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『斉藤家のお仕置き』 ~§2/お母様のお仕置き~

 『斉藤家のお仕置き』
         ~ §2 お母様のお仕置き ~

 『あ~~あ、やれやれ、やっと終わったわ~~』

 お仕置きが終わり父が居間を出て行くと、由香里はまるで他人
事のように笑い、伸びをしながら大あくび。
 さながら嵐の一夜が過ぎて、今、朝日の当たる部屋で目覚めた
とでも言いたげだった。

 「それじゃあ、ちょっと早いけど、お父さんとのお付き合いも
終わったことだし、私、先に寝るわね」
 由香里はそう言って母の目の前を横切った。
 すると……

 「ちょっと、お待ちなさい。お母さんあなたに聴きたいことが
あるわ」
 母が由香里の足を止める。

 「えっ?」

 振り返った娘に母は肺腑をえぐるような言葉を投げかけるので
ある。

 「あの服……あれ、あなたの服よね?」

 「……あの服って?……」
 由香里はとぼけたが……

 「何言ってるの。今夜、六本木に着ていった服よ」

 「だから、あれは……里美さんが貸してくれて……」

 「嘘おっしゃい。里美さんみたいな大柄な人にあの服が着れる
もんですか」

 由香里は返答に困った。服装に無頓着な父とは違い母にそこは
ごまかせないのだ。

 「調べたらあなたの貯金通帳から12万円引き下ろされてたわ。
あれで買ったんでしょう。……たいした買い物ね」

 「えっ、私の通帳見たの!?へんな事しないでよ。そんなの、
プライバシーの侵害よ!」
 由香里は青くなって訴えたが……

 「何がプライバシーよ。親が娘のお金の使い方心配してどこが
悪いの。ま~だ、高校卒業したばかりのネンネのくせに一人前の
口きかないの」

 「だって、あたし、もう18なのよ」

 「もう18なんじゃなくて、まだ18よ。高校卒業してどこか
で働いているならまだしも、浪人なんて遊び人と同じじゃないの。
今のあなたは、私たちの子どもという以外、何の身分もないのよ」

 「何よ、そこまで言わなくてもいいじゃないの。……だいいち
あれはお年玉で私のお金だもの。それで何買おうと自由でしょう」

 「そうはいかないわ。親としては娘の浪費癖を見て見ぬ振りも
できないもの」

 「浪費じゃないわよ。必要だと思ったから買ったんじゃない」

 「なら訊くけど、自分で買った物をどうして里美さんに借りた
なんて嘘つかなきゃならないの?あなたに後ろ暗い処があるから
でしょうが……」

 「だって、正直に言ったら、怒ると思って……」

 「そりゃあ怒るわよ。浪人生のあなたが今やらなきゃならない
のはお勉強。あんな処へ行ってはしゃいでいる暇はないはずよ」

 「だから、あれはたまたまお友だちに誘われて……」

 「あらあら、あなたって人は、お友だちにたまたま誘われたら
お小遣い全部はたいてドレスを買っちゃうの?それって浪費じゃ
なくて……」

 「……(だから、言いたくなかったのよ)……」
 由香里は思ったが、もうそれ以上反論しなかった。

 「……それと、里美さんのマンションで仕度したみたいだけど、
里美さんには会ってないわよね」

 「えっ、どうして?」

 「だってその場に里美さんがいたらあんなみっともないメイク
で表に出すわけないもの。あれ、あなたが自分で顔を作ったんで
しょう?」

 「………………」
 これにも由香里は答えられなかった。

 「里美さんは美容部員なのよ。あんなみょうちくりんなメイク
してたら直してくれるに決まってるもの。おそらく清美ちゃんが
お姉さんの部屋の鍵を持ってて、そこをお姉さんのいない留守を
狙って無断借用したってことかしらね」

 『スルドイ』
 由香里の心臓に母の矢が刺さる。

 「もし里美さんのお化粧道具悪戯したんなら後で謝っておくの
よ。誰だって自分のお化粧道具を他人に触れられたくないもの。
ましてや、相手はプロなんだもの、商売道具に手なんかつけたら
すぐにわかっちゃうわよ」

 「はい」
 由香里は素直に答える。母の洞察力に脱帽。白旗を上げるしか
なかった。

 すると今度は母がまるで品定めでもするかのようにまじまじと
自分を見つめていることに由香里が気づく。
 それは、18年間におよぶ母との付き合いで学び取った経験を
踏まえて言えば決してよいことではなかった。

 「あなたも、色んな面で成長したところはあるけど、まだまだ
幼稚な部分も多いわね。そんな幼稚な処は鍛えて強くしないとね。
今日のこと、おさらいしましょう」

 母はそう言ってソファを立ち上がる。
 由香里の顔は真っ青だった。

 母はこの時『お仕置き』という言葉を一言も使っていないが、
でも母の用語を娘が翻訳すると『これから防音設備のある地下室
でお仕置きをします』という意味だったのである。

 今夜、斉藤家のお仕置きは父親だけで終わりではなかった。


 斉藤家の地下室は、仏間の脇にある襖を開けるとそこに階段が
あってそこから下りていく。

 本来、大事な物をしまっておく隠し部屋として作られたもので、
由香里の幼い頃はピアノの練習をする為の部屋だったが、由香里
がピアノをやめてからは、もっぱら母専用のお仕置き部屋として
使われてきた。

 ひんやりとした湿気は由香里にとって今でも恐怖そのもの。
 おまけに土蔵造りで音が外に漏れにくい構造になっているこの
部屋は子どもたちの悲鳴があがっても父を煩わせないですむため、
母にとっても都合がよかったのである。

 六畳ほどのスペース。もちろん電気を点けなければ真っ暗だ。
このため、由香里も幼い頃はよくお仕置きとしてこの部屋に閉じ
込められていた。真っ暗な部屋で泣けど叫べど出してもらえない
恐怖は、今でも由香里のトラウマになっている。

 部屋の電気が点くと部屋の様子がわかる。
 今は使われていないアップライトピアノが奥にデンと置かれ、
古びたソファ、年代物の書棚、鳩時計なども目に入るが、調度品
のようなもの見当たらず、ただ、小天使が女神にお尻を叩かれて
いる可愛らしい油彩が額に入れて飾られているだけだった。

 重い扉を締め切ると、ここでは小さな物音までが反響するよう
になる。由香里にとってはそれもまた大きなプレッシャーだった。

 「さあ、それじゃあ、あなた、そこで裸になりなさい」
 部屋に入るなりさっさとソファに腰を下ろした母が、未だ入口
付近に突っ立ってもじもじしている由香里に向かって命じる。

 「えっ!?……」
 戸惑う由香里に……

 「いいでしょう裸になっても……今は寒い時期じゃないんだし、
女同士なんだから……さあ、パンツもみんな脱ぐのよ」

 「だってえ……」
 母の命に渋々脱ぎ始めた由香里だったが……

 「ほら遅い。さっさとやって。今夜はもう遅いのよ。グズグズ
やってる暇はないわ」
 母は由香里をせかす。

 由香里は渋々服を脱いだ。もとより同性の母だから心の負担は
それほどでもないが、それでも、お風呂に入るわけでもないから
恥ずかしそうにしていると……

 「こちらへ来て」
 母はソファに座ったまま手招きする。

 そして、目の前にやって来た由香里をその場で膝まづかせると、
その身体の表裏を丹念に調べ始めた。

 顔、髪、耳……耳たぶにピアスの穴がまだ開いていないことを
確認すると……小さな胸。実は、由香里の胸は未だにAカップ、
他の場所は人並み発達しているのに、ここだけは遅れていた。

 さらに下がってお臍からその下も……中学時代はまだ薄かった
陰毛も最近は綺麗に生えそろい女らしくなっているが母はさらに
その先も求めたのである。

 「片足をテーブルの上に乗せて……」

 由香里が言われた通り右足をソファテーブルに乗せると、母の
右手が緩んだ太股の間に滑り込む。
 もし見知らぬ男性なら大声を出していたところだ。
 しかし、母は由香里が幼い頃からこうした事を幾度となく繰り
返していた。

 手探りながら、尿道口からヴァギナ、アヌス、クリトリスにも
その指は伸びる。
 少女の聖域も母だけには開放されていたのである。

 だから必要とあらばベッドで仰向けに寝かせ両足を上げて中の
様子を確認するなんてことも……
 もちろん、拒否すれば目の玉が飛び出るくらい痛いお尻叩きを
覚悟しなければならないから、18歳になった今でも、由香里は
違和感なく母の指を受け入れてしまうのである。

 表が終わると裏、つまり背中を見せる。
 もちろん頭も首も肩甲骨も一通り見ていくが、やはりここでの
中心は試練を受けたお尻だった。
 父から受けたゴム鞭のお仕置きがどれほどの効果を上げている
のか、母はそれが知りたかったのである。

 その結論は……
 「ん~~大丈夫そうね。うっ血もそんなにひどくなさそうだし、
これならまだ百回くらい大丈夫だわ」

 『えっ!?何よ百回って……』
 由香里にとってそれは好ましくない母の独り言だ。

 だから、
 「だめよ、まだ、もの凄く痛いんだから」
 とは言ってみたものの……

 「大丈夫よ。少しうっ血が出てるけど、このくらいが平手での
お仕置きにはちょうどいいの。さあ始めましょう。両手を胸の前
で組んで……」
 母は由香里に恭順のポーズを求める。
 
 この恭順のポーズは斉藤家の決まりごとだった。
 もし、このポーズを子供たちが拒否すると、ひどいお仕置きが
目白押しでやって来るから子供の立場としてはやるしかなかった
のである。

 「今日は予備校の自習室に残って勉強しているって嘘をついて
本当は六本木に行っていましたよね?」

 母の問いに由香里は小さく「はい」と答えた。
 もっともそれ以外の答えを母親は期待していないから由香里も
そう答えるしかないのだ。

 すると……

 「いらっしゃい」
 母は自らの膝を叩く。
 ここへうつ伏せになりなさいという合図だ。

 嫌も応もない。久しぶりに素っ裸のまま母の膝の上へうつ伏せ
になった由香里。先ほど父からお仕置きを受けた時も同じように
母の膝にうつ伏せになったが、あの時は父が鞭を右手で使うので
由香里は母の左手から入ったが、今度は母の右手側から滑り込ま
なければならない。
 こんなことがスムーズなのも、由香里自身こうしたことが一度
や二度でない証拠だった。

 「親に嘘をついてはいけません。もし、急用ができて電話した
時、そこにあなたがいなかったら、私たちが心配するでしょう。
今、どこにいるかはちゃんと私たちに伝えなきゃ。そしてそれが
伝えられないような処へは行かないの。わかった?」

 「はい、ごめんなさい」

 「わかったら、その事をしっかりお尻で覚えなさい」
 母はこう言うと由香里のお尻を叩き始める。

 「ピシッ」「あっ、痛い」
 「ピシッ」「ひぃ~~~」
 「ピシッ」「だめえ~~」
 由香里はたった3回ぶたれただけで絶叫する。

 母は父と違って平手。でも、むき出しのお尻を思いっきりぶつ
ものだから、その方がよっぽど痛かったのである。

「ピシッ」「いやあ~~お願い」
 「ピシッ」「もうしませんから~~」
「ピシッ」「だめえ~~壊れるよ~~」

 「いつも大仰な子ね。こんなことで女の子は壊れません。ほら、
ジタバタしないの。足をバタつかせるから大事な処が見えてるわ
よ」

 「ピシッ」「見えてもいい。やめて~~痛いから~~」

 「何言ってるの。痛いのは当たり前でしょう。お仕置きしてる
んだもの。あなた、撫でてもらえるとでも思ったの?」

 「ピシッ」「いやあ~~だめえ~~~」
 「ピシッ」「もうしないから~~~」

 由香里は自分の大事な場所が外気に晒されてもかまわず両足を
バタつかせるが、これで1サイクルが終了。
 母の膝に寝そべっていた大きな赤ちゃんは先ほどの床に戻され
再び膝まづいた姿勢で両手を胸の前で組まなければならない。

 その娘に対して母親は……
 「お母さん、ディスコがどんな処か知りません。でも、受験生
のお前が行くところじゃないのはわかります。あなたは、すでに
社会人の清美さんや大学生の真理さんとは身分が違うの。あの人
たちが行くからって一緒について行っちゃいけないの。分かる?」

 「はい、わかりました」
 由香里はこうとしか言えなかった。

 そして、再び……
 「分かったんなら、ここへいらっしゃい」
 こう言われて母の膝へと戻るのだ。

 「ピシッ」「いやあ~~~もうしないで~~~」
 「ピシッ」「痛い痛い痛い、死ぬ死ぬ死ぬ」
「ピシッ」「いやあ~~もうしませんから~~」

 「ピーピーとうるさい子ねえ。久しぶりにお仕置きされたから
痛いだけでしょうが。このくらいの痛みにも耐えられないって、
18にもなってだらしがないんだから……」

 「ピシッ」「いやあ~~~死ぬ~~死ぬ~~~死んじゃう」

 「こんなことで死にません。大仰に騒ぎ立てないの。あなた、
いつまでも子どもなんだから。お外、通る人に聞こえるわよ」
 母は叱りつけるように言い放ったが効果はなかった。

 「ピシッ」「ぎゃあ~~だめえ~もうしないで、もうしない…
(ゲホ、ゲホ、ゴホ、ゴホ、ゴホン)」
 この時、由香里の喉に痰が絡む。

 すると、咄嗟に母がティシュを娘の口元に当てて吐き出させる。
あっという間の連係プレー。こんなことも日頃お尻叩きが親子で
日常的に行われているからできることだった。

 無論、だからといって、これで終わりではない。

 「ピシッ」「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません」
 「ピシッ」「いやだ、いやだ。もうぶたないで、許してお願い」

 「あ~ピーピーとうるさいわね。あなた、もう小学生じゃない
のよ。少しは慎みなさい。足もバタバタ跳ね上げて、年頃の娘が
みっともないでしょう。いくら親でも目のやり場に困るわ」
 母は、真っ赤になった娘の尻たぶを掴むと、自分の成果を確認
しながら話す。

 一方、由香里はというと、こちらは後ろを振り返る余裕もない
様子で……
 「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません」
 消え入るような声で答えるだけ。

 「ピシッ」「あ~~~~~~」
 「ピシッ」「ひぃ~~~~~」
 「ピシッ」「うっ~~~~~」
 由香里は母に言われて一時(いっとき)母の平手を必死に我慢
する。

 「ほら、ごらんなさい。やろうと思えばできるじゃない。……
女の子は耐えるのが仕事なの。こんなにだらしないんじゃお嫁に
行った先からすぐに追い返されちゃうわね。……いいこと、今度
騒いだら、お仕置きをお灸に切り替えますからね。覚悟しときな
さい」

 母の言葉は由香里には強烈だった。もちろん、お灸を据えられ
たことは過去に幾度もある。だから、それがいかに強烈に熱いか
知っているわけだが、彼女にとって問題はそれだけではなかった。
灸痕と呼ばれる火傷の痕がこの先もお尻に残ったらどうしよう。
由香里の心配はむしろそこにあったのだ。

 「あなた、お年玉を使って大きな買い物をする時は、必ず私に
相談するって約束したわよね。あの約束はどうなったの?反古?」
 母はそう言うとお尻を叩く。

 「ピシッ」
 「うっ……それは……(そんな約束したっけ?)」
 母との約束はどうやらなかったみたいだが、そんなの関係ない。
こんな時、母は勝手に約束を追加してしまうのだった。

 「あれ、いくらしたの?」
 「ピシッ」

 「じゅう……に…万円くらい」
 由香里は搾り出すような声で答える。

 「そう……あなた、随分お金持ちなのね。たった一晩のことに
12万円も出せるんて……」

 「べつに一晩ってわけじゃあ……」
 由香里が思わず口を滑らすと……

 「あなた、毎晩通うつもりでいたの?」
 「ピシッ」

 「いやあ~~そうじゃなくて……」
 真っ赤なお尻が震える。

 「あなた、何様のつもり。あなたはまだ受験生なのよ。勉強が
第一じゃないの」
 「ピシッ」

 「いやあ~~やめて~~」

 「やめて欲しいのはこっちよ。まるでサーカスの道化役みたい
な下手くそな化粧して、ピチピチのドレス着て、テレビに映った
ときは、いったいどこのバカ娘かしらって思ったわ。あれ、また
やるつもりでいたのかしら?」

 「ピシッ」
 「いやあ~」
 「ピシッ」
 「だめえ~」
 「ピシッ」
 「ごめんなさい」

 「うちもお金のなる木があるわけじゃないの。あなたそんなに
持ってるのなら自分で予備校のお金払いなさい。アルバイトでも
何てでもして自分で大学に行きなさい」

 「そんなあ~」

 「何がそんなあ~~よ。甘ったれるんじゃないわよ」

 「ピシッ」
 「ぎゃあ~~だめえ~もうしないで、もうしない…」

 「ピシッ」
 「いやあ~~~~ああああああ」
 その時、甲高い悲鳴が急に低い声に変わる。

 「あ~あ、何なのこの子、このくらいのことで粗相なんかして、
ホントにだらしないんだから……」

 「ピシッ」

 「……」
 今まであんなにもワーワーギャーギャー騒いでお仕置きされて
いた由香里がその一撃だけ声を出さなかった。

 理由は簡単。恥ずかしかったからだ。
 女の子にとってはどんな痛みより恥ずかしい事が一大事だった
のである。

 母は、由香里を膝の上からいったん払い除けると、呆然として
立ち尽くす娘を尻目にロココ調の書棚へ。
 しかし、母は本を取りに行ったわけではない。今、その書棚に
納まっているのは蔵書ではないのだ。

 色んな種類の鞭やピストン式の浣腸器、お灸をすえるための艾
といった当時子どもを折檻をする為に使っていたお道具の数々が
所狭しと詰め込まれていたのである。

 それを見た由香里の顔が真ざめたのは当然だろう。

 しかし、母は別の折檻を思いついたわけではない。
 書棚の引き出しからタオルを数枚持ち帰ると、由香里の鼻先へ。

 これで自分の粗相を綺麗にしなさいということだったのである。

 幼い子ならこうした場合、母親がやってくれるかもしれないが、
18歳にもなる娘にそこまではしてくれない。
 由香里は、まずその一枚で自分の股間を綺麗にすると、残った
タオルで床も拭く。
 ソファに悠然と腰を下ろす母の目の前で、四つん這いになり、
赤いお尻をフリフリしながら、自分で粗相したオシッコを丹念に
丹念に拭き取らされたのである。

 そして、やっとのことでその仕事が終わると、使ったタオルは
バケツの中へ。
 しかし、これでお仕置きが終わったわけでもなかった。

 由香里は一息入れる間もなく母が視線を動かせば、それだけで
再び母の足元に膝まづく。再度母が視線を動かせば今度は胸の前
で両手を組む。
 長年の習慣。こんな時、親子に言葉はいらなかった。

 「ごめんなさい。粗相してしまいました。お仕置きして下さい」

 「まったく、18にもなって、あなたはよくよくだらしがない
わね。今度やる時はお浣腸してからにしましょう。いいですね」

 「はい、お母様」
 由香里はこう言うしかなかった。
 これ以外、何を言っても叱られるからである。

 「さあ、いらっしゃい」
 由香里は膝を叩く母の声と一緒に再び膝の上へ。

 「どんなに痛くても悲鳴をあげない。身体をジタバタさせない。
お尻叩きは言葉の代わりに痛みをお尻に覚えさせる事が大事なの。
大声を上げたり身体をバタつかせたりしたら、痛みというお薬が
お尻から吸収されないわ。そんなに時はまた別の罰を与えます。
……いいですね」
 凛とした母の言葉。どうやら母は本気モード。

 「はい、お母様」
 由香里に逃げ場はなくなってしまったのである。

 「ピシッ」
 「今度、嘘をついたらどんな罰でも受けます」

 母は、由香里のお尻を一つ叩くたびに口上を述べる。つまり、
口移し。由香里はすぐに母の言葉を復唱しなければならない。

 「今度、嘘をついたらどんな罰でも受けます」

 「ピシッ」
 「今度お尻叩きを受ける時はお浣腸もお願いします」
 「今度お尻叩きを受ける時はお浣腸もお願いします」

 バカなことだと思う。だけどやらなければならなかった。

 「ピシッ」
 「今度お尻叩きで騒いだらお灸のお仕置きもお願いします」
 「今度お尻叩きで騒いだらお灸のお仕置きもお願いします」

 人権侵害だと思う。でもやらなければならなかった。

 「ピシッ」
 「今度約束を破ったらお父様から裸のお尻に鞭をいただきます」
 「今度約束を破ったらお父様から裸のお尻に鞭をいただきます」

 「え~」
由香里が思わず不満を口にしようものなら……
 「何言ってるの!そのくらい当たり前でしょうが!!」
 と、すぐに母から凄まれる。

 「だって、私、もう18だし……」
 などと言ってみても……
 「何言ってるの。18が20でもあなたはお父様の子どもなの。
お父様は他人じゃないのよ」

 「だって~~」
 さらに由香里がごねると……

 「そう、……わかったわ」

 「ピシッ」
 「今度約束をやぶったら、御国園に行きます」

 「ちょっ……ちょっと、待ってよ。そんなのないわよ」
 由香里は思わず顔を上げて母を見る。
 しかし……

 「何言ってるの。あなたお父様のお仕置きが嫌なんでしょう?
だったら仕方がないじゃない。あなたがいくつかなんて関係ない
の。女の子はお嫁に行くまでお父様の娘だもの。お仕置きも当然、
そこで裸になるんだって当たり前。それができないなら、あなた
の居場所は懲戒所しかないでしょう。それをあなたが拒むことは
できないわ。日本の法律では子どもの居場所は親が決めることに
なってるんだから」

 「そんなの人権侵害よ」
 由香里は涙目涙声で訴えるが……

 「何、生意気言ってるの。まだ世間の風から保護されてる身で
大仰なこと言わないのよ。お父様は兄弟の中でもあなたを何より
大切になさってるんだから。その好意を無にしちゃいけないわ。
今日だって、あなたのスカートを捲ろうとしたら首を振って止め
たのはお父様なのよ」

 「どうなんだか。時々私のこといやらしい目で見るんだから。
心の中じゃ何考えてるんだかわからないわ」

 由香里は反発したが……
 「由香里!!いい加減になさい!!」
 母に一喝されるとその後はまた床に視線を落としておとなしく
なってしまう。

 結局……
 「今度約束をやぶったら、御国園に行きます」
 由香里は母にこう言わざるを得なかった。

 斉藤家の子どもたちはこうして母親の言いなりに次の機会での
お仕置きを色々と約束させられてしまう。
 
 「さあ、もう一度よ」
 母はそう言うと再び娘のお尻を叩き始める。

 「ピシッ」
 「今日はどこへ行ったの?」

 「ディスコです」

 「ピシッ」
 「お父様にはお断りを入れたの?」

 「いいえ」

 「ピシッ」
 「嘘をついたの?」

 「そうです」

 「ピシッ」
 「ディスコへ行くためドレスを買ったわね。それは、ちゃんと
ご報告した?」

 「いいえ」

 「ピシッ」
 「じゃあ、罰を受けても仕方がないわね」

 「はい……でも、もうやめて、痛くて痛くてもうだめなんです」
 突然、由香里は泣き言を言ったが……

 「ピシッ」
 「何言ってるの。痛いからお仕置きなんでしょうが……最近は
お仕置きが減ってるからあなたのお尻がだらしなくなってるだけ
よ。我慢しなさい」

 「ピシッ!!」
 母はそれまで以上の威力で由香里のお尻を叩く。

 「…………」
 思わず海老ぞりになった由香里だったが声はでなかった。

 すると……
 「ほら、ごらんなさい。静かにできるじゃない。甘えないの」

 「ピシッ!!」
 再び強い衝撃が……

 「だめえ~~~もうホントにだめ~~~」

 「もう聞き飽きました。そんなに私たちのお仕置きがいやなら
やっぱり御国園に行きなさい」
 「ピシッ!!」

 「だめえ、それはもっとだめ」
 由香里は声を振り絞り必死になって頭を左右に振ってみせるが
……

 「あなたみたいに根性のない子は一日中お仕置きしてくれる処
で鍛えてもらった方がいいの」
 「ピシッ!!」

 「いやあ、絶対に嫌~~~」

 「だったら素直になりなさい」
 「ピシッ!!」

 「ごめんなさい」

 「そう、じゃあ、私たちのお仕置きなら何でも受けるのね?」
 「ピシッ!!」

 「はい」

 「次に悪さしたら、お股の中にお灸。わかりましたか?」
 「ピシッ!!」

 「はい」

 「ベッドに縛り付けて歯が折れるほど熱いのをすえてあげます。
いいですね」
 「ピシッ」

 「はい、いいです」

 「鞭はケイン。百回は叩きますよ。皮膚が裂けて血が出るけど
仕方ないわね」
 「ピシッ!!」

 「はい」

 「お浣腸も必要ね。しっかりお腹にグリセリンを入れてあげる
から、お庭でしてちょうだい」
 「ピシッ!!」

 「はい」

 「そうね、誰もいないと寂しいでしょうから、お父様に見てて
いただきましょう。いいですね」

 母がそう言うと、これまで従順だった由香里が再び顔を上げる。
でも……
 「何なの!不満なの。御国園の方がいい!」
 こう凄まれると由香里は何も答えられない。

 父の目の前で排泄するなんて、女の子にとってはぶたれること
より何倍も強いショックだったのだ。


 母のスパンキングはたっぷり平手で50回。赤いお尻は感覚が
なくなるほどジンジンしていて、女の子としてのプライドもズタ
ズタ。心も折れて放心状態になった娘を今度は母がやさしく抱き
上げる。

 「良い子ね、あなたは私の天使ちゃんなの。もうおいたしちゃ
だめよ」

 こうして抱き上げられ子は幼児に戻って、
 「はい、お母様」
 と返事をしなければならなかった。

 実は、ここまでが斉藤家のお仕置き。
 もし、これを嫌がると……

 「ピシッ」
 「いやあ~~~ごめんなさい、もうしませんから~~~」

 最初に戻ることになるのだった。

*********************

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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