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綾瀬のおばちゃん(1)

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                     (小説)

 綾瀬のおばちゃんとは『お仕置きサークル』の仲間に連れられ
て行った錦糸町のお店で知り合いました。

 当時、まだ学生で世間知らずでしたが、好奇心だけはあって、
自分の書いたシナリオで相手の女性が演技してくれるというので
社会人の人たちに着いて行ったのです。

 その店内は薄暗いを通り越してお化け屋敷状態です。しかも、
そこに現れたのは、僕の母より年上とおぼしきおばちゃんでした
から、これはもう、がっかりで……

 『ああ、せっかく稼いだバイト代がこんな事で……』
 って、正直思いました。

 でも、やることはやって帰らないと損ですからね。
 僕の希望をおばちゃんに話したんです。
 すると、10分以上話してましたか、けっこう根掘り葉掘りと
いう感じで相手が聞いてきますから、僕もいつしか乗せられて、
身の上相談みたいにべらべらとおしゃべりしてしまいました。

 すると、突然、隣に座っていたおばちゃんが自分の膝を叩いて
……

 「あんたみたいな子がこんなとこ来ちゃダメだよ。親御さんが
心配するじゃないか。バイトで貯めたお金はもっと有意義に使わ
なきゃ。ほら、今日は私がお仕置きしてあげるからおいで……」

 って、ぶっきらぼうにこうです。

 私は一瞬面食らいました。それは私が書いたシナリオと違って
いたからです。
 でも、これがこういう処のノリなんだと思いなおして……

 「ごめんなさい」

 わざと、子供っぽい声を作って、その膝へ寄りかかります。

 「まったく、お前みたいに悪い子はいないね。勉強もしないで
バイトして、あげくその稼いだお金をこんな処で使うなんて……
とんでもないよ。親御さんに代わって私がたっぷりお仕置きして
あげるから覚悟しない」

 こう、宣言されて始まったスパンキングは、途中で短い休憩を
挟みながら30分。平手でお尻を叩かれただけなんですが、最後
は涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃ、サウナに入ったみたいに汗びっ
しょりというありさまでした。

 何より驚いたのは、おばちゃんの迫真の演技でした。僕の三文
シナリオなんて関係ありません。本当の叔母さんが僕を叱りつけ
てるような、そんな迫力だったのです。

 それが僕の心に響いて、僕の羞恥心は勃起してしまいます。
 すると、それを膝で感じ取ったんでしょうね、おばちゃんは、
僕を立たせ、それまで許していたパンツまで剥ぎ取ります。

 「おうおう、可愛らしいの付けて…お前、マスばかりやってる
から、こんな可愛らしいのになるの。もっと、我慢しなきゃ」
 と、僕の息子を見て、そこも叱るのでした。

 もう、やりたい放題。きっと……『この子なら、このくらいの
ことをしても怒らない』というプロの読みがあったに違いありま
せん。
 とにかく大ベテランですから……

 そして、実際、そうだったのです。
 これほど惨めなことを他人にされているのに、心が高揚してて、
お尻が限界だと片っ方の頭が訴えているのに、もう片方はもっと
強くぶたれたいと思っていたのです。
 そのアンバランスが自分でも不思議でした。

 そして、そんな欲求にまで、おばちゃんは応えてくれるのです。

 「和子、和子、」

 おばちゃんは誰かを呼びます。
 ベニヤで仕切られたような部屋でしたから、ちょっと大きな声
で呼べば店じゅう届いてしまいます。
 実際、僕とおばちゃんが楽しんでいる(?)時にも両隣の部屋か
らは色んな声や物音がガンガン入って来ていました。聞きたくも
ありませんが、そこでどんな事をしているのか、だいたいわかる
くらいだったのです。

 やがて、間仕切りのカーテンを祓って若い女性が(といっても、
おばちゃんに比べればということですが)入ってきました。

 「あんた、この子の手を押さえてて……」

 この時は、もう僕はおばちゃんの言いなりです。

 「いいかい、二度とこんな処に来なくていいように、たっぷり
とサービスしてあげるからね、しっかり受け止めるんだよ」

 立ったまま、息子も立ったままで両手を戒められ、こんな言葉
を聞けばたいていの人は後ろを振り向きます。

 すると、おばちゃんは幅広の皮ベルをしごいています。
 何をするかがわかりましたから、あとは我慢するだけ……
 もちろん、僕はお客さんですから、『それは要らない』って、
言えなくもありませんが、その勇気さえその時はなくなっていま
した。

 「ピシッ!!!」

 その痛かったこと。
 そりゃそうです。今まで散々お尻を叩かれたあとだったんです
から……

 前に鞭を受けたのは子供の時に親からです。当然彼らは手加減
しますし、散々脅してからの折檻ですから、ほんのちょっとした
力で叩いても効果てきめんというわけです。

 でも、今は、身体が頑丈になり、周りが見えるようになったの
で、そんな子供だましは意味がありません。当然……

 「ピシッ!!!」
 「ひぃ~~~~」

 ということになるのでした。

 「ピシッ!!!」
 
 「ピシッ!!!」

 「ピシッ!!!」

 「ピシッ!!!」

 結局、六回。僕はおばちゃんからシャレにならない餞別を貰い
ます。
 でも、餞別はコレだけではありませんでした。

 身なりを整えた私をおばちゃんは最後にもう一度膝の上に置き
ます。
 正直、お尻がヒリヒリしていて今はどこにも座りたくなかった
のですが、素直に従うと、おばちゃんは僕を見つめて満足そうな
笑顔です。

 「あんた、よく見ると可愛いね」
 その顔は今までの笑顔とは違っていました。
 素の顔というのでしょうか。作った笑顔ではなかったのです。
 そして、僕にこう言うのでした。

 「あんた、本当にもう二度とここにきちゃだめだよ。親御さん
が心配するからね」

 「はい」

 僕が素直に答えると……
 「いい子だ。あんた、私の息子にしたいよ」
 そう言って頭を撫でるのです。そして、ひとしきり僕の頭や顔、
肩や背中や太股なんかを愛撫してからこう言うのでした。

 「…………でも、もし、どうしてもこんな遊びがしたかったら、
一万円握って、ここへおいで……半日たっぷり可愛がってあげる
から」
 こう言って、走り書きのメモを握らせます。

 何の事はないおばちゃんの営業活動だったわけですが、ただ、
おばちゃんの言ったこの一万円、実は破格のサービス料金だった
のでした。

 「あっ、それから、それ要予約だから、必ず電話するんだよ」

 僕はおばちゃんのこの言葉を背中で聞いてその部屋を後にした
のでした。

 とにかく、その日はお尻が痛くて、総武線の電車はすいていた
のに座席には座らずじまいで帰ったのを覚えています。


***************(1)********
  

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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