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第11章 貴族の館(6)

            第11章 貴族の館

§6 修道院学校のお仕置き(4)
   地下室見学ツアー<3>

 地下室見学ツアーの一行は、当初舞台の袖でアリーナの様子を
見ていたが、彼女が舞台で宣誓を終えると、同時に舞台を下りて
しまった。

 「私達はこちらの方がいいでしょう。理事長の権限で懺悔室の
様子を窺うことも可能ですが、小学生のプライベートを覗き見る
のは紳士の趣味ではありませんから」
 伯爵はこう言って一行を先導する。

 舞台を下りるとそこは土間になっていた。舞台とは違いそこは
薄暗いので舞台上からはよく見えなかったが、そこには色んな物
が置いてあったのである。

 「これ、何でしょう」
 ニーナがまず目を止めたのは、幼児が遊ぶ木馬のようにもの。
足元に丸い板がはめ込まれ、揺れ動くところまでそっくりである。
ただし、サイズだけがかなり大きかった。

 「見ての通り木馬ですよ。幼い頃、遊びませんでしたか?」

 伯爵が茶目っ気を込めて笑うと……
 「でも、大きいですわね。これ大人用ですか?…大人の私でも
怖いくらい」

 「乗る子が大きいとサイズも大きく作らないといけませんから」

 伯爵の思いはニーナ・スミスにも伝わったようで……
 「そうですか。やはり、これもお仕置き用の……」

 「そういうことです。たいていの子供達は、この馬の背にお尻
丸出しで座らされるんです。眺めはいいですけど……要するに、
辱(はずかし)めですよ」

 「はずかしめ?」
 カレンはその古い表現を知らなかった。

 「カレンさんのようなヤングレディには関係ないことですよ。
でも、まだレディになりきれていないここの子供たちには、その
為の訓練が必要なんです。恥ずかしさに耐える訓練がね」

 そう言って伯爵が送った視線の先には……
 中世の昔に活躍したピロリーと呼ばれる晒し台や罪人を立たせ
た状態で大の字に拘束する柱。後ろ手に縛って吊るし上げる滑車
やおしゃべりが過ぎる子や嘘をつく子がかぶるお面。喧嘩相手の
子と一緒に首と両手首を拘束される枷など時代をタイムスリップ
したような器具が通路の側面にずらりと並んでいたのである。

 「まるで、中世に迷う込んだみたいですわね」
 ニーナ・スミスが苦笑すると……

 「貴族そのものが、現代に紛れ込んでいるのですから、それは
仕方ありませんよ」
 と応じたのである。

 そんな中世の遺品の森を抜けると、次は巨大な花瓶が現れた。
少なくともカレンにはそう見えたのである。

 見上げるほど大きなその花瓶に花は生けられていないが、常に
満々と水をたたえ、周囲に配置したライオンの口からは清らかな
山の水が勢いよくほとばしっている。

 「まるで、鍾乳洞にいるみたい」
 ニーナが感嘆する。
 その水音が高い天井に響いて天然のBGMになっているのだ。

 「ねえ、この板は何ですか?」
 カレンは、水の流れ落ちる場所に敷かれた二枚の板が妙に気に
なった。
 それは素朴な疑問の域をでない独り言のような質問だったのだ
が……

 「カレンさん。それ、何だと思います?」

 伯爵が悪戯っぽい目を向けたので、カレンは正直、困った顔に
なる。

 「もともとそこでは飲み水のほか鍋や食器も洗っていました。
でも、今はその必要がありませんから、もっぱら別の仕事で利用
されています。……さて何でしょう」

 「別の仕事?……洗濯ですか?」
 伯爵の笑顔には毒があるのをカレンは女の直感で見抜いていた
から、わざと的外れな答えを用意したつもりだったが……

 「正解。よく分かりましたね。それもこの泉の重要な仕事です。
お仕置きを受ける子供たちは、汚してしまった自分の服をここで
洗わされますから。でももう一つ、この泉には重要な役割がある
んです」

 「役割?」

 「ええ、それがこの泉の本来の役割なんですけどね」

 「…………」

 「分かりませんか?……ここで先生方は子供達の汚れたお尻を
洗っているんです。つまりここは……何と言ったらいいのかなあ
……」
 伯爵は少しためらってから……
 「……子供たちがお腹に溜め込んだ不純な欲望を洗い流す為の
トイレなんですよ」

 「…………」
 カレンの悪い予感が当たり、彼女は次にどんな声を出してよい
のか分からなくなってしまった。

 実のところ、カレニア山荘にも、二枚の板を渡した同じような
場所が裏庭の、それも泉のほとりにあったのだが、用途はここと
ほとんど同じだったのである。

 「もう少し待っていれば、懺悔室でお浣腸を受けたアリーナが
先生方に両脇を抱えられて、ここへ来るはずです」

 「そんなこと、わかるんですか?」

 「ええ、そうならないケースは、ほとんどありませんから……
ほら、噂をすれば……ですよ」

 伯爵の視線の先に、大人二人に両脇を抱えられたアリーナの姿
があった。


 彼女は懺悔室の狭い空間の中で、御簾一つ隔てただけの司祭様
に向って、自分でも嫌になるほど、この一週間自分がいかに悪い
子だったかを洗いざらい白状させられたあげく、日頃、欲求不満
ぎみのシスターたちから、邪悪な心を洗い流すた為だと称して、
強姦さながらにイチジク浣腸を60㏄も受けていたのである。

 通常はグリセリン50%溶液なら30㏄が大人の一回分である。
それを11歳の体に60㏄入れたのだからアリーナのショックは、
いかばかりか想像に難くないが、それでもすぐにおトイレへ行け
るならまだしも、こうした場合、処置を受けた簡易ベッドからは
すぐに開放されないのである。

 まずは、何人ものシスターたちによって、今、着ている衣装を
すべて脱がされたあげく、代わりにオムツだけを穿かされた姿で
再び寝かされる。

 「トイレ、トイレ……漏れちゃう」
 アリーナはこの時点でうわごとのように同じ言葉を繰り返して
大人達にすがったが、周囲の大人達はアリーナを見て、ただただ
微笑むだけ。彼女の切実な願いに耳を貸す者は誰もいなかったの
である。

 アリーナにとっては、もちろんこれでも十分に屈辱的なのだが、
事態はそれだけではない。
 御簾一つ向こう側にいた神父様が、今度は役目を代え司祭様と
なってアリーナ側へとやって来たのだ。

 『男の人!』
 どんなにパニクっていても、アリーナにとっては、そこが重要
だった。

 「司祭様、祝福を……」
 担任のクライン先生がこう言ってアリーナを抱き上げてると、
司祭様がその子のために頭や胸、お腹、足、手、はてはオムツを
したお尻や股間までも十字架を掲げて神様のご加護を祈ってくだ
さる。

 『そ、そんなことは、おトイレのあとで……』
 誰たってそう言いたいところだが、もちろん、それが許される
わけがない。

 ただ、その代わり……
 「辛かったら、お漏らししてもいいのよ」
 担任のクライン先生にはそう言ってもらえるのだ。

 ただ、いかに幼いとはいえ10歳過ぎた子が…
 『では、お言葉に甘えて…』
 とはならないわけで、顔を真っ赤にして頑張るだけ頑張る事に
なるのだった。

 もちろん、過去に不測の事態が生じたことも何度かあるのだが、
『人間、やればできる』ということだろうか、こんな過酷な条件
にも関わらず、噴水に辿り着く前にお漏らしした子は、長い伝統
の中にあっても指折り数えられるほど例外的だったのである。

 この時のアリーナも、すでに意識朦朧といった様子で運ばれて
来たが、無事、二枚の渡し板の処まで辿り着くと、クライン先生
からオムツを脱がしてもらい用を足すことができた。

 ただ、伯爵たち一行が、少し離れた処から自分を見ていること
など眼中になかったのである。

 オムツを先生に脱がしてもらい、赤ちゃんと同じように両方の
太股を持たれて、赤ちゃんのようにして用を足したアリーナは、
ほっとした瞬間、異様な視線を感じて回りを見る。そして、今、
自分がどんな姿をしているかをたちまち理解するのだった。

 「!!!」
 真っ青になるが、どうすることもできない。
 当然、身体をよじって、先生の椅子から下りようともしたが、
それも許されなかった。

 「だめよ、全部、身体のものを出してしまわないと、次のお鞭
の時にまたお漏らししてしまうでしょう」

 担任の先生にそう言われれば幼い子は従うしかない。クライン
先生は強い調子はなく抱き上げたアリーナに優しく接していたが、
妥協はしなかったのである。

 3分間アリーナはその恥ずかしい姿勢を続けなければならない。
 その3分間が、アリーナへのお仕置きだったからだ。
 そんな彼女にできる事といえば、ただうなだれて顔を上げない
事ぐらいだった。


 もちろん、お仕置きはそれだけではない。
 3分間の晒し者の時間が終わると……

 「ここに立ってじっとしてなさい」

 二枚の渡し板の上に立ちライオンの口にお尻を向けたアリーナ
は、大人達から前が丸見え。
 でも……

 「前を隠さないの。両手を頭の後ろに回して、組んでなさい」

 さらに、女の子にとっては他人から触れられたくない処へも、
ずかずかと大きな指が入ってくる。

 「痛い!」
 そう訴えても……

 「我慢しなさい。痛いこと恥ずかしいことをするのがお仕置き
なのよ」
 と受けあってくれない。

 そして、お股の中やお尻の穴まで洗ってもらった後に、全身を
くまなくバスタオルで拭いてもらうのだが……

 「さあ、今度は四つん這いになって……」

 「…………」
 恥ずかしそうに甘えてみても……

 「なあに、その目は………ちゃんと拭き取らなきゃ、あなたの
お尻、下痢したウンチでまだ汚れているかもしれないでしょう」
 にべもなかった。

 もちろんアリーナは、『そんな事は自分でやります』と言って
みたかった。が、言ってもどうにもならないとわかっていたので
やめてしまう。

 嫌も応もない。渋々四つん這いになると……
 先生は勝ち誇ったような目でその可愛いお尻を見つめてから、
その割れ目を大きく押し開き、すでに汚れなどほとんどない残っ
ていない菊座を乾いたタオルで手荒く拭き取るのだった。


 「さあ、いいわ。あとは発育検査ね」

 この声におとなしくなったはずのアリーナが反応する。
 『さすがにそれは……』
 という顔になったのだ。

 もちろんその原因は、伯爵、ニーナ、カレン、それにグロリア
たちにあった。比較的親しい関係にあるクライン先生とは異なり
彼らはアリーナから見れば他人にすぎない。

 しかし、クライン先生は厳しかった。
 「なあに、その仏頂面は!…あなたみたいな子供が恥ずかしい
なんて言える資格はないのよ。ましてや、今は、お仕置き中だと
いうのにそんな反抗的な態度をとって……鞭は9回の約束だった
けど、あなたの方に約束違反があったので12回にします。……
いいですね」

 「…………」
 アリーナが答えないと……

 「いいですね」
 語気を強めて言う。

 「はい」
 いかにも残念そうな声が小さく聞こえた。と、同時に恨めしそ
うな顔を伯爵たちに向けてしまったのである。

 「アリーナ、何て顔してるの。あなた、お客様に失礼ですよ。
そんな目で伯爵様を睨むなんて。そもそも、ここでのお仕置きは
子供の義務です。義務を果たさない子には、さらに追加の義務が
生じます。私は何度もあなたに教えたはずよ」

 「はい、先生」
 青菜に塩といった感じで、アリーナはすぐに申し訳なさそうな
顔を作ってクライン先生に見せたのだが、同性の先生は女の子の
パフォーマンスだけでは信用しなかった。
 だから、さらに意地悪を……

 「よろしい、では、私の方を向きなさい。…………これから、
このベッドへ仰向けになって発育検査をしますけど、今回の検査
は伯爵様にやっていただきます」

 「えっ!」
アリーナはこの場所で声を立ててはいけないとわかっていた。
わかっていたからこそそのつもりでいたのに、身体が勝手に反応
してしまったのだ。

 しかし、そんな乙女の事情を先生は寸借してくれない。

 「何が『えっ!』なの?……伯爵様に対して無礼な顔をした罰
としては当然じゃなくて……『純潔、勤勉、奉仕』がモットーの
我校の生徒が純潔の証をたてる絶好の機会じゃないの……」

 「…………」

 「あら、どうしてまた『そんなあ~』ってお顔に戻るのかしら
ね?さっきの従順なお顔は作り物だったみたいね?……いいこと、
アリーナ。子どものあなたは親や教師に対して隠せる処は一つも
ないの。年齢が上がれば公の場所ではそれなりの配慮もするけど、
必要とあらば、あなたはその体のどの部分も愛する人の前に晒さ
なければならないわ。見苦しい秘密も、穢れた身体も、何も持っ
ていませんと胸はっていえる事が我校でいう純潔よ」

 「はい、先生」
 アリーナはがっかりした様子で答えた。幼い彼女には、それが
精一杯の返事だったのである。

 「まだ、わかってないみたいね。いいわ、あなたにとって何が
一番大事なことなのか。分からないなら痛みの中で考えなさい。
鞭はもう二つ増やして14にします」

 地獄の世界の子供たちは、大人達から何を言われ何をされても、
ひたすら従順でなければならない。
 大人たちがスカートをまくり、ショーツを下ろし、……たとえ
『裸になれ』と言われても、驚いたり躊躇などしてはいけなかっ
たのである。

 ちょっとした反抗的態度や嫌なそうな顔を見せただけでも、罰
はどんどん増えていくからだ。
 そして、理想と考える少女としての立ち居振る舞いが身につく
まで、大人は何度でも子供達をここへ呼ぶことになるのだった。

 子供達がここに呼ばれるのはもちろん一義的には罪あっての事。
そのお仕置きの為だが、大人たちの本音は、この子たちがお嫁に
行った先で受けるであろうご主人のお仕置きをどうやって美しく
受けさせるか。その訓練をさせておくことだったのである。

 今とは違い、男はサディスティクな人が多く、夫人がその性癖
を満足させてやるには、自らマゾヒティックな喜びを知っておく
方が都合がよかった。子供達への厳しいお仕置きもそうした実情
に配慮した一種の性教育なのだ。
 だから、地獄部屋でのお仕置きは生徒全員が受けなければなら
ないレッスンで、優等生なら地獄部屋へは呼ばれないということ
ではなかったのである。


 仰向けになった革張りベッドの上で、アリーナは無為の時間を
過ごした。

 伯爵はアリーナの発育検査を遠慮したが、それでも、アリーナ
は素っ裸の自分、両足を高く上げ、普段は絶対に人には見せない
処までも他人にさらしている自分がどうにも理解できないでいた。

 クライン先生から、こちょこちょと自分の性器を触られている
ことにも何の感慨もわかなかったのだ。

 『隠す物がなくなってしまった時、女は自分が自分である事を
証明できなくなる』

 そんなことを言った人がいたが、アリーナにしてみれば、その
時間は、まさに自分がこの世に存在しないほどの虚無感だったに
違いなかった。


 そんな空虚な時間が、今度は一転して暑い季節に早変わりする。
 発育検査が終わると、アリーナは約束の鞭を受けなければなら
ないのだ。

 今、仰向けで寝ていた革張りベッドの上に小さなクッションが
置かれ、そこに今度はうつ伏せになる。
 可愛いお尻だけが、ぽっこり浮いた格好だった。

 カレンやニーナや伯爵、それに介添えのシスターまでもがこの
小さな身体を押さえつけるなか、クライン先生は、満足げにこう
言うのだ。

 「アリーナ、だいぶよくなってきましたね。これなら、未来の
あなたのご主人も、きっとあなたを可愛がってくださるはずよ。
女の子は、与えられた場所がどこであれ、そこが神に与えられた
場所ですからね。そこで幸せを掴まなければなりません。従順さ
としたたかさを兼ね備えていなければなりませんが、あなたの歳
で、まず学ばなければならないのは、従順さです」

 「!」
 その瞬間、革紐鞭の冷たい感触がお尻を撫でたのでアリーナに
緊張が走る。思わず、身体が反応したが……
大の大人四人にがんじがらめに押さえつけられている11歳の
少女の身体がピクリとでも動くはずがなかった。

 「さあ、いきますよ。歯を喰いしばりなさい」

 こう言って、しばらく間があって最初の一撃がやって来た。

 「ピシッ」

 「ひぃ~~~」
 たった一回の鞭なのに、痛みがアリーナの脳天を突き抜ける。

 こんなの初めてだった。最初は軽く優しくといったそれまでの
約束事がここでは通用しないことを悟る一撃だったのである。

 『ちょっと、タンマ』
 アリーナは思わず心の中で叫んだが、そんなこと、何の役にも
たたない。

 続けて二回目。

 「ピシッ」

 「いやあ~~~」
 大人たちに身体を押さえてもらっていなければ、上体だけでも
起こしていたに違いなかった。
 もちろん、そうなったらさらにお仕置きが追加されるだろう。

 「ピシッ」

 「だめえ~~」
 何がダメなのか、アリーナ自身もわからない。でも、とにかく
鞭のお仕置きを一旦中止して欲しかったのだ。
 その思いが、頭の上にいる怖いクライン先生に届く。

 「何が、ダメなの?あなたの態度がダメなだけよ。さあ、心を
入れ替えるにはまだまだよ。ほら、しっかり歯を喰いしばって…
さあ、次行くわよ」

 先生は、アリーナのお尻にトォーズを軽く触れさせて、覚悟を
決めさせてから……

 「ピシッ」
 「(ひぃ~~~)」
 脳天だけじゃない。お尻へのショックが神経を伝って電気信号
のように流れ、両手の指や両足の指から抜けていくのがわかる。

 「ピシッ」
 「(死ぬ~~~)」
 あまりにも強く目を閉じていたので、目を開けても一瞬目の前
が真っ暗に……再び目を閉じると、そこには無数のお星様が……

 「ピシッ」
 「(とめてえ~~~)」
 もう、何でもいいから、やめて欲しかった。身体がばらばら、
心もばらばら……次の衝撃で本当に身体がばらばらになるんじゃ
ないかって心配したほどだったのだ。

 そんな気持が通じたのか、クライン先生はまた小休止を入れて
くれる。
 実は先生、アリーナがまだ鞭に耐性がないのを見て、これでも
かなり抑えて叩いているのだ。彼女くらいのベテランになると、
その子がいくつで、今の体調がどうか、鞭に慣れているかどうか、
などを総合的に判断して自在に衝撃を調整できるのだった。

 「さあ、始めるわよ。泣いていても終わりませんからね。……
しっかり歯を喰いしばって、ベッドの端をしっかり握ってなさい。
ベッドに抱いてもらうつもりで握りしめるの。そうすればいくら
か違うはずよ」

 先生のアドバイス通りにしてから、また、次が……

 「ピシッ」
 「(ひぃ~~)」
 アリーナの太股が痙攣したかのように小さく震える。

 「(もう、こないで!)」
 アリーナの願い虚しく次が……
 「ピシッ」
 「(ひぃ~~)」
 また、目から無数の星がまたたいた。

 「ピシッ」
 「いやあ~~もうしないで……いやいや、だめだめ」
 アリーナは突然わめきだす。それまで幼いなりに必死に耐えて
きた理性の糸がプツンと切れてしまったようだった。

 しかし、そんな可哀想な子のお尻に先生は再び……
 「ピシッ」
 「いやだから~~~だめだから~~~ごめんなさい~~~」

 さらに、もう一つ……
 「ピシッ」
 「ぎゃあ~~~」
 その一段と大きな声と共に、アリーナは両足を必死にバタつか
せる。
 おかげでカレンとニーナが両手で押さえていたアリーナの右足
と左足の戒めが外れ、その際、カレンはアリーナの踵で顎を蹴ら
れてしまう。

 「カレンさん、大丈夫ですか?」
 クライン先生も慌てたが、カレンは笑顔で応じて…
 「大丈夫です。何でもありませんから」
 と答えた。

 確かにカレンは大丈夫だが、アリーナは無事ではすまなかった。
 「アリーナ、もう、いいからベッドから起きて、カレンさんに
謝りなさい」
 クライン先生がもの凄い剣幕なのだ。

 彼女は服を着るように命じられ、カレンに非礼を謝ったのだが、
それは決して残った鞭を免除するという事ではなかったのである。

******************(6)******

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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