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朝のしきたり < 第 2 回 > 

❈❈❈❈❈❈❈❈❈ [ 第2回 ]❈❈❈❈❈❈❈❈❈


僕の家では食事する場所に決まりがあるんだ。

お父さんが一番奥でその左隣にいとこのセイちゃんが座る。

セイちゃんはよその子だけどお母さんがいないしお父さんはお仕事
で忙しいからお家で預かったんだ。

家に来たのは小六の時だけど、その時から体が大きくてしっかり者
だったから誰もが「中学生かい?」って聞くくらいだよ。
お勉強もよくできるから、お母さんのお手伝いで僕たちのお勉強を
みたりもするんだ。
僕たちにとっては、本当のお姉ちゃん以上に優しいお姉ちゃんだと
思ってる。

で、その次の席が本当のお姉ちゃんの席。
セイちゃんとは二つ違いだけど、こいつは性格がまるで違うんだ。

陰険で見栄っ張りで、わがままで、おまけに乱暴者で、寝てる僕達
を平気で蹴ったり電気按摩にかけたりする。
お父さんやお母さんに言いつけたらお仕置きだけどそれでもわざと
やるんだ。ホント、意地悪なんだから。

学校でも男子より喧嘩が強いからメスゴジラ、通称メジラって呼ば
れて恐れられてるんだよ。

頭だって悪い。いつもテストのことでお母さんに叱られてるもん。
僕達は男の子だからお母さんが許してくれる合格点は90点以上。
お母さんは僕達が100点取ったぐらいじゃ褒めてくれないんだ。
それに比べれば、お姉ちゃんなんて女の子だから基準点も甘くて、
80点でいいというのに、それさえ取れないんだから、やっぱり、
馬鹿だよ、あいつは。

あっ、でもこれお母さんには内緒だよ。

お母さんは僕たちにきたない言葉を使っちゃいけませんってきつく
言うんだ。
お母さんだってお姉ちゃんのことぼろくそに言ってるのに僕たちが
言うと……

「あなたたちは天から授かった天使さまなのよ。天使さまは、天使
さまにふさわしい御心を持たなくちゃいけないわ」
なんて言うんだよ。

実は、お母さんが僕たちを産んだ日、二人の天使さまがお腹の中に
入って来た夢を見たんだって、以来、産まれた僕たちは天使さまに
違いないと信じてるんだ。

[えっ!さっきお母さんが般若真経をあげてなかったか?だって]

するどい。(@_@)

お母さんはその場その場で自分にもっとも都合のいい宗教を信じる
ことにしてるの。ご都合主義の人なのよ。
(^o^)

お母さんに言わすとね、別にお寺にお説教を聞きに行ったりもしな
ければ、日曜のミサに行くわけでもないから誰にも迷惑かけてない
って。
信仰はあるけど宗派の教義にがんじがらめになって暮らしたくない
んだって。

彼女にとっての宗教は一種のファッションみたいなもので、気に入
れば何でもありなんだよ。
(^0^)

食堂には大黒様と並んでマリアさまが飾られてるけど僕たちもそれ
を不思議に思ったことは一度もないんだ。
(^∇^)

お母さんは兄弟姉妹の中で唯一大学を出てない事にコンプレックス
を持ってるからね。きっと何かにすがりたいんだと思うよ。
それでもって「子供たちには何が何でも大学を」って心に決めてる
みたいなんだ。まったく迷惑な話さ。(;_;)

おかげで、わりと自由放任な家なのにお勉強とか言葉遣いだけは別。
我が家では宿題のほかに毎日たっぷり二時間は勉強しなきゃいけな
くて、怠け者はお仕置きって決まってるんだ。
(>_<)

言葉遣いだってお姉ちゃんには特に厳しくて、お外で乱暴な言葉を
使ってるとその場でスカートをめくってお尻を叩くんだ。
小学二年生頃まではパンツも脱がしてたらしいよ。

「お外でぶつのやめてよ」ってお姉ちゃんが抗議したら……
「あ、そう。だったら別の方法にしましょう」と言われて……
仏間に連れ込まれると、お線香が二本も燃え尽きるまでお灸をすえ
られちゃったんだ。
(T_T)

やられたことのない人にはわからないだろうけど、あれってたった
一回でも死ぬほど熱いんだよ。
あの太いお線香二本が燃え尽きるまでやられたら・・・(T_T)
想像したくないくらいの恐怖だ。
(>_<)

僕たちはメジラが嫌いだけど、こんな時は同情しちゃうね。
(;_;)

でも、お勉強のことでぶたれる時はあんまり同情しないの。
(¬―¬)

だってお母さんが見てないことをいいことにこっそり本を読んだり
マンガ描いてることが多いんだもん。自業自得だよ。
この間もお父さんからお仕置きされて、ものすごい声で泣き叫んで
ごめんなさいを何度も言ってるのを聞いたけど……

「ざまあみろ」
って思ってた(;_;)

お父さんが言ってたよ。
「課題をちゃんとこなせば取れるはずのお点が取れないのは茜が
怠けてるせいだ」
ってね。

まったくだよ(¬―¬)。
下手なマンガばかり描いてるから叱られるだ。
これからも受難の日々は続くね。きっと。

そういえば、この間お母さんが、
「今度怠けたら女の子の大事な処にもお灸ですからね」
って言ってたけど、女の子の大事な処って?いったいどこなんだろ
う?(^^;)

何だか話があっちこっちになっちゃったけど、そんなところがテー
ブルの向こう側ね。

対するお父さんの右側には僕たち男の子とお母さんが座ってるん
だ。

お母さんの左腰にみいちゃんがいて、僕が右腰にへばりついてる。
いつもお母さんの椅子に僕たちは椅子をくっつけて、三人で仲良し
して食べるんだ。

ただ、一応僕たちの目の前にもおかずがあるんだけどあまり自分で
取っては食べないよ。お母さんが次に何を食べさせるかを決めて、
その食べ物を乗せたスプーンが僕たちのお口の前まで来たら、
それをパクリとやる。

そして口の中で十回くらいもぐもぐやったら「おいしい(^o^)」
っていう笑顔を見せるんだ。こうするとお母さんが喜ぶからね。

[えっ!それじゃあ君たちはまだ赤ちゃんなのか?]

……そう、そう、この間から離乳食になったばかり(^◇^;)……って、
ち、違うよ!この時は小学二年生。でもまだ幼いからね。お母さん
も気を遣ってくれるんだ。

……はて?……だけど小学校を卒業するまではこのスタイルで食事
してたような?
(^∇^)

とにかくだ。この習慣は赤ちゃんの時からずっと続けてきたスタイ
ルなんだ。
だって、三年生まではみいちゃんと交代でだっこしてもらいながら
うまうましてたことだってあるんだからね。(*^_^*)
……って自慢するなってか。(^◇^)

お肉なんて固い物は特にそうだけどお母さんとの共同作業なんだ。

[えっ、お肉が固い?]

固いよ!鯨のお肉は最高だよ。
固くない肉はお母さんに自分でかみかみしなさいって言われちゃう
もん、つまんないじゃないか。(¬―¬)

固いお肉は、お母さんが一度お口にいれてもぐもぐやってから僕の
お口に入れてくれるけど、時間があれば僕たちの口から移してもう
一度お母さんが口の中で噛み噛みして戻してくれるんだ。
(^_^)

何だよう、その軽蔑した目は・・(^^ゞ

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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