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10月8日付

<10月8日>

 僕がまだ小学生の頃だから大昔のことだけど、
ちょっとした用事があって独りで東京へ出かけた。

 今は東京くらい誰だって行くと思うが、当時の親は
やっぱり心配だったのだろう、ブルトレの車掌さんが
起こしに来てくれ、もうじき着くよと教えてもくれた。

 そんなにして出かけた東京だったが、当時はまだ
街の規模が大きいというだけで未来都市のような
ものを想像していた僕にはむしろがっかりだった。

 ただ、驚いたことも沢山あった。

 地下を走る鉄道に初めて乗ったし田舎にはない
高い高いタワーにも昇った。ただ、一番驚いたのは
何といっても同じ年頃の子の仕草や言葉遣いだった。

 僕だって草深い田舎の町にいれば大人たちから
「都会的であか抜けてる」なんてね、そんな評価が
もっぱらだったのだよ。
ところが、東京へ来るとそんな自分が『一匹の山猿』
でしかないことに気づかされるんだ。

 お世話になった東京のお家は大豪邸で自分と同じ
小五のお嬢さんが相手をしてくれたんだけど……、
この子が自分の父母をごく自然に「お父様」「お母様」
と呼んだのには目の玉が飛び出るほどびっくりした。

 田舎者には『これはドラマかあ~!』ってなもんである。

 そして、もう一つは、そこの家族と街へお出かけした
ときのことだ。

 彼女がそこでちょっとした不始末をしでかしたんだけど
……
 その時、そこのお母様が……「帰ったらお仕置きね」
とまるで夕飯の献立でも思いついたかのようにあっさり
した口調で宣言。
 娘の方も顔色一つ変えず……「はい、お母様」だもん。

 『東京の子って子供じゃない!』と思った。

*)
<左上>
昔ながらの『お父様』といった感じのイラスト。
<右下>
ヴァイオリンを手にしたタイトスカート姿の女性の写真。
僕のイメージでは『先生』というとこんな感じだ。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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