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10/17 ハッピースクールライフ(とりとめのない話)

10/17 ハッピースクールライフ(とりとめのない話)

 こう言っては何だが、僕の学校生活はこれといった問題が何も
持ち上がらなかった。
 もちろん、それって本人が単に鈍感なだけとも言えるが……

 先生は優しかったし、友達から虐められたという記憶もない。
お仕置きについては今よりおおらかだったから廊下に立たされる
なんてのまではあったが、僕が小説に書くような過激な事は何も
なくて、毎日のように行われていた体罰も、生徒と先生がじゃれ
あってるような感じのものが多かった。

 僕がもらった一番厳しいお仕置きは、社会の先生に分厚い本を
三冊も渡されて「これ明日までに読んでこい。テストするから」
って言われたこと。

 とにかく目一杯のスピードで読み飛ばし、知識としてはろくに
頭に入っていないはずだったが、僅かな情報の繋ぎ合わせで答え
を書くと、先生は喜んでくれた。

 これが何を意味するのか、その時は分からなかったが、通知表
を開いて驚いた。こりゃダメだなと思っていた数字が社会の欄に
ポンと押してあったのである。

 あとで、そのことを先生に尋ねると……
 「通知表の評価は総合的に判断してつけるから、期末の結果は
気にしなくていいよ。第一、お前、それでなきゃ困るだろうよ」
 と、おでこを当てて顔を覗き込まれた。

 実はこの先生、授業がいつもモタモタしていたものだから僕が
思わず、「先生は僕より知識があるの?」と言ってしまった人で、
それ以来、僕はこの先生の助手みたいにこき使われてて、『口は
災いの元だなあ』と常々自戒していた。しかもこの先生ときたら、
事あるごとに難しそうな本を僕に手渡しては、これを読め、あれ
を読め、誰々先生の講演会を聞いて来いなんてあったから、この
時もさして不思議な感じはしなかったんだよ。

 ま、これは特殊な例にしても、クラスを見渡しても、どの子も
先生と対立関係にあるという子はおらず、先生は第二の保護者。
内申書の記述なんて、どれもべた褒めしているものばかりだから、
そういう意味で高校入試の評価の対象にならないと言われたほど
だった。

 僕の小説に登場する生徒へのお仕置きは極端に厳しくて、実際
にはありえないことだけど、それだって、生徒と教師の信頼関係
が大前提でこのくらいまでなら出来るかな?と思いながら書いて
いるんだ。
 お仕置きとしての限界を意識しつつ、目一杯空想の翼を広げて
描いたのが、僕の小説ってことになるじゃないかな……と、自分
では思っているんだけどね。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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