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2/20 サマースクール(朝の食事)

2/20 サマースクール(朝の食事)

 *)男の子の好きなプリズンものの小説です。

 サマースクールの朝食はお庭の見える広い食堂で頂きます。
 要領は社員食堂なんかと同じ。お盆をもって配膳の窓口に並べ
ば、係りのおばちゃんが勝手に盛り付けてくれますから、それを
好きなテーブルまで持っていって食べるというわけ。

 小学生や中学生たちは引率の先生とひと塊ですが、高校生だけ
は好きな場所に陣取って、つかの間休息を楽しむことが許されて
いました。

 「チッチ、みっけ」
 そう言ってわたしの両肩を揉んだのはクラスメートのサリーで
した。

 「でも、すごい人ね」
 彼女はそう言って私の隣の席にプレートを置いて座ります。

 「全国の系列校から来てるからね」

 「それに凄い量。私こんなに食べきれないないわ。おばちゃん
ったら、あたしがもういい、もういいって言ってるのに、こんな
にご飯よそっちゃうんだから。……あたし、体育会じゃないのよ。
ダイエット中なんだからね……ねえ、食べきれない分はどこかに
捨てるの?」

 能天気なこと言いますから……
 「胃袋よ。あなたの胃袋。そこ以外に捨てる場所なんてないわ」

 「え~~無理よ。こんなに沢山」

 「おかずが足りなかったら、おばちゃんがまたよそってくれる
わよ」

 「馬鹿言わないでよ」

 「馬鹿じゃないわ。ここじゃそれが一食分。食べきらなきゃ、
ここを出してもらえないわ。もちろん、だからっていって授業に
遅れたら、それはそれでお仕置き」

 「悪い冗談言わないでよ」

 「冗談なんて言ってないわ。……だって、それがここのルール
だもの」

 「嘘でしょう。こんなのお相撲さんの食事じゃない。こんなに
食べたらかえって病気になっちゃうわ」

 「なったら……」私は笑った。「もし病気になったら、無理に
食べなくてもよくなるわよ。……ただし、仮病がばれたら……」

 「わかってるわ。一度、学校で酷い目にあったから……でも、
どうしてこんなに食べなきゃいけないの?」

 「決まってるじゃない。明日の朝もしっかり…」そこまで言うと、
私は声を潜めて、「…しっかり我慢するためよ」

 「えっ、あれ、今日だけじゃないの。明日もやるの?」

 「当たり前じゃない」

 「ひい~~~あれって、毎日なんだ。ちょっと勘弁してほしい
なあ、あたし、今でも、お腹渋ってるっていうのに……」
 サリーは本当に嫌そうな顔をした。

 「そんなの誰だって同じよ。高校生は身体が大きいからみんな
お薬だもん」

 「そういえば、さっき小学生みたいな小さい子もいたけど……」

 「一番下は小4から来てるわ」

 「わお!そんな小さな子もわざわざこんな処まで来てお仕置き
受けるの?」

 「そうよ、幼い頃から先生や目上の人がどんなに怖いかを叩き
込まれるの」

 「そうか、そういえば、あなた小学部からここなんだっけ…」

 「そうよ、私の人生楽しい時間は短かったわ。母が亡くなって、
継母がやってきたら、あっさり厄介払いされちゃって……」

 「じゃあ、小学生で参加したこともあったの?」

 「小五の夏休みに参加して以来、毎年来てるわ」

 「毎年!?……あんた、そんなに成績悪かったけ……」

 「簡単よ。期末テストを白紙でだせばいいだけだもん。最初は
継母への反抗心だったけど、そのうち居心地が良くなっちゃって」

 「居心地が良い?」

 「だって、家に帰っても、どのみち居場所なんてないんだもん。
……さすがに最初は、毎朝あんな恥ずかしい格好で浣腸でしょう
……泣いてばかりだったけど……慣れるとどうってことないわ。
それに意外にここの先生やさしいのよ」

 「ねえ、あれって、小学生もやってるの?」

 「当然そうよ。……ただ、あの子たちはまだましなの」

 「どうして?」

 「だって普通は石けん水なんだもん。私たちに比べれば、我慢
だってぐっと楽だわ。ただ、昨日不始末をしでかすと、こっそり
お薬を混ぜられるの。お姉様たちに比べたらそれでも濃度は低い
けど、とにかくまだ小さな身体でしょう。その時は死ぬ思いよ」

 「可哀想」

 「何言ってるの。他人のことなんか言えないでしょう。私たち
だって立場は同じなんだから……」

 「じゃあ、お漏らしする子もいるの?」

 「もちろんいるわ。私だってやっちゃったもの。うんちべっち
ょりのパンツを友だちに見られた時は、『明日までに死ななきゃ』
って、さっそく思ったくらいだわ」

 「自殺?」

 「ええ、そう…でも、やったことはないけどね。…ここって、
意外と先生は優しいし、それに小学生のお勉強は午前中だけで、
午後は教室でゲームやったり、近くの森にスケッチに行ったりと、
催しものも多くてさあ、そんなことしてるうちに忘れちゃうのよ」

 「ねえ、どんなことすると、翌朝のお浣腸ってきつくなるの?」

 「心配性ね。そんなに心配なの?」

 「当たり前でしょう。今日だって死にたいくらいだったわ……
このうえ、お漏らしだなんてしたら、本当に自殺するから……」

 「おやおや、威勢のいいこと。でも、そんなことじゃ死ねない
わよ」

 「どうして?」

 「だって、もう何十年もサマースクールやってるけど自殺した
子なんて一人もいないもの。先生が言ってたけど、本当にうたれ
強いのは男の子より女の子なんだって……」

 「そうかなあ」

 「いざとなれば現実的に対処できるのが女の子の強みなんだっ
て……」

 「ふうん、でも、やっぱり私、心配だもん。教えて……ここの
先生たちは何すると一番怒るの?」

 「当たり前だけど、まずは、お勉強かな。授業態度が悪い子や
テストの結果の悪い子は、実際の授業でも机にうつ伏せになって
お尻に鞭を受ける決まりだけど、加えて、翌朝も大変な事になる
ってわけ……」

 「私たちも?」

 「当然でしょう。私たち観光でここに来てるんじゃないのよ。
できが悪いからここで補習させられてるんだもの」

 「わかってるわよ。そんな大きな声ださないでよ」

 「でも、安心して、授業での鞭はそんなに痛くないの。だって、
あんまり痛くすると、次の授業がおろそかになるでしょう。……
授業中の鞭は体罰というより『気つけ薬』『目覚まし』『励まし』
かな。……でも、その分、次の朝、思い知らされるってわけなの」

 「…………」

 「あと……友だち同士の喧嘩やいじめもタブーよ。とにかく、
仲良くできない子はお仕置き。……それに先生や目上の人を批判
することも許されてないわね。前に、配膳係のおばちゃんに箸を
投げつけた子が、翌朝、うんちべっちょりになってるのを見た事
あるもの」

 「うえっ。食事の最中なのよ。そんなこと言わないでくれる」

 「仕方ないでしょう。事実は事実よ」

 「でも、ということは配膳係のおばちゃん?掃除のおばちゃん
とかも逆らっちゃダメなの?」

 「そりゃあそうよ。その人たちだって、私たちから見れば目上
じゃない。……つまり、ここでは私たちが最下層の身分ってわけ。
おまけにここは『見せしめ』『辱め』なんてハレンチやお仕置き
ばっかり多いから、学校と同じ気分でいたら、毎日大恥かくこと
になるわよ」

 「厳しいのね」

 「仕方ないのよ。これって劣等生の集団だもん。先生方だって
不真面目な子に甘い顔はしてくれないわ」


 と、その時である。サリーの目に奇妙なものが飛び込んできた。

 自分と同じ年頃の子が、シスターからスプーンでご飯を食べさ
せてもらっているのだ。

 「ねえ、あの子、どこか悪いの?……さっきから、シスターに
食べさせてもらってるみたいだけど」
 チッチに尋ねると……

 「あの子って……ああ、シスターがそばについてる子ね。……
私も具体的な事はわからないけど、恐らく、先生の事とか、この
合宿の事とかを批判したんじゃないかな。それで……」

 「それで?」

 サリーが不思議そうに尋ねるから……
 「それでって?……お仕置きを受けてるんじゃない」

 「あれ、お仕置きなの」

 「そうよ。……あの子、自分の手でご飯を食べることを許され
なくなったの。……何なら、あなたも大きな声で『こんな合宿、
人権侵害じゃない』って叫べばいいわ。そしたら、たちまち暇な
シスターが駆けつけて、あの子みたいに朝ご飯食べさせてくれる
わよ」

 「えっ……」
 
 「ここでは、先生方の批判なんかする子には、今がいくつでも、
赤ちゃんにさせられるしきたりがあるのよ。離乳食だけじゃない
わ。オムツを穿かされて、おしゃぶりを銜えさせられて……それ
でも反抗的な子はお灸まですえられるんだから……」

 「お灸?……ああ、千年灸ね。わたしもお母さんにやられた事
があるから知ってるわ」

 「違うわよ、ここのお灸は艾を肌に直接乗せて火をつけるの」

 「まさか、そんなことしたら、痕が残るじゃない」

 「そうよ。できるだけ目立たない処にはすえてるみたいだけど、
でも、娘の為になるからって、どの親御さんもお灸のお仕置きに
同意する承諾書を学校に提出しているはずよ」

 「本当に……」

 「わからないけど、心配なら聞いてみたら?」

 私が話すと、さすがにサリーもショックな様子でした。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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