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〘 第 13 回 〙中華屋さんでの思い出

          亀山物語
                     合沢啓治(著)
〘 第13回〙 中華屋さんでの思い出
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<主な登場人物>

私(合沢啓治)/亀山愛育院の孤児。由美子の弟。

小島先生   /私の家庭教師であり、実質的にはママ。

大石胤子   /亀山村の村長さん。(三代目)女王様。

榊原 美里  /同級生の恋人。片想い。

森下景子先生 /由美子お姉様の家庭教師(ママ)であり、
       /かつ、学校では担任の先生でもある。

合沢由美子  /私をリンチにかけたお姉様の一人。私の姉。

小川静子   /泣き虫。リンチ四人組の一人。

桐山香織   /おっちょこちょいで早とちり。四人組の一人。
       途中でお灸をすえられそうになる。

安西遥香   /優等生だが、今回の事件に関与。四人組の一人。
途中でお漏らしをしてオムツ替えをさせられる。

美代子と彰子 /今回私のリンチには加わらなかったお姉様。

 お義父様  /亀山の子供たちは誰もがお義父様の子供として
(合沢徹)   /その家で家庭教師(ママ)と一緒に暮らしている。

 お義母様  /お義父様の奥さん。元々はお義父様のお付き合い
(合沢早苗)  /で亀山に来たのだが、今は子供たちにも優しい。

桐山高志 /幼稚園児(5歳)。由美子のお友達、香織の弟。 

 大原先生/高志君のママ。

 おばば様/亀山のお灸担当係。子供たちの実母を知る老婆。

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****<13>********************

 話を元に戻すけど、二人のお姉様たちはベッドインする時には
下の毛をすっかり綺麗にされてから、オムツだけを穿かされて、
寝かされるんだ。

 『最後のお仕置き(◎-◎;)!』

 そうじゃないよ。オムツだけでも身につけてさせてくれるのは
お義父様の配慮なんだ。だって当番でお泊まりする子はすっぽん
ぽんだもん。(^^ゞ

 『(◎-◎;)!』

 そう、パジャマも下着も何にもなし。全裸でベッドインだから、
お義父様もお義母様も添い寝した子供たちには触り放題という訳
です。(^_^;)

 『おちんちんも触られた?』(◎-◎;)

 はい。お義父様からもお義母様からも(^◇^;)

 お尻の穴に太い指が入ってきたり、鼻の頭や顎の先、ほっぺた
なんかを舐められたなんてしょっちゅうです。ちなみに、指先は
特にお気に入りみたいで、普段お膝の上にいる時にもよくしゃぶ
られました。(^0^;)

 でも、卑猥な感じってのはありませんでしたよ。相手の心の中
までは知りませんけど、こちらはそれで変な気持になったことは
ありません。

 何と言っても私たちは天使ですからね。そんなことで騒ぎ立て
たりはしないんです。σ(^◇^;)

 このあたりがきっと世間から『あいつらは子供妾だ!』なんて
陰口をたたかれる所以なんでしょうけど、今では『それが何か、
問題でも?』と開き直ってます。

 そんなふうに訓練されて育てられたせいなのかもしれませんが、
それでお義父様やお義母様が満足されるなら、私に不満なんてあり
ませんもの。

 ママとの間もそうですけど、濃厚な愛に身を委ねている時って
とっても気持がいいんです。本当に身体がとろけてしまうんじゃ
ないかって思えるほどのエクスタシーが、射精とは無関係に存在
するんです。本当ですよ。(*^_^*)

 そんなシチュエーションに性的な色が付くのは、実は、亀山を
離れてからなんです。

 お話がまたあさってにの方向に行きかけているので戻しますが、
この日の夜、お仕置きでお泊まりした由美子お姉様をお義父様は
ゴルフを誘います。

 公開処刑の時も誘いましたからこれで二度目です。大人なら、
『これは何かあるな』とにらむところでしょうが、お姉様には、
その意図がわかりませんでした。

 「ええ、ではお供します」

 お姉様自身は、最初それほど乗り気ではありませんでしたが、
結局お付き合いする事になりました。というのも、ゴルフはとも
かく亀山の子供たちにとって亀山を下りて外の空気を吸えるチャ
ンスはそれほど多くないのです。

 『ピクニックと思えばいいから』という軽い気持で受けたみた
いでした。

 亀山のゴルフというはゴルフ場を一日貸し切って行います。
 みなさん有名人ですから見かけない子供と一緒の処を文屋さん
にスクープされないようにという配慮でした。

 いえ、ゴルフ場だけではありませんよ。子連れでお出かけする
場所はデパートであろうと、遊園地であろうと、劇場、避暑地、
その他何でも目的地は貸し切りでした。

 『え、そんなに簡単に貸し切りってできるのか?』

 大丈夫なんですよ。(*^^)v
 それはすべてどちらかの家のお義父様の持ち物か関係先なんで
すから。

 私達はお義父様の財産に直接手をつけることはできませんが、
進学、就職、独立、何をやるにもお義父様から援助を受けていま
した。

 その日のゴルフは安西家との対抗戦でした。といっても、この
ゴルフは競技ではありません。一つのボールをその家の子供たち
が順番に打っていって少ない打数で入れた家が勝ちというもの。
 家族で楽しむお遊びです。

 とりわけチビちゃんが登場すると、クラブを握る可愛らしい手
をお義父様が包み込むように握ってスイング。実際上はお義父様
が打ってしまいます。

 そのホールごと勝った方は負けた方に何かおねだりできますが、
賞品といってもお義父様のポケットマネーでどうにでもなる程度
の物しか出ません。
 子供たちが持ち回りで賞品を得ていき、片方に賞品が偏るよう
なら、そちらのお義父様がボールをわざとあさっての方へ打って
ハンデを作るといったことまでなさいます。
 そういった意味では八百長試合でもあったわけです。

 親睦が目的ですし、気晴らしができたらそれでよかったのです。
ですからプレー中は無礼講。お姉様たちはファッションを決め、
おすまししてクラブを振っていましたが、男の子やチビちゃん達
は短いパターでチャンバラなんか始めちゃいます。
 でも、今日ばかりはちょっとやそっとのことではお仕置きされ
る心配がありませんでしたから心の休養にはなったみたいでした。

 ちなみに、安西さんの処でも子供たちの中に厳しいお仕置きを
受けたばかりの子がいて、そのあたりの事情はうちと似通ってい
ます。
 どちらのお義父様も子供たちに苦いお薬を飲ませた後、口直し
にと甘い飴をなめさせようとしたのでしょう。これはそんな飴の
役割を果たす行事だったのです。

 そんなこんなで無事、親睦ゴルフは終了。9ホールだけ三時間
くらいかけて回りました。

 そして、そのお昼。安西のお義父様は知り合いのレストランへ
私たちを誘ってくださったのですが、なぜか、お義父様がそれを
丁寧にお断りになります。

 実は、ゴルフは外出するための大義名分。これからが行く処が
どうやら本当の目的の場所だったようでした。

 ベンツが丘陵地にあるゴルフ場を出て向かったのは横浜の市街。
それも下町の一角でした。

 ポンコツの国産車ばかりが並ぶ駐車場に、ベンツとワーゲンを
止めて合沢家の人たちが入ったのは風采の上がらない店主が経営
する薄汚れた中華屋。普段こうした催し物の時にお義父様が利用
するレストランとは比べるべくもありません。

 「いらっしゃい」

 店主の無愛想な声に一同は店の中へ入りますが、中も外観同様、
一目で安物とわかる椅子やテーブルに囲まれています。おまけに
そのぐらつくテーブルには、女中部屋にさえこんな物は掛かって
いないだろうとという薄汚れたビニールのテーブルクロスが……
 幼い僕でさえ、そこは違和感のある場所でした。

 ただ、ここもお約束通り貸し切りです。

 総勢12名がおのおの好きな処に陣取ると、さほど広くない店
の中は合沢家の一族だけで満席になります。

 そんななか、お義父様が由美子お姉様にだけは自分の隣に座る
よう命じます。

 「ぼくも……」
 さっそくそう言って甘えてみたのですがですが……
 「今日はだめだ」
 つれなく拒否されてしまいます。

 お父様の隣りを射止めたのは、由美子お姉様だけ。今日だけは
誰もお義父様のお膝を許されませんでした。

 「何にいたしましょうか?」

 恐る恐る中年のウェートレスが注文を取りに来ます。
 そりゃあ、これだけの大所帯。しかもお義父様はイギリス紳士
然としていて明らかに場違いな雰囲気です。
 そんなことからでしょうか、メモを持つ手はすでに震えていま
した。いえ、それだけではありません。すでに額も汗でびっしょり。
 ただでさえ、薄汚れた店内なのに、食欲がなくなります。

 「何を食べたい?」

 お義父様は由美子お姉様に尋ねますが、どうやらその表情は、
僕と同じで『こんな場末の中華屋では食べたくない』という様子
でした。

 「私、このお店のお料理のことはよく分かりませんから、お義
父様と同じものをいただきます」
 お姉様が素っ気なく答えるので…

 「メニューも見ないでそんなことを言うのはこのお店にも失礼
だぞ。いいからメニューを開きなさい」
 お義父様にこう言われてはお姉様もそうせざるを得ません。

 そこでお姉様が渋々メニューを開くと、今度は…
 「酢豚と書かれている処を指してごらん」
 こう言われますからお姉様は不審そうな目をしつつもその通り
にします。

 このあたりからお姉様はどうも様子がおかしいと思っていたの
かもしれません。
 お姉様が酢豚と書かれたメニューを指さすと、注文を取りに来
た中年ウェートレスがその皺くちゃの顔をメニューに近づけてい
きます。

 「(この人、目が悪いのかなあ)」
 と思いました。何しろその顔はお姉様の指に触れるんじゃない
かという処まで接近しましたから。

 その光景は明らかに異常でした。

 驚いたお姉様が指を引っ込めると、今度はお義父様が…
 「それじゃ分からないだろう。もう一度指してあげなさい」
 と言うのです。

 口で言えばすむはずのやりとりをなぜこんなことしているのか
私にはまったく理解できませんでした。

 おまけに、お義父様は落ち着かない様子のウェートレスを自分
のすぐそばに引き寄せると、自らその手をいきなり取ってお姉様
の指の上に無理矢理乗せてしまいます。

 「これだそうだ。酢豚」
 お義父様が注文すると…

 「……あっ、は、はい」
 ウェートレスは一拍おいて小さな声で答えます。

 ほんの一瞬の奇妙な出来事。ひょっとしたら一秒もなかったか
もしれません。でも、その婦人にとっては瞬時にして永遠の感触、
神の手に触れたのも同じショックだったに違いありませんでした。

 「………………」
 お姉様は、当初動揺したように見え、少し時間がたつと不機嫌
そうな様子でメニューを覗き込みます。
 そして、それで顔を隠しながら私に尋ねるのです。

 「他の子は?…啓治、あなた何が食べたいの?」

 私だったら見過ごすようなこと。でも、そこはさすがに女の子。
こんな事だけでお義父様の意図を感じ取ったみたいでした。

 お姉様は、それ以降も中年のウェートレスを追い求めるような
視線の動きは見せませんでしたが、ただ、いつも以上におすまし
して食べていました。こんな食堂で……

 帰りしな、お義父様はその中年ウェートレスから赤いセーター
を託されます。しかしそれはお義父様が受け取ることのできない
ものだったのです。

 何度か押し問答の末、お義父様は一旦それを受け取りましたが、
赤いセーターは、次の報告の日に他の物と一緒に彼女のロッカー
に入れてあったそうです。

 亀山に我が子を預けた実の母親はおばば様によって全身にお灸
をすえた後、鍵を一つ与えられるのですが、これは、以後半年に
一度だけ、我が子の成長記録と沢山の写真を収めた報告書を受け
取るための私書箱の鍵でした。

 その荷物が届くのが報告の日なのです。

 ただし、これは亀山からの一方的なもので、母親の方から手紙
や品物をここに入れても我が子には届きません。
 そして何より、この報告を二回連続受け取らない時はもう報告
はやってこないことになっていました。

 幸い由美子お姉様の母親は毎回この報告を受けていましたから
娘が今どんな顔をしているか、どんな身体つきなのかも知ってい
ました。ですから、お店に入ってきたとたん、それが我が子だと
分かったはずです。

 一方、お義父様も事前に人を頼んでロッカーから報告書を持ち
帰る婦人を付けさせていました。こちらも彼女が由美子お姉様の
母親だと知っていたはずでした。

 ただし、子供たちが18歳になる前に実の母親に会わせる事は
お義父様といえどできません。ですから、あくまで偶然を装い、
この店に立ち寄ることにしたのです。

 その後、お姉様が一度だけお義父様に事の真相を尋ねてみた事
があったそうですが、その時も…

 「あれは偶然あそこに入っただけ。ウェートレスがどんな人か
私は覚えていないよ」
 とそっけなかったそうです。

 ですが、由美子お姉様にとっては、これが公開処刑やその後の
厳しいお仕置きに対する一番の癒しとなったのは確かでした。

 その後、お姉様の部屋には、とある中年婦人の肖像画が小さく
掲げられましたが、それは、あの時のウェートレスを思いだして
描いたものに違いありませんでした。

 亀山の孤児たちは、仲間内では、よく実の母親のことを興味の
ない存在のように言います。今お世話になっているママやお義父
様がすべてだと……。
 ですが、それは強がっているだけ。そう思っていないとここで
は暮らす気力が湧いてこないからそう言っているだけの事なの
です。
 本気でそう思っている子なんて一人もいませんよ。

 母親なんて、ごく自然に得られた人にとっては『そんなもんか』
という程度のものでしょうけど、得られなかった者にとっては、
どこまでも『永遠のマドンナ』であり、『永遠の憧れ』なんです。

 お義父様やお義母様、もちろんママは大好きですが、どんなに
親切にしてもらっていても、やっぱり実の母親に会いたいという
思いは生涯心のどこかに持ち続けているもの。

 母への思いは神様と同じように手の届かないものなのですが、
その幻影は神様より遙かに身近で感じるものだったのです。


(追伸)
 あの赤いセーターは確かに次の報告日にロッカーに入れられて
返されましたが、後日、まったく同じように作られたセーターを
お姉様が着て写真に収まっていたのを見たことがあります。

 きっとお義父様がまったく同じに作らせたんでしょうね。由美
子お姉様はそんな器用な人ではありませんから。(∩.∩)

            
***************** <終> *** 

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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