の高い梁に両手を縛られ吊し上げられた裸のグレーテルが
……。

 「ヘンゼル、ダメだと言ってるでしょう。帰りなさいよ」

 グレーテルの受難はそれだけではありませんでした。両手だけで
なく、両足首もまた1m程の棒の両端に縛りつけられているのです。
つまり、かなり大きく両足を広げさせられた格好で大の字になって
いるわけです。

 「ほれ、ほれ、騒ぐでないわ。お前が暴れるからじゃ。せっかく
コビトさんたちがお前の汚れた尻を洗ってくれているというのに…
…お前は感謝せねばならんのだぞ」

 「いやあ、だめえ~~こんなの自分でやるんだから~~下ろして
え、下ろしてよ~~」

 グレーテルは訴えかけますが、もとよりそんな我が儘が通るはず
もありませんでした。

 冷たい井戸の水が何杯もグレーテルのお尻に掛かり、コビトたち
が献身的に彼女のお尻を拭き上げます。
 でも、そこってグレーテルにとってはとっても微妙な場所だった
ので……

 「いやあん、いいからそんな処触らないで……だめえ~~エッチ、
野蛮人、恥知らず、触るな~~~」

 グレーテルは全身を震わせ相変わらず意気軒昂です。とてもさっ
きまでは意気消沈して力無く虚空を睨んでいた女の子とは思えない
変身ぶりでした。

 「まったく、しょうのないやつだ。野蛮人はお前じゃろうが……
そんな大きな声を出しよってからに………グリムの子はお仕置きを
感謝の気持で受けなければならないという約束を忘れたのか」

 「そんなこといっても……」
 グレーテルは口惜しそうに口を尖らせます。

 「あんまり騒がしいようならその口を塞いでやる……」

 お婆さんがこう言ってほんの数秒、どこから現れたのか、柳の枝
鞭を口に銜えたツバメが急降下、グレーテルのお尻を……

 「ピシッ」

 「痛~~い」
 グレーテルは思わず両手でお尻をおさえたくなりましたが、あい
にく両方とも大きな梁に引っ掛かっています。

 痛みがひく間もなく大空で宙返りしたツバメが再び襲来。

 「ピシッ」

 「いやあ~~ん」

 そしてもう一つ……
 「ピシッ」

 「いやあん、もうぶたないで……ごめんなさい、静かにするから」

 「何じゃ、もう降参か?…そんなに早く白旗をあげるくらいなら
おとなしくしておればよさそうなものを……何かと文句を言う奴に
限って信念はないもんじゃのう」

 ツバメは去っていき、グレーテルの降伏は聞き入れられましたが、
でも、それからはグレーテルと赤ずきんちゃんの出番でした。
 二人はお婆さんに教えられた通りに柳の鞭をグレーテルのお尻に
お見舞いします。

 「ピシッ」
 「いやあ、だめよ。やめてよ」

 「ピシッ」
 「だめえ~~おばあちゃん、やめさせてよ~~~」

 二人の動きはぎこちなく、力だってそんなに入っていませんから、
ツバメさんよりはるかに凌ぎやすいはずなのですが、恥ずかしさの
方はまた別で、グレーテルにとってはこの二人に叩かれている方が
人一倍恥ずかしかったのでした。

 「どうだヘンゼル、グレーテルのお尻が赤くなるのは面白いか?」
 お婆さんの問いに赤ずきんちゃんが…
 「おもしろいよ」
 と答えましたが、気の弱いヘンゼルは少し遅れて…
 「ねえ、グレーテル泣いてるよ」
 と心配そうです。

 でも、お婆さんはそんなヘンゼルにこう言うのでした。
 「いいか、おなごはな、最初が肝心なんじゃ。最初に『こいつは
御しやすそうじゃ』なんて思うとどんどんつけ込んでくる。反対に
手強いなと思えば猫のようにおとなしく従う。だから、こうしてな、
最初に屈服させるのが一番なんじゃ」

 お婆さんはヘンゼルから柳の鞭を取り上げるとグレーテルのお尻
を一閃します。

 「ぎゃあ~~」

 グレーテルはこの井戸へ来て最も大きな声を上げました。それは
もちろんここへ来て最も痛い思いをしたからでした。

 「いやあ~~、やめて~~、お願い~~~、もうしませんから~」
 グレーテルは必死に哀願します。でも、12回打ち終わるまで、
魔法使いのお婆さんはやめてはくれませんでした。

 そして、ようやくおさまったかと思うと、今度はヘンゼルに鞭を
渡して……。
 「ほれ、もう一度やってみい。今なら小鳥はよい声でなくぞ」

 柳の鞭を与えられたヘンゼルは、再びグレーテルのお尻に挑み
ます。

 「ピシッ」

 「いやあ~やめてえ~~」
 グレーテルは大声で叫びます。

 いえ、ヘンゼルの振るった鞭が先ほどより強かったという訳では
ありません。お婆さんが先ほど付けた傷の上に再び鞭が飛んできた
ものですから先ほどとは事情が違っていたのです。

 でも、そんなことヘンゼルには分かりませんから……

 「ピシッ」
 「やめなさいよ。だめだって言ってるでしょう」
 ヘンゼルはグレーテルの泣き声を自分が作り出している事に満足
した様子でした。ですから、もう一度やってみたくなりました。
 今度はもっと思い切って……

 「ピシッ」
 「いやあ~~~」
 ヘンゼルは生まれて初めてグレーテルへの優越感で笑います。

 「どうじゃ、気分がいいじんゃろう。男はおなごを従えて生きる
もんじゃ。そのためにその鞭は役にたつんじゃぞ」
 お婆さんの励ましに、しかし、ヘンゼルはすぐに不安そうな顔に
なります。

 「でも、グレーテルは嫌がってるよ」
 「大丈夫じゃ。お前があとで優しくしてやればそれでよい。おな
ごは与えられた処で賢く暮らすようにできておるからな。たとえ、
それがお前の鞭の下であっても自分で楽しみが見つけられるんじ
ゃよ」

 魔法使いのお婆さんは静かにヘンデルから柳の鞭を取り上げる
と、今度はグレーテルに向かってはこう言うのでした。

 「少しは応えたか。おなごは自分では稼がん。だから、相手から
色んなものを引き出してなんぼのもんじゃがな。しかし、それは、
相手をたててやるものよ。相手を不幸にしてはいかんのじゃ。相手
が御しやすいからと、何でもかんでも自分のものにしようとすると、
大きなしっぺ返しを食う。利口なお前さんなどは特に要注意じゃ」

 お婆さんはそう言って立ち去りかけましたが、思い出したように
振り返り……
 「コビトさんたちや。すまんが、もう一度この子の身体を洗って
くださらんか。どうもしょんべん臭くてかなわんわ」

 グレーテルはヘンゼルの意外なほどの力強さに、再びその場で
お漏らしをしてしまったのでした。

 「おばば、この子にもう一度、浣腸をかけてみるかね」
 心配したコビトのリーダーが声をかけますが…

 「それはもういいじゃろう。そいつは、大方さっきの浣腸の残り
じゃろうから、もう焼き鏝を入れても粗相することはあるまいよ」

 お婆さんの口からふいに出た言葉。でもそれはグレーテルにとっ
ては容易ならざることだったのです。

 「(ヤキゴテ?……えっ、焼き鏝!(○_○))焼き鏝だめ、いやよ、
焼き鏝なんて絶対いや。そんなことしたらママがきっと悲しむわ。
だってそんなことされたら……あたし、お嫁に行けなくなっちゃう
じゃない」

 グレーテルは一瞬考えて、それが何か分かると、必死に訴えかけ
ます。でもお婆さんの方は、さして気にとめる様子もありませんで
した。

 「うろたえるな、大丈夫じゃ。この焼き鏝はな10日で消える。
痕も残らんよ」

 お婆さんは笑います。でも、その直後、緩んだ顔を引き締めて、
こうも付け加えるのでした。

 「ただしじゃ、おまえが10日以内にふたたび同じ罪を犯せば、
そこからさらに10日、同じ模様が浮き上がるからな。もしそうな
ったら、それを消せるのは、わしだけじゃ」

 「ほんと?」
 グレーテルが不安そうに尋ねますから…

 「本当じゃとも、今さらお前に嘘をついてどうなる。大丈夫じゃ。
お嫁にも行けるわい。だからせいぜい10日の間だけでも身を慎む
ことじゃな」

 「10日でいいのね。10日で……」

 「10日、10日と一口に言うが、大人と違って子供の10日は
長いぞ。心してかかるんじゃな。もしまた同じ過ちを犯すようなら、
今度は歯の根も合わないほどのたっぷりのお仕置きを受けてもらう
からな、覚悟しておけよ」

 お婆さんはこう言ってグレーテルのもとを立ち退いたのでした。
 部屋へと戻る道すがら赤ずきんちゃんがお婆さんに尋ねます。

 「ねえ、お姉ちゃん、今度は焼き鏝なの?」

 「そうじゃ、お前はまだされたことがないじゃろうが熱いぞう~」

 「ふうん、……どこにすえるの?」

 「お尻の山に一つずつと、お臍の下にもう一つじゃ。お臍の下が
『A』で、お尻の山が『D』と『I』じゃな」

 「ふうん……ねえ、「A」ってadulteryってことなの?」

 「おまえはまた、随分とませた言葉を知っとるんじゃなあ」
 お婆さんは笑います。

 「……そうさなあ、それでもいいが……この場合の『A』はな、
お仕置きのランクのことさ」

 「『A』は一番いけないことをした子が受けるの?」

 「そうじゃない。『A』が一番軽い罪なんじゃ」

 「これでも軽い罰なの?」

 「そりゃそうじゃ、ここは人間の社会じゃない、おとぎ話の世界
じゃからな、ちょっとやそっとのことじゃ子供だって改心しやせん
のよ」

 「じゃあ『D』は?」

 「discipline」

 「『I』は?」

 「immoral」

 「本当にあの焼き鏝の文字は消えるの?」

 「何だ、お前まで疑ってるのか。10日もすれば綺麗になくなる
よ。このグリムの森で、青い火は神様からいただいた特別な炎じゃ
からな。あれで熱くした鏝も特別なんじゃ」

 「ふうん、神様の火なんだ」

 「ただし、またヘンゼルに意地悪をしたり、我が儘なおねだりを
すると、文字が消えるまでさらに10日伸びるがな」

 「私は?」

 「お前はいい子じゃから、関係ないよ」

 「そうか、私はいい子だから、あんなことはされないんだ」

 「あたりまえじゃ、よい子はお仕置きなんかされんよ」

 赤ずきんちゃんは魔法使いのお婆さんに言われてほっとしたよう
な、それでいてちょっぴり残念な気持になったのでした。

 「(私もあんなお仕置き受けてみたいな)…(それで、その身体
が火照っているうちに愛されたらどんなにすばらしいだろう)…」

 赤ずきんちゃんは声にこそだしませんが、そんな不思議な欲望が
小さな乙女の心のどこかにポッと灯ったのでした。

 10分後、グレーテルはコビトたちによって張りつけラックの上
に乗せられてお婆さんのもとへと運ばれてきます。

 もう、次は何が行われるかがわかっていますから当然素っ裸です。
暴れるといけませんから、1センチいや1ミリだって身体を動かせ
ないように厳重に縛り付けられていました。

 「(いや、焼き鏝なんていやよ。ママ、ママ、ママ助けてよう)」

 グレーテルは心の中でママの助けを求めていました。声に出せば
魔法使いのお婆さんからまた何をされるかわからないので自重した
つもりなのですが、お婆さんの方はお構いなしです。

 「おうおう、いい身体じゃ。おっぱいは……(ははは)まだじゃな。
…うんうん、この立派なお尻は丈夫な赤ちゃんが産めそうじゃわい」

 お婆さんは幼いグレーテルの裸を満足そうに調べ始めます。

 と、その時でした。

 「遅くなってすみません。お義母さん」

 聞き慣れた声と共に部屋へ入ってきたのはヘンゼルとグレーテル
のお母さんでした。

 「おう、ちょうどよい処へ来た。ちょうどこれからグレーテルに
焼き鏝を当てるところだったんじゃ」

 お婆さんがこう言うと、待ってましたとばかりグレーテルが中に
割って入ります。いえ口だけは縛られていませんから口だけは参加
できたんです。

 「ママ、ママ、助けて。焼き鏝なんかされたら、私、お嫁に行け
なくなっちゃうよ」

 「あらグレーテル、元気そうじゃない。そんなに元気なら大丈夫
ね。失神せずに済みそうだわ」
 ママはグレーテルの必死の懇願もあっさりかわしてしまいます。

 「( ・◇・)?」

 そればかりか…

 「どうじゃな、今度はお前さんがやってみたら……こういう事は
親のあんたの方がよかろう」
 魔法使いのお婆さんにこう勧められると、それもあっさり…

 「そうですね、では、私がやってみますわ」
 娘に焼き鏝を押す係りを引き受けたのでした。

 「(う、うそでしょう)……いやいや、ママやめてえ」

 娘の哀願にもママは平静でした。

 「そもそも、あなたが悪いんでしょうが。グリムの森は古くから
神様が管理される由緒正しい森なの。そこの住民も邪(よこしま)
な心を持った子がいてはいけないの」

 「そんなこと言ったって………」

 「覚悟しなさい。もし、こんな事で神様に呼び出しでも命じられ
たら、あなただってこのくらいではすまないのよ」

 「何よ、けちんぼ。娘のピンチに何もしてくれない気?だいたい
あんたは昔から薄情なのよ。こんな親に生まれなればよかったわ」

 グレーテルは逆切れ、口汚くお母さんを罵りますが、その間にも
大人たちは熱いお仕置きの準備を着々と進めていきます。

 青い火の燃え盛る暖炉からひき抜いた鉄の棒の先端には小さくA
という文字が彫ってありました。

 やがてそれがママの手に握られて自分の処へとやってくると……
 「…………」
 さすがにグレーテルだって言葉を失います。

 「(嘘でしょう。嘘よね、ママ。ママはそんなことしないよね)」

 こんな事を思っていると……

 「目をつぶって!」
 ママの大きな声が部屋中に響きます。

 それに合わせてグレーテルが反射的に目を閉じてしまうと、もう
いきなりでした。

 ママの左手がグレーテルのお臍の下の丘を握り上げ、そこが少し
だけ持ち上がったかと思うと、まだすべすべのその丘へ狙いすまし
たように『A』の焼き鏝が突き刺さります。

 「ぎゃあ~~~~~」

 その熱いのなんのって、グレーテルにしてみれば、今自分が気絶
しないでいるのが不思議なくらいだったのです。

 ヘンゼルも赤ずきんちゃんもこの時ばかりは魔法使いのお婆さん
の腰にしがみついて震えています。

 でも、これでもグレーテルに対するお仕置きが終わったわけでは
ありませんでした。

 「よし、今度は尻ぺたじゃ」

 お婆さんの号令一下、ラックにバンザイするように縛り付けられ
ていたグレーテルはコビトたちによってその縄目を解かれますが、
今度はママの膝で俯せにならなければなりませんでした。

 そうです。スパンキングをOTKで受ける時のような姿勢にされ、
さらにお尻のお山に焼き鏝を二つも受けなければならないのです。
しかも、今度は縄目はありませんから、逃げようと思えば逃げられ
る、そんな状態で先ほどもらったあの強烈なお仕置きを待たなけれ
ばなりませんでした。

 それはAを押された先ほど以上に辛いこと。ですからグレーテル
もたまりかねて身を翻すとママの膝に腰を下ろして抗議したの
です。

 「いやよ、もうあんなの耐えられない。今度こそ本当に死んじゃ
うわ。こんなの人でなしのやる事よ」

 猛烈に抗議するグレーテル。でもママもひるみません。

 「人でなしですって、いったい誰に向かって言っているの。これ
は、あなたが罪を許してもらうための大事なお仕置きなのよ」

 「だってえ~」
 グレーテルは泣き出しそうに甘えた声を出します。

 「お仕置きは昔から親の権限です。いいこと、もしこのお膝から
逃げたら、あなたは今日限り私の娘ではありません。いいですね」

 「えっ……」

 「そうだわ、ちょうどシンデレラのお継母さん(おかあさん)が
シンデレラの代わりを探していたから、そこへやります。それでも
いいならお逃げなさい」

 「…………」

 「黙ってちゃわからないわ。いいですね。わかりましたか?」

 「…………はい」

 「わかったら、ここへ俯せになりなさい」

 こんなことをママに言われては、いかに勝ち気なグレーテルでも
動揺します。『まさか、シンデレラの家の養女になんか……』とは
思っても、100%の自信はありません。もし、そうなったら……
そう考えるとママの膝に俯せになるしかありませんでした。

 膝の上に寝そべるグレーテルに向かって、お母さんはこう言いま
す。

 「……いいこと、女の子は我慢を覚えなきゃ幸せにはなれないわ。
親を、兄弟を、先生を、牧師様を、やがてあなたの夫となるべき人
を……愛すべきすべての人を信じて身を任せなさい。それが女の子
が幸せになる道なんです。……そもそもあなたは私を愛せますか?」

 「…………はい」

 「……私を愛していますか?」

 「はい」
 グレーテルは弱弱しく答えます。

 「だったら、大丈夫と言ってる私の言葉を信じてただただ必死に
我慢しなさい。いいですね」

 「はい、おかあさん」

 娘が落ち着いたのを見計らってお母さんはハンカチで娘に猿轡を
噛ませ、お尻の皮膚を引き伸ばします。
 そこにお婆さんがDとIの焼き鏝を持ってきて……

 「(うっぐ、ぎゃあ~~~~~)」

 「(うっぐ、ぎゃあ~~~~~)」

 口に押し込まれたハンカチのせいで甲高い悲鳴はしませんでした
が、その瞬間は、くの字だった体が硬直して一直線になります。

 ただ、この時ばかりは大人二人の顔からも笑顔は消えていました。

 「(怖い顔)(;゜0゜)」
 「(恐ろしい顔)(*゜Q゜*)」
 真剣で緊張感に満ちた大人たちの顔は赤ずきんちゃんもヘンゼル
も見ていました。

 でも、終わるとすぐに二人は笑顔を取り戻します。
 そして……

 「おやおや、また漏らしかいな。よほどだらしのない奴じゃな、
お前という奴は……」

 「やれやれ、あまり手間をかけさせないでよね……これじゃあ、
帰りはオムツをして帰らなくちゃならないわ」

 グレーテルはまだまだ放心状態。お婆さんやお母さんのこの言葉
を白昼夢の中で聞いたのでした。

 こうしてヘンゼルとグレーテルのお仕置きは終了。親子三人は、
仲良くお家へと帰っていきました。

 騒動が落ち着いて、魔法使いのお婆さんは次に赤ずきんちゃんの
身なりを整えてやります。
 赤いずきんをしっかり頭にかぶせ、できあがったばかりの箒を背
中に括り付けます。
 そして、森の入り口まで送ってくれました。

 「ねえ、お家の中では杖を使わないのにどうしてお外では使うの」
 赤ずきんちゃんが尋ねると……

 「これか?……これは看板じゃよ。魔法使いの看板じゃ。この方
が威厳があるからのう。薬もケーキもよく売れるんじゃ。……だい
たい生活するのに杖がいるようになったら、子供の尻も叩けんじゃ
ないか。そうなったら、大人としての値打ちはないし、魔法使いも
引退じゃよ」

 お婆さんは笑います。赤ずきんちゃんもつられて笑顔でした。

 赤ずきんちゃんはお母さんのメモを再び確認します。
 「次の目的地は……シンデレラ城かあ……あ、その前に、コビト
さんのお家にも寄らなくちゃ」

 「……何じゃ、次はコビトの処か。……なら、ここにおればよい。
じきにコビトたちが用を済ませて帰るじゃろうから」

 お婆さんのせっかくの提案でしたが…

 「いいの、帰る道も覚えておきたいから」

 「ほう、そうか、人に連れて行ってもらうと道は覚えんからな。
……感心じゃな、お前は……じゃあ、気をつけていくんじゃぞ」

 赤いずきんちゃんは魔法使いのお婆さんと別れて再び森へ入って
いきます。赤ずきんちゃんの冒険はまだまだ続くのでした。


*「お菓子の家」編はここまで。でも、物語はまだまだ続きます*

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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