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5/7 女の都 ~3~

5/7 女の都 ~3~

*)派手なシーンはありませんが、一応Hな小説です。

 リサちゃんはドアをノックします。
 本当のことを言うと、もうそれだけでおしっこをちびりそうで
したから、『リサです。お呼びでしょうか』という声がでません
でした。

 すると、ドアの向こうから……
 「リサちゃんね。入ってらっしゃい」
 という校長先生のいつもの優しい声がします。

 『いつも、この声に騙されて悪乗りしちゃうのよね。気をつけ
なくちゃ』
 リサちゃんは自分に言い聞かせてドアを開けました。

 一番奥の大きな机に校長先生がいてその脇にはクレマン先生が
立っています。
 20畳ほどの室内はワックスで磨き上げた板張り、ほんのちょ
ぴりカビ臭くてオシッコ臭いもする、いつに変わらぬ風景です。

 リサちゃんは劣等生ですから、ここはご常連でしたが、ここに
来ると、いつも背中がぞくぞくっとします。
 ですから、水をかぶったワンちゃんのようにそれをブルブルっ
と払い除けてから、いつも奥へと進みます。

 校長先生も、クレマン先生も、本心はともかくこの時はいつも
にこやかでした。お母さんみたいに最初から目を三角に釣り上げ
たりしていません。

 「そこのお椅子に腰掛けなさい」
 校長先生に勧められるまま、リサちゃんは校長先生と向かい合
う椅子に腰をおろします。

 これは生徒を尋問するための尋問椅子。ですから、リサちゃん
だって表情はまだ硬いままでした。

 『ここでホッとしてちゃまずいわ。いつものように調子に乗っ
ちゃうもの。ここは『ごめんなさい』って顔をしなきゃ』
 リサちゃんがそう思ってると……

 「どうしたの?今日はいつものような元気がないみたいだけど、
お母さんに怒られそうで怖いのかしら?」

 「…………いいえ」
 リサちゃんが搾り出すような声で答えますと……

 「それならいいけど、お母さんのお仕置きが気になるようなら、
先生、お手紙書いてあげてもいいわよ。『今回のことで、新たな
お仕置きはしないでください』って……」

 「ホント!」
 リサちゃんは思わず大声で立ち上がります。
 もちろんそれって、願ってもないことだったからでした。
 おまけに……

 「ホントよ。それに、今日はここでお仕置きもしないわよ」

 校長先生の言葉は耳を疑うような朗報でしたが、でもそれには
条件がついていたのです。

 「嬉しい?……そりゃそうよね。でも、それには理由があるの」

 「えっ?」

 「今日のテストに限らず、このところ成績が芳しくないのは、
あなたも自分で分かってるでしょう」

 「……はい」

 「そんな子に、ここでお仕置きしても効果は期待できないの。
お仕置きってカンフル剤みたいなものだから、ちょっとした躓き
には効果があっても根本的な治療にはならないわ。あなたの場合
は小手先の事じゃなくて、もっと本格的なお勉強が必要だと私達
は判断したの。わかるかしら?」

 「本格的なおべんきょう?」

 「そう、これから二週間の間は、放課後クレマン先生と一緒に
お勉強するの」

 「え~~~~~」
 リサちゃんは思いっきり嫌な顔をします。
 だって、お勉強が好きだったり興味があったら、テストのお点
がこんなに低いはずがありませんから……

 「体育だったらやってもいいけど……」
 小さい声で愚痴を言うと……

 「そちらはもう十分優秀だってわかってるもの、いらないわ。
あなたにとって大事なのは国語と算数よ」
 校長先生が諭すようにおっしゃると……

 「算数ってつまらないもの」

 「どうして?」

 「だって、数字と記号ばかりで、人間がでてこないもの。あれ
じゃ誰に頼っていいかわからないわ」

 「頼る?」
 思わず出たクレマン先生の驚きの声を制して校長先生は続けま
した。
 「そうね、でも、これもできないと、大人になって困るわよ。
家計簿がつけられないんじゃ、お母さん失格よ」

 「お母さんかあ……」
 リサちゃんが思わずつぶやきます。

 校長先生はリサちゃんがお母さんに憧れているのを知っていま
した。
 勿論、この星でもクレマン先生のように王様のお城に種を授け
てもらいに行かない人もいましたが、多くの人は苦労はあっても
『お母さん』と呼ばれたいと思っていたのです。

 「どのくらい勉強するの?」

 「一日、二時間くらいかな」

 「……(えっ!)……」
 クレマン先生は軽くおっしゃいますが、リサちゃんはその瞬間、
目がまん丸です。彼女そんなに長く椅子に座っていた経験があり
ませんでした。

 『いやよ、そんなの。そんなに長い時間電気椅子に座ってたら
お尻が焦げちゃうわ』
 リサちゃんは思います。

 科学の進んだこの星では子供が勉強する時は電気椅子に座らせ
てやるのが一般的でした。
 コンピューター管理のこの椅子は、ここに座った子が居眠りを
始めたり、問題を間違えたり、勉強と関係ない事を思ったりする
と、たちまち穿いてるショーツを伝って微弱な電気が流れる仕組
みになっていましたから、怠け者の生徒には効果的なアイテムだ
ったのです。

 お勉強嫌いのリサちゃんは、授業中に何回となく、「はっ!」
「はっ!」とさせられます。そのたびに背筋はピンと伸びますが、
もちろんそれで火傷なんてしません。
 ただ、それって心臓によくないですから、乱用を避けるため、
家庭には置いてありませんでした。

 そこでリサちゃん、電気椅子のない自宅でできないかと思って
 「お母さんに習っちゃいけませんか?」
 と尋ねてみたんですが……

 「もちろん、それが出来ればそれが一番いいけど……お母様は
お仕事がお忙しいでしょう?それに、クレマン先生は子供たちに
勉強を教えるのがお仕事だもの。きっと、あなたのお勉強だって
はかどると思うわよ」

 校長先生に説得されてしまいます。
 結局、放課後二時間、二週間も、リサちゃんはクレマン先生の
マンツーマン特訓を受けるはめになったのでした。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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