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4/23 亀山物語<外伝>~4~

4/23 亀山物語<外伝>~4~

*)これは一応小説の一部なんですがHシーンありません。

 「ほら、見て……」

 香澄さんが箪笥の引き出しを開けましたから、覗きこみますと
……

 「……(えっ!!!)……」
 声になりません。

 「驚いた?」
 香澄さんはビックリ箱を開けさせた相手を見る時のような悪戯
っぽい笑顔で私を見ています。
 でも、私、どう返事してよいかわかりませんでした。

 「松下先生は、こうしたものは巷の人たちにみせてはいけない
って言ってたけど……やっぱり驚いちゃった?」

 「…………えっ?まあ……」

 「私、そんなふうに驚いてくれる子、大好きなの。……ふふふ
でも、そうやって驚くってことは、これが何するものか知ってる
ってことよね」

 「えっ?……ええ、まあ」
 悪戯っぽく笑われて私の心臓は彼女に掴み取られたようでした。
たしかに、そのいくつかは我が家にもありましたから。

 「じゃあ、無駄なお話かもしれないけど、一応説明してあげる
ね。……この中に入っているのは、お義父様が私をお仕置きして
くださる時のお道具なの」

 香澄さんは一番手前にあるガラスケースを取り出します。外の
蓋には赤い十字のシールが貼ってありました。

 「この大きな注射器みたいなのは、ピストン式の浣腸器。お薬
を入れて使うけど、それは使う時だけ大人の人が持って来るの。
なぜだかわかる」

 「いいえ」

 「ここへ置いておくと、お仕置きされそうな子どもが先に自分
で使ってしまって、罰を軽くしてしまおうとするからなの。……
お浣腸って二度目はとっても楽なのよ……知ってた?」

 「…………」
 その事実は知っていましたが、香澄さんがあまりにあけっぴろ
げに話しますから声がでなかったのです。

 「あっ、その顔は知ってる顔よね」

 「ええ、まあ……」
 私はやっとの思いで生返事をします。実際、その手の浣腸器は
うちにもありました。当時は、子供がお腹を壊すと、お医者様に
行ってもまず浣腸で、お腹の物を全部出すことから治療が始まり
ますから、家庭でも浣腸器を用意するところが珍しくありません
でした。

 私も幼い頃母にされたことがありましたから、思い出は強烈に
残っています。お仕置きではありませんが、恥ずかしくて、辛い
思い出でした。

 「次はこれ……」
 香澄さんが取り出したのは、文箱くらいの大きさの木箱です。

 中を開けると、病院でもらう薬袋のような袋とお線香でした。

 「これ、知ってる?」

 「ええ」

 「やっぱりね、あなたなら知ってると思ったわ。さっき、私が
お灸の話をしたら、あなた、目を輝かせてたもの」

 「そんな、目を輝かせてただなんて……」

 「嘘ついてもだめよ。私たち幼い頃から色んなお仕置き受けて
育ってきたからわかるのよ。『あっ、この子、本当はお仕置きが
好きなんだ』『お灸が好きなんだ』ってね」

 「そんな事、わたしはありません」
 思わず気色ばんで声が出てしまいましたが……

 「そう、それならごめんなさいね」
 香澄さんは言葉の上で謝っていますが、私の目には、『お前の
了見はお見通しよ』と映ります。

 「………女の子ってね、自分の一番辛いこと、恥ずかしいこと
を好きな人に無理やりされるのが一番気持のいいことなの」

 「……(この人、変態?)……」
 そんな言葉も頭に浮びますが、それは私の頭の中が理性で満た
されているから。
 この時すでに、香澄さんの答えを私の下半身は受け止めていま
した。

 「これはトォーズと言ってお尻を叩く鞭。他にも、ケインとか
ヘアブラシとか、色々あるけど……普段はもっぱら平手が多いの。
女の子はやっぱり肌と肌が触れ合った方がいいもの。……ただね、
『これは本当にいけないことなんだぞ!』って叱られる時は……
これで鍛えられるの」

 香澄さんはトォーズを取り出すと一振りします。
 「やわに見えるけど、これって結構痛いのよ。あなた、試して
みる?」

 「………………」

 「あら、ちょっと刺激が強かったしら?でも、亀山にいたら、
まだまだこんなものじゃないのよ。だけど、お仕置きされたから
不幸って思ったことは一度もなかったの」

 「どうしてですか?」

 「だって、あそこはお仕置きが生活の一部なんだもん。あなた
は親に一度もお仕置きされた事がないの?」

 「そんなことは……」

 「その時、親を恨んだ?」

 「それは……」

 「女の子はみんなそうだけど、お仕置きってね、何をされたか
が問題じゃないの。誰にされたかが問題なの。その人は愛せる人
か、信頼できる人か、それがすべてじゃなくて……」

 心臓にグサッと突き刺さる言葉でした。
 『私はお父さんを信頼できなくなったんだろうか?』
 ふと、そんなことを思います。

 「香澄さんはお義父様が信頼できたんですね」

 「もちろんよ。……お義父様だけじゃないわ、お母さんも先生
も賄いのおばちゃんも掃除のおばちゃんもみんな信頼してたの。
亀山の子どもって、どんな大人より身分が低いんだけど、どんな
大人からも愛される身分なの。だから、街行く誰に抱きついても
すぐにハグしてくれてるし、抱き上げてくれるの」

 「みんな顔見知りなんですものね」

 「それもあるけど、街で暮らすみんながみんな子供好きなのよ。
働いている人も女王様が特に子供好きな人しか採用しないから、
街で出会う誰に抱きついても毛嫌いなんてされたことがないわ」

 「へえ、何だか羨ましい。おとぎの国みたい」

 「かもしれないわね。絵本で読んだ童話の世界がそんな夢物語
に感じられなくて、幼い頃はお友だちと一緒にシンデレラや白雪
姫のお城を探しに行ったものよ」

 「見つかりました?」

 「まさか、あるわけないじゃない。でもダイヤモンドパレスは
見つかったわ」

 「ダイヤモンドパレス?」

 「女王様の執務室。全面ガラス張りの建物で、いつもキラキラ
輝いてるからそう呼ばれてるの」

 「女王様ってどんな人なんですか?」

 「品のいいおばあちゃんよ。会いに行くと『今日は楽しかった?
明日は楽しくなりそうかしら?』って必ず尋ねるてくるわ。……
子供たちにとって女王様のお膝は駆け込み寺みたいな処だから、
お義父様やお母さん、先生方とうまくいってないようだと、担当
を代えてくれたりもするの」

 「孤児院といっても、至れり尽くせりって感じなのね」

 「そりゃあね、私たちプロだから」

 「プロ?」

 「私たちってお義父様を楽しませて養育費をもらってるような
ものだもの。口の悪い人は『子ども妾』って言う人もいるくらい
よ。お義父様はお酒が入ると私を抱き上げてよくおっしゃってた
わ。『これは本物のスコッチ。そしてこれが本物の笑顔だ』って
……お母さんも『そうまでしてお義父様方が本物の笑顔を求めて
くださるから、あなたたちは幸せに暮らせるのよ』って……そう
言われて私たちは育ったの」

 「本物の笑顔ねえ……じゃあ、本物の泣き顔はお仕置きで生ま
れるの?」
 私はからかい半分に言ったつもりでしたが……

 「ピンポン、大正解。お義父様が亀山に大金を出して移住まで
するのは、本物の笑顔と同時に本物の泣き顔が見たいからなの。
子役がお芝居するんじゃなくて、本当に恐怖におののいている子
どもを抱いて愛撫したいからなのよ」

 「だから、お仕置きが厳しいんだ」

 「そういうこと。私はまだ若いからそこらの事情は分からない
けど、お義父様がおっしゃるには、歳を取ると若い子や幼い子を
抱いているだけでご自分も若返った気持ちになれるんだそうよ。
医者がくれるどんなお薬より、これが一番の不老長寿の妙薬なん
ですって……」

 「へえ、つまりは、『お薬を育ててる』ってわけなんだ。……
変なの……」
 私は素直に笑います。

 「ま、そういうこともあってね、私たちってよく裸にされたの。
お風呂は当然お義父様と混浴だし、寝る時も当番制で月に何回か
お義父様と一緒のベッドよ」

 「わあ、危ない!犯されなかった?」

 大仰に驚いてみせると……
 「馬鹿言わないで、私一人じゃないわ、他の子も一緒に寝てる
のよ、そんな事できないわ。それにお義父様はそんな方じゃない
もの。そのあたりは入居前に女王様が厳しくチェックなさってる
から大丈夫なの」

 「なあんだ、そうなのか……」

 「つまらない想像しないで……そんなことしたら亀山の秩序は
一発で崩れちゃうわ」

 「ふうん、お義父様って紳士なんだ」

 「当然よ。こんな処で晩節を汚すようなことはなさらないわ。
だからお金があっても社会的な信用のない人はここのお義父様に
はなれないの。……あ、でも、お触りは別よ。私もそうだったん
だけど、一緒に寝てると、大半の子は穴と言う穴を全て触られる
ことになるわ」
 またまた、香澄さんはドキッとするようなことを言います。

 「えっ?悲鳴あげなかったの?」

 「あげないわよ。だって、お義父様がやってるんだもの。問題
ないわ」

 「信頼関係ってこと?」

 「信頼できない相手を愛するっておかしいでしょう」
 あっさり言われてしまいました。

 「亀山ではね、小学生の裸なんて街中で見られるから珍しくも
何ともないの。お仕置きで学校から全裸でおうちに帰されたり、
お母さんが癇癪起こして、全裸で廊下やお庭に放り出されたり、
プールも小学生の頃は水着なしで泳ぐんだから……」

 「それって、いくら小学生でも恥ずかしくないの?」

 「恥ずかしいのは恥ずかしいけど……ほかの子も裸なんだから
みんなでお風呂に入ってると思えば気は楽よ」

 「中学生になると水着OKなの?」

 「13歳まではだめ。……ただし、14歳で試験にパスすると
女の子も一人前に認めてもらえるから、そんなことはなくなるの」

 「14歳の試験?」

 「そう、試験というか、試練かな。これまでやってきた悪さを
一気に精算するための特別なお仕置き。……これに合格したら、
ハレンチなお仕置きからは開放されるわ」

 「それって、相当キツイの?」

 「正直、大変は、大変なんだけど……でもやらないと、プール
で水着も着たいし、大きくなったオッパイを街の人に見せながら
帰らなきゃならないでしょう。……みんな必死で頑張るわ」

 香澄さんは明るく笑うのでした。

 「その試練ってどんなことをするんですか?」

 私は事のついでに尋ねてみたのですが……
 その時、部屋の扉がノックされます。

 「あっ、いけない松下先生だわ。詩織さん、悪いけど、今日は
ここまでよ」

 香澄さんはこれからお勉強のようでした。

 その日は、そのまま桐山邸から車で送っていただきましたが、
その道中、私は後ろの座席で自分の身体の中が濡れていることに
気づきます。
 恥ずかしいことが起きていたのです。

 『でも、また、明日、香澄さんに会って話を聞きたい』
 私は心の中でほくそ笑みながらも、運転手さんにはそ知らぬ顔
でそう思うのでした。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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