2ntブログ

Entries

「お菓子の家」編 ~3~

(ファンタジー小説)
 赤ずきんちゃんの冒険 ③

  グレーテルのお仕置き、いよいよ佳境ですよ。(*^_^*)

♔♕♖♗♘♙♚ 「お菓子の家」編 ~3~ ♔♕♖♗♘♙♚
 でも最初に呼ばれたのはなぜかヘンゼルでした。

 「いいか、お前は男の子なんじゃぞ。妹の尻に敷かれてどうする。
嫌なものは嫌、ダメなものはダメとはっきりせんからこんなことに
なるんじゃ。今回だってどうせグレーテルの奴が『少しぐらいなら
分かりりゃしないわよ』ぐらいのことを言ったんじゃろう」

 実は、魔法使いのお婆さんの言う通りでした。気の弱いヘンゼル
は、グレーテルから何か言われると断り切れないのです。

 「ほれ、これを持ってみい」
 お婆さんは柳の細い枝をよりあわせて作った一本の鞭をヘンゼル
に持たせます。

 「これは魔法の杖じゃ。これがあるとな、お前の望むものは何で
も叶うからな、大事にするんじゃぞ」

 お婆さんはほくそ笑んで諭します。それは何か含みのありそうな
不気味な笑顔でしたからヘンゼルは怪訝な顔になります。しかし、
頭の良いグレーテルにとってみれば、それはもっともっと不気味に
思えたに違いありませんでした。

 「グレーテル、こっちへ来なさい」
 お婆さんは今度はグレーテルを呼びます。その声は氷河の奥底か
ら響く地鳴りのように冷たく、その鋭い視線はグレーテルの小さな
胸をえぐります。
 恐くなったグレーテルは思わず逃げようとしましたが……

 『えっ?!』
 でも、それは叶いませんでした。体が動かないのです。
 いつの間に取り囲んだのでしょうか。手も、足も、頭も、胴体も、
身体のすべてが七人のコビトたちによって押さえられています。

 「いやあ、放して」
 泣き叫ぶグレーテルに微笑みで答えるコビトたち。
 彼らは身体こそ小さいのですが大変な力持ちでした。
 彼らから見れば少女の一人ぐらいどうにだってなります。

 「だめえ、止めて、止めてよ、わたしママのところへ帰る」
 グレーテルはコビトたちの思うがままにはなりたくなくて必死に
声を張り上げました。

 「だめよ、帰る。私ママの処へ帰るんだから。離しなさいよ」

 でも、無駄でした。

 彼らにかかればグレーテルより体の大きな白雪姫でさえどうにも
ならないのです。ましてやまだ幼いグレーテルがどうにもならない
のは当然でしょう。

 やがて、コビトたちとの争いに疲れたグレーテルは、魔法使いの
お婆さんの足下に放り出されると、その直後はもう立ち上がる気力
もない様子でした。

 「ほう、どうしたね、グレーテル?観念したか?ま、そんなはず
もあるまい。ほんのちょっと休んでおるだけじゃな」
 お婆さんは意地の悪そうな目つきで床に転がるグレーテルを見つ
めます。

 グレーテルは起き上がろうとしましたが……

 「まあよい、しばらくはそこで休みながら聞け。……いいかお前、
お前の兄さんは立派な男じゃ。お母さんの言いつけはよく聞くし、
陰ひなたなく働く。何より妹思いじゃ。しかし悪さをするとなれば
話は別じゃ。あいつはわしがせっかく苦労して作ったお菓子の家を
壊して食べてしもうた。だから、罰を受けさせたんじゃ。……ここ
までは分かるな」

 「……はい」グレーテルは恐る恐る答えます。

 「だから、お前の兄さんは今は清い身体になっておる。……わし
のお仕置きを受けたからな…しかし、お前はどうじゃ、グレーテル。
兄さんにお菓子の家をねだらなかったか?……ん?わしがしばらく
は帰らないから逃げる暇はあるから、なんて言ったんじゃないの
か?」

 「…………(どうしてそんなことがわかるんだろう?)……」
 グレーテルは思います。
 すると……

 「図星のようじゃな」
 おばあさんは床に転がっていたグレーテルを立たせると、椅子に
座らせ床で着いた埃を払いながらこう言います。
 「今回のことは、おおかたお前がそそのかしたんじゃろう。……
自分が言えば、ヘンゼルがお菓子の家を取ってきてくれると思って
な」

 「…………」
 グレーテルの表情は固いまま、まるでお人形のように口を開きま
せんでした。

 「まだあるぞ。わしが不機嫌な理由が……わかるか?」

 「…………」
 グレーテルは無言で頭を横に振りました。

 「わしがお前等を見つけた時、お前、兄さんに言っとったな……
『だからお菓子の家に手をつけちゃだめって言ったのに、兄ちゃん
は言うことをきかないんだから』って……あれは何だ!」

 「…………」
 お婆さんは床に視線を落とすグレーテルの顎をとって自分の目を
見させます。

 「ああ言えば、自分はよい子で、ヘンゼルに罪を着せることがで
きるとでも考えたのか?」

 「…そんなこと……私はべつに………」
 グレーテルは小声で反論しようとしましたが、おばあさんの強い
視線にやがて目も口も閉じてしまいます。

 「愚かよのう。さっきも言ったようにお前の兄さんは正直者じゃ。
自分からつまみ食いなんぞしやせんよ。お前がそそのかさん限りは
な。それは誰もが知っとることじゃ。お前のお父さんもお母さんも、
わしもここにいるコビトたちもみんなそうじゃ。………そのことを
知らんのはお前だけじゃ」

 お婆さんはグレーテルには信用がないと言っているのです。その
言葉はグレーテルの胸にも深く突き刺さります。

 道は二つでした。素直にお婆さんの言葉を受け入れて謝るのか、
それとも……

 「だだって、私は取ってないのよ。お菓子を取ったのはヘンゼル
じゃないの!」
 どうやらグレーテルは二つ目の道を選んだようでした。

 「たしかに、お前があれを壊したわけじゃない。しかし、お前は
それを兄からもろうて食べたじゃろう」

 「わたし、食べてないもん」
 グレーテルは強情をはりますが…

 「何を言うととる、口についとる白砂糖がなによりの証拠じゃ」
 お婆さんに言われて、グレーテルは慌てて口元をぬぐいますが、
そこには何もついていませんでした。

 「いいか、グレーテル。お前がそんな了見じゃから、みんなから
嫌われるんじゃ。世の中には実際に罪を犯した者よりそれをそその
かした者の方がより強く責められることがたくさんあるんじゃぞ」

 「だって私があのお菓子の家に手を出したんじゃないのよ。ヘン
……ヘンゼルが、ヘンゼルが下手だから壊れただけじゃない。私は
……壊れた破片をちょっぴり頂いただけなんだから」
 グレーテルは必死に抗弁を繰り返しましたが、魔法使いのお婆さ
んはすでにグレーテルの言葉なんか聞く気がありません。
 もはやグレーテルが何を言おうとそれは気にせず、せっせせっせ
と準備を進めます。そして、準備が終わると……

 「だめえ~~」
 何の宣言もなくいきなりグレーテルへのお仕置きが始まります。

 まず、最初は……

 「いやあ、やめてえ、下ろしてよ~」

 七人のコビトたちに抱え上げられたグレーテルは白いシーツが敷
かれたテーブルに仰向けに寝かされます。

 「いやだ、エッチ。なにするのよ!」

 グレーテルはいきなりスカートを捲り上げられそうになりました
から慌てて身を翻そうとしたのですが、できたのは上体を30度程
起こすことだけ。

 「いやあん」

 そもそも相手は七人もいるんですからかなうはずがありません。
たちまち両手と頭の動きが封じられると、両足が高々と持ち上げら
れ、スカートは胸の位置で止められてしまいます。

 「……(もう、どうにもならないわ)……」
 そう悟るのにそう長い時間は掛かりませんでした。
 そして、悟ってしまえば一旦はおとなしくなります。

 もちろん、一度高く天井を向いて跳ね上がった両足はそのまま。
グレーテルがどんなに頑張っても踵をテーブルに戻すことなどでき
ませんでした。

 「(そっ、そんなあ)」

 グレーテルは体の自由が利かなくなってからも、しばらくは嘆き
悲しみましたが、やがて、あまりのことに頭の回路がショートして
声さえ出なくなったのです。

 「(こんなのいや、こんなの夢よ、こんなの現実じゃないわ)…」
 そう思い続けることが唯一の慰めでした。

 想像してみてください、こんな格好を。女の子だったら誰だって
卒倒したいほどのショックなはずです。
 おまけに自分のお股の間からは……

 「……(ヘンゼル!)……」

 弟の不安げな顔が見え隠れしています。

 「ヘンゼル坊や、ほうら見てごごらん、グレーテルのこんな処は
おまえはまだ見たことがないじゃろう」

 魔法使いのお婆さんがヘンゼルの後ろに回って肩を抱くと小さな
声ですがグレーテルの耳にもしっかりと届きます。
 するとその瞬間、ヘンゼルの顔が少し微笑んだように見えました。

 「…………」

 もちろん今までなら『ぎゃ~~』と金切り声を上げてるはずです。
 ところがグレーテルは声を出しませんでした。
 ヘンデルの見せたちょっぴり不気味な笑顔を見た瞬間グレーテル
の心は怒りと不安が交差したまま固まってしまい自ら自由を失って
しまったのです。

 『何よ、何なの、あいつ!どうして笑うのよ!』

 底知れぬ恐怖と不安。その正体は、ヘンゼルが初めて見せた男の
性(さが)だったのです。

 それだけではありません。周りには忌々しいコビトだっています。
彼らだって小さくても男ですからね……女の子にはプレッシャーで
す。
 『大声を出してさらに恥をかきたくない』
 グレーテルにはそんな気持が働いたようでした。

 「さあ、まずはお腹の中におる悪賢い悪魔どもを身体の外に出さ
んといかんな」

 お婆さんがそう言って取り出したのはガラス製の浣腸器。これが
横を向いたグレーテルのすぐ脇、ほっぺたから5センチと離れてい
ない処にいつの間にか置いてあります。

 「(いや、やめて、それはいや)」
 やがて、一人のコビトによってお薬の入った石けん水が吸い上げ
られていく様子が、グレーテルの視界にあまりにも大きく映り込み
ます。

 「(えっ、なっ、何よ、何するのよ、やめてよ、…いやよ、いや、
いや、それは絶対にいや)」
 グレーテルは心の中で叫び続けましたが、どうにもなりませんで
した。

 やがて目一杯の石けん水を吸い上げた特大の浣腸器の先を指で
塞いで赤い帽子のコビトがそれを肩に担ぐとグレーテルのお尻の
方へ……。

 「(あっ、待って)」

 グレーテルは声がでません。目だけで彼を必死に追いかけました
が身体がどこも自由にならない悲しい身の上。やがて視界から消え
去り、それっきり。

 代わりにお婆さんの声がして…
 「おうおう、可愛いお尻の穴じゃて…」

 「いや、触らないで…>_<…」
 ここでやっと声が復活します。

 「何が、嫌じゃ、お前のばっちい処を触っとるこっちの方がよっ
ぽど嫌じゃよ。さあ、お尻の穴を緩めんかい。抵抗するとお仕置き
が増えるぞ」
 急にドスの利いた声になったお婆さんがグレーテルのお尻の穴を
押し広げようとしますから、慌ててその門に力を入れます。

 「あ~いやあ~~どうしてこんな格好でお浣腸しなきゃならない
のよ。恥ずかしいでしょう」

 グレーテルはたまらず訴えますが、誰も聞いてはくれません。
それに今となってはどうにもなりませんでした。

 そのうち、おばあさんにお股のどこかを触られて……
 「\(◎o◎)/!」
 びっくりした拍子にガラスの突起が体の中に入ったようでした。

 「(いや、いや、いや)」
 そう思いながらも少しずつ、でも確実に、お尻の穴から石けん水
がお腹の中へと流れ込んできます。その気持ちの悪いことといった
らありません。
 「(>。≪)」

 一本目が抜き取られ、やれやれと思っていたのに……

 「えっ、またなの?(;゜∇゜)」

 ふたたび赤い帽子のコビトがガラス製の浣腸器を担いで目の前に
やって来ます。

 グレーテルの泣きそうな声にもお婆さんは冷たく……

 「まだじゃ、小さい子じゃあるまいに、お前さんがこんなもので
効くもんか。……ほれもう一本あるぞ。終わったら今度は石けん水
が逆流せんようにお尻の穴をしっかり閉じておくからな。お前さん
はお腹の中の悪魔としっかり戦うんじゃ」

 そしてまたしてもグレーテルの頬のすぐそばで石けん水が不気味
な音と共に吸い上げられていき、やがてお尻の方へと届けられます。

 「\(◎o◎)/!あっ、苦しい。だめ、痛い、痛い、痛いって、
そんなにいっぱい入れたらお腹が耐えられない。死ぬ~~~」

 「馬鹿が、うろたえるな。大丈夫じゃ、これまで何人となくお前
のようなチビさんたちにお浣腸を授けてきたが、お腹が破裂した奴
も死んだ奴もおらんわさ」

 終わるとグレーテルのお尻の穴にはお婆さんが仕掛けた魔法の栓
が食い込みます。また尾籠なことが起きないようにとコビトたちに
よってオムツも厳重に穿かされたのでした。

 「よし、これでいいじゃろう」
 魔法使いのお婆さんのお許し声。グレーテルもこれでやっと空中
に浮いていた両方の踵をテーブルの上に下ろすことができます。

 「(もう、ここまでくれば大丈夫)」
 グレーテルはそう思ったに違いありません。テーブルを降りると、
さっさとトイレへ向かおうとしました。ところが……。

 「やめてえ~~何するのよ~~トイレへ行かせてよ~~漏れちゃ
ったらどうするのよ」

 グレーテルは再び恥も外聞もなく声を限りに叫びますが、七人の
コビトたちがグレーテルの言うことをきくはずもありませんでし
た。

 「グレーテル、こっちだこっち。今日のお前のトイレはここだよ」

 コビトたちがグレーテルのために用意したトイレは、誰の目から
も身を隠すことのできる外の茂みではありませんでした。魔法使い
のお婆さんが伝書鳩を飼っている部屋の片隅で今まで埃を被ってい
た晒し台のピロリー。ここに大きなバスケットを置き、中にボロ布
を敷いてグレーテルを跪かせます。

 「いやあ~~いやあ~~おばあちゃんこんな酷いことしないでよ
~お嫁に行けなくなっちゃうでしょう」

 グレーテルは少し遅れて部屋へやって来たお婆さんを見つけると
今の境遇を顔を真っ赤にして哀願したのですが…

 「何を騒いでおる。お前がお嫁に行くのはお腹の中の悪魔を追い
出してからじゃ」

 「そんなの嘘よ。私のお腹の中に悪魔なんていないわ」
 グレーテルは抗議しますが……

 「ほう、ならばお前の性悪な行いはお前自身が悪魔だからなのか
?……もしそうなら、お前を魔女として火刑にせねばならなくなる
が、それでもいいのか?」

 「……(火あぶりって?何言ってるのよ!)……」
 グレーテルはあまりに馬鹿馬鹿しいとは思いましたが、暗い歴史
も秘めたグリムの森です。冗談が冗談で通らないこともある現実を
賢いグレーテルは知っていましたから、思わず声に詰まってしまっ
たのでした。

 「どうやら、薬が効き始めたし、悪魔も叫びだしたようじゃな。
あとは待つだけじゃな。……」

 魔法使いのお婆さんはお薬が効き始めて食いつきそうな顔になっ
ているグレーテルを尻目にいたって冷静でした。小さな首と両手首
を大きな板に挟まれたクレーテルのすぐ脇に籐でできた揺り椅子を
置くと……

 「……おいで、ヘンゼル、赤ずきん」

 二人を呼び寄せ、ヘンゼルにはここで膝まづいてグレーテルの為
に祈りを捧げるように命じ、赤ずきんちゃんは自分のお膝にあげて、
まるで何事もなかったかのように優雅に椅子を揺らし始めます。

 「お願い、もう、やめてえ~~もれちゃうから~~~」
 グレーテルは必死に哀願しますがお婆さんは知らんぷりです。
 それどころか…

 「大丈夫じゃ。時間はまだたっぷりあるぞ。今のお前さんには、
このたっぷりの時間こそがよい薬なんじゃ」
 こう言って相手にしてくれません。

 グレーテルは両足をぴったりと閉じ、全身に鳥肌をたてて震えて
います。とにかく今はそれだけしかできませんでした。

 「漏れちゃうよお~~」

 悲痛な叫びに赤ずきんちゃんが…
 「ねえ、お姉ちゃまはうんちしたいの?」
 と尋ねますが……

 「大丈夫じゃ、お尻の穴には魔法の栓が突き刺さっておるからな、
今はうんちをしようとしても出やせんのよ」

 「ふうん…………だってよ、グレーテル。うんち漏れないって」
 赤ずきんちゃんはどこまでも無邪気です。

 ただ、日頃の習慣とは恐ろしいもので、グレーテルにもそれが分
かっていてなお、無意識に肛門を閉め、必死にうんちがでないよう
に頑張ってしまうのでした。

 「もういや、……もういや、……もういや、……絶対にいや!」

 始めは小さかったその言葉が段々大きくなっていきます。
 きっと声をたてることで辛い自分を励ましたいのでしょう。

 でも、そのことがグレーテルの境遇を改善したかというと、事態
は逆でした。

 「コビトさんたちや、この子の歌に伴奏を入れてくれんか」

 お婆さんの指示に従いコビトたちが柳の鞭でグレーテルの太股を
叩き始めたから大変です。

 「いやあ~~やめてえ~~ごめんなさい、もうしませんから~~」

 鞭はそれ自体が飛び切り痛いというわけではありませんが、今は
何もされたくないグレーテルにとってはショックな出来事でした。
 しかも、泣き叫ぶグレーテルを面白がって赤ずきんちゃんばかり
か普段おとなしいヘンゼルまでもがこのお仕置きに興味津々とい
う顔で自分を見ているのです。
 グレーテルにはそれが何より気になっていました。

 「あ~はぁ、あ~はぁ、あ~はぁ、あ~はぁ、あ~はぁ、あ~ぁ」

 グレーテルは観念したのか数分で悲鳴も哀願もやめてしまいま
す。どうやらそんなことをしても無駄だと悟った様子でした。でも、
荒い息の方は10分たってもおさまりません。

 太股の方も真っ赤なみみず腫れが紫色に変化して痛々しく変わっ
ていきます。
 「いやよ、いやいや」
 時折、か細い声が痛々しく部屋の中に響きます。

 すると、ここへ来てようやく魔法使いのお婆さんが腰をあげます。

 「どうじゃな、お腹の中の悪魔は?……少しは懲りた様子かな」
 お婆さんはそう言ってグレーテルのお腹をさすります。我慢に我
慢を重ねていたお腹ですから、ちょっとした変化にだって敏感です。

 「いやあ~~やめて~~」
 しばらく出なかった元気な声が復活しました。

 「おうおう、まだこんなに元気なら大丈夫じゃな」
 お婆さんが再び椅子に座り直しますから…

 「だめえ~、もうだめなの、早く、早くしてよ~~」

 「何で、わしがお前に命令されなきゃならんのじゃ。まだなもの
は、まだじゃ」

 お婆さんは不機嫌そうにこう言うと、コビトたちの小さな鞭打ち
も再開させたのでした。

 「いやあ~~はぁ、はぁ、はぁ、いやあ~~はぁ、はぁ、はぁ、」
 絶望感が自然とグレーテルの声を小さくしてしまいます。

 心配した赤ずきんちゃんが尋ねました。
 「グレーテルお姉ちゃまは大丈夫なの?」

 「大丈夫じゃよ」お婆さんは赤ずきんちゃんの両脇に手を入れる
と、高い高いをしてあやします。そしてこう言って諭すのでした。

 「お姉ちゃまはな、今、お腹の中に住み着いた悪魔と戦っておる
ところなんじゃ。もうすぐ、我が儘という悪魔が降参するからな。
そうしたら、またみんなで楽しく遊べようになるぞ」

 魔法使いのお婆さんは得意の魔法で部屋を七色に変えると、この
世にはない不思議な生き物を次々と登場させてはヘンゼルと赤ずき
んちゃん、それにコビトたちをも楽しませます。

 でもグレーテルだけが独り蚊帳の外でした。それはそうでしょう。
今の彼女は、それどころじゃありませんから。c(>_<。)

 そうやって20分、お浣腸から30分がすぎる頃になるとグレー
テルの口からは悲鳴も愚痴も懇願もなくなります。僅かに嗚咽が聞
こえるだけでした。

 「ようし、もう一度聞いてみるかのう」
 こう言ってお婆さんは小さい椅子から立ち上がります。

 「どうじゃ、ちっとは懲りたか?」

 「もう、だめ、早くトイレ、トイレ」

 「そんなことは聞いておらんわ。相変わらずじゃな、お前は……
わしは懲りたかと聞いたんじゃぞ」

 「懲りました。ごめんなさいします。もうしませんから……」

 「もうしませんからなんじゃ。もうしませんからトイレか。……
ふん、話にならんな」

 お婆さんが立ち去ろうとしますからグレーテルは慌てて…
 「ごめんなさい。これから何でもします。どんなお仕置きでも受
けますから」

 グレーテルはお婆さんの背中に必死に訴えかけます。
 するとその声が聞こえたのでしょう。お婆さんが振り返りました。

 「そうか、何でもするか、その言葉に嘘偽りはないじゃろうな」
 言われたグレーテルはドキンとしました。だってそんなもの苦し
紛れだったんですから……でも、今さら『やっぱり、嘘』だなんて
言える状況にありません。ですから…

 「はい」
 と力無く答えたのでした。



******************* (つづく) ***

コメント

コメントの投稿

コメント

管理者にだけ表示を許可する

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR