2ntブログ

Entries

9/23 『おにばばの店』のモデル(2)

9/23 『おにばばの店』のモデル(2)

 おにばばの店のモデルになったお婆さんは口うるさくて厳しい
人でした。目の前の公園で子供たちが危ない遊びをしていると、
店を飛び出して行って怒鳴りつけますし、お婆さんの目の届く処
では喧嘩もご法度です。

 ですから、子供たちは陰でぶつくさ文句を言っていたのですが、
近くに適当な駄菓子屋がなかったせいか、ぶつくさ言いながらも
みんなここでお菓子を買っていました。

 当時は日本が高度成長期に入った直後で、みんながみんな豊か
ではありませんでした。中にはそんな駄菓子さえ買えない貧しい
子もいたのです。そんな子は店の前を物欲しそうにうろつくだけ。
でも、お婆さんはそんな子を見つけると簡単な用事を言いつけて、
それが終わると駄賃にお菓子を与えていました。

 僕もそんなふうに見えたのかなあ、(^^ゞ
 一度、買い物を言いつかって……やってあげると、当時50円
だっか、一番安いプラモ、(それも箱が日に当たって焼けていた
から相当古いやつです)それを貰った経験があります。

 お婆さんにとって駄菓子屋は商売というより、子供たちと触れ
合う楽しみだったような気がします。物の豊かさより心の豊かさ
が人を幸福にしていた時代、私は好きです。

**********************

コメント

[C5] No title

このお婆さんが見せてくれたような優しさって、何年もしてから気づいたりするんですよね。
そして世間が意外と優しかったことを、あらためて知ったりして。
落ち込んだ時、こういう小さな記憶が支えになってくれたりするんだと思います。
人によっては、あの頃は惨めだった、なんて負の感情の増幅に使う場合もあるようですが。

豊かになったかわりに効率化や潔癖さも進んで、個人の裁量でできるような余裕も削られて。
感じる幸せの総量はどっちが多かったのだろう、と、ふと考えたりしました。
(お仕置きと関係ない感想でごめんなさい)
  • 2015-10-05 22:58
  • しおごはん
  • URL
  • 編集

[C6] Re: No title

> このお婆さんが見せてくれたような優しさって、何年もしてから気づいたりするんですよね。
> そして世間が意外と優しかったことを、あらためて知ったりして。
> 落ち込んだ時、こういう小さな記憶が支えになってくれたりするんだと思います。
> 人によっては、あの頃は惨めだった、なんて負の感情の増幅に使う場合もあるようですが。
>
> 豊かになったかわりに効率化や潔癖さも進んで、個人の裁量でできるような余裕も削られて。
> 感じる幸せの総量はどっちが多かったのだろう、と、ふと考えたりしました。
> (お仕置きと関係ない感想でごめんなさい)

素敵なコメントありがとうございます。
しおごはんさんと同じようなことを私もよく考えます。
今は法律より上にあるものはないのかもしれませんが、私が子供だった頃、
大人達は法律の上に共通の常識やモラル感というのを持っていて、それで
多くの問題を処理していたような気がします。
だから対処がとても柔軟でスピーディーに問題処理がなされていたように
思うんです。(裁判となると時間も費用もがかかりますから)
もちろん、いいことばかりではありませんけど……
*)久しぶりに更新にやって来て気づきました。ごめんなさい。
  • 2015-10-06 20:44
  • tutomukurakawa
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメント

管理者にだけ表示を許可する

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR