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[ 第 4 回 ] 三愛のドッヂボール

            [ 第 4 回 ]

******* 三愛のドッヂボール *******


 三愛の授業が特殊だって、さっき言ったけど、体育の授業だって
そうなんだ。

 僕たちの体育ってたいていがダンスなんだ。それも種類は色々で、
クラシックバレイやフォークダンス、日舞まで、何でもダンスって
呼んで体育にしてしまうんだ。

 他の学校で一般的にやっている鉄棒や飛び箱、かけっこ、ボール
遊びなんかもあるにはあるけど五回に一回くらいかな。

 そうそう、ある日先生が珍しく「ドッヂボールをやりましょう」
なんて言うから始めたら、途中で笑い転げちゃったんだ。

 僕たちとしては先生から聞いたルール通りにやったつもりだった
んだけど、どうやら世間でいうドッヂボールとはだいぶ違ってたみ
たいなんだよね……

 だいいち、ぼく達はお友達を虐めてはいけないって日頃から口を
すっぱくして言われてるだろう。お友達にボールをぶつけるなんて
絶対しないんだよ。

 そんなことしたらたちまち村八分にされちゃうもん。

 この時も、内野の子がボールを投げる時は最初に、
 「投げますよ。ちゃんと取って下さいね」
 と言って投げるんだ。

 これって相手の子にぶつけるために投げるわけじゃないよ。その
子が取りやすい山なりのボールを投げるんだけど……

 僕たちって、普段はダンスばっかりやっててスポーツ音痴の子が
ほとんどだろう。そんな玉でも取り損なう子が大勢いるんだ。

 取りそこなった子は外野に出る約束なんだけど、その気持がちょ
っとよそとは違うんだなあ。(^_^)b

 『せっかくボールを投げてくれたのに取れなくて御免なさいね。
投げてくれた人に悪いから外へ出ます』って意味なんだ。

 外野の子も『敵の内野の子にボールをぶつければ、自分が内野に
入れる』っていうルールは知ってるんだよ。知ってるけど、そんな
ことは絶対にしなくて、外野に転がってきたボールは手渡しで敵の
内野に返してあげるんだ。

 「どうぞお使いください」って言ってね。

 もちろん内野の子も、「ありがとう」と言って受け取るんだけど、
その時……

 「ねえ、あなたも内野に入らない」
 って誘うからね、いつまでたっても内野が減らないというわけ。

 そうこうしているうちに試合終了。

 内野の数を数え始めるんだけど、もし、その時内野の数が違って
いたら敵の方から声がかかるんだ。
 「ねえ、ねえ、早く早く、内野に入って」

 つまり、僕たちの常識では、試合はいつも引き分けでなきゃいけ
ないんだよ。

 もちろん、これってヤラセなんかじゃないよ。僕たちとしては、
先生に言われた通りにやったつもりなんだ。でも、僕たちのルール、
つまり三愛のルールでやると自然にこうなっちゃうんだよね。

 僕たちには、先生がおっしゃった『お友だち』が『敵』になると
いう意味がわからなかったんだ。

 体育の大河内先生は外からみえた先生だから頭を抱えてたけど、
側で見ていた園長先生は……
 「いいじゃないですか、うちらしいドッヂボールでしたよ」
 って褒めてくれたんだ。

 高学年になると少しだけ対抗意識も芽生えるけど、それまでは、
『何でもお友だちと一緒にできるようになりたい』『先生に褒めら
れれば嬉しい』って、それだけのスクールライフだったんだ。

 もちろん人間だからね、見栄を張ったりとか嫉妬心で仲違いした
りってのはあるんだけど、先生の権威でそういうのはいけないこと
だって教えられてるから、それで困ったってことはなかったんだ。

 お母さんに聞いたらそんなのを『重石が効いてる』って言うんだ
ってさ。

 そんな先生の重石を高める原動力には二つあって、一つが愛情。
とにかくどの先生も子供たちが抱きついてくるのを嫌がらないから
ね。休み時間になると教室は甘えん坊さんたちの天国。いつも誰か
が先生の首っ玉にしがみついてるよ。(^◇^)

 『先生は優しい大人、いつも抱いてくれる大人』なんだ。

 そして、もう一つがお仕置き。普通じゃ考えられないほど厳しい
らしいけど、僕たちからすると、学校の先生というのはお父さんや
お母さんなんかと同じくらい親しい間柄だからね、叱られても、お
仕置きされても、終わると『ま、仕方がないか』って単純に割り切
れちゃうちゃうんだよ。

 そういえば、クラシックバレイを教えてた神林先生は他の先生と
比べても飛びっきり厳しかった。

 まじめに練習しないと罵声が飛ぶし、ちょっとでもふざけてると
すぐに平手でお尻を叩くし、出来ない子には他の授業を欠席させて
もとにかくできるまでやらせるんだ。

 僕もそうやって居残り練習させられたことが何度もあったんだ。

 バレイといっても別にプロを目指してるわけじゃなし、たしなむ
程度のお遊びなんだから、そんなにむきにならなくても…とは思う
けど、先生にはそんなの関係ないみたいだった。

 おかげでバレイの授業はいつもピリピリムード。

 ただ、みんな子供だからね、『集中して』とか『お行儀よくしな
さい』と言ってもそこには限界があるんだよねえ。(^◇^;)

 あれは五年生の時だったなあ。(-.-;)y-゜゜

 『五年生?この物語の設定ではお前は二年生じゃなかったか?
お前、時々、歳が先に行ってるぞ』

 硬い事言っちゃ嫌だなあ。このお話はあくまで回想なんだから。
それに人の話は最後まで聞きなよ。(`ε´)
 五年生はお姉ちゃんが五年生、僕は二年生の時の話なんだ。

 バレイの授業中、神林先生がおしゃべりが止まらなかった女の子
三人組を昔練習場で使っていた準備室に追放してたら、この三人、
マリア様への懺悔に飽きたんだろうね、古い練習用のバーに乗って
遊んでたんだ。

 「ガシャン、ドスン」

 大きな物音に驚いて神林先生が準備室へ行ったら、うちの馬鹿姉
が壊れた手すりに足首を挟まれて逆さ吊りになってたというわけ。

 本当は三人共マリア像の前に膝まづいて反省してなきゃいけない
んだもん。先生だってそりゃ怒るよね。(⌒~⌒;A

 三人は放課後呼び出されてお仕置きを受けることになったんだけ
ど、中でもうちの姉は三人の中でも首謀者ということで、他の子供
たち以上にキツイお仕置きが科せられる事になって、ちょうどいい
からって、身内の僕たちもお手伝いさせられるはめになったんだ。

 それにしても身内だからって連帯責任はひどいよね。
 本当、えらい迷惑だった。(×_×)

 お仕置き部屋に入る前、牧村先生(姉の担任の先生)からは「お
手伝い、お願いね」なんてやさしい言葉だったけど、部屋に入ると
園長先生や日舞を教えていた樺島先生までもが怖い目で姉達の様子
を見てるからね。

 幼い僕たちにだってこれが大変な事だってわかったんだ。(@_@;)

 お仕置きの先生はいつものように内藤先生。僕たちはいつも『お
仕置きの先生』なんて呼んでたけど本当は教務主任っていうお仕事
なんだって。(^○^)

 その先生がお姉ちゃんたちを前が少し傾斜してるお馬に乗せと、
スカートを捲り上げて、パンツをずらして、大きなお尻がむき出し
になるようにしてから、こう言うんだ。

 「お尻に当たる一回一回の痛みが、お父様やお母様、川野辺先生
(お姉ちゃんの担任の先生)、園長先生、牧村先生、そして何より
マリア様からの愛だということを感じ取って今日はお帰りなさい。
いいですね…………あれ?ご返事は?…………いいですね」

 「……は、はい」

 「では最初はお父様」
 こう言ってから最初の鞭を下ろすんだ。

 「ペタッ」っていう感じかな。乾いた感じの音じゃないんだ。僕
の経験で言うと、最初は電気に痺れたみたいにぶるぶるってするよ
(*^_^*)

 で、それが収まったら、すぐに…
 「お父様、お鞭ありがとうございました。必ずいい子になります」
 って言わなきゃいけないの。

 本心じゃないし、言いたくないけど、言わなきゃこのお仕置きは
終わらないからね。恥ずかしい格好のまま子供たちは感謝の言葉を
述べるってわけなんだ。

 やがて……
 「次は、お母様……」
 という内藤先生の声がして……また、

 「ペタッ」

 二回目は最初よりちょっぴり痛いけど、このくらいならまだ余裕
のはずだよ。

 で、お姉ちゃんは……
 「お母様、お鞭ありがとうございました。必ずいい子になります」

 そして……
 「次は、園長先生……」
 という声になり……

 「ペタッ」

 三回目。この頃からは少しずつ『あ、痛いなあ』って感じるよう
になるんだ。
 そんな時はお馬の首にしっかりとしがみ付いて痛みを逃がすの。
三愛学園のお仕置きって舞台装置は凄いけどSMじゃないからね、
少しでもほかの事で気を紛らわすことができれば耐えられる程度の
痛みしか与えないんだよ。

 「園長先生、お鞭ありがとうございました。必ず……いい子に…
…なります」

 園長先生の時は声が痰が絡んでかすれちゃったからね、もう一度
って言わなきゃいいなあって思ってたけど……やっぱり……

 「もう一度、園長先生に感謝しましょう」
 って内藤先生に言われちゃったんだ。

 そのあたりは内藤先生のさじ加減一つなの。だから申し訳なさそ
うにしていないと、やれ「声が小さかったからもう一度」だとか「心
がこもってないと懺悔の言葉は通じませんよ」なんて言われて散々
やり直しさせられる子もいるんだ。

 これに限らずお仕置きを受けてる時は従順で謙虚にしてないと、
罰がどんどん増えていくからね、気の強い子は大変だよ。

 「園長先生、お鞭ありがとうございました。必ずよい子になりま
す」

 ああ、分かってるだろうけど、これは別にお父さんやお母さん、
園長先生がぶってるわけじゃないんだよ。全部、内藤先生が一人で
ぶってるの。ただ、そのお礼はそれぞれの人に言わなきゃならない
んだ。

 ちょっと変な気もするけど、鞭のお仕置きではこれがうちの普通
の姿、つまりお決まり(規則)ってやつなんだ。

 このあと内藤先生は「川野辺先生」や「牧村先生」の名前をあげ
て、お姉ちゃんたちはお尻に鞭が当たるたびにその人たちの名前で
お礼の言葉を言い続けることになるんだ。

 そして、最後は必ずマリア様。

 「マリア様、お鞭ありがとうございました。必ずよい子になりま
す」
 なんだ。

 だから内藤先生の口から『マリア様』って言葉が出ると、みんな
ほっとするんだよ。

 結局この時はお姉ちゃまたち、大きなお尻をトォーズで六回ずつ
ぶたれたんだ。

 『えっ、十一歳の子だから、そんなに大きいお尻じゃないだろう』
って……

 そんなことないよ。(^◇^;)大人の人たちにとってはお姉ちゃまの
お尻は可愛いお尻なのかもしれないけど、僕たち幼児にとっては。
単に邪魔なほど大きなお尻ってだけなんだもん。

 それはともかく、こんな風に描いちゃうと、何だかとっても残酷
なことをしているように思えるかもしれないけど、鞭は先生たちも
加減してぶつから、お馬さんの首っ玉にしっかりしがみついていれ
ば、たいていは悲鳴をあげずに済むくらいの痛みでしかないんだ。

 それより、このお仕置きは、みんなの見ている前でパンツを脱が
されるだろう、そのことの方がよっぽどショックだったよ。

 実は三愛のお仕置きというのは辱(はずかし)めが目的になって
るものがほとんどなんだ。

 お姉ちゃんも最初の鞭が終わって僕たちを初めて見た時は、もの
すごくショックだったと思うよ。
 一瞬、目が点になってたもん。(x_x)

 そして、しょげ返っているお姉ちゃまたちの前に出てきたのが、
神林先生なんだ。

 「今日のあなたたちにはがっかりしました。もう少し聞き分けの
よい子たちだと思っていたのに残念です。きっと、そのお口とお腹
には何かおしゃべりしてないと痒くて仕方がない、ばい菌がついて
いるのかもしれませんね。……ね、そうなんでしょう?」

 神林先生は三人のお姉ちゃんたちのうつむいた顔を一人ずつ順番
に下から覗き込んだんだけど、三人はただただ首を振るだけで何も
言わなかった。

 というか、言えなかったんだろうね。
 そんな馬鹿な質問には答えられないもん。

 僕にも経験があるけど、こんな時に先生と議論するなんて怖くて
できないんだ。自分たちの方が悪いってこともわかってるし……
 普段は仲のよい友だちのように何でもお話できるやさしい先生も
こんな時は怖い怖い鬼のように見えるんだ。だいたい、体の大きさ
だって、力の強さだって段違いなんだからそれは仕方ないよね。

 『今はただただ嵐の過ぎ去るのを待っている』
 そんな感じかな。

 だから……
 「これから一人ずつお口を洗います」
 なんて言われて、小さな石鹸を口の中に放り込まれ、先生の指が
乱暴に口の中で暴れても、それは必死に我慢するしかなかったんだ。

 そして……
 「やはり、お口の中だけじゃだめね。あなたたちにおしゃべりを
させてる悪魔はきっとお腹の中で暴れてるんでしょうから、お腹の
中も綺麗に洗ってしまわなきゃ、あなたたちのおしゃべり癖は治ら
ないわね」

 先生の言葉は三愛用語なの。一般の言葉に翻訳すると……
 「お浣腸しましょうね」
 って、これだけ。(^_^;)

 当然、お姉ちゃまたちの顔は真っ青、僕にしても『え~~あれ、
やるの~~(^_^;)』って感じだけど、よくも悪しくも僕たちって、
先生方のよい子だろう、勇気のない僕なんてどうする事もできない
んだ。


**********バイ、バイ、(^ー^)ノ**********


ぽっぽ汽車<小>
*)この写真は記事とは関係ありません。

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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