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4/17 初恋

4/17 初恋

*)思い出に基づく小説としてお願いします。

 僕の初恋っていつだろうって思ってみた。

 そりゃあ僕だって男の子、幼稚園時代から好みの女の子という
のはいたんだけど、それって、まだ恋というより『お友だち』と
いう感覚だったような気がする。

 僕が初めて異性の子を特別な思いで眺めたのは11歳のとき。

 だから、僕の初恋は小五のときだった。クラスメートにやたら
目鼻立ちのはっきりした子がいて、僕は『ハーフに違いない』と
勝手に思い込んでモーアタックをかけてみたが、わかったのは、
彼女のお父さんもお母さんも正真正銘の日本人だということ。

 ところが、その現実を受け入れられない僕の脳は……
 日本生まれ、日本語はベラベラで生活習慣も全て日本式な彼女
と会うたびに、何故か片言の日本語になっていた。

 彼女にしてみれば『不思議な子』と思われていたに違いない。

 そんな彼女とは、消しゴムの貸し借りから始まって、帰り道、
家族のことや学校のことなどを色々話するまでになっていたが、
その日はどうも話が弾まなかった。

 「ねえ、お腹痛いの?」
 無粋な少年はそんな尋ね方しかできないが『ひょっとして……』
という思いがあったのも確かだった。
 こうした嗅覚は、実は母の方がはるかに優れていたのだが、僕
も母の子として平均値以上のものを持ち合わせていた。

 だから口数の少ない彼女と家の近くで別れたあとも気になって
そっと彼女のあとを着いて行ったのである。

 何のことはない、第六感を頼りにストーカーをやらかした訳だ。

 美由紀ちゃんの家は新興住宅地の外れ。さすがに玄関先をうろ
つくのはまずいと思った僕は、当時竹やぶで崖になっていた家の
背後から彼女の家へと近づく。

 すると……詳しい会話は忘れてしまったが、家の外まで彼女の
お母さんが彼女を叱る声が聞こえるのだ。

 「おかあさん、もう、あなたをこれ以上許すつもりはないの。
嫌なら今すぐこの家を出て行きなさい」

 新興住宅地といっても、ここは他の家と少し距離があったから
おばさんとしても少しぐらい大きな声を出しても大丈夫だろうと
いう安心感があったのかもしれない。

 苦労して竹やぶを登ってきた僕はおばさんのいきなりの大声に
面食らってしまった。
 おまけに、見上げる二階の部屋からは……

 「いいから、持ってきなさい。やらなきゃ終わらないでしょう」
 なんて声も聞こえる。

 『何のことだろう?』
 と思っていると、しばらくしてから……バタバタっとトイレへ
駆け込む音が……。

 間髪をいれず土管の中を何かが落ちているような音がして……

 『そういえば、彼女の家、たしか二階にもトイレが……という
ことは……』
 と思った。

 さらに……
 「全部出してしまうのよ。お尻も綺麗にしてから出てきなさい
ね」
 というおばさんの声。

 小五のことで全てを見通せてた訳ではないだろうが、おおよそ
何が家の中で起きていたかはおばさんのおかげで想像できたので
ある。

 おまけに……
 「…パシっ、……パシっ……パシっ、……パシっ……パシっ、」
 という音と一緒に……
 「……ひとつ、……ふたつ、……みっつ……よっつ……いつつ」
 という美由紀ちゃんの声が……

 時折……
 「ほら、お尻を下げないの!」
 「ほら、手でかばうなら、やり直すよ」
 「ほら、黙ってないで……ごめんなさいはどうしたの!」
 なんていうおばさんの声も聞こえる。

 恥ずかしい話、僕の股間は思いっきりテントを張ってそのまま
になってしまった。

 『凄いや、だから、今日は僕とあまり話したくなかったんだ』
 僕は目を白黒させながらも、お仕置きの実況中継に聞き入って
しまう。

 もちろんこの話は美由紀ちゃんには内緒にしていたが……
 でも彼女の顔を見るたびにその日の情景が蘇って笑ってしまう
だった。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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