2ntブログ

Entries

[ 第 2 回 ] 仏間での出来事

❈❈❈❈❈❈❈❈❈  [ 第 2 回 ] ❈❈❈❈❈❈❈❈❈

    ❈❈❈❈❈  仏間での出来事  ❈❈❈❈❈

 姉(メジラ)はすでに正座し、他の三人もその場で正座すると、
お母さんが重い口を開いた。

 「実は、茜ちゃんが、先週、理科と社会で落第点を取ったの。
これは、普段なら落第点のテストなんて公開しませんが、今回は
……あえて見てもらいます」

 そう言ってお母さんが大事そうに取り出したのは、お経の本に
挟んでおいた二枚の紙だった。

 「げっ!」「何、コレ?」ヾ(゜0゜*)ノ?ヾ(゜0゜*)ノ?

 二人とも驚いたのなんのって、そこには『35点』と『45点』
って書かれてたんだ。

 ぼく達はまだ低学年だからね点数を取りやすいけど、それでも
80点以下のテストなんかお母さんに見せたことがなかった。
 85点のテストを持って帰って来た時なんか、殺されるんじゃ
ないかって思うほどすごい顔で睨まれたもん。

 100点とっても当たり前という顔をしているお母さんにこれ
を見せるのはずいぶん勇気がいっただろうなあと思ったけど……
 お姉ちゃんはこれを見せ損なっていた。

 『わかるけどねえ』(^_^;)

 そればかりではないんだ。どうしようか、答案用紙を見ながら
窓辺で思案していた矢先、お母さんに部屋へ踏み込まれてしまった
お姉ちゃんは、慌ててその二枚の紙を窓から捨ててしまったんだ。

 『あとから拾いにいけばいい』
 最初はそう思ったようなんだけど、事はお姉ちゃんの思う通り
にはならなかった。

 風邪に舞った二枚のテスト用紙は、お姉ちゃんが二階から降り
てくるより早く裏の垣根を越えてお隣さんの庭へ。
 親切なそこのおばさんがその日のうちにお母さんの元へ届けて
はくれたんだけど……それがどんな結果をもたらしすか……あと
は誰にでも容易に推測がつくよね。

 「そう言えば、先週の月曜日、お姉ちゃんオムツで学校に来た
よね。あれかなあ」

 「たぶんそうだよ。あの日、随分周りを気にしてたけど、いつ
もより短いスカートだったから、ビニールのオムツカバーが見え
見えだったもん」

 ぼく達はひそひそ話をした。

 学校へ相談に行ったお母さんに園長先生はお姉ちゃんのために
放課後の居残り勉強を手配してくれたんだけど、お母さんが期待
していたこの件でのお仕置きはなかったんだ。

 そして……
 「あまり、厳しい折檻はなさらないように」
 という園長先生の口ぞえまでもらって一旦は帰宅したんだけど
恥をかかされたと思っているお母さんの怒りは収まらないんだ。

 結局……
 「月曜日は園長先生が『お勉強に差し障りがでますから』って
オムツはとってくださったけど、あなた、その後私に約束したわ
よね、居残り勉強が終わったらみんなの前でお仕置きを受けます
って……」

 「は、……はい」

 「覚えてるならいいわ。今日はお灸をすえます」

 「はい」
 メジラがしおらしく小声で答える。親に『お灸をすえます』と
言われて子供は簡単に『はい』とは言えないものなんだ。メジラ
にしてもそれなりの覚悟があったんだろうね。こんな光景、年に
何回も見られるものではなかった。

そんな従順な態度に気をよくしたのだろうね…

 「いいわ、今回はお股の中だけは許してあげます」

 お母さんの方が若干折れて話はまとまったんだ。(^_^;)

 「私の前にいらっしゃい」

 お母さんはメジラ、いえ、茜お姉ちゃんを自分の膝のすぐ前ま
で呼び寄せると、その両手を取ってまずはお説教するんだ。

 「いいですか、悪いお点を取ったことはもちろんいけない事です。
でも、もっといけない事はそのことで嘘をついたこと、そして自分
の悪い行いを隠そうとしたことです」

 お姉ちゃんはこの時すでに泣いてたけど、それは反省してたと
いうよりこれから先のお仕置きに怯えてという感じだった。
 だから……

 「ところで、あなた、どんな嘘をついたの?」

 「えっ?……それは……」
 お母さんのとっさの質問に答えられずにまごつきます。

 「えっと……テスト用紙を窓から投げちゃって……その……」

 「それだけ?…………」
 お母さんは『呆れた』という顔でした。

 「………………………」   

 「いいこと、三愛の単元テストというのは業者さんが作るやさ
しいテストなの。特別なお勉強はいらないの。学校で与えられた
課題をこなしていれば十分100点がとれるようになってるの。
それがどうして35点とか45点になっちゃうの?あなたねえ、
天野さんちでお勉強しますって出かけたけど、あれ、お勉強して
なかったんでしょう」

 「えっ、そんなこと……」
 お姉ちゃんはそこまで言って口ごもります。

 「どうせ、二人でマンガ見て時間潰してたんでしょうが……」

 「えっ……」
 思わずおねえちゃんの顔が上がります。

 「ほら、みなさいな。大方そんなことじゃないかと思ったわ。
そもそもそれが一番最初の嘘でしょう。それがなかったら、悪い
お点も取らないし、テストをお母さんに隠す必要もなかったんだ
から…」

 「………………」

 「御免なさいじゃないの?」

 「えっ……」

 「いいわ、答えられなければ…あなたみたいな馬鹿な子には、
理屈で説明するより、身体で覚えさせないとダメみたいだから」

 お母さんは上体を起こすと、膝まづいた姿勢のままで仏壇の方
へ向かいます。

 「…………」
 そこで両手を合わせて軽くお祈りをすませると、仏壇の引き出
しから何やら取り出し、お明かりから移した新しいお線香をお線
香立てに立てて戻ってきます。

 左手に赤い紙袋、右手には火のついたお線香立て。何をやるか
は明らかでした。

 「ごめんなさい」
 お姉ちゃんは謝りますが……

 「今さら何言ってるの!いいのよ謝らなくても……」
 と、熱のない冷たい返事が返ってきます。

 「いいこと、お尻のお山に片方三つずつ。お臍の下にも三箇所、
前にすえてあげた処があるでしょう。そこに三回ずつすえてあげ
るわ。そのくらいならあなただって我慢できるでしょう」
 お母さんは半紙の上で艾を小さく固く丸めて、すえる分の数だ
け作り置きをします。

 「それで……合計、何回になるかしら?」
 
 「えっ……と……それは…………」
 ただでさえ舞い上がっているお姉ちゃん。いきなり質問されて、
鳩が豆鉄砲を食った時のような目をしています。

 「……九回」
 正確に答えられるはずがありませんでした。

 「何言ってるの。十五回でしょう。そのくらいすえてあげれば、
あなたの頭の天辺にも『これは悪いことしたんだなあ~~』って
信号が届くはずよ」

 「そんなあ~~」
 お姉ちゃんの顔はもう泣きそうです。当初の予想より厳しいの
で戸惑ってる様子でした。

 「何がそんなあ~~よ。あなた、いつからお母さんの愛が受け
られなくなったの?」
 お母さんがひと睨みすると、

 「……」
 お姉ちゃんは体全体を使って顔を左右に激しく振ります。

 「いいのよ。嫌なら今すぐここを出て行っても………うちには
清美さんっていう立派な女の子がいるんだから……」

 「…………ごめんなさい」
 お姉ちゃんは小さな声でつぶやきます。
 そんなこと言っても、お母さんの怒りが収まらないことは承知
していますが、寄る辺なき身の上のお姉ちゃんはそれ以外何も言
えないのでした。

 もちろん、お母さんが自分を見捨てるはずはないとわかっては
いるのですが、子供はそれでも不安なのです。

 「さてと……それではここへ来なさい。うつ伏せになるの」
 艾を作り終えたお母さんは、正座した膝をぽんぽんと二回ほど
叩いてお姉ちゃんを促します。

 「…………」

 お姉ちゃんに別の道は残っていませんでした。
 『お母さんのお膝の上で熱いおやいとを必死に我慢する』
 どう考えてもそれしか道はなかったのです。

 「…………」

 なかったのですが、だからといって……
 『それではさっそくお邪魔します』☆ヽ(∇⌒*)よろしぅ♪
 とはいかないわけで、お姉ちゃんはしばらくその場を動きません。

 「どうしたの?さあ、いらっしゃい。……ほかの子たちも遊び
に出たがってるのよ。それとも、あなた、この間みたいにお父様
からやっていただきたいのかしら?」

 「…………」
 お母さんにこう言われて、お姉ちゃんはより一層激しく首を横
にします。

 「だったら、いらっしゃい。まごまごしてると、本当にお父様
がいらっしゃるわよ」

 こう言われて、お姉ちゃんはやっと重い神輿を上げたのでした。


●○♪♫♭♯♪♫ (^o^)/~ Bye Bye ♭♯♪♫♭♯◆◇

コメント

コメントの投稿

コメント

管理者にだけ表示を許可する

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR