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5/20 女の都 ~10~

5/20 女の都 ~10~

*)作者独自の世界観が色濃い作品。Hはちょっぴりです。

 湯船で立ち上がった二人の割れ目からキノコがはえているので
す。

 「……(どうしたのよ、これ?)」
 ケイトは思わずその思いを口にしようとしてやめてしまいます。
キーウッド先生から聞いた両性具有の話を思い出したからでした。

 『そうか、これが、そうなのね。さっきまで何もなかったのに
いきなり現れるんだもの。そう言えば、お母さんから聞いたこと
がある。王子様のそれって、女性では想像できないくらい大きく
なるって……あの子たちも、きっとそうなったんだわ』

 ケイトは目のやり場に困って一瞬視線をはずしてしまいます。
 ところが心を落ち着けてもう一度それを見てみようとしました
ら、その時はすでに小さな谷間に格納されてしまって二人の物は
見えません。

 『まるで、魔法みたいね』

 狐につままれたような顔のケイトの背後でキーウッド先生の声
がします。

 「ケイトさん、その二人の身体も拭いてあげてね」

 ケイトはその声でハッとして我にかえり、慌てて二人を捕まえ
ると、湯船から流しに引きあげます。

 「あなたたち、ちょっとはしゃぎすぎよ」
 ケイトは二人を立たせたままお姉ちゃんらしくお説教しますが、
タオルを持つその手が子供たちの股間を捉えることはありません
でした。

 ケイトにしてみれば、この未知の生物をどう扱ってよいものか
皆目わからなかったからです。

 子供たちが全員脱衣場へと出て行き、お風呂場はケイトと先生
だけになりました。
 そこで、ケイトは再びキーウッド先生から声をかけられます。

 「どう?巨大なクリトリスを見た感想は?」

 「どうって……」

 「不気味でしょう。私たちのとは大きさだけじゃなく形も違う
ものね。……でも、あれで基本的には私たちと同じ持ち物なの。
オナニーだって、ちゃんとできるんだから……」

 「あの子たちにお仕置きするんですか?」
 オナニーという言葉にドキッとして、思わず尋ねてみると……

 「あの子たちって?……………ああ、グロリアたちのことね。
べつに何もしないわよ。あなただってああして遊んだことがある
んじゃなくて……」

 「えっ……」

 「それはみんな同じよ。神様がそのようにお創りになられたん
だから、私たちはその意に従って行動するだけよ。仕方がないわ。
ただ、時と場合をわきまえず、気持の赴くままというのではいけ
ないからそこはセーブさせるけど、ここはお風呂、無礼講だもの。
問題ないわ」

 「えっ、お風呂の中ならやってもいいんですか?」

 思わず『やってもいい』なんてはしたない言葉を使ってしまい
ケイトが顔を赤くしますから、先生もからかうように……

 「やってもいいのよ」
 と、笑って答えました。

 「人を好きになって睦みあうことに罪はないもの。違うかしら?
ただし、子どもの場合は気持のおもむくままになりがちだから、
そこは衛生ということも含め節度をもってやるようにって指導は
するの。あの子たちに許されてる場所はこのお風呂と夜のベッド
ぐらいなものよ」

 「………………」

 「どうしたの?変な顔して……ははあ、オナニーの事をご両親
に何か吹き込まれてきたんで、ここでは一切そんなことできない
と思ってたのね」

 「いえ、そういうことじゃ……」

 「大丈夫よ。昔は、子供のオナニーなんて純潔を損なう卑しい
行為だと言って一切認めてなかったけど、今ではこんな修道院の
中でも100%禁止ではないわ」

 「…………」

 「どうしたの?ほっとした?……ただし、さっき言ったように
どこでも、どんな時でもできるわけじゃないから、やり過ぎは、
やっぱりお仕置き。それは覚えててね」

 ケイトは先生の言葉に正直ホッとした思いでした。

 「あっ、それから……あの子たちのあれは、陰核でありながら
未発達のペニスでもあるの。ややっこしいのよ。いずれにしても、
そのことで子供たちを傷つけないでね。あの子たちは自分たちを
純粋な女の子だと思ってるし、こちらもそのつもりで接してるの」

 「もちろんです。なるだけ、この事には触れないようにします
から」

 ケイトは胸を張りますが、本心を言うと……
 『うっっっあの形、何だか夢に出てきそう』
 とも思うのでした。

***************************

 さて、お風呂がすむと、寄宿舎に戻って子どもたちはお勉強。
これにはケイトも加わります、これまでちょっとした先生気分で
過ごしてきましたが、彼女だってここの生徒なんですから、それ
は当たり前でした。

 「あなたはこれをやってね」
 初日のケイトにもキーウッド先生が課題を用意してくれいて、
それを手に寄宿舎内の学習室へと向います。

 『チビたちと一緒かあ、きっとうるさいんだろうなあ』
 ケイトは当初子供たちの騒音を心配していました。

 ところが部屋は静寂そのもの。いい意味で予想が裏切られます。

 『素敵なところね』

 部屋に入るとそこは図書室といった感じの部屋で、数多くの本
が壁一面を覆っています。子供たちは自分たちの為に用意された
コーナーから必要な本を取り出してきては、自分専用のパソコン
デスクで勉強します。

 ケイトが試しにちょいと覗いてみると、子供たちはヘッドホン
を着け学校から出された課題や百行清書なんかをやっていました。

 『この子たち、お風呂場の時とはまるで人格が違うみたいね』
 その落ち着きぶりはまるで大学生のようだったのです。

 パソコン作業というと、地球人はキーボードやマウスなんかを
想像してしまいますがオニオン星の子供たちが勉強するパソコン
にはそんなものはありません。
 セットされた紙に文字を手書きすればそれがそのまま隣にいる
キーウッド先生のモニターに出てきますし、先生の指示もやはり
手書き。花丸を描けば、それが今作業している子の紙に直接浮き
出て印刷されるようになっていました。

 そこはとても快適な空間のはずなんですが……

 『凄いなあ、これが天才児なのね。私、ついていけるかしら』
 今度は逆にケイトが不安を募らせるはめになります。

 「ここ、いいかしら」
 空いてる席をみつけたので、隣りに座るエレーナに尋ねると…

 「いいわよ」
 木で鼻をくくったような答えが返ってきます。

 みんな真剣そのもの。他人にかまってられないという様子です。

 『お風呂場で見た子どもたちは、あんなにも子ども子どもして
いたのに、ここに来るとまるで別人ね。…これが「ミュー」って
言われる子たちなんでしょうけど何だか怖い。小学生の部屋って
先生がいくら注意してもおしゃべりがやまないはずなんだけど…
そういえば、キーウッド先生もここには顔を出さないのかしら』

 ケイトは色んなことに思いをめぐらしながら、借りてきた猫の
ようになって与えられた課題をこなしていきます。

 しばらくして……

 「ひっ!」
 小さい悲鳴がヘッドホンをしていても聞こえました。

 ケイトが慌ててあたりを見回すと……どうやらナンシーが電気
ショックを受けたようです。

 ナンシーには申し訳ないけれど、ケイトはホッとしました。
 『最初が私でなくてよかった』
 と思ったのです。

 学校でもおなじみの電気椅子はここでも健在のようで、時間の
経過と共に驚いて腰を浮かす子が増えていきます。

 ケイトも終わりの時間が近づいた時に一度だけ……
 「ひぃ!」

 でも、先生の御用はそれだけではありませんでした。

 「ケイトさん、腰を浮かしたついでに頼まれてくれないかしら。
……ポーラが寝ちゃったみたいなの。風邪をひくといけないから、
悪いけど彼女を起こしてこちらの部屋まで連れて来てちょうだい。
そしたら、あなたも今夜はこれまでにしましょう」

 ケイトはモニターに映る先生の指示に従って荷物をまとめると
ポーラを探します。

 「あっ、いたいた……ポーラ、ポーラ、ほら起きなさい。……
こんな処で寝たら風邪をひくわよ」
 ケイトは何とか起こそうとしましたが、ポーラは机に顔をつけ
て熟睡中。瞼が一瞬上がったとしてもすぐに閉じてしまいます。
 仕方なく何とか抱きかかえましたが、とても重い荷物でした。

 先生の部屋はお隣。

 「よっこらしょ」
 ケイトが入っていくと、先生は、稼動してる7台のモニターを
見つめていらっしゃいました。

 「あらあら起きないのね。ごめんなさいね。重かったでしょう。
とりあえずそのソファに寝かして毛布を掛けといて……この子、
お昼に張り切りすぎて夜は疲れちゃったみたいなの」

 ケイトはソファで幸せそうな寝顔を見せるポーラを見ていると、
何だか自分も幸せな気分になるのでした。

***************************

 勉強時間が終わると僅か30分で消灯時間。

 歯を磨き、髪をとかして、パジャマに着替えると、もうそれで
残りは15分。女の子の時間割は実に細々していて、自由時間と
呼べるようなものがほとんどありませんでした。

 女の子たちは親や権力者、先輩たちから次々にやるべきことを
指示されます。
 男の身には何だかとっても窮屈な日課に思えますが、女の子達
にしてみると、自由な時間をもらって自己満足な趣味に走るより、
『好きな人の為に何かできた』『自分の仕事を評価してもらえた』
『自分はこの人と繋がっている』そんな喜びがエネルギーとなり
ますから、それはちっとも苦にはなりませんでした。

 キーウッド先生もそんな過密スケジュールに追われている一人。
勉強時間が終わると資料の整理もそこそこに寝室に戻って子供達
を待ちます。
 そして、入ってきた子どもたち一人ひとりに声をかけては抱き
しめるのでした。

 「マリア、今日はよくがんばったわね。成績あがったじゃない。
教えていただいたリーゼル先生に感謝しなくちゃね」

 「エリザベス、あなたのピアノすごく上達したわよ。音楽室で
聞いててびっくりしちゃった」

 「ローラ、教室に張り出してあった絵、あれ、昨日スケッチに
行って描いたのよね。今度、展覧会に出すの?もし入賞したら、
院長先生もお呼びして褒めていただきましょうね」

 キーウッド先生は何か必ず一つは褒めてから子供たちをベッド
へと送り込みます。どうでもいい事にだって、沢山の褒め言葉を
使います。
 もちろん、それがお世辞だぐらいのことは子供たちだってわか
っていますが、褒められて不快な気持になる子はいませんでした。

 そんな信頼関係もあって、キーウッド先生は子供たちの先生と
いうよりお母さんみたいな存在。でも、この先、全員がハッピー
エンドでオネムとはいかないみたいで、眠りにつく最後の最後に
なっても、子どもたちは、やっぱりお仕置きの影に怯えなければ
なりませんでした。

 原因は閻魔帳。
 先生は子供たちがベッドに入ったのを確認するとベッドフット
に掛けてある閻魔帳を見て回ります。
 そこには今日一日のその子の動静が細かく記載されていました。

 この夜は、ポーラだけがおねむで除外されていましたが、残る
6人にとっては寝る前にも関わらず緊張の瞬間なのです。
 こんな時、彼女達にできること、それはお愛想笑いだけだった
のです。

 「ナンシー、今日のあなたは、テストの成績がみんなAなのね、
素行もA、規則は……あれ、Bか……ああ、廊下を走っちゃった
のね。でも、どの先生の評価も高いわ。どうやら今日一日良い子
だったみたいね。こうしてうちの子が他の先生から褒められると
担任の私も鼻が高いものよ。明日も頑張りましょうね。この分だ
と、月末にはあなたの欲しがってたビスクドーのお人形をここに
飾れそうよ」

 「ほんと!」

 「本当よ。よい行いの子にはよい報いがないといけないわ」
 キーウッド先生はナンシーの頭を優しく撫でてから「おやすみ」
を言ってベッドを離れます。

 勿論、こんな良い子ばかりなら何も問題はないのですが、誰も
が良い子として一日を過ごしたとは限りませんでした。

 「マリア、あなた国語の授業にDなんてついてるけど、これは
どうしたの?」

 「教科書読んでたら、お話がつまらなくて、自分でお話作って
たら先生に『授業中のよそ見はいけません』って注意されて……
『教科書のこんなお話、面白くないから、今度私の作ったお話で
授業やりませんか』って言ったらまた怒られちゃった」

 「なるほどね、あなたらしいわ。今度あなたの作ったそのお話、
私に聞かせて」

 「いいわよ、今晩でも……」

 「今晩はちょっとまずいけど、時間があれば聞かせて欲しいわ。
先生、あなたの夢のあるお話が大好きよ」
 先生は最初苦笑していましたが、その顔はやがて穏やかな笑顔
に変わり、最後はマリアの頭を撫でながら閻魔帳を元あった場所
に置きます。
 マリアもまたセーフでした。

 「グロリア、あなた、またエリザベスに百行清書の代筆頼んだ
でしょう。何度言ったらわかるの。そんなことしても筆跡が違う
から先生方はごまかされないのよ」

 「だって、エリザベスがやってあげるって言うし……百行清書
なんてやってたら遊ぶ暇がなくなっちゃうもの」

 「仕方ないじゃない。元はと言えばあなたのせいなんだから。
……で、その原因は何なの?」

 「原因って、お仕置きの原因?」

 「そうよ」
 キーウッド先生の眉間に皺が寄ります。これは先生がとっても
ご機嫌斜めな時に起きる現象でした。

 「理科の時間にチューリップの球根を植えてたの、そしたら、
冬眠中の蛙さんを掘り出しちゃって、もとの土に戻したら、風邪
ひきそうだと思って、先生の机で暫く預かってといてもらおうと
思って入れといたら、急に動き出しちゃって、こいつ引き出しの
中をパッタンパッタン跳ね回るもんだからコリンズ先生も気づい
ちゃって……」

 「あっ、そう。わかったわ。あなたのことですもの、その様子
は手に取る様にわかるけど、そんなことしたら叱られるとは思わ
なかったのかしら?」

 「だって、蛙さんもの凄く可愛かったですもの。先生もきっと
好きになってくれると思ったんだけど、『こんなもの教室に持ち
込んではだめでしょう』だって……」

 「それで百行清書を命じられたんだけど、それもエリザベスに
押し付けちゃったってわけね」

 「ま、早い話をすると、そうなるかも……でも悪気はなかった
のよ」
 グロリアは思わずキーウッド先生から視線をそらし、他人事の
ようにつぶやきます。
これがいけませんでした。

 「何が早い話よ。遅く言っても同じでしょう。……いいから、
こっちへいらっしゃい」
 
 先生は毛布の中に手をいれると、全裸で寝ているグロリアの手
を握ってベッドから引きずり出します。

 「うっ、寒い」

 素っ裸で連行されるグロリア。
 もっともベッドの中で子供たちが全裸なのはグロリアに限りま
せん。この星のしきたりですから、他の子もベッドの中では同じ
姿でした。

 「エリザベス、あなたもよ」
 
 キーウッド先生はエリザベスも誘って、二人をご自分の寝床へ
連れ込みます。
 
 寝室は大部屋でしたが、先生のベットだけは天蓋付きの大きな
ダブルベッド。おまけにその周りは、薄い絹のカーテンで囲える
ようになっていました。
 つまり大部屋にある先生専用の小さなお部屋というわけです。

 二人はそこへ連れ込まれます。
 何が行われるかなんて、誰でも知ってる事でした。

 薄い絹のカーテンの中で明かりが灯ると、大人一人、子供二人
のシルエットが外の子供たちからもはっきり分かります。

 「ねえ、いくつぶたれるかな?」
 って、ローラ。

 「6つじゃない」
 って、エレーナ。

 「それはエリザベスよ。グロリアはその倍はぶたれると思うわ」
 って、ナンシーが。

 最後はマリアが結論を出しました。
 「いくつでもないわ、とにかくグロリアが泣くまでよ。『ごめ
んなさい、もうしませ~ん』ってね」

 マリアがグロリアの泣き方を真似ると他の三人は大笑いします。
 絹のカーテンの内と外では子供たちが対照的な表情を見せるの
でした。

 ただ、ここでは、ケイト一人が蚊帳の外でした。

 彼女は一度先生を手伝いにベッドから出ようと考えましたが、
子供たちと違い、素っ裸でベッドを出るのには勇気がいりました
し、何より呼ばれてもいないのにのこのこ出て行ってはいけない
んじゃないかと感じて、ベッドでじっと様子を窺うことにしたの
です。

 『それにしても子供って残酷ね。お友だちがお仕置きされよう
としているのに笑ってるなんて……』

 ケイトは最初そう思いましたが、思い返せば自分だってほんの
数年前までは同じようなものだったことに気づきます。
 子供にとっては自分に火の粉がかからない限りお友だちのお仕
置きくらい面白いショーはありません。それは仕方ありませんで
した。

 「パン……パン……パン……パン……パン……パン」
 二人へお仕置きが始まります。

 先生がグロリアをお膝に乗せてお尻を叩いているのがはっきり
と絹のカーテン越しに浮かび上がります。
 静寂をついて甲高い音が部屋中に響きます。

 子供たちは固唾を飲んでそのショーを見守ります。不安な顔で
……心配そうに……でも、どの子の口元も緩んでる。
 お仕置きを覗く子供の顔なんて、どれも同じだったのです。
 
 こんな時、笑っちゃいけないとはわかっていても、どうしても
心の中が顔に出てしまいます。
 小学生なりの倫理感と人間としての本音、その両方のバランス
が崩れたのはグロリアが悲鳴をあげた時でした。

 「ごめんなさい、もうしないで、痛い、痛い、いやいやいや、
もういい子になります。先生の言うこと何でもききますから……
いやあ~~痛い、痛い、痛い、だめ、だめ、いやあ~~」
 
 いつも姉御肌で偉そうにしているグロリアが恥も外聞なく騒ぎ
立て、悲鳴をあげていることくらい他の子にとって楽しいことは
ありませんでした。

 ところが、これがエリザベスになると……
 彼女はお尻をぶたれ始めるとすぐに泣いて許しをもとめます。
先生もすぐにやめてしまいました。

 「お友だちのためにやっても、それがいけないことならあなた
だっていけない子になっちゃうの。そのくらいはわかるでしょ」
 キーウッド先生は、べそをかくエリザベスを赤ちゃんのように
抱き上げてお説教しています。でも、それをベッドの中で笑うお
友だちは誰もいませんでした。

 同じお仕置きでも、その子が日頃どんな子かによって、観衆の
反応も変わってきます。それもまた人の世の真実でした。


 さて……
 二人のお仕置きが終わると、先生がカーテンから顔を出します。
 残りの子の閻魔帳をチェックしましたが、幸いこの二人以外に
カーテンの内側へ呼ばれる子はいませんでした。

 「……それではおやすみしましょう」

 キーウッド先生はマリア様の像の前で膝まづいて胸の前で両手
を組みます。
 「今日一日の神のご加護に感謝します。明日もまた、この子達
が健やかで暮らせますように」

 キーウッド先生のお祈りに合せるように子供たちもベッドの中
から……
 「今日一日の神のご加護に感謝します。明日もまた、お友だち
が健やかで暮らせますように」

 マリア様へのお祈りも終わって、最後に……
 「今日のお当番は誰だったけ……そうそう、ナンシーとマリア
だったわね。先客がいて狭いけど我慢してね」
 お当番の子がよばれます。

 このお当番の子というのはキーウッド先生と今夜ベッドを共に
することができる子。つまり先生のベッドで甘えられる幸せな子
のことでした。

 キーウッド先生と子供たちの関係は赤ちゃんの時から。実質的
には親子みたいなものですから、先生と同じベッドで寝るという
のは、世間ならお母さんと一緒に寝るという意味です。
 ただ、いくら大きなベッドでも全員一緒では狭いので当番制に
なっていたのでした。

 先生のベッドでは真ん中の先生を挟んで左側にローラとマリア
が…右側にはエリザベスが幼子のように先生のオッパイにしがみ
ついて甘え、その隣にグロリアが寝ていました。

 カーテンの中では、ここぞとばかり子供たちの甘えた声が聞こ
えます。

 そして、それはカーテンの外でも……
 ナンシーがエレーナのベッドにお邪魔して抱き合っています。
 みんな素っ裸。どこに手が滑り込んでもおかしくありませんが、
それをHという人はいませんでした。

 そう考えると自分だけが一人ぼっち。ケイトにとっては何だか
ちょっぴり寂しい夜なのでした。


***************************


<寄宿舎>
キーウッド先生
子供たち/ナンシー。ポーラ。グロリア。エレーナ。
エリザベス。ローラ。マリア。
  

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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