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6/5  女の都 ~14~

6/5  女の都 ~14~

*)この項にHな部分まったくありません(小説)

 ケイトにとっては何気ない朝が始まります。いつもと同じ日課、
いつもと同じ笑顔、自分としては何一つ変わらない一日でした。

 ただ一つ、ベッドの中でオナニーをしているという事を除いて
は……

 そんな日が3日目続いた朝のことです。いつものように子ども
たちが席を立って授業に向おうとしますから、ケイトも同じよう
に席を立とうとしますと、キーウッド先生が呼び止めました。

 「あっ、ちょっと待って……授業時間まではもう少しあるわ」

 「えっ……私に御用ですか?」

 「3日前、あなたに何があったのかやっと分かったの」

 「えっ?3日前……」
 ケイトはべつにとぼけたわけじゃありません。若い子にとって
3日も前の事なんて太古のお話ですから、急に言われても思い出
すのに骨が折れます。

 『えっ、まさか……』
 その日を思い出し、嫌な予感が頭をよぎりますが、そのまさか
でした。

 ケイトがあれこれ悩むうちに先生がお話を続けてくださいます。

 「あなた、王子様たちと遭遇したんですって…ラッキーだった
じゃない。なかなか会えるものじゃないのよ」

 『ああ、やっぱりそうなのね……でも、ということは……』
 ケイトの心に暗雲がたなびきます。

 「男の子を最初に見た感想は?どうだった?怖かった?」

 「ええ、少し……」

 「でも、今はもう別の感情が芽生えてるでしょう」

 「別の?」

 「あの方たちを受け入れたいと思う気持よ」

 「受け入れるだなんて……そんな大それたこと……」

 「もちろん、心の中での話よ。……単に『怖い、怖い』と思う
だけなら、オナニーはしないわ」

 「…………そ、そんなこと……」
 その瞬間、ケイトの顔が真っ赤になって俯きます。

 「あら、私が知らないとでも思ってたの……学校の椅子にさえ
ホルモンバランスを計る測定器が組み込まれるのに、寮のベッド
にそれがないわけないでしょう。毎日、チェックされてるわよ」

 「……(しまった)……」
 ケイトは当然そう思います。思いますから顔に出ます。

 「あら『しまった、今度からベッドはやめて床でやらなくちゃ』
って思った?……でも、すっぽんぽんの体だと床ではやりにくい
わね」
 キーウッド先生はケイトをからかいます。

 「それにね、そんな手間の掛かることしなくても、あのベッド
はそんな動きをするとカタカタと揺れるようになってるの。寝て
る子は忙しくてそんなこと気がつかないみたいだけど、天蓋付き
の私のベッドからでも、それははっきりわかるのよ」

 「……(えっ!)……」
 ケイトは自分の無知を恥じます。もう、顔は青ざめていました。

 「あらあら、驚ろかしちゃったみたいね。『私のプライバシー
は?!』って顔してるわね。でも、残念ながら修道院にはあなた
の望むようなプライバシーはないの。神の御前では、すべて包み
隠さずがテーゼだから。とりわけ、あなたのような子供の場合は
特にそうよ」

 「私、子供なんですか?」

 「あら、知らなかった、巷では14才になれば無条件で大人の
仲間入りができるみたいだけど、ここでは18才。それも試験に
通った者だけが一人前と認められるの。それまでは誰でもが子供
扱い」

 「……(そうだったわ、忘れてた)……」

 「子供のうちは、どんな手紙も開封されちゃうし、大人に反抗
的な態度をとったり嘘をつけたりすれば、即、お仕置き。便宜上
服は着てるけど、大人から『脱げ』と言われたらどこでも脱がな
きゃならない悲しい立場よ。オナニーだって、当然監視の対象。
そんな子供に、プライバシーなんてあるわけないでしょう」

 「はい、そうでした。忘れてました」
 ケイトは悲しそうに答えますが……

 「そんなに悲しそうな顔しないで、べつにあなたを困らすため
に呼んだんじゃないんだから……その代わりといったら何だけど、
あなたたちはこの大きな修道院という組織に守られてるの。ここ
で働くすべてのシスターに愛されてるの。何をやってもお仕置き
以外の責任をとらされることがないって、実は、とっても幸せな
ことなのよ」

 「そうなんですか」
 ケイトは気のない返事を返す。

 「今はまだ『大人たちからすべてを監視されてて、好き勝手に
振舞えないし、反抗するとお仕置きされて……これのどこが幸せ
なんだろう』って思うかもしれないけど、大人になると、それは
わかることなの」

 「…………」

 「ただ、誤解しないでね、私はあなたに一度や二度そんな事が
あってもそれは仕方がないことだと思ってるのよ。女の子だって
人間だもの、ストレスのはけ口は必要だわ。あなたが見た王子様
なんてね、1日に4回も5回もやってたんだから」

 「そっ…そんなに……できるんですかそんなにたくさん?」

 「男の子ってそういうものなの。衝動的というか直情的という
か、押さえがきかないのよ。でも、女の子はそうはいかないわ。
汚れた指が絡めば、ばい菌に感染することもあるし、伸びた爪で
怪我をすることもあるわ。ほら、一昨日、あなたに爪を切らせた
じゃない。あれはそのためなの」

 「……(あっ、あれ)……」
 ケイトは何気ない会話を思い出します。

 「女の子のオナニーってね、男の子と比べると感染のリスクが
高いのよ。それに何より女の子の場合はどうしてもやらなければ
納まらないというほどのものはないはずだし………二日に一度、
三日に一度くらいで我慢できないかしら」

 「…………」

 「そんな深刻な顔しなくても大丈夫。誰でもぶつかることだわ。
ただね、毎晩続けていると女の子の心と体は変化して、毎晩やら
なければ寝付けなくなってしまうの。そんな禁断症状が一番怖い
ことだわ。そうなると、貞操帯のお世話にならなくちゃいけなく
なっちゃうでしょう。さらに重症の子になると、貞操帯だけじゃ
すまなくて、しこたまお尻を鞭打って下の感覚を麻痺させてから
じゃないと眠れないなんて子もいるのよ」

 「毎日じゃなければ……」
 ケイトはつぶやきます。

 「そう、完全にやめてしまおうとするんじゃなくて、ストレス
の度合いに応じて自ら調整できるようになって欲しいのよ。それ
が大人になるってことだもの。できないあなたは、まだ子供って
ことよ」

 「…………」

 「いいわ、しばらくは私のベッドで寝てごらんなさい。まさか、
私のベッドの中で始めたりはしないでしょう。二日に一度か三日
に一度くらいあなたを私のベッドの添い寝当番にしてあげるから、
その時はチビちゃんたちに絵本でも読んで聞かせてあげて……」

 「絵本?」

 「そう、絵本。あの子たち、絵本の読み聞かせてやると喜ぶの
よ。前にも言ったけど、あの子たちって、知識はあるんだけど、
心は幼稚園児並なの。何かにつけて甘えたくて仕方がないのよ」

 「もし、それをしないと……?」

 「簡単よ。それを取上げると、とたんに強いストレスを感じて
勉強もしなくなるわ。彼らにとっての勉強は自分の為ではなく、
あくまで、私があの子たちへ注ぐ愛情の対価としてやってくれて
いるにすぎないんだから……」

 「…………」

 「どうしたの?そんな変な顔して……あなたに分からないのも
無理ないわ。私だってあの子たちの事はよく分からないんだもの。
何しろあの子たちはミューと呼ばれる新人類。どうやって育てる
かも分かってないの。それを今模索してる最中なのよ」

 ケイトは、こうしてその日の夜から、キーウッド先生の添い寝
当番をすることになるのでした。

**************************

 <寄宿舎>
担任の先生/キーウッド先生
子供たち /ナンシー。ポーラ。グロリア。エレーナ。
エリザベス。ローラ。マリア。
図書室長 /シスターサンドラ(お婆さん)
王子様たち/マイク。フランク。ケリー。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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