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9/18 閉じ込め

9/18 閉じ込め

*)年寄りの思い出話です

 私が閉じ込めというネタをあまり使わないのは、どうも実体験
でピンとくるものがないからなんです。

 確かに我が家にも閉じ込めというお仕置はありました。
 ありましたが、これで恐怖したという記憶がないのです。

 我が家はみなさんご存知の通り質屋でしたから、当然、蔵を持
っています。
 蔵に押し込め。当然、絵になりそうですよね。
 でも、そうはいかないんです。

 我が家の蔵は昔ながら土蔵ではなくて鉄筋コンクリート造り。
 蔵の中にも室内照明用のスイッチがついているんです。
 ですから、蔵に閉じ込められてもそのスイッチを上げさえれば
暗闇に怯えるということはありません。

 むしろ、そこには色んな質物が保管してありますからこの機会
に見学してまわることになります。(これが結構おもしろい)
 それでも退屈したら長持ちの上で寝てしまえばいいんですから
幼い子どもでもお仕置きの効果はいま一つでした。

 ただ、一度おしっこがしたくなったので蔵の隅でしたらこれは
怒られました。
 以来、かえって危ないと悟ったんでしょうね、親は蔵への押し
込めはしなくなりました。

 そこで次に使ったのが、僕の勉強部屋。
 でも、ここはまったく問題ありませんでした。

 山とある本を読んで暇をつぶし、オシッコは窓から放尿。疲れ
たら普段は使わないベッドで昼寝していればいいんですから楽な
もんです。

 もちろん、親に叱られているというプレッシャーは感じていま
したが『何とかなるだろう』ぐらいの軽い調子で構えていました。
 そのあたりはのん気と言うか、過保護の悪い習性で親が自分に
そんなに厳しいことをするはずがないと高をくくっていたところ
もありました。

 ただ、最後に親が選んだ風呂場だけは困りました。
 だって、ここ、遊ぶものがないから退屈してしまいまうんです。

 しかたなく水が抜かれた湯船で昼寝を決め込んでいたらいつの
間にか親がベッドに運び込み、次に目覚めたのは、自分の部屋の
ベッドの中だったというしだいです。

 このように閉じ込めというお仕置きは、我が家に関するかぎり
ほとんど効果はありませんでした。
 つまり原体験が乏しいので小説のネタにならないという訳なん
です。

 ちなみに、締め出しの方も、そうされた時はおばあちゃんちで
夕ご飯を食べることにしていました。
 もちろん、友達の家でも叔父さん叔母さんの家でもよかったん
ですが、親が一番困るのが『おばあちゃんち』だと知れてからは
いつもそうしていたのでした。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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