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小暮男爵 << §11 >>

小暮男爵

***<< §11 >>****

 次は広志君の番。
 お仕置きの手順は私の時とまったく一緒です。

 小宮先生の目の前で膝まづいて、両手を胸の前で組みます。
 この時は嘘でも申し訳ないという顔をしなければなりません。
もし怒った顔なんかすると、いつまでもお膝の上に呼んでもらえ
ませんから、ずっとこのまま放置されちゃいます。

 『お顔を作るというのも女の子の大事な素養なの。お尻叩きが
不満なら他の罰でもいいのよ』
 なんて、言われて……
 もちろんそれがやさしい方の罰に切り替わることは期待できま
せんでした。

 広志君は男の子ですが、そこはちゃんと出来ていました。
 すがるような眼差しは、たとえ演技でも私ぐっときちゃいます。

 「僕は悪い子でした。どうかお仕置きでいい子にしてください」

 お友だちの見ている前でこのお約束の言葉はとても恥ずかしく
て、私なんて嫌で嫌で仕方がありませんでした。でも、広志君が
宣誓する姿はとても神々しくて絵になります。

 ジョシュア・レイノルズさんの『祈る少年サムエル』といった
感じでしょうか。保健室の壁に掛けてあった絵を思い出します。

 これが、生理の同じ女の子だったら……
 『あ~あ、この子、殊勝な顔してるけど、お腹の中では何考え
てるやら……』
 なんて邪まなことばかりが頭に浮かぶところですが、広志君の
場合は男の子。女の子には男の子の生理は理解できませんから、
逆に、その姿を美化しがちになります。

 私は広志君の祈る姿を見ていると、そこに無垢な気持を感じて、
不思議と自分まで心が洗われる気分になるのでした。

 「さあ、いらっしゃい」
 広志君、いよいよ小宮先生のお膝に呼ばれます。

 「はい、先生」

 広志君。何も抵抗しませんでした。
 先生のお膝の上にうつ伏せになり、体操着のズボンとパンツが
一緒に引き下ろされます。

 『わあ、男の子のお尻だ』
 私は広志君のその可愛く締まったお尻が現れると胸がキュンと
なりました。

 お父様とは一緒にお風呂に入りますから、大人のお尻は見慣れ
ていたのですが、同世代の男の子のお尻を間近に見るチャンスは
滅多にありませんでした。

 私は何だかここにいてはいけない気がしてそっ~と後ずさり。
お友だちの群れの中に紛れ込もうとします。
 すると……

 「あら、美咲ちゃん。どこへ行くの?逃げないでちゃんと見て
いてちょうだい。あなたへのお仕置きは終わったけど、広志君は
まだ終わってないでしょう。あなたたちは一蓮托生。お互い最後
まで見届けてあげるのが礼儀よ」

 「はい、先生」

 私は逃げ損なって元の位置に戻ります。
 そこはお尻叩きを始める小宮先生の肩口。広志君のお尻が他の
誰よりはっきり見える場所でした。

 でも、そこで、私、ふっと考えたのです。
 『私が、今、こうして広志君のお尻を間近に見てるってことは、
……私も、あの時、こんな至近距離で広志君から見られてたって
ことなの?』

 その時の私はもう無我夢中でしたから、周囲に気を配る余裕が
ありません。

 『嘘でしょう』
 私は今さらながら顔を赤らめます。

 でも、そう考えるていると……
 『私だってヒロ君のお尻を見ないと損じゃないのかなあ』
 なんてね、卑しい心が芽生えてきて、もう半歩進んでヒロ君の
お尻を覗き込み始めました。

 『やだあ。可愛い』
 男の子のお尻は小さくて引き締まっていて、女の子のそれとは
違います。こうなると、私は何だか得した気分でした。

 「さてと……ちょっと拝見するわね」
 小宮先生は、現れたヒロ君のお尻をまずは点検し始めます。
 これは私にはしなかったことでした。

 先生はヒロ君の尾てい骨の谷間を開いたり、太股を広げるだけ
広げてその奥を確認したりします。

 『いったい何をしてるんだろう?』

 私が疑問に思っていると、そのお尻の谷間、その尾てい骨の上
に小さな痕跡を発見したのでした。
 先生は静かにそこを撫でます。

 『そうか、ヒロ君、こんな処にお灸を据えられてたんだ』
 私は、かつて友だちから見せてもらった経験がありますから、
それがお灸の痕だと分かったんです。

 たしかにこんな場所、よほどの事がなければ他人から見られる
心配がありません。そのあたりはヒロ君のお母様だってとっても
気を使ってお灸のお仕置きをなさっていたみたいでした。

 ただ、この時の私にとって問題だったのはそこではありません
でした。

 先生がヒロ君の太股を開いた時に、私、見えてしまったんです。

 『えっ!嘘でしょう……』
 その瞬間、全身に弱い電気が走って金縛りにあったように立ち
尽くします。動けないというより目を閉じることさえ出来ないの
です。

 『……!!!……』
 やっとの思いで目を閉じても残像が残って脳裏から離れません。
 それって、そもそも女の子が見てはいけないものだったのです。

 変な話、私はお父様と一緒にお風呂に入りますからお父様の姿
は毎日のように見ているんです。でも、ヒロ君のそれはまったく
別物でした。その生々しさに、私、窒息しそうでしたから。

 『うっ!!!吐きそう……』
 それは色や形や大きさといった外形じゃありません。
 そもそもお父様は子どもとは違う世界で生きているお方です。
ですから、たとえどんな物であってもそれはそれでいいんです。
 でも、どんなに小さなものでも同じ子どもの世界にそれが存在
しているのはショックでした。

 これって男性にはきっと怒られることだと思いますが、女の子
って『人はすべからくお臍の下はみんな谷間になっていなければ
ならない』と思っているんです。ですから、広志君のお臍の下に
何かついてるなどと想像したことはこれまでありませんでした。

 変ですか?……でも、そうなんです。
 女の子の頭の中では『事実は事実として知っていても気持は別』
なんてことがよくあるんです。自然にそうなるんです。
 そして女の子はその気持の部分で人とお付き合いするのでした。

 「あなた、ここ最近は、お母様から新しいお仕置きを受けてい
ないみたいね。いい子にしてたの?」
 小宮先生は納得したようにつぶやきます。

 小宮先生の目的はどうやらお灸の痕の確認のようです。新しく
お灸を据えられた箇所がないか、以前据えられた場所の痕が大き
くなっていないか、それをチェックしていたのでした。

 広志君の灸痕は尾てい骨の他、太股の付け根あたりにもありま
した。お母様から、目立たない処を選んで据えられていたみたい
ですが、お仕置きですから、この場合、ツボは関係ありません。
 この時、小宮先生はそこまであらためませんでしたが、ヒロ君、
袋の裏や竿の根元なんかにも据えられていたようです。


 はははははは、お話が下品になりました。いや、ごめんなさい。
先へ行きましょう。

 小宮先生はお灸の痕を調べ終わると、広志君にあらためて尋ね
ます。
 「あなた、あそこへ行くのは今日で何回目?」

 「えっと……三回目です」
 広志君がそう答えた瞬間でした。
 
 「ピシッ」
 スナップのきいた平手が広志君のお尻をとらえます。

 「嘘おっしゃい。またそうやっていい子ぶるんだから。それは
お仕置きを受けた回数でしょう。私がききたいのはあなたが実際
にあそこへ行った回数よ」

 『えっ?』

 「ピシッ」
 ここでまた一つ、平手がお尻に……

 「あっ…………」
 広志君は『あっ』と言ったあと、黙ってしまいます。自分の事
を思い返してるみたいでしたが、答えはでてきません。

 「どうしたの?多すぎて数え切れない?今日は、たまたま見つ
かっちゃったってことかしら……」

 「ピシッ」

 「あっあっあっ」
 広志君、不意を衝かれたのか顔色が変わり首を横に激しく振り
ます。声にはださなくても、『痛いよう』というサインでした。

 「お尻叩きだけではあらたまりそうにないのなら……お母様に
許可を頂いて、特別室でお灸って手もあるのよ。お灸のお仕置き
は最近ごぶさたしてるみたいだから効果があるかもしれないわね」

 「ピシッ」
 「いや、だめ、そんなことしないで」
 広志君は慌てたように叫びます。
 それは、広志君にとってお灸がそれだけ恐いお仕置きだという
証しでした。

 広志君は、お灸のお仕置きを何とか思いとどまってもらおうと
小宮先生の方を振り向き身体を起こしかけますが、その顔は途中
で止められてしまいます。

 「ヒロちゃん、まっすぐ前を向いてなさい。みっともないです
よ」
 そう言って広志君の顔を元に戻したのは広志君のお母様でした。

 広志君のお母様はこの学校では有名人です。

 ヒロ君の家にも当然家庭教師はいましたが、学校へはよくこの
お母様がみえていました。休み時間や昼食の時といった子供との
接触が許されている時には決まってこのお母さんが何から何まで
お世話をやきます。
 私たちだって、お父様と関係では褒められたものじゃなかった
けど、ヒロ君の場合はもっと凄くて、お母様にかかると、まるで
まだ赤ちゃんみたいでした。

 「今度までは、お尻叩きだけで許してくださるみたいだけど、
次にやったら家でお灸をすえます。いいわね」
 お母様の怖い一言。広志君の体が思わず硬直します。

 男の子だって女の子だってそうですが、小学生にとってお父様
お母様の言葉というのが一番重い言葉だったのです。

 「さあ、分かったら、次に脱走する時はよくよく考えるのね」
 小宮先生はそう言って再度平手を……

 「ピシッ」
 「いやあ」
 緊張していた広志君の背中が海老ぞりになります。

 「さあ、お説教はこのくらいにしましょうか。それでは、……
あと十回にしましょう。……あなたも五年生。男の子なんだから、
今回は痛いわよ。しっかり歯を喰いしばりなさいね」

 小宮先生があらためてお尻叩きを宣言すると、待ってましたと
ばかり広志君のだらりと垂れ下がっていた両手の方へ回っていた
お母様がさっそくハンカチを取り出して口の中に押し込みます。
両足の押さえはこの場で唯一の男性である高梨先生が担当します。

 二人は、まるで事前に約束していたかのように手際よくヒロ君
の手足を拘束していくのでした。

 回数は私の倍になりましたがこれもさっきまでの私がやられて
いたのと同じ姿です。そもそも大人三人で子ども一人を拘束する
なんて可哀想過ぎますけど、こうなったら、どんな子も観念する
しかありませんでした。

 「今度やったら、本当にお灸ですよ」
 「ビッシ~~~」

 「ん~~~~」
 猿轡を噛まされた広志君は、声を上げられないまま首を激しく
振ります。今度は縦に振っていますから『分かりました』という
ことなんでしょうけど……

 「ほら、だらしないわね。あなた男の子でしょう。このくらい
の事でそんなに暴れないのよ」
 「ビッシ~~~」
 「ん~~~~」

 すでに広志君のお尻は真っ赤に染まっています。
 でも、だからって、お仕置き終了とはなりません。うちは大人
たちが愛情細やかに接するぶん、お仕置きは逆に厳しくて、生徒
にとっては困りものでした。

 「ビッシ~~~」
 「ん~~~~」

 その後もお仕置きとしてのお尻叩きは続きます。
 とにかく10回ですから可哀想というほかありませんでした。
 甲高い音が青空に響き苦しい息のヒロ君の首筋には汗が光って
見えました。

 高梨先生が必死に両足を押さえているのは、単に男の子だから
力が強いというだけでなく、小宮先生が私のときより強くお尻を
叩いている証しだったのです。

 「ビッシ~~~」「ん~~~」「ビッシ~~~」「ん~~~~」
 「ビッシ~~~」「あっ~~」「ビッシ~~~」「ひぃ~~~」
 「ビッシ~~~」「うっ~~」「ビッシ~~~」「いっ~~~」
 「ビッシ~~~」「ん~~~」
 猿轡のせいで悲鳴はあがりませんが声なき声が周りで見ている
女の子たちの同情を誘います。
 男の子は女の子に比べるといつもちょっぴり厳し目でした。

 「はい、おしまい。起きていいわよ。よく頑張ったわね」

 約束の10回が終わって小宮先生からお許しが出たのですが、
広志君、しばらくは小宮先生のお膝を離れられませんでした。

 私も同じ経験があるのですが、本当に恐いお仕置きのあとは、
先生からお許しが出ても、本当に大丈夫なのか不安で、すぐには
起きられないことがあるのです。

 小学生にとって大人というのは、たとえそれが自分の両親や親
しい先生であってもそれほどまでに恐い存在であり別次元の存在
だったのでした。

 でも、逆に褒められたり優しくされると猜疑心なく単純に喜び
ます。

 ですから、先生たちは子どもをお仕置きした後は、必ず優しく
接して強すぎるショックを和らげるのでした。

 この時も……
 「ほら~~甘えてないで、もう終わったわよ」
 小宮先生はそう言って広志君を抱き上げるとご自分の膝の上に
乗せます。

 これも私の時と同じでした。お互いが顔を見合わせ、小宮先生
は広志君の涙を拭いて、頬ずりをして、抱きしめます。

 「ん?痛かった?……だけど、男の子だもん。このくらい我慢
しないと女の子にもてないよ」

 先生との抱擁。これもまたお仕置き終わりの大事な儀式でした。

 そして、ひとごこちついくと、先生のお膝を下りて、その場に
膝まづきます。両手を胸の前で組んでお礼のご挨拶です。

 「小宮先生、お仕置きありがとうございました。広志は先生の
教えを守って必ずいい子になりますから、見ていてください」

 広志君はお仕置きの始まりにしたご挨拶と同様、ここでも小宮
先生にお仕置きのお礼を述べます。これも拒否なんかしたらどう
なるかわかりませんから子供たちは渋々でもちゃんとやります。
 女の子の世界では、たとえ本心でなくても、こうしたご挨拶は
決して欠かしてはいけないものだったのです。

 全てが終わった後、広志君はズボンの上からそ~っとそ~っと
自分のお尻を撫でていましたから相当痛かったのかもしれません。
普通は、先生のお膝の上で良い子良い子してもらっているうちに
痛みは引いてしまいますから。

 ただ、どんなにお尻を強くぶたれたとしても、こうした痛みが
10分たっても抜けないということはありませんでした。
 もし、その事で次の授業に影響がでたら、次の時間を担当する
先生の授業を妨害したことになりますから、どの先生もそこまで
強くはぶたないのです。

 とはいえ、女の子たちはこれを材料に私の処へ集まってきます。

 「ねえ、お尻大丈夫?」
 「でも、本当はお尻がまだ痛いんじゃない?」
 「保健室でお薬つけてもらうんなら連れて行ってあげるよ」
 「ねえねえ、私のクッション貸してあげる」

 たちまち私の周りで色んな言葉が飛び交います。
 私は、その一つ一つに応対して……
 「大丈夫よ」
 「もう、お尻なんて痛くないから……」
 「そんなことしなくていいわよ」
 「クッションなんていらない。私、自分の持ってるもん」
 なんていう返事をお友だちに返さなければなりませんでした。

 女の子同士って、楽しくもうっとうしくもありますが、逃げる
ことはできませんでした。だって、女の子だったらみんなそうで
しょうけど、お友だちの間で孤立したくはありませんから。

 というわけで、後はみんなでワイワイ言いながら。図画の教室
へ戻ります。
 私たちのお仕置きのせいで15分ほど時間を取られましたが、
4時間目の図工の時間はまだまだ残っています。

 そこで待っていたのは、お外で描いたスケッチに水彩絵の具で
色をつけするという地味な作業。でも、その先には楽しみな給食
が待っていました。

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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