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5/26 ママ語

ママ語

 僕は日本語のほかにもう一つ、別の言語を持っている。

 それが、ママ語。

 幼児の頃に習得して、いまだに使っている便利な言葉だ。

 この言葉の便利な処は一音か二音程度、どんなに長くても四音
もあれば、かなり込み入った内容でもやり取りできる点だ。

 例えば、「あ~」という言葉と共に母の胸でおっぱいを掴む。

 たった、これだけで……
 「あらあら、大変、お腹がしくしく痛むの。それで、お薬は飲
んでもいいけど、お医者さんには行きたくないのね」
 となる。

 これだけの文章を、「あ~」という一音で間に合わせることが
できるのだから便利な言葉なのだ。

 もちろん、この「あ~」は、顔の表情や仕草などを含め微妙な
ニュアンスを使い分けて百や二百通りに意味に差し替えることが
できるから、細々とした文法など最初から必要ないのだ。

 時には、発音さえ必要でない場合さえある。表情と仕草だけで
……

 「あなた、今度の事、あまり乗り気じゃないけど、やらなきゃ
いけないと思ってるみたいね。でもね、こんなに強いストレスを
抱えてたら、やりおうせたとしてもその後にしこりが残るから、
やめた方がいいわね」

 と、こんな事を言うのだ。

 この時、母は、『今度の事』が何なのか、まったく知らない。
なのに、『今度の事』の重要度やそれをどのように決断しようと
しているのかを、例えば、『重要度はB程度、70%位は積極的
にやろうと思ってる』みたいな心模様の色合いまで解き明かして
しまうのだ。

 こんな事はお嫁さんには間違ってもマネができない。
 なのに、この人は……
 「私とお義母様と、いったいどっちが大事なのよ!」
 なんて息巻くもんだから、女のというのは、つくづく不思議な
生き物だ。

 「そんなもの、合理的に考えれば、あったりまえじゃないか!」

 って本当は言いたんだけど、お母さんが……
 「それは絶対に言っちゃだめよ」
 って言うから、言わないけどね。

**************************

<追伸>
 カレンのミサ曲はこれから先、色んなバージョンが残ってて
整理されずに尻切れトンボのものばかりなんです。
 要するに、私の悪い癖で、その瞬間、その瞬間、想いつく
ままに描き散らかしていますから、どれがどれやらわから
なくなってしまっています。
 おまけに、私の仕事も忙しくなって……
 更新は気長にお待ちください。
(読んでいる人がいればの話ですが…)


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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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