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9/30 御招ばれ(3)

9/30 御招ばれ(3)

*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)

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 <主な登場人物>
 春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
    するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
 林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
    お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
    からは慕われているシスター。
 院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
    このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
    お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
 大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
    医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
    春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
 大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
    だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。

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 二人は車寄せに止めてあった大西先生のベンツに乗り込みます。
事情は他のお友だちも同じでした。春花や美里のように定まった
里親がいない場合でもくじを引いて誰かしらが子供たちを自宅に
招待してくれます。中には、それほど裕福ではない家庭も含まれ
ていましたが、大人たちは自分たちにできる精一杯のもてなしを
してくれましたから、子供の方から招待を断ることはできません
でした。

 二人と大西先生との出会いも最初はクジ引きですからまったく
の偶然だったのですが、二回目からは先生の方からご指名が入り
ます。
 子供たちも先生のお宅が気に入って、その関係が今に続く事に
なるのですが、それは大西先生の暮らしぶりがセレブだったから
ではありませんでした。

 そんな大西先生、たしかにベンツには乗っていましたが、その
愛車はかなりの年代物で、二人が座る後部座席のシートにはすで
に穴があいています。
 二人は、飛び出してきたスプリングでドレスを破かないように
注意しながら座っていなければならなかったのです。

 到着したお宅は古い洋館。決してピカピカの豪邸ではありませ
んでした。
 緑の木々に囲まれた古い洋館はちょっと見は趣のある建物なの
ですが、建てた年代があまりに古すぎて、住むにはちょっと問題
があったのです。

 板張りの廊下は普通に歩くだけでギシギシと音をたてますし、
木枠のガラス窓からは隙間風が入り込みます。本来なら壁に埋め
込まれているはずの電気の線やガス管も、壁や天井をむき出しの
まま這い回っていました。

 でも、そんな事は二人には関係ありませんでした。
 いえ、今となってはむしろこここそが懐かしい我が家といった
感じで廊下を駆け抜けて行くのです。

 「おばさま、お招きありがとうございます」
 「おばさま、お招きありがとうございます」
 居間に通された二人はさっそく先生の奥様にお礼を述べます。
 この挨拶は院長先生に習ったものでしたが、今では「ただいま」
という言葉に聞こえます。

 「あら、いらっしゃい」
 と、おばさんが…
 「いらっしゃいませ」
 と、茜お姉様がご挨拶を返します。

 でも、二人がお上品なのはたったこれだけ……
 そっそく二人のおやつのために用意されていたオレオとココア
をテーブルに見つけると、菓子盆に手を伸ばして……
 「やったあ」
 「わたしも……」
 と、あっさり手づかみして、後はソファーで跳ね回ります。

 すでに自宅気分というか山猿状態なわけですが、先生をはじめ
大西家の人たちがそんな二人を咎めることはありませんでした。

 「今週はどうだったの?孤児院で叱られたりしなかった?」
 二人が落ち着いたところで、おばさまが尋ねます。

 「ん……ない事はないんだけど……もう、いつもの事だから」
 春花が答えると、さらに尋ねてきました。

 「あそこでは、毎日、お仕置きを受けるの?」

 「私が毎日お仕置きされてるわけじゃないけど……孤児院の子
の誰かしらは、毎日お仕置きされてるわ。だって、お仕置き部屋
から悲鳴が聞こえなかった日なんて1日もなかったもの」

 「お仕置き部屋なんてあるんだ。恐いのね。どんな時にそこへ
入れられるのかしら?」

 「どんなって……お友だちと喧嘩したり……入っちゃいけない
芝生に入ったり……授業に遅れたり、消灯時間を過ぎてもおしゃ
べりしてたり……ま、理由は色々」
 春花に続いて美里も……
 「特に、金曜日の夕方は大変なの」

 「どうして?」

 「懺悔聴聞会ってのがあって、子供はみんな司祭様にその週に
犯した罪を懺悔しなければならないのよ。その日のうちならまだ
いいんだけど、二日も三日も前の事なんて、いちいち覚えてられ
ないでしょう。だから、みんな自然と日記をつけるようになって、
それを読み返して、暗記してから司祭様に会うようにしてるの」

 美里の言葉に春花が入り込んだ。
 「そう……もし、その週に犯した罪を全部言えなかったら、お
仕置きが増えるかもしれないんだもの。みんな真剣に覚えるわ」

 「そう、大変ね。司祭様って、日頃からそんなに子供たちの事
を丹念に調べてるんだ」

 「そうじゃなくて、林先生が私たちの罪を全部書いたノートを
司祭様に渡すから、それを見ながら判断なさるのよ。あんちょこ
があるんだもの。こっちはかなわないわ」

 「なるほどね」
 おばさんは笑います。そして……
 「で、罪を告白したら許されるの?」

 「小さい子はね、小学3年生くらいまでは、お膝に抱かれて、
『だめだよ、良い子でいなきゃ』っておっしゃるだけなの」

 「だけど、小学4年生くらいからはお仕置きとして本当にぶた
れることもあるわ」

 「あら大変。それじゃあなたたちは司祭様からぶたれたことが
あるわけ?」

 「もちろん」
 「うん、とっても痛いんだがら……」

 「どんな罰を受けるの?お尻でも叩かれるのかしら?」

 「だいたいお尻叩きだけど、手のひらだったり、太股だったり
することもあるわ。トォーズという革紐の鞭なの」

 「先輩に聞いたんだけど、うちでは小学5年生から中学1年生
位までが一番厳しいんですって……」

 「そうなの?……でも、それじゃ、あなたたち、まさに適齢期
じゃないの。……でも、どうしてその年頃の子が厳しいのかしら
ね」

 おばさまが二人に微笑みながら首を傾け、ココアを入れてくれ
ます。でも、そのおばさまの問いかけに答えたのは春花でも美里
でもありませんでした。

 「昔から、そのくらいの歳が女の子の躾どころって言われてる
んだ。体力的にも男勝りになるからね。ほおっておくと男を馬鹿
にして結婚したがらなくなると言われてるんだ。ま、職業婦人に
させるつもりなら別なんだろうけど、たいていの親は娘の結婚式
を楽しみにしているからね。その時期は特に注意して娘を厳しく
育てるんだ」

 大西先生は、うがい手水に身を清め普段着に着替えると、居間
へと戻ってきたのでした。

 「この子たちはそれがちょうど始まった時期、うちの茜はその
クライマックスというわけさ。あそこは孤児院と言っても躾けに
手を抜かないからね。どの子を選んで連れてきてもこちらが困る
ことがないんだ」

 ここで、それまで沈黙を守っていた茜さんが口を開きます。
 「じゃあ、この子たちも、うちと同じお仕置きを受けることが
あるんですか?」

 「あるんじゃないかな、聞いてご覧」
 先生は茜さんに言いましたが、茜さんは真っ赤な顔をしてただ
俯いてしまいます。
 それはとても恥ずかしくて訊けないということのようでした。

 その代わりを先生が務めます。
 「二人は、お尻叩きの他にどんなお仕置きをされたことがある
のかな?」

 「えっ、お仕置きで……」
 二人も答えにくそうにはしていましたが、茜さんと比べはまだ
幼いので正直に答えます。

 「何でもあるよ。……嘘をついたら、お口に石鹸を入れられて
ゲーゲーいいながらお口の中を洗わされるし、お腹の中も洗わな
きゃいけないって言われて浣腸だってされるもの」

 「そう、もの凄く嫌な罰なの」

 「あと、テストのカンニングがばれて、中庭の貼り付け台で、
二時間も立たされてた子がいたわ」

 「そう、そう、敬子の事でしょう。パンツ一つでね。もの凄く
可哀想だったもん」

 二人がお互いの顔を見合わせて盛り上がるなか、先生は新たに
質問します。
 「君達の処はお灸のお仕置きもあるんだって?」

 「うん、あるよ。お勉強しない子が受けるの?」

 「林先生ってね、そういう時はいつも『私はあなた方に難しい
ことは求めていませんよ。真面目にやれば、みんなできることを
ちゃんとやりなさいって言ってるだけです。それができないのは
あなた方がやらないからでしょう』って……」

 「そう、いつも言われてるの。怠けてる子は最初は鞭だけど、
そのうち院長先生のお部屋に呼ばれて、お尻にお灸を据えられる
のよ。私はやられたことがないけど、もの凄~く熱いんだって」

 二人の答えに、なぜかおばさまが茜ちゃんに向かって……
 「そうだそうよ、茜」
 と言って微笑むのでした。

 「鞭は、たしか革のスリッパだったよね」
 先生が確かめると……

 「私たちはまだそうだけど、6年生からはみんなに見られない
処ではヘアブラシで、見られる処では革のパドルなんだって……
聞いただけでゾッとするわ」

 「中学生になるとお仕置きはケインなの。あれはもの凄く痛い
って先輩の子が言ってたわ……」

 「それじゃあ、公開のお尻叩きもあるんだね」

 「もちろん、たくさんあるわよ。特に日曜礼拝の後は……必ず
誰か舞台の上に呼ばれるもん。見せしめなの」

 「君たちはやられたことあるの?」

 「ないよ」
 「私もない……」

 「そういうのはたいてい中学生のお姉さんなの。鞭打ち台の上
で両方の足を大きく広げさせられるの。おかげで嫌なのが見えち
ゃうけど、目を背けると叱られるから、仕方く見てるんだけど…
…お尻が紫色になってとっても気持わるいんだから……」

 「私も、あれ、見たくない」

 春花が時に力説し、美里がそれに合いの手をいれますが、二人
の少女のお仕置き話はつきそうにありませんでした。
 でも、それを聞かされていた茜ちゃんが、実は何より辛い立場
なのでした。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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