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< 序 > ~続・亀山からの手紙~ 

 その楽園(ヘブン)が私にもたらしてくれたものは、知識でも
お金でもましてや名声や権力などではありませんでした。
 一言で言ってしまえば『心の平安』たったそれだけのこと。
 でも、それが何より大事なんだと、私もお父様の歳に近づいて
思います。
 たしかに、お父様に幼い子に対する性的な快楽を求める気持が
まったくなかったと言ったら嘘になりましょう。しかし、それは
極めて希薄な、とるに足らないほどのリビドーであって、現に、
私たちは多くの場面でお父様の前で裸になり、幾晩も裸でベッド
をともにしましたが、そこで耐え難い苦痛を受けたなどと言う事
は一度もありません。
 お父様、お義母様の手はお年寄りですからその手もしわがれて
いて、ガサガサと幼い肌を手荒く刺激します。すべすべのママの
手に比べれば心持ちがよいはずありません。
 しかし、その豊富な知識と経験に基づくホラ話を聞きながら、
その手に触れられていると不思議と勇気が湧いてきます。ここに
いれば大丈夫なんだという気持になります。
 それは言葉にできないまか不思議なパワーでした。
 そのパワーが体の隅々まで行き渡るように、ママはお父様への
絶対服従を仕付けたのです。私たちはお父様のお人形であり空の
器なのです。お父様たちは若いエキスを求めてここへ来られたの
でしょうが、私たちもまた功なり名を遂げた方の不思議なオーラ
を全身に浴び、心を癒されて成長していったのでした。
 絶対服従というと屈辱的な人間関係のように思う人がいるかも
しれませんが、そもそも赤ん坊は母親の絶対服従の中で暮らして
いますが何の不幸もないでしょう。
 それは母親がその子を愛しているからです。
 幼い子も同じで、知識も経験もとるに足らない幼子がいきなり
名船長になるはずがありません。最初は親の愛の船に乗り込んで
色んな知識や経験を無条件で受け入れて航海術を身につけるべき
でしょう。
 13歳まで赤ちゃんというと、多くの人が無理のある考えだと
思うようですが、私は、おかげで孤児にもかかわらず亀山という
ふる里と天野茂という偉大な先達から生きるノウハウを得ること
ができました。
 亀山では赤ちゃんである13歳まではお父様に限らず、どんな
大人たちにも絶対服従です。そして基礎的なことに絞って教育を
受けるのです。
 漢字の読み書きと簡単な計算。綺麗な字が書けて……古典詩を
諳んじて……あとは楽器が弾けて、ちゃんとしたご挨拶ができれ
ばそれでいいのです。少ない教材を繰り返し繰り返しやるので、
子供たちに人気はありませんが、それでも間違っても偏差値を上
げるための教育というのはしません。
 ですが、それで不足はありませんでした。知識は、14歳から
でも十分間に合いますが、生き方というものは幼い頃身につけた
ものを生涯ずっと背負い続けることになりますから。『三つ子の
魂百でも…』というわけです。
 亀山から多くの成功者が出ているのは、血は繋がっていなくて
も一度成功した人の身につけたものを受け継ぐことができたから
だと思うのです。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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