2ntブログ

Entries

3/26 子守っ子、敬子の性春 <2>

3/26 子守っ子、敬子の性春 <2>

*)お灸の記述あまりありません。ごめんなさい。

 若奥様に沢山のお灸を据えられてしまったお仕置きから3月後、
私は中学二年になり、次男の明雄ちゃんが幼稚園に入園しました。
ということは本来なら私はここでお役ご免になるはずでした。

 子守というのは、女中さんたちと違って、昼間、一日中仕事を
していたわけではありません。たいていが幼い娘で、自分も主人
の家から学校に通わせもらい、その空き時間を利用して赤ん坊の
面倒をみるのが仕事だったのです。
 つまりは住み込みの新聞配達と同じようなアルバイト。

 でも、その子が幼稚園に上り、大人たちの手も掛からなくなる
と、やがて子守としての仕事がなくなり、普通はお暇が出て親元
に帰されることになります。
 つまり、首になるわけです。

 ところが、そんな子守の身分でありながら私は角田の家に残さ
れていました。
 若奥様が小間使いとして必要だからとお傍に置いてくださった
のでした。

 この変化。厳密に言うと雇い主が大奥様から若奥様に代わった
ことにはなるのですが、私の生活そのものは今までと何ら変わり
ありませんでした。

 依然として、私は若奥様の子供たち3人の面倒をみるのが仕事
でしたから、子供たちの着替えを手伝ったり、お風呂に入れたり、
食事をさせたり、玩具を片付けたりといった事が私の仕事でした
し、角田の家の中で一番身分が低いのもそのままでした。

 ただ、変わったこともありました。
 それは『学校の勉強』

 もともと、私と若奥様は主人と使用人の関係。つまり、他人の
関係ですから、主人である若奥様は私を学校に通わせていれば、
それ以上の事は若奥様に責任なんてありません。私の学校の成績
がどんなであってもよいはずでした。
 実際のところ、私の通知表には2と3しかなかったのです。

 ところが、私が若奥様の小間使いとなさった頃から、若奥様は
私の勉強に関心をはらうようになります。
 つまり、今までのような成績ではだめだと言い出すのでした。

 おかしいでしょう。
 私は、若奥様のおそばにお仕えするようになったといっても、
お子さんたちとは違うんです。角田家に雇われた使用人で、それ
も子守にすぎないのに、「勉強しろ」だなんて……

 でも、これは若奥様の厳命でした。
 そして、そのために家庭教師まで雇い入れたのです。

 若奥様は、私が寝起きする部屋の二階、本来は古着などが仕舞
ってある古い蔵の一室を綺麗に取り片付けて勉強部屋にすると、
そこに家庭教師の先生(三田村先生)を招き入れ、私に勉強させ
るのでした。

 期間は半年くらいでしたが、その間は学校から帰ると寝るまで
勉強、また勉強の日々です。
 それまで、本格的に家で勉強なんてしたことのなかった私には
1時間だって机に向うのは苦痛です。毎日、家庭教師と2時間も
勉強するなんて最初は信じられませんでした。

 しかも当時は勉強方法というのは今みたいに合理的じゃありま
せんから家庭教師だってスパルタです。ちょっとでも気の抜けた
態度をみせると授業の途中でも机にしがみついて先生が繰り出す
竹の物差しをお尻でしっかり受け止めなければなりませんでした。

 問題はそれだけじゃありません。
 時間の許す限り若奥様が私の様子を見に蔵へいらっしゃいます
から、こちらも気が抜けません。

 もし、はかどりが悪いようなら、その晩は寝る前に必ずお灸の
お仕置きが待っています。

 お尻の山に、ビーナスの丘に、尾てい骨……
 若奥様のお灸は容赦がありませんでした。

 いえ、いえ、まだあります。

 日曜日は三田村先生がお休みだからなんでしょうけど、土曜の
夜は『反省会』と称して若奥様からその週の成果に応じて特別な
お仕置きが与えられることになっていました。

 この時は、普段据えられているお尻のお山やビーナスの丘だけ
じゃありません。乳首の周りにも、お臍の中にも、そして若奥様
が『心棒』と呼ぶお股の中にも……
 出来の悪い子は涙なしには日曜日を迎えられなかったのです。

 『何で、子守の私が勉強しなきゃならないのよ!!おかしいで
しょう!!!』
 『あ~あ、ここから逃げたい。こんな処から逃げ出したいなあ』
 『そうだ、お父さん、お母さんの処へ帰ろう。事情を話せば、
きっと許してくれるよ』
 学校から帰る時はいつもそう思いながら小石を蹴っていました。

 でも、結局のところ一度も実家に戻った事はありませんでした。

 これはとても不思議なことなんですが、歩いているうち、お股
に据えられた心棒が私の足を実家ではなく角田の家の方へと向け
てしまうのです。

 実家へ戻ろうとした瞬間、お股が擦れて、『それはいけない事
なんだ』と感じるのです。

 どういう事かというと……
 お股に据えられた心棒は当然そこだけ火傷を負っていますから
歩くたびに微妙に擦れて感じるのです。痛いとか、痒いとかじゃ
ありません。普段は歩いても走ってもまったく気にならない程度
の感覚なのですが、『実家に帰ろう』と思い立った瞬間だけは、
火傷の痕が擦れると、『あ、ここにお灸!!』って感じてしまう
のでした。

 『あっ、ここに据えられたんだ!』って思い出す一瞬の小さな
刺激が、私を実家ではなく、苦難の待つ角田の家へと向わせるの
でした。

****************************

 あれは勉強を始めて四ヶ月目のとある土曜日の午後でした。

 その週は何だか気乗りがしなくて、月曜日早々、若奥様の見て
いる前で三田村先生に居眠りを注意され鞭のお仕置きをもらって
しまいます。

 その後も、学校の授業で欠伸は出るわ、返されたテストの成績
は悪いわ、今年10才になる長女の美咲ちゃんとは些細なことで
喧嘩をするわで、とにかく散々な一週間でした。

 ですから土曜日の午後は三田村先生が帰った後に若奥様からの
お仕置きが確実だったんです。

 『今日こそは実家に帰ろう』

 朝、角田の家を出る時は本心からそう思っていたのに、帰り道
は、やっぱり、心棒が私の足を若奥様の方へと向けてしまいます。
それは理屈では説明できない不思議な霊力でした。

 土曜の午後は学校から帰ると何時も2時から6時頃まで三田村
先生と一緒に勉強して、夕食のあとは、再び学校の宿題と三田村
先生からの課題をやらなければなりません。

 その時の私は子守ではありませんでした。まるで受験生の生活
だったのです。

 そんな私のもとへ、若奥様がハツさんを伴って階段を上がって
やってきます。
 その足音がどんなに怖かったか。時々猫が悪戯して階段を駆け
上がりますが、そんな猫の足音だけでも私の心臓は引きちぎられ
そうだったのです。

 もう何をやるかは、わかっていましたが、分かっていてなお、
正座した膝の震えが止まりませんでした。

 「あら、今日のお勉強は終わったのかしら?」

 「はい」

 「そう、よかったわ。今日は土曜日だし、今週の反省会をしま
しょうか」

 「はい……でも、あのう……一つうかがってもいいですか」
 私は勇気を振り絞って声を出します。

 「どうしたの?」

 「どうして、私は勉強しなきゃいけないんですか?」

 「どうしてって、勉強して悪いことなんて一つもないでしょう」

 「でも、私は子守ですし……そんなに立派な教養は……」

 「いらないって言うの?……随分もったいないこと言うのね。
……どうしたの?今日は?……勉強が嫌になったの?」

 「そういうわけじゃあ……」

 「じゃあ続けてちょうだい。三田村先生おっしゃってたわよ。
あなたのこと。『存外、頭のいい子だ』『あの子は掘り出し物だ』
って……『この分なら、もう一、二ヶ月もするとクラスの中でも
トップグループと肩を並べるだろう』って……もし、そうなって
くれたら私としても助かるわ」

 「どうしてですか?」

 「だって、これからあなたには、家の子たちの家庭教師もして
もらおうと思ってるからよ」

 「えっ!!!!」
 それはまさに青天の霹靂でした。

 「できませんよ。だって、私は子守なんですから……」

 「どうして?どうしてできないの。……できますよ。だって、
あなた子守なんでしょう。だったら、子供たちにお勉強を教える
のも子守の大事な仕事じゃなくて……」

 「そんなあ~~~だって、そういうのはお父様とかお母様とか
家庭教師の先生とか……もっと、偉い人が……」

 「そうじゃないわ、それとは別なの……あなたにはこれからも
色んな意味で『お姉さん』として家の子たちの面倒をみてほしい
のよ」

 「お姉さん?……子守のわたしが?」

 「そうよ、あなたに私の子供たちの模範になってもらいたいの。
……だって、あなたが一番の年長者でしょう」

 「えっ、?!……それは……そうですけど……」

 「あなたには、この間のことで、身体のあちこちにお灸をすえ
ちゃったでしょう……そのことでは大奥様も、ちゃんと責任とる
ようにっておっしゃられてたわ。だから、私、責任をとることに
したのよ。私が嫌い?」

 「そんなこと……あれはもう過ぎたことですから」

 「あらあら、あなた随分潔いのね。……でも、あのお灸の痕は
生涯消えないわよ」

 「えっ!……」
 私はその瞬間までそんな事も知りませんでした。

 「それで……『あなたを成人する迄ここでお預かりしたい』と
申し出たら……今日、高井のお父様から正式に『お願いします』
というご返事を頂いたわ……これよ」
 若奥様はその手紙を私の前に広げられます。

 「……!!!……」
 私は目が丸くなります。それは見覚えのある父の筆跡。正直、
全身が震えました。

 『中学生にもなった子どもの意向を無視して、大人たちだけで、
そんな人生の大事を勝手に決めていいのでしょうか』
 私は思いました。

 でも、それがこの時代の常識であり現実でした。だって中学生
というは大人じゃありません。子供なんですから、どう育てるか
は親の自由だったのです。

 まだ上の空でいる私の耳元で若奥様が言葉を続けます。

 「ただ、あなたの場合……うちの子たちより年長には違いない
んだけど……今のままの成績じゃあ、ちょっと頼りないのよね。
だから、こうやってお勉強してもらってるの。……わかった?」

 「………………」
 あまりに無茶な話で、私は声がでませんでした。

 ただ、この時になって初めて、私がなぜこの家に残されたのか、
なぜ自分がこうやって勉強させられているのかを知ったのでした。

 でも、私に対する補償というだけなら他にも方法はあるはずで、
若奥様がなぜそんな手間とお金の掛かる道を選択したのかまでは
教えてくださいませんでした。


 「さてと……それじゃあ、今週の反省会といきましましょうか
……今週はどんなことがあったかしら……」

 若奥様が居住まいをただし、私の様子を細かく記した閻魔帳と
呼ばれるノートのページを捲り始めます。
 これからが今夜の本題なのですが……

 「……………………」
 私は今聞いたお話のせいで若奥様が取上げる数々の罪状が耳に
入りませんでした。

 だって、父にさえ見捨てられた気分になってる私にすれば……
 『今夜はたっぷり絞られる』
 それだけ分かっていれば十分だったのです。

 実際、その夜、若奥様からいただくお仕置きは、明雄ちゃんと
映画館ではぐれてしまったあの日のお仕置きより、さらに厳しい
ものだったのです。

***************************

 「どうしたの?今週は、随分と調子が悪かったみたいだけど、
何か心配事でもあったのかしら?」

 「別にそういうわけじゃ…」

 「ならいいんだけど。何かあるのなら、すぐ私に言って頂戴ね。
あなたは高井のお父様からお預かりしてる大事な娘さんですもの。
お返しするまでは、私がお父様お母様の代わりなの。何でも相談
して頂戴ね」

 若奥様の言葉は、『それだけあなたの事を大事に思ってますよ』
という当時の挨拶言葉ですから本気にする人はいません。むしろ、
『お母様の代理として愛の鞭もありますよ』という脅し文句でも
あったのです。

 「……えっと」

 「ん?何かあるの?」

 「いえ……水曜日の夕方……美咲ちゃんと……」

 「あ~喧嘩になっちゃったあの事ね……でも、あれはあなたが
心配しなくてもいい事だわ。だって、あれはあの子が悪いんです
もの。あの子、最近生意気が過ぎるものだから……あの日新しく
心棒を据え直したの」

 「えっ、また」
 私は思わず声が出てしまいました。
 私は美咲ちゃんが以前心棒を据えられたところを見てしまいま
したから……

 「だから少々むくれてたのよ。そのうち収まるわ。気にしない
で……『今度そんな顔したら焼きごてですからね』って脅したら
さすがにおとなしくなったわ」

 私は若奥様の『焼きごて』という言葉に反応してしまいます。
思わず両手で自分の二の腕を擦って寒そうな素振りをしますから
それが気になったのでしょう。

 「どうしたの、怖い顔して?……ああ、焼きごてのこと?……
驚いたのね?……滅多にやらないけど、でも、こういう事もある
んだってのを教えておかないと子供はすぐにつけあがるから……
お灸が効かなくなったら親が次に使う手なのよ」

 「…………」
 さらに、私の顔が青くなっているのを一瞥してから……

 「別に、あなたに試すつもりはないけど、見てみます?」
 若奥様は私を目の前にしてイタズラっぽく笑うと、ハツさんが
持ち込んだお仕置き道具の中から目的のものを探し出します。

 それは取っ手の付いた金属の棒のような物が二本でした。
 一本にはループ状に編みこまれた弾力性のある細い針金が20
センチくらい取っ手の先端から伸びていますし……もう一本は、
お仏壇にあがっている蝋燭ほどの太さのものが15センチくらい
やはり取っ手に取り付けてあります。
 いずれも見た目はハンダ鏝のような形をしていました。

 「これを十分に焼いておいて、お尻の穴とおしっこの穴に入れ
るの。最初はガイドカバーが付いているから平気なんだけど……
ガイドを引き抜いた瞬間、ギャーってことになるわけ」

 想像するだけで鳥肌、目が眩んで気絶しそうでした。
 それでも、女の子ってのは仕様のないもので好奇心だけは沸き
ます。
 「それって、やっぱり火傷させるんですよね?」
 恐る恐る尋ねてみると……

 「そうよ。理屈は心棒と同じ。火傷が完全に治るまではそこが
擦れて微妙に感じるから、罰を受けたことを簡単には忘れさせて
くれないの」

 「じゃあ、ウンチのたびに……」

 私は恥ずかしくなって途中でやめてしまいましたが、若奥様は
あっけらかんとして……

 「そうよ。最初の一週間は毎日お医者様に自分の恥ずかしい処
を見せてお薬を塗ってもらわなきゃならないし、完全に治るまで
はウンチやオシッコをするたびに思い出すことになるわ。特に、
最初の数日はトイレに行くたび泣くほど痛いわよ」
 若奥様は悪魔チックに笑います。

 「私も一度だけ親にやられたけど、そのあまりの恐怖に暫くは
怖くて親のそばにも寄りつかなかったくらいだもの。……お互い
がよほど強い信頼関係で結ばれていないとやっちゃいけないこと
だわね」

 「…………」
 私はそんな話、どんな顔をして聞いていたんでしょうか。
 ひょっとしたら、よだれを垂らしていたかもしれません。
 女の子って自分に関係のない不幸な話が大好きな人種なんです
から。

 「ただ良いこともあるのよ。場所が場所だけに傷が目立たない
でしょう。らそれだけは助かったわ」

 「…………」
 私はあまりのことに二の句がつげません。
 と同時に、若奥様はどうしてこんな悲惨な思い出を明るく話せ
るんだろうと、自分の事は棚に上げて思うのでした。

 すると、そんな私を見て、若奥様はこうも付け加えるのです。
 「でもね、不思議なもので、私がこれによって父や母をずっと
拒否し続けたかと言うと、それがそうでもないの。3日後には、
もう以前と変わらない生活に戻ってたわ。親子ってね、そういう
ものなのよ。絆が強ければたいていの事は乗り越えてしまうもの
なの。あなたにはそこまでは求めないつもりだけど、これからは
私との関係を単にお給金をもらって働いているだけの関係だとは
思わないでね」

 「はい、若奥様」

 それは、『あなたは他の従業員とは違う特別な存在』いう褒め
言葉(お世辞)だと思ってあまり深く考えず頷いたのでした。
 すると……

 「若奥様ねえ…そんな他人行儀な呼び方はこの際やめましょう。
私と二人きりでいる時は、若奥様じゃなくて、『お母さん』って
呼んでほしいわ」

 「(えっ!)」
 それは別の意味で全身の毛穴が開く驚きでした。

 「私はあなたを本当の娘だと思って育てたいの。そういうのは
嫌い?」

 「……そういうわけでは……」
 私は困惑します。正直、そんなの迷惑です。私には正規のお父
さんもお母さんがいるのですから。
 でも、「イヤです」とも言えませんでした。若奥様の申し出を
むげに断ることが何だか自分の立場を悪くしてしまうな気がして
……うやむやのまま話は進んでいきます。

 「もし、あなたがよければそうして頂戴。今、この家を取り仕
切ってるのは私だもの。私に着いてる方が何かと安心よ」

 確かに大奥様が病気がちな今、奥向きの実権は若奥様が握って
いらっしゃるみたいでしたから、その権力に上手にすがるのが、
女の子としては正しい道なのかもしれません。

 そんなことを漠然と考えていると、次には、またドキッとする
ような言葉がやってきます。

 「……その代わり、うちの子と同じように、お勉強もちゃんと
やってもらうし、お仕置きだってちゃんと受けてもらいますから
ね。そこのところは覚悟しておいてね」

 「はい」
 私の小さな一言でどうやら話は決まったようでした。

 そこで、素朴な疑問をぶつけてみます。
 「どうして、私をそんなふうになさりたいんですか?」
 私は恐る恐る尋ねてみました。
 すると……

 「どうしてって、あなたが好きだからよ。それじゃいけない?
あなたは、私好みの愛くるしい顔で、気立てもいいし、何より、
素直なところがいいわ。だから私の手元におきたいの。……それ
だけよ。他に何か理由が必要なのかしら?」
 若奥様はしらっとしておっしゃいます。
 私としてはそれを信じるしかありませんでした。

 「さあ、無駄話はこれまで……決まりごとを片付けてしまいま
しょう」

 「きまりごと」
 私が小さくつぶやくと、若奥様…いえ、お義母様は笑って……

 「あら、忘れちゃった?……土曜日の夜は何をするんだっけ?」
 お義母様はすでに椅子に腰を下ろすと、その膝を広く空けて私
を待っています。

 唾を一口飲み込んで……あとは、嫌も応もありませんでした。
 すぐにその膝にうつ伏せになります。

 「パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン」
平手でスカートの上から軽やかにスパンキング。
 「あなたは素直でやりやすいわ」
 お尻を叩かれながら、お褒めの言葉を頂きました。

 「パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン」
 次はスカートをあげて、ショーツの上から……

 「美咲もあなたみたいだといいんだけど、あの子の時はこうは
いかないわ。あの子ったら、大して痛くもないくせに大仰に騒ぎ
立てるんだから……堪え性がないっていうか……女の子のくせに
みっともないって言葉を知らないのかしら」

 「美咲ちゃんは、まだ小学生ですもの。お義母様に甘えてるん
です」
 私は自分の立場もわきまえず思わず口が滑ります。
 実際、私へのスパンキングは始まったばかり、お義母様の平手
の下にいても、私のお尻にはまだ余裕があったのでした。

 「パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン」
 「そうかしら?」
 お義母様は一旦否定しますが、思い直して……
 「そうかもしれないわね。親子だから……とにかくそんな時は、
わざと最初からスナップを効かせて泣かせるの。……でも、その
点、あなたは偉かったわよ。ここに小4の時にやって来て、すぐ
に私がお仕置きしたけど、必死に堪えて泣かなかったもの。……
あれには感心したわ」

 「そんなこと……その時は気が張ってたから……」
 私はお義母様の褒め言葉に照れてしまいました。

 「パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン、パン」
 「同じ小4でもえらい違いね。……あなたを見習ってあの子も
奉公に出してみようかしら……」
 お義母様から軽口も飛び出します。

 でも、さすがにこの頃になると、私のお尻も悲鳴を上げ始めて
いました。
 そして、そんな頃になって、最後の砦が取り払われます。

 「ピシッ、ピシッ、ピシッ、ピシッ、ピシッ、ピシッ、ピシッ」
 ショーツが取り払われ、お義母様の平手が素肌へじかに当たる
ようになると、お尻を叩く音も乾いた音へと変わり……。

 「ピシッ」「あ~」
 「少しは効いてきた?」

 「ピシッ」「いっ~」
 「それでこそ、こちらもやりがいがあるというものだわ」

 「ピシッ」「ひぃ~」
 「はいはい、わかりました。痛いのねえ。可哀想ねえ。でも、
あなたが悪いのよ」
 お義母様はわざと幼児に語りかけるように私に話しかけます。

 「ピシッ」「あああっ」
 「ほら、もう少しだから我慢しなさい。ほらあ両手をバタバタ
させないのよ。……ハツさん、この子の両手押さえてやって……」

 「ピシッ」「いたぁ~」
 「痛い?堪えたかしら?…でも、だからこそのお仕置きなのよ。
堪えないお仕置きなんてやっても仕方がないでしょう」

 「ピシッ」「ああああだめえ~~」
 「だめえ~~って何がだめなの?…やらなきゃだめえ、なのよ。
……やらなきゃ、お仕置きは終わらないわ」

 「ピシッ」「いやあ~~~」
 「よし、よし、いいわよ。じゃあ、やめてあげる」

 最後は両足をバタつかせ歯を喰いしばり、介添え役のハツさん
の両手をしっかりと握りしめて耐えている私に、やっとお許しが
出ました。

 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
 ハンドスパンキングの嵐が収まってからも、私は荒い息をつき、
しばらくはそのままお義母様の膝の上で寝そべり続けます。
 すると、その耳元でハツさんが……

 「若奥様、お鞭は何にいたしましょう」

 とたんに、頭の中がカアッとなりますが……
 「いいわ、今日は……鞭はいいの。それはもっと重大な事でも
あればその時に使うことにするわ。……今日は、この子とは親子
でいたいの。肌を合せていたのよ。わかるでしょう」

 「では、お浣腸とお灸の方も……」

 「いえいえそれはそれでお願い。罪を犯した子を更生させたり
怠けてる子を励ましたりするのは母親の役目ですもの。それは、
たっぷりとこれからやってあげるつもりよ」

 ともかくも、お尻叩きのお仕置きが終わり、お義母様は膝の上
に乗る痛んだ私のお尻を撫でながら、ハツさんと更なるお仕置き
について話をしています。

 ところがそんなさなか、お義母様はふいに、さも今気づいたか
のようにして、こうおっしゃるのでした。

 「あら、あなた、こんな処に蝶々の痣があるじゃないの」

 お義母様は私の太股にある痣を見つけてこうおっしゃいます。
 でも、これはおかしげなことでした。

 だって、これまでだって何回となく私はお義母様の前で裸にな
っています。お仕置きで、お風呂で、ベッドで……
 そんな時、私の痣にお義母様が気づかないはずがありません。
 なのになぜ今になってこんな目立つ痣に初めて気づいたみたい
なことをおっしゃるのでしょうか。それが理解できませんでした。

 「あなた、この痣は怪我かなんかでついたのかしら?それとも
生まれつき?」
 「生まれつきです」
 「そう、生まれつきなの……」
 お義母様の手はいつしかお尻から太股の痣へと移っていました。

 「あなた生年月日は?」
 「昭和30年、9月15日です」

 「そう、9月15日なの…………お父様、お母様は可愛がって
くださったの?」
 「はい……でも、うちは兄弟が多いものですから……」

「そう、それでうちに来たの……まだ幼い頃から親元を離れて
他人の家で暮らすなんて大変なことだわ。……私でよければ甘え
てちょうだい。お仕置きの時だって我慢なんてしなくていいの。
もっともっと大きな声で泣いていいのよ。うちの美咲みたいに…」

 お義母様はそこまで言うと、ショーツを上げスカートを直して
私を抱き起こします。
 そして、お互いがにらめっこするように私を膝の上に乗せ直す
とこう続けるのでした。

 「そんなこと急に言われたって、中学生には無理かしら?……
プライドが邪魔しちゃう?……」
 お義母様は私の前髪をかきあげます。

 「……でもね、子供は泣いたら泣いた分だけ『良い子、良い子』
って頭を撫でてもらえるの。なぜだかわかる?」
 お義母様はそう言って私の頭を撫でました。

 「…………」

 「愛されてるからよ。……お仕置きされる子って無視されたり
虐められてる子とは立場が違うの。……あなたは、愛されてる子。
そんな愛されてるあなたが、愛してくださる人に、つまらない我
を張っては損だわ。その胸に飛び込んで、自分のすべてをさらけ
出さなきゃ。……そうでなきゃ、愛は得られないわ」

 「…………」
 私はどこかむきになったお義母様がおかしくて、思わず微笑み
ます。

 「あら、今、笑ったわね、わかってくれたみたいね。そりゃあ、
今の私じゃ不満でしょうけど、私も、いずれはあなたのお父様や
お母様と同じ立場に立ちたいと思ってるの。……どんなに痛い目
にあっても、どんなに恥ずかしい事をされても、私に着いて来て
くれるようになって欲しいの」

 「…………」
 私はお義母様の言葉にポッと顔を赤らめました。こんな大きな
商店の奥様が私なんかを娘として扱ってくれるなんて……たとえ
言葉だけでも嬉しかったからでした。

 「わかってくれたみたいね」
 お義母様も満足げです。

 子守っ子なんて学校が終わるとすぐに帰って仕事をしなければ
ならない身の上ですから、普通の中学生のように同年代の友達が
出来にくいのです。そんな中、若奥様は身分こそ違え私の唯一の
友だちだったのかもしれませんでした。


 「さて、次はお浣腸……そこにハツさんが布団を敷いてくれた
から、寝てくれる」

 お義母様の命令、この期に及んで逆らうつもりもありませんで
した。
 「はい、お義母様」

 白いシーツの掛かった薄い布団に仰向けになると、ハツさんが
すかさずスカートの中に手を入れてショーツを引きずり出します。
 それを足首にぶら下げて、両足が高々と持ち上げられます。

 「恥ずかしい?」

 お義母様に尋ねられて、私は反射的に頷きます。

 「…………」

 でも、それは『女の子なんだからこんな反応しなきゃ』という
見栄なのです。
 慣れたせいだからでしょうか、周りが女子だけだからでしょう
か、この時までは、こんな格好でいてもあまり恥ずかしいという
気持が起こりませんでした。

 「今日は、お薬だけ140㏄。ちょっと大変だけど、それでも
10分だけは我慢よしてね」
 お義母様はそう言いながらガラス製のピストン式浣腸器で私の
お尻を責め立てます。

 50㏄浣腸器で三回。お薬を入れてる段階から、もうトイレに
行きたくなるほどでした。

 「あっ…………」
 声には出しませんが、オムツを当て取られている最中から顔は
歪みます。
 それなのに、お義母様はこうおっしゃるのでした。

 「この間はお尻に栓をしてあげたけど、今回は自分の力で頑張
ってね。そのくらい中学生なんだからできるでしょう」

 「えっ!」
 ショックが鳥肌を伝わって全身に行き渡ります。

 「もちろん粗相してもいいのよ。お母さんが片付けてあげるわ。
でも、いきなり出しちゃったらお薬が効かないし、何より女の子
は恥ずかしいって思う気持を忘れたらいけないわ」

 お義母様は優しい言葉でしたが、
 「そんなことしません」
 私は泣きそうな顔で答えました。

 「そうそうその調子。女の子は我慢する事を忘れてはいけない
わ。……でも10分過ぎたら、はめてるオムツにそのまま出して
しまってね」

 「えっ、……」
 その瞬間、全身にもの凄い悪寒が走りました。

 「どうしたの?遠慮しなくていいのよ。…どのみち私が着替え
させてあげるんだから……」

 「えっ、おトイレは……」
 甲斐のないことですが、訊いてみます。
 でも……

 「だから、構わないわ。せっかくあなたが私の子どもになって
くれたんですもの。最初はオムツぐらい替えてあげるわ。………
ん?……どうしたの?……イヤなの?…そうかもしれないわね、
女の子というのは痛い事より恥ずかしい事が大の苦手ですものね。
……でも、これは私の子どもとしての義務だから仕方がないわね」

 「どういうことですか?」

 「どういうことって?お母さんがこんなふうにお仕置きします
って言ってるのよ。娘が『イヤ』って言っちゃいけないでしょう。
お母さんの愛はしっかり受け止めなくちゃ……そうじゃなくて?」

 愚問でした。でもその時から、それほどでもなかった気持が、
『とっても恥ずかしい』という気持になるのでした。


 薄い布団の上でオムツが当てられると、私の体はすでにまった
なしの状態になっていました。

 「さあ、いらっしゃい」
 お義母様は私に膝の上へ来るように促しますが、すでにそれも
無理な状態でした。

 「どうしたの?爆発しちゃうかしら?自分では起き上がれなく
なっちゃった?」
 お義母様は仕方なく私を膝の上へ抱き上げ、私はすがるように
その身体に抱きつきます。

 「あっ……あああん……いやあ……はあ、はあ、……苦しい…
…だめえ~~出る、出ちゃう……あああぁぁ……ごめんなさい」

 全身に悪寒が走り、鳥肌がたって、唇が震えます。涙がこぼれ、
……目の前にいきなり現れたお義母様の乳首に噛み付きました。

 理性のない身体。すがれるものは何でもすがりたかったのです。

 「あぁぁ~~~いや~~~~苦しい~~~もう、だめえ~~」

 『悶絶』ってこういう時のためにあるんだと思います。10分
という時間がこんなにも長く感じたことはありませんでした。
 そして、お義母様からは……

 「よく頑張ったわ。さすがに私の見込んだ子だけのことはある
わね。女の子は貞節が大事ですもの……さっ、でももういいわよ。
全部出しちゃいましょう」

 「……(そんなこと言ったって)……」
 私の耳にお母さんの言葉は届いていました。でも、だからって、
ここでお漏らしなんて……
 私は残った力を振り絞って頑張り続けます。

 すると、今度は……
 「だめよ、女は貞節も大事だけど、諦めも大事なの。青い果実
でもがれたら『すっぱくて食べられない』って捨てられるけど、
だからといってあまりに熟しすぎると誰からも手を出してもらえ
ないわ。果実も女もそれはおんなじ。熟しきったところで捥いで
もらうのが一番よ。ほどよいところで諦めて、恥をかいて、次の
ステップに進まなきゃ」

 私にお漏らしするように催促します。
 でも、だからって、『そうですか』というわけにはいきません
でした。

 しばらくは……
 「そんなのいや、いや、だめ、恥ずかしい、だめ、だめ、……
トイレ行きたい、ごめんなさい、だめ、だめ、だめなんです」
 と、お義母様にしがみついたまま必死に訴えましたが……

 「しょうがないわね」
 お義母様がこうおっしゃるので、おトイレを許してもらえるの
かと思いましたが……

 私は再び薄い布団の上に寝かされます。もちろん元気な体なら
そのままトイレに立つところですが、この時はすでにそんな力も
残っていませんでした。何しろ、お尻以外にちょっとでもどこか
に力をいれたら爆発しそうだったんですから。

 「さあ、うんちゃん、出てきてねえ……すっきりしましょうね」
 妙ちきりんなおまじないの言葉をかけながら、お義母様が私の
下腹をさすり始めます。
 すると、もう1分ともちませんでした。

 「あああああああああ」
 その瞬間、まるで高い崖から身を投げた時のような虚脱感が、
身体全体を包みます。
 その変化は、お義母様だって分かりますから……

 「大丈夫よ。大丈夫。泣かないで、あなたが悪いわけじゃない
んだから……」

 気がつくと、びちょびちょのオムツを穿いて、私はお義母様の
膝の上にいました。

 「寒い?……そうかもしれないわね、女の子の大事なプライド
が飛んでいっちゃったんですものね。……でも、私の前だけでは
身も心も裸でいて欲しいの」

 「……どうしてですか?」
 私は涙声でつぶやきます。
 すると、一拍おいて、お義母様から強い言葉が返ってきました。

 「それは、私があなたのお母さんだからよ」

 「えっ!?」
 私がまごついていると……

 「大丈夫よ。これは私たち二人の秘密……外には漏れないわ」
 お義母様は、ご自分の唇に人差し指を当てると微笑みます。

 私はこの時初めて『この人、ひょっとして私の本当のお母さん
なのかしら』などと、馬鹿な事を思ってしまったのでした。

 「さあ、キレイ、キレイしましょうね」

 お義母様に翻弄され続けている私は、薄い布団の上で赤ちゃん
さながらにオムツを取り替えてもらいます。
 すると、不思議なことが起こりました。最初は屈辱感で流して
いたはずの涙が、いつの間にか、喜びの涙に変わっていたのです。

 「…………」
 私は笑い出しそうになる自分を必死に抑えていました。
 だって、こんな状況で気持がいいなんて顔をしていたら、変態
ですから。

 でも……抑えても抑えても素直な喜びがこみ上げてきます。

 とうとう抑えきれなくなった私の顔が、一瞬笑ってしまうと、
お義母様が目ざとく見つけて……

 「あら、ご機嫌ね。赤ちゃんの時以来ですものね、こんな事は
……気持いいでしょう。女の子は、普段、厚い鎧を着てるから、
たまに脱いだ時はとても気持がいいものなのよ」

 私の顔を間近に見ながら微笑返してくれるのでした。

 お義母様は私の股間を何枚もの蒸しタオルでキレイにすると、
一枚の白いショーツを穿かしてくれました。
 でも、それは短い時間私のお尻を保護してくれただけ。また、
すぐに脱がなければなりませんでした。

 その後、幼児に返ってひとしきりお義母様のお膝で甘えていま
したが、やがて、私の耳元でお義母様が囁きます。

 「さてと、それでは仕上げにかかりましょうか」

 『仕上げ』それはもちろんお灸でした。

 今は肌に灸痕が残るようなお仕置きをする家庭はほとんどない
かもしれませんが、私の子供時代、『お灸』は、どうにも言う事
をきかない悪童やお転婆への最終兵器として親の間で重宝されて
いましたから、身体検査の日など、お友だちの背中に新しい灸痕
を見つけることも、そう珍しい事ではありませんでした。
 ですから、子守の私が、親代わりである若奥様にたとえお灸を
据えられたとしても、それは当時の基準でなら大騒ぎする事では
なかったのです。

 ただ若奥様(お義母様)の場合は身体の色んな処に数多く据えら
れますから、据えられる側はたまったものではありません。
その熱さに耐えるのは、それはそれは大変なことでした。

 当然、『お灸』と言われて私の顔にも緊張が走ります。
 その緊張した顔に向って、お義母様は最初に……

 「心棒の調子はどう?役に立ってるかしら?」
 と、尋ねられたのでした。

 「あっ……はい」

 「それはよかったわ。人間、喉元過ぎれば熱さを忘れるものよ。
どんなに厳しいお仕置きで叱っても、今が何ともなければ、再び
過ちを犯してしまうものなの。女の子は特にそう。誘惑に流され
安いの。……でも、こうしておけば普段は感じないほんの微かな
抵抗感があなたの心にブレーキを掛けてくれるわ。……わかるで
しょう。火傷の皮膚が擦れるその感じって……」

 「…………」
 私は悔しいけど頷きます。

 「しかも、それを感じているのはあなただけだから。誰からも
気取られる心配がない。それも良い事だわ」

 「これ、ずっとこうなんですか?」
 私は心配になって尋ねてみました。
 すると……

 「心配なの?………そうね、人にもよるけど、二、三年は歩く
たびに抵抗感が残るはずよ」

 「そんなに……」

 「仕方ないわ。だって、あなたは、その時はまだ子供でしょう。
戒めはまだまだ必要ですもの」
 お義母様は笑います。
 そして、私を安心させるように正座した膝の上で抱き直すと、
頭を撫でながらこうおっしゃるのでした。

 「大丈夫よ。生涯、ずっとこのままじゃないから。たいては、
四、五年もたてばまったく感じなくなるものなの。あなたが大人
になる頃には抵抗感もなくなってるわ…………ん?どうしたの?
……あらあら、そんな深刻な顔しないで……大丈夫だって………
私は、大事な娘を片端になんかさせないわ」

 私は、お義母様の胸の中に顔を埋めて、お義母様を信じるしか
ありませんでした。

 「さあ、お尻からよ。準備して……」

 私はお義母様の言葉に反応して、その膝にうつ伏せになって、
お尻を高く上げます。
 今までなら準備はこれだけでした。
 ところが……

 「敬子さん。あなたも、もう中学生なんだし、小学生気分で、
何もしないで私の膝にふんぞり返ってるだけではいけないわね」
 こう言われたのでした。

 「????」
 私は、どういう意味かを考えます。
 そして、自分なりに出た結論に従って、お義母様の膝を下り、
お義母様の目の前で正座すると、三つ指をついて……

 「お灸のお仕置きをお願いします」
 と、頭を下げたのでした。

 すると、お義母様はその時間を楽しむかのように私の顔を見て
微笑んでいらっしゃいましたが……やがて……

 「やはり、あなたに目をかけたのは間違いじゃなかったみたい
ね。私は、だからあなたが好きなのよ。他人が、今自分に対して
何を望んでいるかを察知できることは、女の子にはとても大事な
資質なの。あなたはそれを持ってるもの」

 どうやら私は褒められているみたいでしたが、だからといって
お仕置きが免除されたわけではありませんでした。

 「さあ、いらっしゃい」
 お義母様は正座したお膝の上を右手で叩きます。

 「はい」
 私は再びお義母様のお膝の上にうつ伏せになると、そこでお尻
を高くしますが、その際、自らスカートを捲り、ショーツを下げ
て、むき出しのお尻をお義母様に捧げたのでした。

 すると、『では、お言葉に甘えて……』というわけではないの
でしょうが、沢山の艾がお尻一面に乗っかるのが分かります。

 「えっ!?」
 でも、驚いている暇はありませんでした。

 「うっ……ああああああああああああああ」
 艾に火がつけられたのと同時に私の身体は硬直します。

 覚悟はしていましたが、それを、どう表現していいやら……
 とにかく、艾が一面に乗ったお尻が、一気に火の手に包まれた
んですから、これはもう、かちかち山のタヌキです。
 それは声にならない熱さでした。

 私は何度も拳で床を叩き、炎熱地獄の苦しみを表現しましたが、
もちろん許してはもらえませんでした。

 でも、このお灸、数こそ多いものの、全て寸止めだったのです。
 火が回って、皮膚をほんのちょっぴり焼いた瞬間、お義母様が
火のついた艾を指の腹で押し付けて消してまわるのです。

 おかげで、お仕置きの後に『きっともの凄いことになってる』
とばかり鏡で自分のお尻を見てみましたが……赤くはなっていた
ものの、そこに火傷の痕が残ることはありませんでした。

 きっと、そこは大人になって目立つと可哀想だからという配慮
だったんでしょう。
 ただ、どこもそうやって配慮してくれるわけではありません。
 尾てい骨にはそんな情けはかけてもらえませんでした。

 骨に近いその場所は火が回ると頭の天辺まで衝撃が走ります。

 「ひぃ~~~~~~~~」

 一度火をつけられたら、それが消えるまで、歯を喰いしばって
頑張るしかありません。
 私は、またお漏らししないか、それが心配で仕方がありません
でした。

 「大丈夫ね、今回は漏らしてないないわ」
 お義母様の言葉に私の顔はカァーとして赤くなります。
 でも、とにもかくにも第一関門突破でした。

 さて次は、お義母様が私のブラウスを捲り上げ。両腕を羽交い
絞めにする中で、オッパイ(乳頭)の周りに小さい艾を五、六個
貼り付けてと、お臍の中にも据えられます。
 これはハツさんの担当でした。

 「あらあら、あんた、まだ男の子みたいだね」
 お線香を片手に近づいてきたハツさんにそう言われても、私は
無表情でした。顔を赤らめたいところですが、今は、それどころ
ではありませんでした。

 「でも、気にすることないよ。胸の小さい子の方が頭がいいっ
ていうからね」
 ハツさんはそんな慰めを言いながら、私の乳首をいじります。

 「あっ……いやあ……いや……あ~あ~……だめえ……うっ」

 ハツさんの指は、私を興奮させるのに十分なほど執拗でしたが、
幼い私に、『やめてください』という勇気がありませんから、私は
長い時間その拷問に耐えなければなりませんでした。

 もだえる身体を必死に押し殺して、頑張っていると……
 「じゃあ、いくよ」
 ハツさんの声がします。

 そして、それはすぐでした。
 「あっ!!!!」

 胸のお灸は『小さな小さな艾が一瞬だけ燃えて消えた』という
だけのことでしたが……次の瞬間、私の顔色が変わります。

 私の洞窟の中に雫が落ちているのが分かるのです。

 「!!!!!」
 大人になれば『なんだ、そんなことか』って思うことですが、
中学生の私にとって、それはとても恥ずかしいことでした。

 今の子なら中二になれば当然ブラジャーをしていると思います
が、私の中学時代は総じて発育が遅かったせいか、クラスの全員
がブラをしているわけではありませんでした。特に私の場合は、
クラスの中でもペチャパイの方でしたから、日常生活では必要が
ありません。
 でも、そのせいで乳首がシャツに擦れて、ちょくちょく不思議
な気持を感じることがありましたが、その大きな波が、今、ハツ
さんによってもたらされたものだったのです。

 そして、お臍も……
 ハツさんが、まず私のお臍の下にある小さな芽を悪戯します。

 「あああああ、だめえ~~~~いやあ~~~そこいやあ~~」
 私の声にならない恥ずかしい声が響くなか、今度はお臍の中に
大きな艾が……もちろんこんな場所ツボなんかじゃありません。
でも、お仕置きとしてのお灸は治療じゃありませんから、子供が
怖がる処、熱つがる処、痕が目立たない処が大人達の候補でした。

 「あっ、熱い~~~~」

 今度は、目の前に見える艾も大きくて燃えてる時間も長いです
から、そりゃあ怖いです。おかげで寸止めにも関わらず胸のお灸
以上にねっとりとした雫が私の洞窟の中に溢れ出てきたのがわか
ります。

 「……(また……何なの、コレ、血?オリモノ?病気?)」
 少し落ち着いた私は、自分の身体に起こった変化に困惑します。
 でも、恥ずかしながら、その時はそれがどんなものなのか……
どうしてそうなったのか……まだ何も知りませんでした。

 ポルノ雑誌など、猥雑な情報が子供の目に飛び込む機会が少な
かった当時、子供が性に関して知ってる事といえば、学校で習う
生理と病気の話だけ。
 『女の子が感じるというのは、どういうことなのか』
 そんなこと学校の教科書のどこにも書いてありませんし、友達
も知りませんでした。

 今の人は信じられないでしょうけど、SEXって具体的にどう
するのかを知ったのは高校生になってからなんです。
 ですから、親のお仕置きが、自分の性を目覚めさすきっかけに
なった子は多くて、その快感を求めてオナニーに走る子も男の子
だけでなく女の子だって決して少なくありませんでした。

 「最後は、お臍の下ね。ここはお臍と違って目立ちませんから
ね。最後まで熱いのを我慢してもらいますよ」
 お義母様は私を羽交い絞めにしたままで残酷に宣言します。

 その後はハツさんが準備をしました。
 そこは半年前にも据えられた場所。でも、すでに下草が新たに
はえ始めていましたから、再びハツさんに剃り上げてもらいます。

 スカートが捲り上げられ、ショーツを下ろされて、黒こげのお
臍から下はすべて丸見えです。
 でも、もうその頃になるとそうした恥ずかしさには慣れてしま
っていました。

 そんな私の厚顔にお義母様は気づいたみたいでした。
 ビーナスの丘に円錐形の艾が並べられても冷静な顔でいられる
私の様子は抱いているお義母様が何より一番よくわかっておいで
だったのです。

 そこで……
 ハツさんが九つ並んだ艾にお線香の火を近づけようとしますと
……

 「あっ、待って……」
 お義母様はハツさんの手を止めてしまいます。

 そして……
 「敬子ちゃん、あなたももう中学生なんだし、いつまでも大人
の手を煩わせていてはいけないわ。最後ぐらいご自分でなさいな」

 「えっ、?」
 鈍感な私は当初お義母様の言葉の意味がわかりませんでした。
 それでも、ハツさんに火のついたお線香を手渡されれば、その
意味を理解します。

 「えっ!!!」
 私は二度びっくりです。最初は意味が分からなくて……そして、
意味がわかってまたびっくりでした。

 「わかったかしら?……あなたは子供と言ってももうそんなに
幼くないの。自分の始末は自分でつけることを覚えてもいい頃よ」


 お義母様は穏やかにおっしゃいますが、それって、私に自分で
目の前の艾に火をつけなさいとおっしゃっているわけで……

 「…………」
 私は思わず固まってしまいます。

 もちろん、誰が艾に火をつけても肌に伝わる熱さに違いなんて
あるはずがありませんが、やはりその原因を自分が作るとなると、
話は別、お線香を持つ手が震えてきます。

 そんな勇気のない私を見ていたお義母様がこうおっしゃるので
した。
 「時間はあるわよ。私もハツさんも気は長い方だから……でも、
『このまま何もしなければ、そのうち諦めてくれるんじゃないか』
なんて思っちゃいけないわ。私たちはたとえ徹夜してもあなたの
勇気を待ってるんだから……」

 私は進退が窮まってしまいました。

 たしかに、これまでだって沢山のお仕置きを受けてきました。
お灸も沢山すえられてきましたが、それって、いつも大人たちが
勝手にやったきたことだったんです。
 嫌がる私を押さえつけて、無慈悲に無理やり……

 ですから、それって悲劇ではあっても、終われば……
 『あれは大人たちが勝手にやったこと』
 『私は哀れな被害者』
 『悲劇のヒロインなんだから』
 と、自分の心を慰めることができました。
 自分のプライドを守る逃げ道があったんです。

 でも、こうして自分で火をつけてしまうと、そんなささやかな
エクスキューズさえ奪われてしまうようで……
 それは、とてつもなく悲しいことだったのです。

 「………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………
……………………………………………………………」

 長い沈黙が続きました。持っていたお線香に火の気が迫ると、
お義母様はまた新しいものを用意します。

 そうやって、三本目のお線香が燃え尽きようとする時、私は、
ようやく決心して、九つある艾の一つに火を移します。
 
 「!!!!」

 当然、肌を焼くいつもの熱くて痛い瞬間が訪れます。

 でも、それは一瞬でした。
 まるで、示し合わせたようにハツさんが、私の肌に火が回った
瞬間、火のついた艾を消してしまうのです。

 二つ目も……
 三つ目も……
 四つ目も……
 そして、最後の九つ目だけ……

 「熱い~~~~」

 ハツさんはその火を消してくれませんでした。
 お義母様とハツさんは何一言も打ち合わせをした様子がありま
せんでしたが、大人二人の間にはそれでいて何一つ問題がなかっ
たみたいでした。

 「わかった?これが大人になるということなのよ」
 お義母様はそう言うと、最後は黙って私を抱いてくださったの
でした。

**********************

コメント

コメントの投稿

コメント

管理者にだけ表示を許可する

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

最新記事

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR