2ntブログ

Entries

第9章 新しい仲間(4)

**************
第9章のタイトルを「新しい仲間」に
変更しました
**************

第9章 新しい仲間

§4 赤ちゃん生活(2)

 ブラウン先生は自ら宣言したとおり、一日の大半をサンドラと
一緒に過ごした。

 仕事中の書斎にはクラシックの名盤と呼ばれるレコードが常に
鳴り響き。先生の手もとに置かれた揺りかごの中では、サンドラ
が日がな一日、天井から吊り下げられたメリーゴーランドを見て
過ごしている。

 『こんなことして何になるのかしら?』

 素朴な疑問はわくが、何もできないし、やることもないから、
揺りかごの中でお昼寝していることも多かった。

 時折、先生が生き抜きに庭に出たり、食堂にコーヒーを飲みに
行ったりするが、そんな時だけは、だっこやおんぶで部屋を出る
ことができる。
 サンドラにとっても息抜きだ。

 庭のベンチや食堂の椅子に腰を下ろした時は、膝の上に乗せて
もらい頭や背中やお尻をしきりに撫でられた。
 そんな時の先生はいつも笑顔で上機嫌だ。

 おまけに、サンドラがイヤイヤをしたり怒ったりしても先生が
怒った顔になることは一度もなかった。

 たまに先生が息抜きにピアノを弾くことはあるが、サンドラに
そのピアノを触らせることはない。

 そんななか……
 「わたしもピアノが弾きたい」
 と、おねだりすると……

 「サンドラちゃんはまた今度ね……」
 と言って断られる。

 しかし、そんな問答が何度かあったある日のこと……
 「サンドラちゃんもやってみますか?」
 そう言って与えられたのは、幼児用の玩具のピアノだった。

 もちろん、こんなものでまともな演奏などできるはずもないが、
久しぶりに外気に触れさせてもらった指が、リリーマルレーンを
奏でる。

 すると、弾き終えた瞬間、自分の身体が高い処へ持ち上がった
のを感じた。

 「お~凄いですねえ。ついにやりましたね。サンドラちゃんは
天才ですよ」

 気がつくと、両脇を持ち上げたお父様が満面の笑みで、下から
自分を見上げている。

 サンドラがこんなことをされたのは恐らく10年ぶりだろう。
 その時の記憶が残っているのだろう、身体を揺さぶられると、
自然と笑顔に……
 その時は、彼女も正真正銘の赤ちゃんだった。

 「嬉しいですね。いきなりこんなのが弾けるなんて、お父さん
感激ですよ。サンドラちゃんはきっと天才ですよ」

 ブラウン先生はサンドラを膝の上に下ろすと、頭をなでなで…
お背中をトントン…お尻をすりすり…もう、ありとあらゆる愛情
表現でサンドラを抱きしめたまま、しばらくはその体を離さない。

 「オーバーね、こんなピアノで……」
 サンドラがこう言うと……

 「決して、オーバーなんかじゃありませんよ。だって、私は、
あなたのピアノに初めて感動を覚えたんですから、今日は特別な
一日です」

 訳の分からないサンドラは……
 「……(ちょっと、褒めすぎ)……」
 とは思ったものの、それでも悪い気分ではなかった。

 「あなたは、今度はいつピアノが弾けるか分からないと思った
んでしょう。だから、一音一音にとても神経を使っていました。
そして、こんなピアノでも最大限美しく響かせたいと思ったはず
です。違いますか?」

 「……(ええ、まあ)……」
 サンドラは相槌を打つように頷く。

 「いいですか、芸術家やスポーツマンは『自らの夢に飢える心』
と『現在に最善を尽くす心』は絶対に忘れてはならないのです。
今のあなたはそれがあったから私の心を打ったんです。我が子が
人生で初めて、芸術の香りのする一曲を奏でたんですよ。これを
感激しなくて、何を感激するんですか」

 ブラウン先生は我が子のふとしたきっかけにとても満足そうな
笑顔で答えるのだった。

 「そうだ、せっかくですからね。あなたの感性がしぼんでしま
わないうちに、そのお花をもう一回り大きくしましょう」


 ブラウン先生はさっそく玩具のピアノをサンドラのお腹に乗せ
ると、彼女ごとお姫様だっこして廊下を小走りにカレンが寝起き
するの屋根裏部屋までやって来る。

 「カレン、カレン、カレン、カレンいますか?」
 先生は梯子段の下で叫んだ。
 屋根裏部屋へはこの梯子段を使って出入りするから、ここが、
カレンの部屋の入口なのだ。

 「ごようですか?」
 カレンが梯子段の上から怪訝そうな顔を出す。

 「おう、カレン。いましたか。結構、結構……さっそくですが、
この子のピアノを聞いてくれませんか。そしてあなたも同じ曲を
弾いて欲しいんです。……いやあ、サンドラが凄いピアノを弾く
んですよ。彼女はまさに天才です」

 カレンが梯子段の先に見たのは、サンドラをお姫様抱っこした
まま興奮して咳き込むようにまくし立てているブラウン先生。

 ところが、それはちょっと異常で、カレンがこれまで見たこと
のない、ブラウン先生の…いや、お父様の姿だったのである。
 だから、ちょっと怖かったのだが……

 「わかりました。どうぞ」

 カレンは事情が飲み込めないまま仕方なく二人を部屋の中へと
通した。

 「とにかく、カレン。まずは天才のピアノを聞いてくださいな」

 得意満面のお父様。こんなにも純粋なお父様の笑顔をカレンは
これまで一度も見たことがなかった。

 そして、先生がそうして欲しいというからサンドラが弾く玩具
のピアノに耳を傾けたのである。

 ところが……

 『これの、何が、どうなのかしら?』
 カレンにはさっぱりわからなかった。

 そして、もっと分からなかったのが……
 誰が聞いても『そんな馬鹿な』と思うような褒め方でブラウン
先生がサンドラのピアノを激賞すること。

 「いやあ、何てすばらしいメロディーなんだ。私もこの曲は、
幾度となく聞いたが、これが玩具のピアノから奏でられてるなん
て、きっと誰も思わないでしょうね。これって、奇跡ですよ」

 当のサンドラでさえ、恥ずかしくて下を向いてしまうような、
そんなことをブラウン先生がなぜするのか、カレンにはまったく
理解できなかったのである。

 そんなカレンに、今度は……
 「あなたも、ついでに弾いてくれませんか。リリーマルレーン」
 と、要請してきたのである。

 「はい、わかりました」

 カレンはそれにどんな意味があるのかはわからなくてもお父様
の希望を叶える。

 カレンにとっても、玩具のピアノでメロディーを奏でるのは、
これが初めての経験。大きな指で小さな鍵盤を叩くのは、むしろ
大変な集中力を要する作業だった。

 何も期待しないまま。
 何も求めないまま。
 カレンはいつものようにカレンのピアノを弾く。

 すると、どうだろう。その瞬間、ある奇跡が起こったのである。

 サンドラの目から大粒の涙がこぼれたのだ。
 幾たびも頬を濡らす涙を拭おうともせず、カレンのピアノが、
この部屋を支配し続ける間、サンドラは泣き続けたのだった。

 玩具のピアノに没頭していたカレンはその時はそれに気づかず、
弾き終わったあとに、サンドラの異変に気づく。

 『いったい、何があったの?……お父様に何か言われた?……
おなかが痛いの?……んんんん?まさか感動の涙?……いやだあ、
馬鹿馬鹿しい。こんな玩具のピアノで?……お遊びにもならない
わよね』

 色んな想いがカレンの脳裏を駆け巡った。
 カレンは色んな原因を思い廻らしたが、どれも当てはまりそう
にないと思ったのだ。

 すると、そんな不思議そうな顔のカレンを見てお父様が微笑む。

 「カレン、この子はね、恐らく人生で初めて感動したんですよ。
あなたのそのピアノで……」

 「?」
 カレンにその意味はわからない。
 そもそも感動のない人間なんて信じられないからだ。

 「あなたのように人並みはずれて感受性豊かな人には信じられ
ないでしょうけど、世の中には自分を守ろうとして心を閉ざして
しまう人は大勢いるんです」

 「自分を守る?」

 「そう、自分だけが特別な存在なんだと思い込みたいんですよ。
そうすれば、自分の持っているものを他人と比べなくてすみます。
比べなければ自分が負ける事も絶対にありませんからね。余計な
コンプレックスも背負わずにすむというわけです。……でもね、
サンドラ。閉ざされた心の王国では感動って起きないんですよ」

 「…………」
 サンドラはまだ放心状態。今は、お父様が何を言っても無駄な
ように、カレンには見えた。
 しかし、そのサンドラにお父様はさらに語りかけるのである。

 「あなたは今まで心を閉ざしてたでしょう。外から来るものは
自分にとって都合のいいものだけ受け入れればいいと思っていた
はずです。そんなあなたに感動が起こるわけないじゃないですか。
感動というのは、自分が心を開いておかないと起きないんです」

 お父様はサンドラを膝の上に抱っこする。そして、ふたたび、
頭を撫でながら……

 「あなたが玩具のピアノで最初に弾いたリリーマルレインね、
あれは名演でしたよ。それに嘘はありません。でも普段だったら、
次の瞬間、あなたはもう心を閉じていたはずです。それが、私が
おだてたおかげであなたはその後も気を許した。いつもは完全に
閉めてしまう心の城門をほんの少し閉め忘れたんです」

 サンドラは自ら身体を反転させて、お父様の胸へと抱きつく。
これも彼女がお父様の赤ちゃんになって初めてのことだった。

 「その心の隙間から……カレン、あなたのピアノが入ってきて、
この子は自分の非力さに気づいたんです。……でも、サンドラ。
それって悲しむことはありませんよ。自分が劣っていると悟る事、
優れたものに感動して憧れることが、芸事の入口なんですから。
そのゲートをくぐらない人がどんなに努力をしても人を感動させ
ることはできないんです」

 ブラウン先生は、それまでサンドラの頭をなで両手をさすって
いたが、いくらか感情の高まりが収まったのを感じて、あらため
て彼女をしっかりと抱きかかえる。そして……

 「カレン、悪いけど、一緒に書斎に来てこの子のために二三曲
弾いてくれませんか」
 今度はこんな頼みごとをするのである。


 やがて、場所を書斎に移し、カレンのミニリサイタルが始まる。

 すると、誰が呼んだわけでもないのに居間から流れ出たカレン
の穏やかなタッチのピアノに誘われて、アンやロベルトまでもが
やってくるのだ。

 「おやおや、サンドラお嬢ちゃま。今日はカレンの膝の上なの。
今日は何を甘えてるのかしら?……幸せそうな顔して……」

 アンは、ピアノを弾くカレンの膝の上でそのお腹に抱きついて
甘える赤ちゃんをからかったが、今日のサンドラはその顔を赤く
することもなく、楽しげな笑顔を崩すこともなかった。
 人は本当の幸せを感じている時には照れないのだ。

 結局、サンドラは、アンの膝にも、ロベルトの膝にも、そして、
お父様の膝にも乗って、その人たちのピアノを聞き比べる。
 それは赤ちゃん身分の特権だった。

 「ピアノの音って、奏でる人が違うと景色がまるで違うんだ」

 心の扉を開いて聞くピアノは、サンドラがそれまで聞いていた
音とはまったく違って聞こえたのである。

 そして、サンドラは、お礼に自分もまた玩具のピアノを弾く事
にした。曲目はもちろん、リリーマルレーン。
 これもまた、最初に奏でた時よりさらに美しく、さらに楽しく、
部屋じゅうに響いたのである。

*************************

 サンドラの赤ちゃん生活は七日目に入り、サンドラ自身もこの
生活に慣れ始めていた。

 最初はお父様が絵本を読み聞かせしてくれる他にこれといった
日課がなく日中は退屈な時間だったが、そうのちニーナが乳母車
で村や学校へ連れ出してくれて気も晴れるようになったし、学校
が終われば兄弟(姉妹)たちが入れ替わり立ち代り話相手になって
もくれる。

 『病気で寝ていると思えばいいんだわ』
 そんな悟りも生まれたのである。

 ただ、何でもかんでも慣れることができたかというと、そうは
いかなかった。
 何より問題なのは、トイレだった。

 拘束衣としてのロンパースの中はオムツといういでたち。当然、
一人で用を足せないから、必要な時はお父様を呼ばなければなら
ない。

 お父様の手で素っ裸にされるわけだから、それだけでも思春期
の女の子には十分恥ずかしいのだが、事態はもっと深刻だったの
である。

 実はこの後、お父様がサンドラが一人で用を足すことを許して
くれなかったのだ。

 お父様は裸にしたサンドラの両足を持つと、オマルの上で椅子
に座らせるようにして身体を支え、用を足させる。赤ちゃん時代
なら、当然この姿勢だが、12歳になった少女にとっては恥ずか
しくて屈辱的だ。

 『こんな姿勢で、どうして、おしっこやうんちをしなければな
らないのよ』
 赤ちゃんサンドラはいつも思う。

 そこで、一応、お父様に個室をおねだりしてはみたものの……

 「あなたは、そもそもまだ赤ちゃんの立場なんだから、それは
仕方がありませんよ」
 の一点張りで、聞き入れてもらえなかったのである。

 お父様にすると……
 「初日の夜、あなたは私に体のすべてを見せてるじゃないです
か。今さら、そんなに恥ずかしがらなくてもいいと思いますよ。
私としてはあなたが私に対して全幅の信頼を寄せている証として、
赤ちゃんのやる通り、恥ずかしい事だってやってほしいんです。
リチャードはあなたと同じ歳ですけど、私が命じればこのくらい
やりますよ」
 となる。

 お父様にこう言われるとサンドラは目を伏せるしかなかったが、
サンドラにしてみると……

 『確かに、私のすべてはすでに見られてるかもしれないけど、
それってウンチやオシッコをしているところまで見られた訳じゃ
ないでしょう。この恥ずかしさは別だもの。ほかの子はお父様と
本当の赤ちゃんの頃からお付き合いがあるけど、私は12歳から
の赤ちゃんなのよ。そりゃあ、リチャードは私と同じ歳だけど、
彼は男の子。私と一緒になんてならないわ』

 と、こうなるのだ。

 ただ、それを言葉に出して言う勇気はサンドラにはなかった。
 だから、女の子の恥ずかしさをお父様に察して欲しかったのだ。
 色んなことを理性的に対処するお父様が、なぜ、この事にだけ
むきになるのか、サンドラには、むしろその事がわからなかった
のである。

 いずれにしても、恥ずかしいことは避けたくなるのが人の常。
 サンドラはおしっこやうんちをできるだけは我慢してしまう。
 時が経つにつれ、お父様のお膝へも自分からはあまり行かなく
なってしまった。

 でも、そうやってもお腹には色んな物が溜まってしまうわけで、
いつかは出してしまわなければならない。下腹が張ってきた様子は、
毎日観察しているお父様には悩みの種だったのである。

 そこで、お父様はベスを呼び出すと、彼女にサンドラへの浣腸
を命じたのだが……

 「先生……先生は女の子の気持が全然わかっていませんね」
 彼女はテーブルに置かれたイチヂク浣腸を見て笑いだすのだ。

 「わかってるさ。わかってるから君に頼むんじゃないか。僕は
男性だからね。これ以上は色々と差し障りがあるだろうから……」

 「差しさわりって?」

 「えっ!?」
 あらためてベスに問われて、ブラウン先生は言葉に詰まる。

 「そんなもの、彼女にありゃしませんよ」

 「『ありゃしません』って…サンドラは私が用を足させようと
すると嫌がるんだよ。最近は、警戒して膝の上にさえ上がろうと
しないくらいだ。そんな子に浣腸なんかしたら、いよいよ関係は
壊れてしまうだろう。だから君に頼んでるんだ」
 ブラウン先生は不機嫌な様子だ。

 「…………」
 ベスは、一応先生の話を聞いてはいたが、顔は終始笑顔だった。

 「実はね、私はもうこのことは許してやろうと思ってるんだ。
他の子は本物の赤ちゃん時代からの付き合いで、それ程抵抗感も
ないんだろうけど、あの子はすでに思春期に入っているから……」

 すると、ベスは口に手を当てて高笑いした。
 「(はははははははは)先生らしくもないですね、そんな弱気。
そんなことしたらサンドラちゃんが差別されて、かえって可哀想
ですよ」

 「差別って?……誰に?」
 そう尋ねたブラウン先生は返ってきた答えに困惑する。

 「回りの女の子たちもそうでしょうけど……何より、あなたに
ですよ」

 「馬鹿馬鹿しい。嫌な事をされないなら、その方がいいに決ま
ってるじゃないか」

 「だから先生は女の子を知らないんですよ。女の子は楽しい事
も悲しい事も、褒められても叱られても、みんな一緒じゃないと
嫌なんです」

 ベスはいったん先生が渡したイチヂクをふたたびブラウン先生
の手に握らせると……
 「女の子は、独り仲間はずれが一番嫌なんです。どんなに辛い
お仕置きより、のけ者にされることの方が辛いんです。だから、
ほかの子がみんなやってるお仕置きを自分だけが免除されてても、
本当は嬉しくないんですよ」

 「でも、あの子は現に嫌がってるじゃないか」

 「それは先生が好きだからですよ。好きな人には目一杯美しい
自分を見てもらいたいんです。本当は、些細な自分の欠点だって
見せたくないはずなのに、うんちを見せるなんて論外ですからね。
そりゃあ抵抗しますよ」

 「だったら、どうしたらいいんだ」

 「簡単ですよ。これをあの子の尻の穴に差し込んで『我が家の
しきたりに従えない子はずっと一人ぼっちの赤ちゃんです』って
宣言してしまえば、それでかたがつきます」

 「そんなことしたら、私が悪者にならないかなあ」

 「それは仕方がありませんよ。お仕置きや躾をする親が子ども
から感謝されたためしはありませんもの。感謝されるとしたら、
その子が親になって自分の子を抱いた時からです。……そもそも、
悪者になるのが嫌なら、親なんてやめることです」

 「……そうだな……」
 ブラウン先生は苦笑する。いつも自分が言っていたことをベス
に言われたからだった。

 「サンドラは、本当に私が嫌いじゃないんだね」

 「お仕置き係20年の私が太鼓判を押します。…あの子はね、
先生から多少理不尽な扱いを受けても、必ず着いていきますよ。
いい根性してるもの」

 「そうかなあ……大丈夫かなあ」
 自信なさげな先生にベスは更にこうアドバイスするのだった。

 「恐らくサンドラは浣腸するなんて言ったら抵抗するでしょう
けど、負けちゃいけませんよ。きっと、他人を呼ばなければいけ
ないほどには暴れないはずですから」

 「どうして?」

 「だって、そんなことしたら、せっかくの二人の時間が、なく
なっちゃうでしょう。そんなことはしませんよ。そこに女の本心
が出るんです。先生はあの子に好かれてるから、こういうことを
しても大丈夫なんです」

 「本当に?」

 「先生。自信を持ってくださいよ。こうした事は女同士の方が
よく分かりますから……大丈夫ですって」

 最後は、ベスが先生の両肩を叩いて励まし、送り出してくれた
のだった。


 ブラウン先生は、狐につままれたようなベスの理屈を鵜呑みに
したわけではないが思い切ってサンドラに試してみることにした。

 嫌がる彼女に浣腸をかけ…誓いの言葉を何度も言わせ…可哀想
だったが、オマルも許さずオムツの中にそれを全部吐き出させた。
そして、赤ちゃん同様の手順でお尻を綺麗にしてやったのだ。

 危険な賭けに思えたし、現場はもちろん修羅場。
 でも、結果はベスの読み通りだった。

 最初は抵抗したものの、それは人を呼ばなければならないほど
ではなかったし、何より、それ以降は前にも増して先生に甘える
ようになったのである。

 「まったく、いい年をして……あの先生は女の子のことが何も
わかってないんだから……」
 とは、結果を聞いたベスのコメントだった。

******************(4)*****

コメント

コメントの投稿

コメント

管理者にだけ表示を許可する

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR