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5/17 女の都 ~9~

5/17 女の都 ~9~

*)この項ではHがありません。

 寄宿舎はその年代ごとに建物が分かれていました。
 生まれたての赤ちゃんから幼稚園までを預かる保育園のほか、
小学校低学年、小学校高学年、中学校、高校……と細分化されて
います。

 なかでも、ケイトがお世話になったのは、そんな組織の中でも
特殊な小学校高学年のグループ。

 院長先生に……
 「こうした修道院内で学ぶ子供たちは、そのほとんどが将来は
聖職者となる身なの。だから一般の学校ではそれほど重要視され
ないバイブルの学習が重要になってくるわ。当然、みんなかなり
の知識量よ。そうした事に一般の子はついてこれないでしょう。
勿論、そんな子に出来ないからって罰を与えたりはしないけど、
ただ、お客さんとして座っているだけというのも辛いでしょう。
その点、この子たちは小学生といっても授業の内容はすでに中学
レベルだし、特殊な事情で預かった子たちだから、バイブルにも
そんなに多くの時間を割いていないの、あなたにとっても、とっ
つき易いと思うのよ」
 こう説得されて、ケイトはここの所属となったのでした。

 正直それでも……
 『どうして、中学生の私が小学生と暮らさなきゃならないのよ』
 という思いはあったのですが、院長先生に押し切られた格好だ
ったのです。

 修道院内の学校は、普段の授業は別々でも食事時だけは大広間
に全ての子たちが集まってきます。

 各グループごとにテーブルが用意され、同年代の子供達がそれ
ぞれに楽しく会話しています。
 なのに、自分だけはこのチビちゃんたちと一緒なんですから、
そこはちょっぴり悔しい気持も……

 小学生のテーブルに座るとケイトだけが背丈も抜きん出ていて
目立ってしまいますから、それも不満の種でした。

 物欲しそうにチラチラとよそのテーブルに目をやるケイトに、
キーウッド先生はすぐに気づきます。

 「ケイトさん、いいわよ。席が空いていれば、どこへ移動して
食事してきても……」

 「えっ!?……いえ、そんなわけじゃ……」
 ケイトは言葉を濁します。本当は同世代の処へ行ってみたいの
ですが、今日が初日のケイト、いっい誰に声をかけていいのやら
わかりませんし、親しいお友だちなんて誰もいませんでした。
 それに……

 「だめだよ、お姉ちゃん。よそ行っちゃあ。あなた、うちの子
でしょう」
 グロリアが引き止めます。

 座った席の右側からはエリザベスも……
 「私のお肉あげるから、お姉ちゃま、どこにも行かないで……」
 なんて哀願される始末……結局、ケイトはどこにも立つことが
できませんでした。

 この二人だけじゃありません。子供たち全員がケイトのお皿に
自分の料理を分けて乗せてくれます。
 ついさっきあんなことがあったのに、子供たちにはわだかまり
というものがありません。気がつけば僅かな時間でケイトは子供
たちのお姉ちゃま、第二の先生になっていたのでした。

 「ほら、グロリア。ケイトお姉様のお膝はあなたのお椅子では
ありませんよ」

 キーウッド先生に叱られてグロリアは渋々ケイトのお膝を下り
ましたが、お昼にたった一度抱いてもらっただけで、『ここは、
私の指定席』と勘違いしているようでした。

 「ケイト、あんまり言うこときかないようだったらお尻の一つ
や二つどやしつけてもかまわないわよ。この子たち頭はともかく
心は赤ちゃんのままだから、優しくしてるとどこまでもつけあが
ってくるの、気をつけてね……」

 キーウッド先生はそう言ってくれましたが、ケイトにしてみる
と、グロリアのお尻もまんざら悪いものではありませんでした。
 もちろん、赤ちゃんみたいに軽くはありませんでしたが……


 夕食が終わればお風呂、これも各グループごとに入浴するのが
しきたりで、三日に一度順番がまわってきます。
 当然キーウッド先生は子供たちに係りきり、ケイトも見かねて
子供たちをお手伝いしますが、その時ふと思ったのです。

 『ひょっとして、私にもこの子たちの子守をさせようとして、
……院長先生はこのグループに私を入れたのかしら?』

 ケイトは思います。あながちそれも間違いではなかったみたい
でしたが、ここまでくればそれも成行き、諦めるしかありません
でした。

 さて、修道院のお風呂というのはとても大きくて立派なもので
した。
 体を洗う場所という窮屈な概念ではなく、くつろぐ場所として
そこにありました、湯船がちょっとしたプールぐらいあります。

 当然、そんな開放的な場所で子供たちがじっとしているわけが
ありません。
 流しを走り回り、湯船で泳ぎ、お湯を吐き出しているライオン
の頭に上ると何度でもそこから湯船へ飛び込みます。
 もうやりたい放題でした。

 日頃口うるさいキーウッド先生もさすがにここではお手上げ。
とにかく一人一人捕まえては、まず身体に傷がないかをチェック、
ボディソープで全身を洗っていくだけで手一杯でした。

 腕白盛り(?)が7人もいますからね、見るからに大変そうです。
 仕方なくケイトもお姉さんとして先生のお手伝い。
 泡だらけの子どもたちにシャワーをかけて石鹸分を洗い流して
あげるのがお仕事でした。

 「ポーラ、走らないの、ほら、また石鹸踏んづけて転ぶわよ」
 「ほら、ナンシー、じっとしていて……オモチャはシャワーの
あとでいいでしょう」
 「グロリア、ライオンの頭から降りなさい。危ないでしょう」

 ケイトは何だかお母さんにでもなった気分で子どもたちを叱り
つけます。
 時折、言うこときかない子のお尻を叩く音が、「ピシャン!」
と高い天井に跳ね返って清らかに響きました。

 その一瞬だけ、子供たちは誰がぶたれたのかを確認するために
立ち止まりますが、一瞬だけです。子どもたちの歓声がこだます
お風呂場で子供たちの運動会が終わることはありませんでした。

 そんな子供たちの扱いにも慣れた頃、ケイトはキーウッド先生
の言葉を思い出しました。

 『両性具有か……たしかに、この子たちのそれって、こうして
間近でみると、割れ目からほんのちょっとだけ顔を出してるわ。
……この子たちって、もともとあそこが大きいんだわ』
 ケイトはナンシーの身体にシャワーをかけながら思います。

 でも、それ以外は紛れもない女の子。あどけない顔に平たい胸、
お臍の下もスベスベです。女の色気より、ミルクの香りが似合い
そうな少女たちでした。

 そこで、試しにお股の中にそっと手を入れてみたのですが……

 「………(確かに、確かに、女の子ね)………」

 彼女たちどこを触っても露骨に嫌がったりしませんし、女の子
にとって最も敏感な場所に触れても平気な顔をしています。

 『なるほどね、この子たち、まだ正真正銘の赤ちゃんなのね。
私なんかとは大違いだわ』

 ケイトは、自分がこの歳の頃には、すでにHな感情が芽生え、
悪い遊びにも手を染めていたことを恥じいります。

 『私は天使ってガラじゃないわね』
 ケイトが心の中で苦笑した、その時でした。

 ケイトの目に、湯船の中で抱き合うグロリアとエリザベスの仲
睦まじい姿が飛び込んできます。

 それは紛れもなく、シスター遊びでした。
 お姉さんのグロリアが妹エリザベスの支配して二人で楽しんで
るように見えます。

 グロリアは抱きかかえたエリザベスの身体を隅々まで撫で回し、
何度も何度も自分の舌を相手の唇の中に押し入れてエリザベスの
呼吸を奪います。

 酸欠になり、意識が朦朧としているエリザベスに、グロリアは
キスの嵐。エリザベス顔と言わず胸と言わず唇のスタンプです。
エリザベスはそのたびに身体を反らせますが決して嫌がっている
様子ではありませんでした。

 そんな様子はキーウッド先生も見ていました。
 けれど、それを咎めようとはしません。あまり気持のよいもの
とは映っていないかもしれませんが、黙殺している。そんな感じ
でした。

 オニオン星はほとんど女性だけの星です。当然、性を謳歌する
場合も相手は女性。レズビアンやその入口であるシスター遊び、
自分独りで夢の世界に浸るオナニーに関しても大人たちの間だけ
なら、それはむしろ他の星の住民より寛容でした。
 何しろ『子供ができる』といった事故の心配がありませんから
その意味でも問題がなかったのです。

 ただ同じ行為も子供たちがやるとなると、それは違ってきます。
まだ人生経験の少ない彼女たちが、こうしたことに溺れることは
好ましくないと考える人たちがほとんどだったのです。

 性衝動が本能的な男性は成長すれば嫌でもその情動と向き合わ
なければなりませんが、女性の場合は自分の身体を学習させない
限り一律には性の衝動が強まっていきません。
 そこで、若い頃からそんなものを開発して勉学に差し支えたら
もったいないと大人たちは考えていたようでした。

 よって、ケイトのように大人の遊びを真似するような子が出て
くると、親たちは心配して、その毒気を抜いてもらおうと修道院
に娘を預けることになります。

 ところが、一般の人たちからは禁欲世界と見える修道院も実は
性欲と無縁ではないのです。抑制的で、表沙汰になる事はあまり
ありませんでしたが、シスター遊びもオナニーもちゃんと行われ
ていました。その補完を担っていたのが厳しい体罰だったのです。

 厳しい体罰が女の子の性衝動を高め、モラルや倫理観が高い分、
背徳の喜びだって倍加します。数少ない逢瀬は至上のリビドーを
彼女たちに約束するのでした。

 一般的にシスターは性の不具者ではありません。むしろ熟達者
でした。キーウッド先生も当然その一人。
 その彼女がグロリアとエリザベスを見ていて不快な顔になって
いたのは、ケイトが考えている事とはまった違った原因だったの
です。

 『まだチビのくせに、妬けるわ。……どうしてあの子たちって
あんなに上手なの?………いったいどこで習うのかしら?………
やっぱり頭のいい子は、こんなことにも知恵が回るのね』

 キーウッド先生の視線の先、湯船の中でもつれ合う幼い二人を
見て、ケイトは先生が二人をお仕置きするんじゃないかと思って
いました。
 ならば、その前に二人を止めてあげようと、そこへ近づいた、
まさにその時でした。

 「えっ!!」
 ケイトは二人に声をかけようとして思わず足を止めます。

 ケイトの視界に入って来たもの。それはそれまで一度も見た事
のないものだったのです。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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