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〘 第 12 回 〙 お仕置きのあとは……

          亀山物語
                     合沢啓治(著)
〘 第 12 回 〙 お仕置きのあとは……
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<主な登場人物>


私(合沢啓治)/亀山愛育院の孤児。由美子の弟。

小島先生   /私の家庭教師であり、実質的には僕のママ。

大石胤子   /亀山村の村長さん。(三代目)女王様。

榊原 美里  /同級生の恋人。片想い。

森下景子先生 /由美子お姉様の家庭教師(ママ)であり、
       /かつ、学校では担任の先生でもある。

合沢由美子  /私をリンチにかけたお姉様の一人。私の姉。

小川静子   /泣き虫。リンチ四人組の一人。

桐山香織   /おっちょこちょいで早とちり。四人組の一人。
       途中でお灸をすえられそうになる。

安西遥香   /優等生だが、今回の事件に関与。四人組の一人。
途中でお漏らしをしてオムツ替えをさせられる。

美代子と彰子 /今回私のリンチには加わらなかったお姉様。

 お義父様  /亀山の子供たちは誰もがお義父様の子供として
(合沢徹)   /その家で家庭教師(ママ)と一緒に暮らしている。

 お義母様  /お義父様の奥さん。元々はお義父様のお付き合い
(合沢早苗)  /で亀山に来たのだが、今は子供たちにも優しい。

桐山高志 /幼稚園児(5歳)。由美子のお友達、香織の弟。 

 大原先生/高志君のママ。

 おばば様/亀山のお灸担当係。子供たちの実母を知る老婆。

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****<12>********************

 「ん?坊主、何してる」

 私を抱き上げ自分の懐の中に収めたのは玄さんという時計守の
おじさんでした。
 髭もじゃらで厳つい顔をしていますが、心根のやさしい人で、
この時計台にはよく連れて来てくれました。

 ここからさらに階段を登って屋根裏部屋まで行くと、そこは、
亀山の中でも一番高い処ですからかなり遠くまで見渡せます。

 遠くを走る汽車やはるか彼方にぼんやりと見える町並みを見て
いると、そのどこかに本当のお母さんがいるようで感傷的になる
こともしばしばでした。ですから…

 「どうした?こんな処で…今日はてっぺんまで登らないのか?」

 玄さんはこう言いましたが、どうやらすぐに僕の目的がわかっ
たようでした。

 「何だ、…お前、あれを見てたのか?なるほど、てっぺんまで
登ると女の子がかえって遠くなるというわけか」
 玄さんは恥ずかしそうにしている私の頭をなでます。私は照れ
くさくて玄さんの胸に顔を隠しましたが……

 「お前も一丁前に女の子の裸が見たくなったか?」
 と追求されると、それには…
 「違うよ、たまたま見えただけだから…」
 と応じたのですが、通じるはずもありません。

 「いいんだぞ、男の子なんだから自然なことだ」
 こう言ってもう一度頭を撫でます。
 普通は11歳ともなればこんなこと嫌がる子が多いのかもしれ
ませんが、ここでは大人のこうした愛撫を嫌がってはいけないと
繰り返し教わってきましたから、この時もあえて抵抗はしません
でした。

 すると、玄さんはこの窮屈なスペースであぐらをかきその中に
私をいれて頬ずりまでします。愛おしくて仕方がないそんな様子
で抱きしめるのでした。

 玄さんはあれで10分も僕をもてあそんだでしょうか、でも、
それがここで女の子の裸を見ていたことを他言しない条件だった
のです。

 「いいか、服の汚れをできるだけ落として帰るんだぞ。ママが
心配するからな。そして、どうして服が汚れているのかって尋ね
られたら、玄さんと一緒に時計の修理をしてたって言えばいい。
間違ってもお姉ちゃんたちがここでされてた事を他所で口にした
らいかんぞ。おまえ、また虐められるからな」

 「わかった。分かったから、家まで肩車で送ってよ」
 僕がおねだりすると…

 「しょうがない奴だなあ。だいたいお前はもう重過ぎるんだ。
こんな重いやつを肩に乗っけたらこっちの首の骨が折ちまうよ」
 なんて言いつつも、結局は肩に乗せてくれます。

 前にも言いましたが、この街に住む人で子供が嫌いな人なんて
誰一人いませんでした。子供を見れば愛撫したくてたまらない。
そんな無類の子ども好きだけがこの亀山に住むことを許されてい
たからなんです。

 ここでは誰もが通りすがりの子供を自由に抱いてあやせますし、
抱かれた子供もそれを嫌がりません。大人に抱かれて嫌がれば、
ママや先生たちからお仕置きが待っているからそうするのですが、
おかげで子供たちの方にも免疫ができてしまって、見ず知らずの
人にいきなり抱かれても怖がるような子は誰もいませんでした。
大人の人になされるがまま笑顔で抱かれ続けます。それがまた、
大人を喜ばせ次はもっと愛されることになります。

 そんなハッピーな環境は、何よりお義父様たちの願いであり、
そんな環境が用意されているからこそ、お義父様たちはわざわざ
ここへ移り住むのでした。

 そんな私たちの事を無菌室で育てられた実験動物みたいに言う
人もいます。確かに当たらずとも遠からずでしょうけど、でも、
少なくとも不幸は感じていませんでした。
 そうなんです。あんなにも厳しいお仕置きに毎日のようにさら
されていても、大人のように大きくなった身体をもてあそばれ、
赤ん坊扱いされていても『少年(少女)時代は不幸でしたか?』
と問われれば、おそらくここの子供たち全員、答えはNoだと思
います。

 大人を百%信頼してそこで甘えて暮らすという生き方は巷では
できにくい特殊な環境かもしれませんが、決して不幸じゃありま
せんでした。現にお仕置きを受けた後は大人たちはいつも以上に
優しいですし、そうやって優しくされることで子供たちもその人
の気持を理解できるようになりますから。

 『雨降って地固まる』っていうことでしょうか。
 ママにお仕置きされるとそれまで以上にママと一緒にいたいと
いう思いが逆に強まるんです。本当ですよ。σ(^◇^;)

 そんなこんなで、亀山では、お仕置きでその人との人間関係が
ぎくしゃくしたり、心が傷ついたということはありませんでした。
 偉そうなこと言っちゃったけど、本当かなあ。(^_^;)
 でも、僕はそう思ってます。(^◇^;)


 さて、その日の夕食。僕たちお泊まり組はお義父様やお義母様
のお隣に席を取ります。それ自体は自然な習慣だったのですが、
ここに特注の幼児椅子が登場するやいなや、他の子供たちの顔が
ほころび始めます。それはこの椅子が何を意味するか、みんなが
知っているからでした。

 「由美子お姉様、お仕置きされたのよ」
 「ほら、彰子お姉様もよ」
 「何されたのかしら?」
 「鞭じゃない」
 「そうじゃないわ、ちらっと見たけど、裏庭のピロリーにこの
二人捕まってたみたいなの」
 「えっ、そうなの。じゃ、お浣腸?」
 「彰子お姉様はね。でも、由美子お姉様は、この間公開処刑で
今週分のお浣腸はすんでるから、きっとお鞭のはずよ」
 「二人ともやめなさいよ。お食事の席でお浣腸の話なんか」

 こんな会話が交わされている食堂で、二人は用意された特注の
幼児椅子に予定通り座ります。
 ファミレスなんかに用意されてる幼児用の椅子。勿論サイズ的
には少し大きく作ってありますが、あれに中学生が座るわけです
から、傍から見ればもうそれだけで滑稽です。

 由美子お姉様がお義父様の右脇、彰子お姉様はお義母様の左脇
でした。でもって空いているお義父様の左脇には私が、お義母様
の右脇は由香ちゃんという九才の可愛い妹が席を占めまています。

 お仕置きに関係ない私と妹は座面の高さを調整しただけの普通
の椅子でしたが、お二人が腰を下ろした椅子には前に小さなテー
ブルが付いていまして、この椅子に座ると、前のテーブルが邪魔
して料理にまで手が届きません。つまりお姉様二人は自分で手を
伸ばして好きな料理を食べられないというわけなんです。

 『じゃあ、絶食!』(◎-◎;)
 いえいえ、そんなことはありません。何かとお仕置きの厳しい
亀山ではありますが『食事抜き』『おやつ抜き』というお仕置き
だけはありませんでした。

 考えてみてください。子供が大好きという大人が二人も、すぐ
そばに寄り添ってるんですよ。どうするかわかるでしょう。
(^0^;)

 『!』(◎-◎;)

 「ピンポーン!」当たりです。(^◇^;)この二人の親は、
自分の食事もそっちのけで両脇を囲む子供たちに食事をさせます。

 特に自分では食事ができない可哀想な子(?)にはスプーンに
料理を乗せて口元まで運んでくれるんです。
 そう、まるで離乳食をもらう赤ちゃんみたいにです。
 親切でしょう。(^^ゞ

 ま、女の子たちにしてみると、この儀式は屈辱的で、そのこと
自体がお仕置きじゃないか、なんて勝手にほざいてましたけど、
本心は違うんじゃないかと僕はみています。

 『おまえはやられたことがあるのか?』(◎-◎;)

 当たり前田のクラッカー。(う~ん、あまりに古すぎた)
 ここに住んでる子供たちでお義父様お義母様のスプーンで食事
をしなかった子なんて誰もいませんよ。

 もっとも僕はスプーンパクリの食事のことを別に何とも思って
いませんでしたけどね。
 だって、楽じゃないですか。何もしないのに料理の方が勝手に
口の中に入って来るんですから。(^^ゞ

 それだけじゃありませんよ。僕なんて、わざと赤ちゃん言葉で
話しかけてお義母様のご機嫌を取ると拘束椅子から出してもらい
お義母様の膝の上で食事をしたことだって何度もありました。

 ええ、亀山ってところは偉そうにしてるより、甘え上手な子が
得をするように出来ているんです。

 ごく幼い頃ですけどね、お義母様に抱かれている時に、本物の
おっぱいが目の前に現れたのには、さすがに面食らいましたけど、
でも、据え膳食わぬは男の恥とか言いますから、ありがたくいた
だきました。(^^ゞ

 『これって、愛なの?お仕置きなの?』(◎-◎;)

 だからさっきから言ってるでしょう。お仕置きって、愛の一部
なんだって。

 これだってもともとはお仕置きされた子をねぎらうために始め
たみたいなんですけどね。なかには『嫌なことをされてる』って
思う子だっているでしょうから、その場合はお仕置きの延長って
ことになります。

 実際、自尊心の強い子の中には耐えられない子がいて、あまり
にいやいやがキツいもんだから、とうとう下はすっぽんぽんで、
コーナータイムさせられたなんてケースがありましたけど……

 それは特殊なケース。大半の子は営業用の笑顔を全面に出して
お義父様やお義母様子のお小言を聞き流しながら口元まで届いた
スプーンをぱくりとやって食事します。(≡^∇^≡)

 「いいこと、二度とこんなおいたをしてはいけませんよ。もし、
これから一週間の間いい子でいたら、あなたが欲しがってたGI
ジョーのお人形を買って上げますからね」
 なんて言われながら食事をするんです。

 うまく立ち回ると色々得することも多いので、『焼け太りだ』
なんてお仕置きされなかった子からひがまれることも……。

 この二人のお姉様たちもそこは女の子ですからね。ちゃっかり
しています。この赤ちゃん食事会で日頃欲しいと思っていた物を
色々買ってもらう約束を取り付けたみたいでした。

 『お仕置きに関係ない子は何ももらえないのか?』(◎-◎;)
 もちろんそんなことはありません。お泊まりの日はクリスマス
や誕生日と同じで、お義父様サンタさんから沢山のプレゼントが
届きます。

 ただ、昼間お仕置きがあった子には……
 『それでもお前たちをを愛されてるんだよ』
 という実感を与えてから寝かしたいというお義父様お義母様の
配慮なんです。

 だから、子供の方も普段以上に赤ちゃんとして振る舞うことが
求められるのでした。
 食事もそうですし、寝る時もお泊まりする他の子の見ている前
で、わざとオムツを穿かされます。もちろん、それを嫌がったり
悲鳴を上げたりしてはいけませんでした。

 「キューピットはいつも裸だよ。だけど恥ずかしがらないだろ
う」
 お義父様は夜のオムツ換えでお尻バンザイをしている子が恥ず
かしがると、いつもこんな事を言っていました。

 そうは言っても、こっちだって生身の人間ですからね、10歳
を越えたらそりゃあ恥ずかしいです。でも、それが僕たち子供の
仕事だと思って割り切るしかありませんでした。

 『割り切れない子もいるの?』

 いますね。これだけ甘々の環境で育ってるのにプライドが高い
というか、自尊心が強いというか……それは、巷でなら当たり前
なのかもしれないけど、順応性のない子は不幸になりますね。

 ただ……
 そんな子はどうしてもお仕置きが多くなるから、その時は……
 『またやられてる。可哀想に……』
 って思ってたけど……でも、今、思い返してみると、そんな子
はそんな子なりに大人たちのお仕置きで遊んでたんじゃないかっ
て思えちゃうんですよ。

 『???』

 だって、そんな子だってここでは見捨てられるわけじゃなく、
お仕置きの後はやっぱり他の子と同じように可愛がってもらえて
たし、厳しいお仕置きを受ければ受けるほどその後のべたべたも
濃厚になるから、私たち以上にその子は赤ちゃんにされてたとも
言えるわけで……

 何より、大人になったその子たちって、僕たち以上に亀山を愛
しているし、社会に出てからも何かと亀山のこと気にかけてて、
奉仕してるもの。

 『奉仕?』

 そう、ここのOBやOGは社会で成功すると何かにつけて後輩
たちを援助してくれるんです。

 学校の校舎や修道院なんてここ出身の土建業者が建てたものが
ほとんどだし、学校の制服も毎年新しいデザインの物がアパレル
関係のOGから送られてきます。肉や野菜は専属契約を結ぶ近く
の農家からやってくるけどそれ以外の食料品や学用品、電化製品
なんかも、みんなみんなここの出身者が提供しているです。

 ついでに言うと、近くにある総合病院の医療スタッフなんて、
半分以上がここの出身者だから仮病なんか使ってばれちゃうと、
この病院に送り込まれてハレンチな検査でヒーヒーいわされちゃ
うんだ。みんな恐れて『魔の病院』って呼んでるくらいだもん。

 もちろんママ(先生)の中にもここの出身の人は少なくなくて
……『恐怖のお仕置き連鎖』なんだ。(>_<")

 彼女たちにしてみればここがふる里。ここがお家。どんなにお
仕置きが厳しかったとしても、それを含めて生活習慣を変更して
欲しくないって思うようなんですよ。

 『一大勢力?』(◎-◎;)

 ま、そうなのかもしれませんけど、最近はちょっとでも厳しく
お仕置きすると「虐待だあ」なんて言われてしまいますからね、
あまり世間には知られないようにしてるんです。

 『あなたもお仕置きは支持?』

 そうですねえ。それで子供が不幸になってるなんて思えません
から。要は愛されている人から受けるかどうかじゃないですか。
愛されていないと感じる人からは髪に触れられただけでも虐待と
感じますよ。


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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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