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乙女の祈り

<ご注意>
 『乙女の祈り』なんて題がついてますけど、中身は男の妄想
です。女性にはちょっと……(^^ゞ
ただ、私の作品なんで、どのみち深刻な内容ではありません。

************************

          乙女の祈り

                       K.Mikami

 広い森の奥にそこだけ開けて小さな女学校があります。普段は
とても静かな場所ですが、今日だけは少し事情が違うようです。

 「カラン、カラン、カラン」

 放課後のチャイムが鳴り響いた直後、何処からともなくヘリコ
プターの音が……

 「バタバタバタバタバタバタ」

 それは森中に木精してやがて轟音とともに降りてきます。

「さあ、早く乗って。いいこと、緊急事態ですけどね、あなたへ
のレッスンはまだ終わっていませんからね」

 激しい突風の中をシスターが少女のお尻を押し上げてヘリコプ
ターへ乗せます。
 本当なら、今さっきまで先生にぶたれていたお尻が「痛い!」
って悲鳴を上げるところですが、文字通りの緊急事態。少女も、
そんなこと言っていられませんでした。

 「病院に着いたら学校に電話しなさいね」

 シスターは一人の少女を送り出しました。

 「バタバタバタバタバタバタ」

 一段と大きな音を残してヘリコプターが飛び立ちます。

 急病人でしょうか。
 実際、この学校にヘリコプターが飛んで来るのはそんな時しか
ありません。

 急患は確かにでていました。
 でも、それはこの少女ではなく、彼女の母親だったのです。

 『神様、どうかお母さんをお守りください』

 彼女は『ティンカーベル』と名付けた妖精の人形をしっかりと
握り締めると、さっきから、ずっと同じことを呟いています。

 『彼女の母親が飛行機事故で病院に運ばれた』という第一報が
学校に届いたのが今から三十分前。それに対し、学園長の英断で
ヘリコプターが呼ばれたのがその十五分後でした。

 ところがところが、そのさらに十五分後……

 偶然とは恐ろしいものです。
 今度は少女を乗せたそのヘリコプターまでもが……

 「おい、どうした。操縦桿がきかないぞ」

 少女にとっての唯一の救いは、墜落すると分かってから実際に
そうなるまでの時間がパイロットより短かったことでしょうか。
 ショックを受ける時間がそれだけ短いわけですから。

 「わあ~~~」

 パイロットの絶叫を残して、ヘリコプターは森の中へ。

****************************

 「大丈夫、アリサ。起きて、ねえ起きて」

 少女アリサを起こしたのは彼女が最後まで胸に抱いていた人形
のティンカーベルでした。

 「…………………」

 見るとそこはくすんだ黄色い世界。
 ごつごつした岩肌だけでなく、空も、川もすべてが黄色い世界
だったのです。

 「ねえ、ここはどこ?…天国なの?…それとも……」

 「どちらでもないわ。ここは黄泉の国よ」

 ティンカーベルが答えます。

 『これは夢だわ。きっとそうよ』

 彼女は心の奥底でそう悟りました。けれど、その夢は容易には
覚めてくれません。
 彼女がどんなに、『こんなの夢だ。目を覚まそう』と思っても
夢の世界のままなのです。

 『どうして覚めないのよう!』

 アリサに言い知れぬ不安が募ります。
 そして、ふと思いついたのです。

 「ねえ、ティンカーベル。あなた、お母さんのこと知らない。
ひょっとしたら、お母さんもここに来てるかも…」

 ティンカーベルに尋ねますが、彼女は首を横に振るだけでした。
 でも、そのうち思い出したように……

 「そうだわ、大王様ならひょっとして知ってるかもしれないわ。

 「大王様?」

 「そうよ、ここの主なの。……こっちへ来て」

 ティンカーベルはアリサの手を引くと、大きな岩山へとたどり
着きます。

 「大王様、お願いがあります」

 ティンカーベルが大きな声を張り上げて、大きな岩にむかって
叫びますと…

 「どう~れ」

 地響きとともに地面が揺れ、岩だとばかり思っていた地面は、
身の丈十米もあろうかという大男でした。

 「何の用じゃ」

 胡坐をかいた大男はその顔だけでもアリサの十人分はありそう
でした。

 「大王様、私の親友のお母さんを探して欲しいのです。この子
の母親が、今日、飛行機事故にあったみたいなんです。ひょっと
したらここに迷い込んでないかと思って……」

 「この子とは誰のことじゃ。わしは目が見えぬからな。この子
じゃわからんよ。……その子に言え。裸になるようにとな」

 「え!」

 アリサは驚きます。でも、拒否はできませんでした。
 ティンカーベルはもっと積極的です。

 「さあ、早くして。他に方法がないのよ」

 アリサが迷っていると……

 「嫌ならよいのだぞ。無理にとは言わん」

 大王様がへそを曲げてまた寝っ転がろうとしますからティンカ
ーベルは慌てます。

 「え~い面倒だわ。アリサ目をつぶって」

 ティンカーベルの方が先に決断して……

 「いやあ~ん」

 妖精は自慢の杖でアリサの服を全部脱がせてしまいました。
 それだけではありません。

 アリサを膝まづかせると、両手を後ろ手にして身体が動かない
ようにしたのです。おかげで、

 「いやあ、やめて……何するのよ」

 膝まづいているアリサの前面は最近肉付のよくなった太股から
萌え始めたばかりの下草を戴く三角デルタ、キュートなお臍やA
カップの胸、可愛いらしいピンクの乳頭に至まで、そのすべてが
大王様と直接向き合ったのでした。

 『いやいや、お願い。夢から早く覚めて…殺されちゃうわ』

 アリサは、友人との約束を守って目を閉じていましたが、今と
なっては、目を開けようにも恐くて開けられないというのが真実
だったのです。

 やがてその恐怖は、すぐに実感をもって訪れます。

 「ギャアー」

 アリサは何にでも悲鳴を上げる子ではありませんが、やはり、
これは特別でした。

 何と、大王様がその巨大な舌でアリサの前面を太股から額まで
ぺろりと一舐めにしたのです。

 ざらざらとした巨大な舌はアリサの足の指先から頭の天辺まで、
全身くまなく高圧電流を通しました。

 「死ぬ~~~~~~~~~~(でも……気持が……いいの)」

 アリサはショックのあまり、全身が硬直して身動きできません。
ですから、ティンカーベルが代わりに大王様と交渉します。

 「なに、黄泉の国に来ている母親を現世へ戻してくれだと……
しかし、それは規則違反じゃ」

 大王様がしばし考え込みますから、ティンカーベルはもう一度
アリサを膝まづかせ両手を頭の後ろで固定します。

 再び……

 「ギャアー~~~~~~(わあ~~~漏らしちゃってる。でも、
何て気持がいいの。とろけてしまいそうよ。もう一度やって~)」

 アリサはすでに腑抜けになっていましたが交渉事は進展します。

 「う~ん、わざわざ二人して黄泉の国まで来たのだからな……
助けてやらんでもない」

 大王様はその大きな舌の上にアリサの股間を乗っけて身体ごと
高々と持ち上げると、その舌を滑り台にして何度も何度も滑らせ
ます。

 そうやって、十二分に楽しんでから……
 二人に一台のタイムマシンを貸してくれる事になったのでした。

 そして……
 「これに乗って過去へ行き、おまえの母親が二十年前のこの日
に犯した罪を償えば許されるであろう」
 と言ってくれたのでした。

 「ありがとうございます。大王様」

 繭玉の形をした乳白色の機体はあっという間に過去の世界へ。
やがて雲の切れ間に現れたのは二十年前の聖愛学園でした。

 「カラン、カラン、カラン、カラン」

 学園の鐘が鳴るなか、遠くで聞き覚えのある声がします。

 「待って~」

 発車寸前のスクールバスに恥も外聞もなくお尻をさすりながら
駆け寄る少女。
 見ると、それは若き日のアリサの母、ケイトでした。

 『やだ、あれ、ママよ。今日は、終業式じゃないの。どうりで
下校時間が早いと思ったわ』

 未来の娘が空の上から眺めているとも知らず、ケイトは、家の
近くで男の子が近寄ってきて声をかけると、そのまま何処へとも
なく行ってしまいます。

 すると…

 「何よこれ」

 気が付けば、アリサは母の制服を着て、自宅玄関に立っていま
した。

 「いやよティンカーベル。こんなの」

 アリサはお空のティンカーベルに向かって叫びましたが……

 「仕方ないでしょう。やらなければ、あなたのお母様は助から
ないのよ」

 この時、ティンカーベルの声は天の声でした。
 でも、自分も母と同じ聖愛学園の生徒。これから何が起こるか、
もう分かってしまったのです。

****************************

 「お帰りケイト。何ぶつぶつ言ってるの」

 玄関の物音に気付いて母が…といっても、アリサにしてみれば
それは祖母なのですが…顔を出します。

 「さあ、シャワーを浴びておいで」

 制服を私服に着替えて居間に戻るとそこには紅茶とクッキーが
用意されていました。

 居間で一息ついたあと、母は少し引き締まった顔になって娘に
こう言います。

 「今日は終業式ね。覚悟はできたかしら」

 「…………」
 こう問われたって、いきなりの身代わりですからね。答えよう
がありませんけど……母は勝手に結論を出します。

 「そう、それでは、そろそろお父さまの処へ、ご挨拶に行かな
ければならないわね」

 『いよいよだわ』

 アリサの顔から見る見る血の気が失せていきます。
 でも、聖愛学園に通う少女たちにとって、これは逃れられない
運命でした。

 終業式の日、通知表をお父様に見せて、裁断をいただく。
 もちろん、成績がよければ問題ありませんが、悪い時はお仕置
です。普段はやさしいお父様もこの日ばかりは許してくれません
でした。

 『こんな大事な日に、男の子ととんずらだなんて……』
 アリサは開いた口が塞がらない思いでしたが、今さら、それを
言っても仕方がありません。
 腹をくくるしかありませんでした。

 母に連れられてやってきた父の部屋は西日のさす離れ。

 大学教授の彼は、山のような蔵書とうずたかく積み上げられた
煙草の吸い殻に囲まれて一日中ここで暮らすことも珍しくありま
せんでした。
 ですから、部屋の中に一歩足を踏み入れると煙草の煙が西日に
当たり父の姿さえ霞んで見える有様です。

 「お父さま、ただいま帰りました」

 父は、娘が傍らに正座して挨拶するまで仕事を続けています。

 「おう、帰ったのか。今学期は楽しかったか?……どうした?
……その顔では満足いかなかったみたいだな。とにかく、通知表
を出しなさい」

 言われるままにアリサはそれを提出しますが、その結果に父が
満足しないのは目に見えています。満足するような成績なら何も
母が自宅前から逃げ出す必要はないのですから。

 『何よ。あなたみたいに悪い成績を私は一度も取ったことない
ですって……でたらめもいいとこじゃないの』

 アリサは心の中でぼやきました。そんな娘の、いえ孫の気持ち
をよそに、彼は学校からの報告を顔色一つ変えずに一読します。

 「ケイト。まずは、お前が逃げ出しもせず、ここにいる勇気を
まずは誉めてあげよう」

 「ありがとうございます」

 「……しかしだ、これを見過ごす事は、できないよ」

 読み終えた父は椅子に座ったままで、その膝を軽く叩きます。
もう、あとはお定まりの光景でした。

 最初は軽く「パン、パン、パン」という小気味よい音の合間に
お小言が入ります。

 でも、時間が経つにつれ……

 「いやあ、やめて。御免なさい。良い子になります」

 という叫び声が部屋中、いえ、屋敷じゅうに木精します。

****************************

 もう耐えられないと思った直後、アリサは病院のベッドで目を
覚まします。

 お医者さんや看護婦さん、お父さんやシスター、それに、隣の
ベッドではお母さんも笑っています。

 「お母さん!!生きてたの」

 そう、二人とも別の飛行機事故で、しかも、二人とも奇跡的に
助かったのでした。
 ただし、放課後受けたお尻への鞭の痛みはまだ残っていました
が……

******************** <了>*****

                          99/08/03

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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