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小暮男爵 ~第一章~ §4 勉強椅子

小暮男爵/第一章

<<目次>>
§1  旅立ち * §11 二人のお仕置き②
§2 お仕置き誓約書 * §12 ランチタイムの話題
§3 赤ちゃん卒業? * §13 お父様の来校
§4 勉強椅子 * §14 お仕置き部屋への侵入
§5 朝のお浣腸 * §15 お股へのお灸
§6 朝の出来事 * §16 瑞穂お姉様のお仕置き
§7 登校 * §17 明君のお仕置き
§8 桃源郷にて * §18 天使たちのドッヂボール
§9 桃源郷からの帰還 * §19 社子春たちのお仕置き
§10 二人のお仕置き① * §20 六年生へのお仕置き

*****<< §4 >>****/勉強椅子/****

 遥ちゃんと離れて久しぶりにお父様と一緒の暮らし。
 つい六ヶ月ほど前まではここが私の勉強部屋兼生活の場でした
から元の生活に戻ったというべきかもしれません。

 この部屋は、本来お父様の書斎。ですから、この部屋の大半は
お父様のスペース。百科事典や美術全集、学術書など、大きくて
重たい本が作りつけの本棚に隙間なく収められて壁と一体化して
いますし、ライティングデスクの上にはお父様が書き物をする為
に集めた資料がいつも山となって積まれています。

 その一角に、こんな部屋の雰囲気とはおよそ似つかわしくない
ピンクの勉強机ピンクの本棚が並んで置いてあるのですが、この
辺りが私の居住スペースでした。

 机の上には学校の教科書や参考書が並び、壁には私が展覧会で
入選した時の絵や習字、家族旅行の写真などが貼られ、本棚には
図鑑や児童書、地球儀、バイエルの教本などが置かれています。

 人目につく場所に置いてあるのはいずれも勉強か習い事に関係
ありそうなものばかり。例外はお父様から買ってもらったピー子
という大きな熊のぬいぐるみくらいでしょうか。これだけは箱に
入りきれないので本棚の一番上で腰掛けていますが。

 でもそれ以外のマンガやオモチャは、お父様との約束ですべて
大きなダンボール箱に入れてあって、使う時だけ取り出すことに
なっていました。

 遊んだ後は、また元のダンボール箱にしまわなければなりませ
んから二度手間なのです。しまう時は『面倒くさいなあ』と思い
ますが、しまい忘れると叱られますから渋々やってました。

 お父様は綺麗好きですから、もしオモチャをしまい忘れる日が
続くようだと『お仕置き』なんてこともあります。
 私はこれまでそうしたことが一度もありませんでしたが、普段
優しいお父様も怒った時はそれはそれは怖いんです。
 お姉様たちへのお仕置きは私のことでもないのに抱っこされて
いる私が逃げ出したくなる程でした。

 我が家の場合、お父様を怒らせた場合、パンツを剥ぎ取られて
お尻を叩かれるというのが一般的なのですが、お仕置きはなにも
お尻叩きと決まっていたわけでありません。ケースバイケースで
種類は色々だったんです。

 お庭や廊下に立たされたり、百行清書なんてのはまだ上品な方
で、悪さがすぎると、例えば自分の部屋のベッドでお浣腸の姿勢
でずっと待たされたり、お庭に自生しているイラクサをパンツの
中に仕込まれて登校させられたり、破廉恥な体罰もたくさん用意
してありました。

 イラクサというのは西洋のおとぎ話なんかに出てくるあれです。
これには刺毛と呼ばれる細かな毛がびっしりはえていますから、
歩くたびにお股にそれが刺さって大変なんです。

 ですから、家から見えない処でパンツから取り出し、学校近く
まで来たらまた入れ直す、なんてズルも上級生になると覚えます。

 登校した後は保健室へ行って先生からイラクサを取っていただ
くんですが、保健の先生からお薬を塗ってもらう処も恥ずかしい
場所ですし、何より半日くらいはそこが痛痒くて仕方ありません
でした。

 ですからクラスに戻ってからも、人目もばからずお股を掻いて
しまいます。
 すると今度は担任の先生から『美咲ちゃん、はしたないわよ』
ってことに……でも、本当に痒いんですからこれは仕方がありま
せんでした。

 ある時、先生に……
 「先生は、やられたことないから分からないのよ」
 なんて啖呵をきったら……
 「そんなことないわ。私も子供の頃は両親から散々やらされた
わよ」
 って言われてしまいました。

 どうやら『イラクサパンツ』というのはこの辺りでは伝統的な
子供のためのお仕置きのようです。

 その他にも、勉強中に居眠りなんかしていると、冷たい鉄板を
イスに敷かれて、そこに裸のお尻を乗せなければならなかったり、
オナニー癖のある子などはゴム製の貞操帯を締めさせられたりも
します。

 この他にも色々ありますよ。特に女の子は種類が豊富でした。
きっと大人たちは子どもにどうやってお仕置きしようか日々考え
ているんじゃないでしょうか。そのくらい女の子へのお仕置きの
種類はバラエティーに富んでいました。

 でも、そんな厳し過ぎるお仕置き事情も先生たちに言わせると、
最近は親が子供に甘いんだそうです。


 さて、話が脇道にそれてしまいましたが、さっきの続きです。

 同居していた遥ちゃんの部屋から元いたお父様の書斎へ、私が
荷物を運び入れると、お父様がさっそく私の学習机の前にご自分
のイスを置き、そこに腰を下ろして太股を叩きます。

 これ、
 『さあ、美咲、お勉強するよ、ここへいらっしゃい』
 というサインです。

 実は私、ここへ来て以来ずっとそうなんですが、ごく最近まで、
つまり六ヶ月前までお父様のお膝の上でしか勉強したことがあり
ませんでした。
 ひらがな、カタカナ、ローマ字、九九も四則の計算も、みんな
みんなお父様のお膝で覚えたんです。

 ですから、私にとって勉強するというのは、まずはお父様の膝
の上に乗ることから始まるのでした。

 「おう、随分重くなったなあ」
 お父様の意外そうな声。
 お父様のお膝は六ヶ月ぶりですが、その間にも私の身長や体重
は増え続けています。

 「やったあ~」
 六ヶ月前を思い出し、腰を浮かして小さく跳ね回る私。楽しい
記憶が蘇ります。この場所、私、嫌いではありませんでした。

 この懐かしいふかふか感。お尻の割れ目に当たる軟らかい棒も、
昔からのことですからね、気になんてなりません。

 私は施設から引き取られて以来。このお膝で育ったようなもの
でした。多くのお姉さまたちは新しい妹がやってくるとその後は
この場所をその子に明け渡さなければなりませんが、私の場合は
大きくなってもここがホームグラウンドでした。
 ここで勉強し、ここで食事をして、ここで着替えも済ませます。
もっと幼い頃はお風呂やトイレまでもお父様と一緒でしたから。

 これは私だけじゃありませんが、ここに呼ばれた子どもたちは
まずお父様のお人形となって人生のスタートを切るのです。

 ただ、私の場合その期間があまりに長いのでお姉さまたちから
『あなた、何から何までお父様で、よく恥ずかしくないわね?』
なんて呆れられてましたけど、私は『それがどうして悪いの?』
って居直ってました。

 だって、食事も、着替えも、お風呂も、トイレも……もちろん
全部独りでできますけど、大好きなお父様にやってもらえるなら、
そっちの方が楽だし楽しいんですもの。だから自分からお父様の
お膝を下りるつもりはまったくありませんでした。

 そのうち『私はお父様にとって特別な存在』なんて特権意識も
芽生えちゃったりします。もちろん、それは勘違いなのですが。


 この夜の私は算数のドリルや漢字の書き取りで2時間びっちり
絞られます。

 実はこのイス、身体の自由がききませんし、勝手に休憩もとれ
ません。おまけに勉強が終わる頃には、私とお父様の体温で全身
汗びっしょりです。決して快適な環境じゃありません。
 おまけに私は勉強が好きじゃありませんから、その間はずっと
大変な思いでした。

 「ほら、よそ見しないの」
 「抱っこされてると頭だってお父様の胸の中から動かせないの。
よそ見なんてできないでしょう!」
 私は口を尖らせます。

 「ほら、またあくびして……あくびなんかしてる暇ないよ」
 「仕方ないじゃない出ちゃうんだから。これは止められないの」
 私はスリッパを履いた足でお父様の向こう脛を蹴ります。効果
ありませんが……。

 「もっと集中して……ケアレスミスが多くなったよ」
 「やってるよ。これが私の精一杯。もう、これ以上無理なの!」
 身体全体をブルブルっと震わせます。これってせめてもの抵抗
でした。

 私はお父様が何か言うたびにぶつくさ。素直じゃありません。
よい生徒じゃなかったんです。
 でも、これもまた幼い日から続くいつもこと。お父様を本当に
イヤイヤしているわけではありませんでした。

 お父様のお膝はいつもふかふか。小さく上下に体を揺さぶると
楽しいですし、大きなお父様の胸の中にセットされた私の背中は
安心感でいっぱいです。
 一瞬のすきを見つけて厚い胸板に横顔を押し付けるなんてのも
心が癒されることでした。

 この時の私はお父様によってどうにも身動きできないほど拘束
されているわけですが、幼い頃からこうやって勉強してきた私に
とっては、これがもっとも落ち着く場所でもあったのです。

 それだけじゃありません。お勉強が終わった後にお父様のお膝
の上で汗を拭いてもらい下着を取り替えるのも私にとってはお気
に入りのひと時でした。

 もちろんそれって、私の心がまだ子供だから成立していた関係
なんでしょうけど。私の周囲には性の情報が何もありませんから
お父様を性の対象として見たことなど一度もありません。
 性の歩みは今の子よりずっとずっとゆっくりでした。

 ただ、そんな私も歳を重ねます。性の情報はなくてもこの頃に
なると本人も気づかないうちに大人の入口に辿り着いていました。

 2時間後……

 「よし、よく頑張ったね。じゃあ、……今日はここまでにして、
ネンネしようか」

 お父様はそう言うと私を膝の上に立たせます。幼い頃と違って
この頃になると身体もだいぶ大きくなっていましたから、これは
大変な作業だと思うのですがお父様は人形が見上げるほど大きく
なってもお構いなしでした。
 わざわざ不安定な膝の上に私を立たせて服を脱がせ始めます。

 私も幼い頃からやっていますから要領はわかっています。
 危なくなれば近くにある本棚の棚を掴んでバランスをとります。
どこかアクロバティクな着替え。でも不思議と膝から転げ落ちる
なんてことはありませんでした。

 我が家ではシャツもパンツも脱いでパジャマだけで寝る習慣に
なっていましたから、着替えの途中私は真っ裸になります。当然、
裸になった私の体はお父様の目と鼻の先に晒されるわけで、その
鼻の先が私のビーナス丘やお臍に当たるなんてことも……。
 ですから、ひょっとしたらそれが目的だったのかもしれません。
お父様、あれで結構スケベでしたから。

 ただ、私とお父様の間にはそれ以上何も起こりませんでした。


 着替えが済んだ私は、そのまま抱きかかえられて、高い高いを
されたり、肩車されたり、頬ずりされたり、お父様がひとしきり
私をお人形さんにします。
 それは、お父様の楽しみであり、私の楽しみでもありました。

 そうやってから一緒の布団に入るのです。

 これってお勉強頑張ったご褒美なんですから、私としては純粋
に嬉しいことなんです。そりゃあ他の人に見られれば恥ずかしい
ことなのかもしれませんが私とお父様だけの場所なら私には何の
問題もありませんでした。

 ところがその夜は久しぶりのお着替えで緊張したのか、下着に
お父様の手が掛かった瞬間、私の顔が一瞬曇ります。

 『えっ!!』
 どぎまぎする私。
 それって、当の私にも説明できない心の動きでした。

 きっと、それまで一度も意識したことのなかった私の性がその
瞬間だけ、人生で初めてうずいたんだと思います。
 いくら外からの情報が無い私でも女の子としての身体が素直に
反応したわけです。

 もちろん、お父様が自分とは違う性であることは私だって幼い
頃から知っています。知ってはいますが、それを体で感じたこと
なんて一度もありません。この時が初めての経験でした。

 私はほんの一瞬顔を曇らせただけでしたが、でもそんな微細な
変化にもお父様は気づきます。

 「どうしたんだい?私の顔に何かついているのかな?」
 お父様は苦笑い。

 「んんん」
 私は首を振ります。
 そして……
 「何でもない」
 私はそう言って素っ裸でお父様に抱きつきます。

 この時、ほんのわずかに膨らみかけていた幼い胸の先がお父様
に触れます。すると、また、あの電気信号が起きました。
 でも、ヴィーナスの丘はスベスベで産毛だけ。若草もまだ萌え
だしていません。
 そんな体で私はお父様に体当たりします。

 「……(う・れ・し・い)……」

 いつものようにお父様に抱きしめられた時、さっきまであった
胸の疼きは消え、いつもの安らぎが戻っていました。

 ん~~~これって、ファザコンというやつでしょうか?

 かもしれません。ただ、私だけじゃなくうちの姉妹はみんなが
そうだった気がします。お母様がいない家にあってお父様は神様
みたいなもの。力も優しさも兼ね備えた絶対的な愛の中心地なの
です。
 誰もが逆らえないだけじゃありません。誰もがその愛を目指す
ことになるのでした。

 『お勉強は大変だけど、ここでお父様に抱いてもらえるのは、
そんな辛い時間を我慢したご褒美』
 私はお勉強を当時そんなふうに考えていました。

 そして、そのフレーズはお仕置きの時も同じでした。
 『お仕置きは大変だけど、辛い時間を耐えたらお父様はきっと
次の瞬間は優しくしてくれる』
 実際、お父様は私の期待を一度も裏切りませんでした。

 我が家ではお勉強もお仕置きも最後は必ずお父様の抱っこの中
でハッピーエンドを迎えることになるのでした。

 ですから、私にとっては膝の上でのお勉強も膝の上でうつ伏せ
になるお尻叩きも同じ出来事(?)。お父様から幸せを得るため
の儀式だったのでした。


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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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