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8/28 お妃選抜試験

         お妃選抜試験

                  『ロワイヤル公国』から

選ばれた三人
 シャルロッテ(お嬢様風、緩やかな長い髪、清楚でおしとやか)
 ソフィー(ボーイッシュな短い髪、物怖じしない明るい性格)
 デラ(肩甲骨まで伸びる長い髪、理知的で包容力があり、勘も
鋭い)

モルソフ伯爵夫人(先代ジョセフ公の未亡人)
 夫の死によって息子のフランク公が形の上では元首になったが、
つい最近まで摂政として辣腕を振るっていたのは彼女である。
 今日にあっても、モルソフ家の実権は依然として彼女が握って
おり、フランク公もこの母親には頭が上がらない。

フランク公
 父の跡を受けてロワイヤル公国の元首におさまってはいるが、
アウトドアのスポーツや狩りは苦手で、インドアの読書やボトル
シップ作りが趣味といった軟弱男。為政者として見た時は、国民
にも人気があり愚鈍とまでは言えないものの36才の現在までに
二度の離婚歴がある。
 原因は極度のマザコン。前妻との婚姻中も寝室を共にしたのは
もっぱら母(伯爵夫人)の方だった。

***************************

 お妃選びはいよいよ佳境。
 広間には女王様のおめがねにかなった少女達が緊張した面持ち
で並んでいる。
 千人もいた候補者が百人になり……十人になり……そして、今、
候補はこうして三人に絞られるのだ。

 一人はシャルロッテ。頭の真ん中で分けられたストレートヘア
が肩先まで伸び、その先端だけ小さくカールしている。気品とか
清楚といった言葉がよく似合うお嬢さんだ。
 多くの国民は彼女こそお妃様にふさわしいとみていた。
 実際、母親も息子が初婚なら彼女を押していたに違いなかった
のだが……。

 二人目はソフィー。短い髪、ソバカスだらけの顔、落ち着きの
ない仕草だけみていると、男の子と見紛いそうだが、明るい性格
で、友だちの間での評判は高かった。
 母親にしてみると少し軽薄な気もするが、息子の好みならまず
彼女だろうと思い残しておいたのである。

 三人目はデラ。三人ともみんな同じ13才だが、見た目は彼女
が一番年長に見える。シックな装い、肩甲骨まで伸びる髪がその
若さを打ち消しているのかもしれない。外見はまるで巫女さんか
占い師のようにも見える彼女だが、包容力があり、反面勘も鋭い。
母親は『自分の後釜としてなら彼女を…』と感じていたのである。

 とはいえ、それらはあくまで風貌だけでのこと。心はといえば、
どの子にもそこに大きな差はない。いずれも、人生経験の乏しい
ひよこたちに違いなかった。

 「侍従長、フランク公の姿が見えませんが、どうしました?」

 女王陛下があたりを見回しながら侍従長を呼ぶと……
 「はっ、陛下は今はまだ湯殿で御仕度中とのことでございます」
 との答え。

 「湯殿?……またですか。…とにかく、早くこちらへ来るよう
申し伝えなさい」
 母親は苦りきった顔で侍従長に命じる。

 本人はさして大声を出したつもりではなかったが、その声は、
三人の娘達にもはっきりと聞こえたのだった。

 女王陛下はすでに還暦をとうに過ぎていたが、その美貌は未だ
衰え知らずで、特にそのよく通る声は国境の兵士にまで届いたと
噂されるほどだったのである。

 一方その殿下だが、こちらはサウナの長椅子に大の字になって
横たわると、美女を六人もはべらせて、今はまだお楽しみの最中
だった。

 一人の子がおっかなびっくり陛下の髭を剃る間、他の子は殿下
の色んな場所を舐めている。手の指、足の指、乳首……もちろん
彼にとって一番大事な場所も例外ではなかった。

 彼は若い頃から、全身をくまなくくすぐられるうちに髭を剃る
のを楽しみにしていたから、こうしたことは、今の思いつきでは
ない。

 さらにはこうした儀式、幼き公を母がこうやってあやしたこと
に始まるから、それも含めれば、フランク公はもう随分長い間、
こうやって遊んでいたことになる。

 もちろん、今、母親はそんなことはしていないし、昔、自分が
そんな事をしていたことさえ覚えていない様子だが、息子の方は
母のフェラチオの様子を克明に覚えていた。

 「お楽しみのところ、大変申し訳ございませんが、女王陛下に
あらせられましては、早急なる君のお召しをお望みにございます」

 「母上が……ああ、わかった。すぐに参りますと伝えてくれ」
 フランク公はドア越しの声にそう言って返事を返すと、木製の
ベッドからやおら起き上がる。

 「二度失敗して、まだ懲りぬとは、母上もしつこいお方だ」
 木製ベンチに腰を下ろしたフランク公は淡い金髪を右手で掻き
揚げてから愚痴を一言。あとは、ブルーの瞳でそれまでご自分に
奉仕してくれていた女の子たちに向かってやさしく微笑んだ。

 色白で長身、もともと童顔の彼は、見た目男らしいという感じ
は受けない。母親の影響もあって普段の彼は柔和で折り目正しい
好青年なのだ。ただ、ごくたまにだが、激高することもあって、
そんな時、女の子は彼のそばにいてはいけなかった。

 身なりを整えた彼は……といっても全裸に比べればというだけ
で服装はいたってカジュワル。半ズボンにポロシャツ姿でサウナ
から出てきた。

 そんな姿を母親に咎められるとでも思ったのだろうか、元首様
は裏庭から母の待つ建物へ侵入しようとしたのである。
 ところが……

 「あっ……いやあ……だめ、だめ……ああ、ああ、出ちゃう」
 どこからか、なまめかしい少女の声が聞こえる。

 そこで、庭をさらに奥へと進んでみると……
 「おや、まあ……」
 声の主は一人ではなかった。

 三人の少女が、それぞれに少し間をあけた二枚の板の上で膝ま
づき、コーヒー碗の乗ったお盆を目よりも高く両手で持ち上げて
いるのだ。
 もっと奇妙だったのは、せっかく正装してきている彼女たちの
スカートが高々と捲り上げられていること。

 当然、少女たちのお尻はフランク公の方からは丸見えとなって
いる。

 「おやおや」
 公は、そんな少女たちの向こうに母親を見つけてため息をつく。

 どうやら、そうした事情はお母様にしても同じだったようで、
ラフな姿のままやって来た息子を見つけると、渋い顔をして垣根
のこちら側へ回り込むようにと求めたのだった。

 幸い三人のスカートの前は開いておらず、前から眺める光景は、
膝まづいた三人の少女が五人分のコーヒー碗の乗ったお盆をささ
げ持って震えているというものだった。

 「母上、これは何をやっておられるのですか?お仕置きですか」
 フランクは素朴に疑問をぶつけてみる。

 すると、母の答えは……
 「何を言っているのですか。今日はお妃を選ぶ大事な日だと、
あなたにも伝えたはずですよ」

 「これがそうですか?随分なまめかしいですね」

 「今は、三人に浣腸を施し、その忍耐を観察しているのです。
王妃たるもの。どのような困難に際しても品位を失うような顔を
してはなりませんから、その資質をみているのです」

 「おや、おや、また私の嫁探しですか。私は何度ももう上げま
したが、二度の結婚で女性は懲りております。どうか、そこは、
私の自由になりませんか」

 「何を言うのです。あなたはこの国の元首。妃を迎え世継ぎを
つくるのはあなたの仕事ではありませんか」
 母は息子を叱りつけたが、すぐに言葉は柔らかくなる。

 「どうです。こうして見ると、なかなかよい子たちでしょう。
今回は、貴族からではなく、あえて一般市民に公募をかけてみた
のです。これらの者たちはそこに応募してきた約千人の中から、
容姿、教養、品性などをチェックして最終的に私が選びました。
審査はまだ途中ですが、この子たちはすでに一定の水準をクリア
していますからね、もし、あなたの気に入った子のなら、お妃は
目の前のどの子でもいいんですよ」

 母は水を向けたが……
 「……」
 息子は笑って首を振るばかりだったのである。

 ところが、そんな二人の会話に関係なくことは進んでいく。
 ソフィーの様子がおかしいのだ。
 ガタガタと身体が震えだしたかと思うと、ある時を境に目が点
になって動かなくなってしまった。

 何が起こったかを詮索するのも無粋というものだろう。
 他の二人にしても、もはや他人のことに関心をはらう余裕など
なくなっていたのである。

 こうした時、その処理は下女が行う。身分ある人はたとえ自分
の粗相であろうとも自分でその処理をしてはいけなかった。

 「せっかくのおべべが台無しですね」

 「仕方がないでしょう。我慢できない方が悪いんですから……
これが大広間での舞踏会なら、建物外の茂みまでだって300m
はあるのよ。このくらい我慢できないならお妃は務まらないわ。
…それより、どうかしら、ソフィーは?今回はミスってしまった
けど、元気で明るい子だし、あなたの調教ひとつでどんな駿馬に
もなるわよ」

 「弱りましたね。またそのお話ですか」

 「別に弱ることはないでしょう。向こうの気持はすでに決まっ
てるんですもの、あとはあなた次第よ」

 「あんな恥ずかしいことをされてもですか?」
 フランク公が真顔で言うと、女王陛下は笑って……

 「相変わらず、あなたはうぶね。お妃の座がかかってるのよ。
この程度、女なら何でもないことだわ。女が何かと恥ずかしがる
のは、そうした仕草に周囲が好感を持ってくれると知ってるから
なの。裸の方が好感を持ってくれるなら、みんな裸で街を歩くわ」

 「まさか」
 今度はフランク公が笑った。
 しかし、その顔がすぐに曇ってしまう。

 「あれ、あの子……」
 殿下はソフィーの行方を追う。

 下女たちに身体を清められたソフィーは全裸のまま二人の女官
に誘導されて鞭打ち台の方へと向かっていくのだった。
 
 「今度は、一番早くお漏らししたお仕置きかな」

 「あら、あら、あなたは何でもお仕置きに捕らえちゃうのね。
お浣腸をどこまで頑張るかはその子の判断でいいの。そこに罰は
ないわ。最後まで頑張ってみたところで助け舟は来ないし、どの
みち次は鞭打ち台で鞭を受けることになってるんですもの」

 「おやおや、試練につぐ試練だ」

 「あなたのような殿方には理解しずらいかもしれないでしょう
けど、女は耐えることでしか自分をアピールできないの。お浣腸
にしても、60回の鞭打ちにしても、それを王妃としてどれだけ
品位を汚さず受けられるかが大事になってくるの。昔から王妃は
断頭台に上がっても品位を失ってはいけないって言われてるから、
これはそうした耐久試験ってところだわね」

 フランク公は気が優しくこうした光景を快く思わなかったが、
海千山千の女王陛下にしてみれば、小娘が辱めを受け悲鳴を上げ
ることなど実にささやかな催し物にすぎなかったのである。

 「ピシッ!!」
 「あっっっっ」
 革紐鞭の熱い抱擁を受けるたびに少女は苦しい息を吐く。

 「ピシッ!!」
 「ひぃぃぃぃ」
 木製とはいえ大人二人で抱えてきた重い鞭打ち台が動くのだ。
 こんな小さな身体のいったいどこにそんな力が眠っていたのか
フランク公は驚かされた。

 「ピシッ!!」
 「だめぇぇぇ」
 たった三発でソフィーの口から悲鳴が出た。

 断頭台とは言わなくても鞭打台に全身を拘束されての尻叩きは
それまで父親の膝の上で味わっていたお仕置きとはまったく別の
もの。少女たちは単なる痛みだけではなく、太股を大きく広げら
れた羞恥やいつ飛んでくるのか分からない鞭の恐怖とも戦わなけ
ればならなかったのである。

 「ピシッ!!」
 「ごめんなさい、もう帰る、帰る」

 ソフィーは悲鳴を上げ続けるが、鞭はやまなかった。
 女王陛下が「やめろ」とお命じにならなかったからである。
 代わりに出てくるのは愚痴だった。

 「まったく近頃の子はだらしがないね。私らが子供の頃は週に
一度はろく悪さをしなくても必ず父親からお仕置きの鞭を受けた
ものだったよ。どこへお嫁に行っても困らないようにってね。…
…それがどうだい、最近の親は娘に甘いもんだからこんな大事な
時に鞭一つ満足に受けられないときてる。……貸してごらん!」

 女王陛下は女官から鞭を取上げると自らソフィーのお尻へ叩き
つけた。

 「ピシッ!!」
 「いやあ~~~~」

 一段と高い声があたりに響いたが女王陛下はその手を休めない。

 「ピシッ!!」
 「だめえ~~~~」

 「だめえ~なんて声が出るんなら耐えられるよ……それ、もう
一つ」

 「ピシッ!!」
 「いやいやいや~~~~もう帰る、帰る」

 「帰さないよ。お妃選抜試験は一ヶ月。途中退場は認めない。
そう、断ったはずだよ」

 「ピシッ!!」
 「いやあ~~~ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

 「ピシッ!!」
 「いやあ~~~もうしないで、もうしないで、ごめんなさい」

 最後は訳もなくただ闇雲に謝るのだった。

 「まったくだらしないね。お前は父親からまともな鞭を一度も
受けたことないんだろう。そんなのがいったいどこへお嫁に行く
つもりだい」

 女王陛下は呆れた様子で鞭を女官に返すが、フランク公はそん
な彼女が鞭打ち台から解き放たれるのを待っていた。

 「おいで」
 そして、あろうことか、ソフィーをその腕の中に抱きしめたの
である。

 「えっ!」
 驚くソフィーだったが、これは国王陛下の命である。嫌も応も
なかった。父親以外の男に抱かれたことのなかったソフィーは、
まるで嵐の中で雨宿りする小鳩のように震えている。

 厚い胸板、太い腕がソフィーを包み込み。コロンだろうか薔薇
の甘い香りが漂う。見上げれば緩やかにウェーブのかかった淡い
金髪の青年が上から自分を見ている。まるで井戸に落ちた子猫を
見つけたときのようにその灰色の瞳がこちらを見ているのだ。

 もちろん、散々やられたお尻が痛くないはずはなかったが、今、
それは意識に上がってこなかった。ソフィーは何が起こっている
のかを理解できず、ただ息ができないままに上を見上げていたの
である。

 「君は今でも僕の妃になりたいのかい?」

 ソフィーは頭がボーっとしてしまって、この言葉を理解するの
にとても長い時間がかかった。

 「……………………えっ!?」
 ところが、『はっ!』と我に返った瞬間、彼女は意外な行動に
でるのだった。

 「伯爵様、どうか私をこのお城に置いてください。お妃なんか
なれなくてもいいから、とにかくここで暮らしたいんです」

 ソフィーは若き伯爵の足元に膝まづくと必死に懇願するものだ
から伯爵は困ってしまった。

 「暮らしたいって、ここは君のお家じゃないんだよ」

 「ええ、だからここで働かしてください」

 「働くって?どんなことをして?」

 「ですから、何でもします」

 「何でもって……じゃあ、何ができるんだい?」

 「何がって……」

 「お針仕事は?……料理は?……じゃあ、庭仕事?」
 伯爵は色んな仕事を提示したが……

 「……………………」
 ソフィーはただ首を振るばかり、結局、『これならできます』
という答えはでなかった。

 そこで…
 「私じゃダメだってことですか?」

 ソフィーが力なくため息をつくので、伯爵が小さな肩を抱いて
……
 「ダメって……そもそも君はまだ王妃になれなかったわけじゃ
ないじゃないか」
 と諭すと……

 「そんなのもういいんです。お浣腸も三人の中で一番早く粗相
しちゃうし……お鞭だってすぐに音を上げちゃうし……私って、
何やってもドジだから……」

 「でもね、ソフィー。お妃って、必ずしも能力の高い子がなる
わけじゃないんだ。それに、選ぶのは女王陛下じゃない。最終的
には僕なんだよ。僕のことだからね」

 伯爵がこう言うと、先ほどまで消沈していた姿はどこへやら、
ソフィーはいきなり目を輝かせると、青年君主フランク公の胸元
へ飛びついたのだった。

 「おいおい、気の早いお嬢さんだ。そうじゃなくて、僕はあく
まで一般論を言ったまでだよ。…それにだ、今の処、僕は誰とも
結婚する気はないんだ」

 「なあ~~んだ」ソフィーは一旦意気消沈したが、でもすぐに
……
 「ねえ、でも、側女はいるんでしょう。私、側女でいいです」

 この大胆発言にフランク公は思わずのけぞった。
 たしかに彼は何人もの側女を持ってはいたが、まだ13の娘に
いきなり側女志願されては身も蓋もなかったのである。

 「君は側女がどんな仕事をする人か知っているのかい?」

 苦笑いを奥歯を噛み締めることで苦虫をかみ殺したような顔に
なったフランク公が尋ねると、さらにあっけらかんとした答えが
帰ってきた。

 「知ってます。フェラチオをする人ですよね。……オチンチン
を舐めるんでしょう。あれだったら私でもできそうですから……
ね、私を側女に選んでください。何でもします。今はできなくて
もすぐにできるようになります。努力しますから」

 フランク公は表情を変えまいとして頑張ったが、さすがに赤面
することまでは抑えきれなかった。

 「こんなこと言っては何だけど、君のお父さんは、君にここで
働いて欲しいなんて思っていないはずだ。君は大事に育てられて
いるからね」

 「どうして分かるんですか?」

 「だって、お浣腸でも鞭でも一番早く音を上げたじゃないか。
……ほら、シャルロッテを見てごらん。あんな華奢な身体なのに
60回の鞭を耐え抜いただろう。あれは普段から鞭を受けていて
慣れているから耐えられるんだ」

 「鞭や浣腸って慣れるものなの?」

 「ああ、全然違うよ。……君の場合は、家族や先生から滅多に
こんなお仕置きを受けたことがないんだろう。だから、耐えられ
ないだけさ」

 「それは……」
 図星のソフィーは胸が痛かった。
 確かに彼の父親はソフィーを溺愛して育てたから強いお仕置き
はこれまで避けていたのである。ところが娘の方はそんなお人形
生活が嫌で、自らお妃候補に応募してきたのだ。つまり。家族に
は内緒だったのである。

 「ひょっとしたら、お父様は君をどこにもお嫁に出したくない
のかもしれない。だからついつい花嫁修業の一つであるお仕置き
を避けてきたのかもしれないな」

 「おいおい、そうしょげるなよ。君は素直なんだなあ。大丈夫、
そんなことはないさ」
 伯爵は慌ててフォローしたが、ソフィーはしょげたのではない。
何でもズバスバ言い当てるこの青年が怖かったのだった。

 「君のお父様は、ここがダメでも君がどこか条件のよい相手を
見つけて結婚してほしいと思っているはずだよ。もちろん、私の
側女だなんて考えていないはずだ。それは分かるだろう?」

 「ええ、わかります。でも、だから困るんです。…私、すでに
許婚がいて、ここがダメだったらその人と結婚しなきゃいけなく
なりそうなんです」

 「おやおや、その人が嫌いなの?」

 「大嫌い!……愚図で、だらしがなくて、そのくせ大柄で傲慢
ときてるんだもん。良いところなんてまったくないバカボンボン。
そばに寄っただけで鳥肌ものなんだから」

 「ずいぶん悪く言われたもんだな。でも、私だって、世間では
そう見られてるんじゃないかな。すでに二度離婚してるしね」

 「伯爵様は違いますよ。抱きしめられた時、とってもいい匂い
がしたもの」

 「(ははは)おやおや、そんなことで人を判断してたのかい?」
 伯爵は思わず苦笑してしまう。

 そして……
 「わかった、じゃあしばらくはここで遊んでいきなさい。君の
お父様には『審査が長引いているからしばらくお城で預かる』と
連絡してあげるから」
 とソフィーに破格の助け舟をだしたのだった。

 すると……
 「えっ……」

 伯爵はソフィーに抱きつかれキスをされる。
 もちろん、こんなこと礼儀に反することは言うまでもないのだ
が、それが自由な家庭で育ったソフィーの人柄だろうか、伯爵も
ついつい許してしまうのだった。

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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